抗菌リフォームは細菌・ウイルス対策におすすめ!基礎知識を解説

更新日:2024年02月21日

抗菌リフォームは細菌・ウイルス対策におすすめ!基礎知識を解説

在宅ワークの普及など自宅で過ごす時間が増えるなか、細菌やウイルス対策として「抗菌リフォーム」が注目を浴びていることをご存知ですか?この記事では、「抗菌リフォームとは何なのか」「抗菌リフォームにはどんな種類があるのか」など、基礎知識をわかりやすく解説しています。また、抗菌リフォームにかかる費用や工期の目安なども紹介しているので、ぜひ最後までお読みください。

(※記事内情報引用元:株式会社サンゲツ)

抗菌リフォームって何?

抗菌リフォームは細菌・ウイルス対策におすすめ!基礎知識を解説

そもそも「抗菌リフォーム」という言葉を初めて耳にした方もいらっしゃるのではないでしょうか?
まずは抗菌リフォームとは何なのか、その意味を確認してみましょう。

抗菌とは、細菌の増殖を防ぐこと

抗菌リフォームについて知識を深めるためには、まず「抗菌」の言葉の意味を理解する必要があります。
抗菌と似た言葉に「殺菌」や「除菌」があるので、それらの意味もあわせてチェックしてみましょう。

・抗菌:人体に有害な細菌やウイルスの増殖を防ぐこと
・殺菌:特定の細菌やウイルスを死滅させること
・除菌:細菌やウイルスを取り除くこと

抗菌の意味を確認すると、殺菌や除菌とは目的が異なることが理解できます。
抗菌の最大の目的は、細菌やウイルスの増殖は防ぐものの、体の抵抗力が落ちない程度に菌を残すことです。

なお補足すると、殺菌は法令により医薬品や医薬部外品にしか使用が許可されていない表現です。
一方、除菌にはそういった決まりがないため、殺菌という言葉を使えない商品によく用いられます。

抗菌リフォームとは

抗菌の言葉の意味を確認した通り、抗菌リフォームとはマイホームを細菌が増殖しにくい環境にリフォームすることです。

抗菌リフォームが実施できるのは、一戸建てに限った話ではありません。
賃貸マンションでは大家さんの許可が必要な工事もあるので難しいかもしれませんが、分譲マンションなどであれば室内を抗菌リフォームすることは可能です。

抗菌リフォームの例

続いて、代表的な抗菌リフォームの例を紹介します。

抗菌機能のある薬剤で室内をコーティングする

最も手軽な抗菌リフォームとして最近注目を浴びているのが、抗菌機能のある薬剤や塗料でコーティングする方法です。

人体に無害な薬剤で室内の壁や床などをコーティングし、細菌が増殖しにくい環境を整える手法があります。
薬剤の性質にもよりますが、家具家電を部屋に置いたままコーティングできる薬剤も登場しており、家具などを動かさなくても良いのは便利です。

このように室内を抗菌機能のある薬剤でコーティングするリフォームなら、半日〜1日くらいの所要時間で施工が完了します。
スピーディーに施工できるので、「急いで抗菌リフォームしたい!」と考える方でも利用しやすいですね。

抗菌塗料で外壁塗装する

抗菌塗料で外壁塗装する

次に紹介する抗菌リフォームの例は、抗菌塗料を使った外壁塗装です。

一般的な一戸建ては、10〜15年を目安に外壁をメンテナンスする必要があります。
>その際に抗菌機能がある塗料を使用し、細菌が増殖しにくい外壁にするという方法です。

ただし外壁への抗菌機能は、主にカビの抑制を想定している商品も多くあります。
もちろん抗菌塗料の中には「ウイルスの増殖抑制を期待できる」と謳っている商品もあり、そういった商品であればウイルスの抗菌については期待できるのかもしれません。

抗菌機能のある壁紙や床材に張り替える

抗菌機能のある壁紙や床材に張り替える

そのほかの抗菌リフォームの例として、壁紙や床材を抗菌機能のあるものに張り替える方法があります。
抗菌効果のある壁紙はサンゲツなどの有名メーカーも販売しており、実際の科学試験で抗菌効果の検証も行われました。
サンゲツでは、「ヒカリケアSG5716~5737」という抗菌壁紙の機能について、次のようなウイルスや細菌への抗菌効果を実証しています。

・A型インフルエンザウイルス(H1N1)
・ネコカリシウイルス(ノロウイルス代替)
・O157(腸管出血性大腸菌)
・MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)
・高病原性鳥インフルエンザH5N1ウイルス

このように、抗菌壁紙を室内に張ると感染症の原因となる細菌やウイルスの増殖を抑制できることが、科学的に証明されているのです。

部屋の壁を漆喰にリフォームする

部屋の壁を漆喰にリフォームする

最も大掛かりな抗菌リフォームとして、部屋の壁を漆喰にリフォームする方法があります。
近年の新築住宅や分譲マンションでは、クロス張りの壁が主流ですよね。先述のように抗菌壁紙を張る方法もあるのですが、「より徹底的にウイルス対策をしたい」と考える方であれば、室内の壁を漆喰に変える抗菌リフォームも検討したいところです。

なぜ室内の壁を漆喰にすると抗菌リフォームになるのか。
それは、漆喰という素材自体が抗菌機能を持っている天然素材だからです。
漆喰はpH12以上の強アルカリ性を示す素材であり、この強アルカリ性こそが抗菌作用そのものなのです。

強アルカリ性というのは、細菌やウイルスを含めた生物にとっては非常に生きにくい環境だと言えます。
そんな強アルカリ性を示す漆喰だからこそ、細菌やウイルスの増殖を防ぐ効果があるんですね。

