リフォーム見積書のチェックポイント8選!わかりづらい諸経費も解説

更新日:2024年09月24日

見積書で知っておきたい8つのポイント

リフォーム会社を探す際に必ず見ることになる「リフォーム見積書」、しかし、普段なかなか見る機会のないものなので、どこに注目して判断をすればよいのでしょうか?ここではそんな見積書の見方と判断ポイントについてご説明します。

リフォーム見積もり金額の内訳

見積書は材料費、施工費、諸経費で構成されている

リフォーム費用、つまりリフォームの見積書の中身というものは、「材料費」「施工費」「諸経費」 で構成されています。

いくらかかるのか、総額ばかりが気になるかもしれないですが、何にいくらかかっているのか、書き方はわかりやすいかなどを見落とさないようにしましょう。

見積書の具体的な見方や基本用語については後ほど詳しくご紹介しますが、まずは工事にかかる費用の大まかな仕組みを理解しておきましょう。

まず「材料費」はその名の通り、キッチンやトイレなどの製品・機器や、リフォーム工事で必要になる建材の費用、「施工費」は職人達の人件費です。
そして「諸経費」とは、工事の進捗状態やスケジュールを取り仕切るための現場管理費や、リフォーム会社を維持するための経費のことを指します。

見積書のチェックポイント8選

見積書が手元に来て、まず気になるのは金額ですよね。
しかし、見積書でチェックするべきポイントは金額だけではありません。

各内容を、順を追ってきっちり確認しましょう。
途中で疑問に思うことが出てきたらメモしておき、営業担当に質問しましょう。

施工会社によって見積書のフォーマットは異なりますが、チェックすべき項目は下記8点です。

ここだけは見て!"リフォーム見積書" 8つのチェックポイント

①作成年月日

リフォームの見積書は、一度で納得できなければ何度か修正を依頼する場合があります。

それぞれの見積書はそこまで大きな違いがないため、取り違えてしまうこともあるかもしれません。
誤解をしないためにも、いつの時点の見積書かまず作成年月日を確認しましょう。

② 押印されているか

押印も署名もない場合、その会社の正式な書類として発行されていないかもしれません。

単なる押印忘れである可能性もありますが、万が一、後日見積もりの内容でトラブルになったときのことを考えて、必ず押印されているか確認をしましょう。
押印がない場合には、押印したものを改めてもらい直すとよいでしょう。

③ 型番は記載されているか

使用する設備や部材の商品名、メーカー型番まで記載されているかを確認しましょう。

指定のメーカーがある場合、間違いがないかもチェックしましょう。
価格が適正か気になる場合は、商品名や型番をインターネットなどで検索してみてもよいですね。

④単価の記載があるか

それぞれの項目に単価が記載されているか確認しましょう。
単価が漏れていたり、同じ商品なのに他社の見積もり金額と大きく差があったりする場合は、担当に確認しましょう。

⑤部材・材料は適切な量か

施工面積や時間、数量などが記載されているかチェックしましょう。

異様に多いと感じたら担当に確認をしたほうがよいですね。
故意に数量を水増ししていることもあるので要注意です。

しかし、面積や施工時間はリフォーム会社によって算出方法が様々ですので、他社と差があるからといって問題があるとは限りません。
リフォームプランと照らし合わせて、妥当な数かどうかも確認したほうが良いでしょう。

⑥ 諸経費は何%か

見積もり内訳の中にはたいていの場合、「諸経費」という項目があります。
「管理費」「その他の経費」などと記載されることも多く、具体的な中身がわかりにくいものです。

一般的に諸経費には、事務所の水道光熱費、通信費、営業担当者などの交通費や車両費など、一つ一つ細かく計算することが容易ではないものが含まれるケースが多いです。

諸経費は通常、工事費全体の10~15%と言われています。
これは会社によって内容が異なるため、説明が難しいところではありますが、他社より高いと感じたら理由や何が含まれているかなどを聞いてみるとよいでしょう。

注意していただきたいのが、「諸経費が高い=悪徳業者」ではないということです。
諸経費が低額でも、工事費が高額だった場合、総工事費は結局安くはありません。
大切なのは、全体のリフォーム費用との釣り合いです。

⑦ 合計金額はあっているか

ここまで来てようやく合計金額のチェックです。

念のため各項目の計算をし直し、間違いがないかを確認しておけば安心です。
特に2回目、3回目の見積もりの場合、合計金額は以前のままで更新されていないこともあるので注意して見たほうが良いですね。

⑧有効期限はいつまでか

見積書には有効期限があるものがほとんどです。

大体いつまでに判断すればよいかの目安として事前に確認をしておきましょう。
有効期限を過ぎたからといって全てが無効になるとも限らないですが、期限を過ぎると金額が変わることもあります。

有効期限に関して注意しておきたいのが、短すぎる期限を設定し、契約を急がせるものです。
今月中に決めてくれたら安くしますというようなものは、悪質な業者のおそれもありますので注意してください。

リフォームは即決できるものではありません。
それをきちんと理解してくれて、誠実な対応をしてくれる会社に決めましょう。

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見積書の基本用語

「見積書を出してもらったのはいいけど、知らない言葉が多くてよくわからない」と思う方はたくさんいるはずです。

そこで、よく出てくる基本的な用語についてまとめました。
(※表内の用語をクリックすると、詳しい説明をご確認いただけます。)

基本用語一覧
一式 材工 人工
小運搬 足場掛払損料 木工事費
左官工事費 手間・労務費(人件費) 建具工事費
電気工事費・電気設備器具工事費 給排水(衛生)工事費 板金工事費
仮設工事・養生工事費 別途付帯工事費 雑工事費-

見積書に書かれた内容を詳しく知りたいとき、ぜひ参考にしてみてください。

基本用語一覧

一式
複数の工事項目・品目を一つにまとめたときの言い方です。
細かく記載すると分かりづらくなってしまう場合、「一式」という表記をすることがあります。
材工
材料代と施工費を合わせて、という意味です。
壁紙をリフォームするなら、壁紙材+施工費。屋根の葺き替えなら、屋根材と葺く手間代を合わせた金額。フローリング張りなら、フローリングの本体価格と、床材を張る手間を合わせた金額を指します。
人工(にんく)
1日における一人当たりの施工手間料のことです。
「2人工」と書かれている場合、2人で1日かかる、もしくは1人で作業をすると2日かかるという意味です。
業種や地域によって金額に差があります。
小運搬
狭い敷地などで、トラックをリフォーム場所のすぐ隣にとめる事ができない場合、駐車できる場所から人の手で資材を運ばなくてはならないため、その手間賃がかかるということです。
足場掛払損料
屋根や2階以上の高い箇所を工事する際、足場を組む必要があります。
工事完了後に足場は撤去されますが、組み立て・撤去のための料金がかかります。
木工事費
主に木材の加工や組み立てなどの工事にかかる費用です。
屋根、柱、梁、天井、土台、外壁のほか、化粧ボード・石膏ボードや断熱材など、工事範囲が広いです。
左官工事費
内壁・外壁、土間や塀などといった住宅の表面の仕上げの塗り工事で発生する費用。
珪藻土などの壁土塗りや、モルタル塗り、漆喰仕上げといった、様々な材料を使います。
手間・労務費(人件費)
施工作業を行う人達の人件費です。
一般的に見積書では工事の内容ごとに「取付工事費」「清掃作業費」などと作業名で記されます。
建具工事費
玄関ドアやふすま、窓・サッシなどの仕切り部分の建具工事にかかる費用。
建材やリフォーム箇所によって「金属製建具工事費」「鋼製建具工事費」「窓建具」などと表記されることがあります。
電気工事費・電気設備器具工事費
配線や電気機器・器具の設置などにかかる費用。
コンセントやスイッチの位置変更のときに行う配線工事が対象です。
給排水(衛生)工事費
キッチン・トイレ・洗面所・浴室における、給湯・給排水の配管工事費です。
既存の配管が劣化・破損しているときには修繕・交換工事なども行います。
板金工事費
屋根・雨樋の改修のときに使われることが多く、加工済みの金属性の薄い板を取り付ける工事で発生する費用です。
「建築板金(ばんきん)工事費」「板金加工取付工事費」と書かれることもあります。
仮設工事・養生工事費
養生(ようじょう)とは、マスキング材やシート、緩衝材などで作業箇所やその周りを保護すること。
工事のときの足場や養生、仮設トイレなどの設置費用にもコストがかかります。
別途付帯工事費
リフォーム内容の変更・追加があった際にかかる費用。
仕様・設計を変更したときや、工事を開始してみないとわからない地盤調査や外構リフォームの費用が含まれます。
具体的な額を明記できないことがほとんどです。
雑工事費
以上のような工事には含まれない、もっと細かい工事作業で必要になった費用のことです。
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良い見積書・悪い見積書の違い