なお現在クロス張りの壁を漆喰にリフォームするには、1度クロスを剥がしてから漆喰を塗る必要があります。
また、下地の状態によっては複数の工数を踏まなければならないケースもあるので、壁紙張り替えよりは大掛かりな工事になると考えておきましょう。

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抗菌リフォームの効果

抗菌リフォームの効果

ここでは、抗菌リフォームを行うことで得られる効果をまとめています。

インフルエンザなどにも効果が期待できる

抗菌リフォームをすれば、感染症の原因となる細菌やウイルスの増殖を抑制しやすくなることでしょう。
先述のように、サンゲツの抗菌壁紙では、インフルエンザウイルスなどに対しても効果があることが実証されています。

カビの繁殖を抑制できる

抗菌リフォームを行うメリットとして、カビの繁殖を抑制できる点が挙げられます。
外壁のカビを防ぐために、外壁塗装で抗菌塗料が用いられている点は先述のとおりです。

消臭機能があり、生活臭を軽減できる

抗菌機能を備えている商品の多くは、同時に消臭機能も備えていることが多いです。
そのため、抗菌リフォームを行うと、生活臭を軽減する効果が期待できます。

臭いの原因は雑菌にある場合もあり、抗菌機能が備わっていれば、雑菌由来の臭いも軽減できるからです。

どの抗菌リフォームを選ぶのが最適?

どの抗菌リフォームを選ぶのが最適?

抗菌リフォームの代表例としていくつかの種類を紹介しました。
実際に抗菌リフォームを実施するのであれば、どの方法を選べばよいのでしょうか。
抗菌リフォームを検討する際は、次の3つのポイントに注目する必要があります。

・抗菌効果の持続期間
・工事期間
・費用

紹介した抗菌リフォームは、工事の内容によって工期や費用が変わってきます。
また、特に注目したいのは抗菌効果の持続期間です。
抗菌リフォームごとに持続期間と工期、費用の目安を表にまとめましたので、そちらをご覧ください。

抗菌効果 工事期間 費用
室内を薬剤コーティング 約1年 半日〜1日 比較的安価
外壁を抗菌塗料で塗装 約10〜15年 数日〜2週間 3,500〜5,500円/㎡
抗菌壁紙に張り替え 約10年 数日〜2週間 1,000〜2,000円/㎡
室内の壁を漆喰に変更 15年以上 数日〜3週間 3,000〜7,000円/㎡

今すぐ対策したいなら薬剤コーティング

「家族の健康が心配だし、今すぐ対策したい!」と考える方には、薬剤を使った室内のコーティングが最適です。
施工は半日〜1日ほどで完了するので、非常にスピーディーに抗菌リフォームができます。

ただし注意したいのは、薬剤コーティングでの抗菌機能は約1年ほどしか持続しない点です。
即効性はありますが持続性はないので、長期にわたり抗菌対策をしたいのであれば、改めて別の方法で抗菌リフォームする必要があります。

なお薬剤コーティングについては実施している業者がそれほど多くはなく、費用に関する情報が少ないのが実情です。
しかし、施工が1日で完了することから、人件費などのコストはかからないため、比較的安価に施工ができると考えられます。

コストを抑えて抗菌リフォームするなら壁紙張り替え

できる限りコストを抑えつつも長期的な効果持続を希望する方は、壁紙張り替えによる抗菌リフォームがおすすめです。

サンゲツの製品だと「抗菌効果は約10年持続する」と公式サイトでも明記されていますから、薬剤リフォームよりも長期的な効果を期待できます。

ただし抗菌壁紙は通常の壁紙よりも材料費が高くなるため、通常のクロス張り替えリフォームよりは費用がかかることを覚悟しておきましょう。
また工期も少しかかります。

外壁塗装の時期が来ているなら、抗菌塗料もアリ

外壁塗装に抗菌塗料を使用する抗菌リフォームについてですが、外壁が劣化していないのに塗装工事をするのはあまりおすすめできません。

外壁塗装は1回実施するのに足場代などの様々なコストがかかる割に、屋外の抗菌リフォームなので室内環境には影響を及ぼさないでしょう。
ですから、マイホームの外壁が劣化してきて、近いうちに外壁塗装を実施する必要がある場合には、抗菌塗料を検討してみてもいいかもしれません。

長期的な効果を望むなら漆喰リフォーム

クロス張り替えよりも長期的な抗菌効果を望む方なら、室内の壁を漆喰にリフォームするのがおすすめです。
天然素材の漆喰は、古来から重要な建築物にも使用されてきた素材です。
素材自体の耐久力が非常に優れているので、壁紙張り替えよりも長期的な効果を期待できることでしょう。

ただし漆喰リフォームはクロス張り替えより手間も時間も技術も必要なぶん、施工費用は高額になってしまう点には注意が必要です。

まとめ

まとめ

今回の記事では、最近注目を浴びている抗菌リフォームに関する情報をまとめました。
記事の要点を簡単にまとめると、次のとおりです。

・抗菌リフォームとは、細菌やウイルスの増殖を防ぐためのリフォームのこと
・抗菌リフォームにはいくつかの方法があり、抗菌機能の持続期間がことなる
・抗菌リフォームの中には、実証実験で抗菌効果が証明されているものもある

抗菌リフォームの中には1日で手軽に済ませられる施工や、長期間にわたり抗菌効果を期待できるものもありました。
もし抗菌リフォームに興味がある方は、まずは対応している業者を探して相談してみましょう。

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