良い見積書と悪い見積書の特徴を比較した図

何かと専門用語が多い見積書ですが、できれば自分で良い見積書か悪い見積書か、判断できるようにしたいですよね。
そこで、良い見積書と悪い見積書を見極める簡単なポイントについてご紹介しておきます。

良い見積書とは

まずきちんとした良い見積書には、「摘要」欄が詳細に書かれています。
摘要には、商品名や商品のサイズ・仕様、また改修が必要なときには補修費などが記されます。
なお、複数箇所のリフォームを行うとき、部屋名ごとに項目が分かれている見積書も最善なものと言えるでしょう。

商品の詳細金額や、各部屋にかかるリフォーム費用の内訳がしっかり表記されていれば、なぜこれ位の金額になるのか説明しようという意志が伝わり、とても親切だと思えますよね。

悪い見積書とは

逆に、あまりにも工事内容が不明瞭な見積書は、悪い見積書と考えてよいでしょう。
特に、本来ならば説明しやすい単位(㎡など)もまとめて「一式」と書いてある、「材工」と表現しているものがやたらと多いなど、とにかく詳細をはっきり書いていないものは、金額が高い低いに関わらず注意しなくてはいけません。

例えば「施工面積◯㎡につき◯円」などと書いてあれば、見積りを依頼した方も納得しやすいですよね。
導入する商品が決まっているのにも関わらず、商品本体の価格が記載されていない、商品名自体が書かれていない場合は、必ず内容を聞いてクリアーにしておきましょう。

「材工」という表記が怪しいかどうかは基準が難しいところだとは思いますが、工事を行うにあたり材料を発注するときに材料費はある程度は分かるはずです。
何でもかんでも「材工」と書かれている見積書があったら用心しましょう。

見積書に署名を求められたら注意!

本来、見積もりの段階では依頼者側が署名をすることはありません。
しかし、まれに見積書に署名や捺印(なついん)を求める承諾欄が書かれているケースがあるので注意してください!

安易に署名や捺印をしてしまうと、そのまま契約したことにする悪徳な業者がいます。
もし見積もりの段階で署名を求められたら、理由・説明を必ず聞いてみるようにしましょう。

見積書の内容を担当と一緒に指差し確認

見積書のチェックは、実際にリフォームする場所を見ながら、工事の内容を担当者と一緒に指差し確認するのがおすすめです。
工事の範囲が思っていたものと違っていて、後から追加費用がかかったという話もあります。

例えば設備を入れ替えた際に、古い備品の廃棄処分に別途料金が発生するとは知らなかった、などというトラブルはよく起こりがちです。
担当者と依頼者との間で、イメージや認識の差があるのは当然のことと考えておきましょう。

その上で、工事部分や作業の領域はどこまでか、どこまでが見積書の内容に含まれているのか、見積書上の項目で不明点があれば、必ず質問してください。
口頭の説明だけでは分かりにくい場合、図面や仕様表を活用してもらってもよいですね。

このとき、対応がきちんとしているかどうかも大事なポイントになります。
親身になってリフォームを実施してくれる業者を選択することが、理想の住まいに近づく一番の決め手になります。

【この記事の要点まとめ◎】

見積書をチェックする際のポイントは何ですか?
「作成年月日」「押印の有無」「型番」「単価」「部材・材料の量」「諸経費の割合」「合計金額」をチェックするようにしましょう。
詳細は、こちら
「良い見積書」と「悪い見積書」の違いは何ですか?
良い見積書は、工事内容・単位(㎡など)・金額の内訳といった項目について、詳細に書かれています。
一方、悪い見積書は工事内容がかなり不明瞭であるため、内容をきちんと確認する必要があります。
見積もりの段階で、注意すべきことはありますか?
まれに署名や捺印を求められる場合がありますが、見積もりの段階で依頼者側が署名をすることは本来ありません。
安易に署名や捺印をしてしまうと、そのまま工事契約したことにする悪徳業者がいるため、ご注意ください。
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