家の解体でお祓いは必要?お祓いとは?
結論から言えば、家の解体でお祓いは行わなくても問題ありません。
なぜなら、お祓いはあくまでも宗教上の儀式だからです。
お祓いは、厄災を除くために行う儀式のことで、古くから伝わる神事の一つとして行われてきた風習です。
日本では古くから「物」には魂が宿っており、処分するときはお祓いによって魂を抜いてから処分するとよいと考えられてきました。
そのため家の解体時にも、家に宿っている「魂」を抜くこと、とくに邪気を清めることを目的にお祓いをすることが多いのです。
また解体時のお祓いには、安全を願う意味も込められています。
解体する家の思い入れが強かったり、土地や家にお礼したいと思ったりした場合は、気持ちを整理するためにもお祓いを依頼してもいいかもしれません。
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神道や宗教で考えが異なる
前述の通り、お祓いは宗教上の儀式のため、工事の依頼主(施主)が信じる宗教によって考え方はそれぞれです。
「考え方」による違いについて、見ていきましょう。
神道の場合
神道とは日本人の文化に深く浸透している宗教のことで、お祓いは神道が行う儀式です。
神道では人が所有する物や自然界の物質に、神または霊魂が宿るという考えがあります。
家を解体する場合、その家や土地にも神が宿ると考えており、「解体する家で安全に生活できたこと」を、神へのお礼としてお祓いをする目的があります。
お祓いは『古事記』などに見られるほど古い時代から日本に伝わる風習として、現在でも残っているのです。
ほかの宗教の場合
仏教の場合には、神または霊魂が家や土地に宿るという考え方は存在しません。
したがって、家を解体するときにお祓いをする風習がなく、行われるケースは稀(まれ)です。
またキリスト教の場合には、「悪魔祓い」の風習はありますが、仏教と同じく解体時にお祓いをする風習はありません。
家の解体時に行われるお祓いの種類4つ
家の解体では主に「解体清祓(かいたいきよばらい)」というお祓いを行います。
場合によっては、ほかにも「井戸祓」や「樹木祓」い、仏壇や神棚に行う「魂抜き」というお祓いを行うこともあります。
ここでは、家を解体するときに行われるお祓い4種類をご紹介します。
解体清祓(かいたいきよばらい)
住んでいたり使用したりした家を解体するときに「解体清祓」は行われます。
解体作業に着工する前に行い、家の守り神に対して解体することと感謝の気持ちを伝え、何事もなく工事が終了するのを祈ります。
家屋の守り神とは、「屋船豊受姫神(やふねとようけひめのかみ)」と「屋船久久遅神(やふねくくのちのかみ)」のことを指します。
一般的に神社の神主さんが出向き、敷地内でお祓いを行います。
井戸祓
「井戸祓」は、井戸を埋める前に行われるお祓いです。
古くから日本では、「水のある場所には神が宿る」と信じられており、水の恵みを与えてくれる神様が宿っているとされています。
井戸に宿っている神様とは、「弥都波能売神(みつはのめのかみ)」と「御井神(みいのかみ)」のことを指します。
解体工事中に井戸が発見された場合、そのタイミングでお祓いを行うこともあります。
樹木祓
「樹木祓」は、敷地内にある樹木を切らざるを得ない場合に行うお祓いです。
樹木には「木霊(こだま)」と呼ばれる精霊が宿っているとされているためです。
伐採すると樹木の命を奪ってしまうことになるため、木霊を鎮めなければなりません。
また伐採するのは失礼な行為とされているため、樹木を切るときには樹木祓を行います。
魂抜き
「魂抜き」は仏壇や神棚を撤去したり、移し替えたりするときに行うお祓いで、「こんぬき」や「たまぬき」と呼ばれることもあります。
前述したお祓いと同じ考え方で、仏壇や神棚には魂が宿っているとされており、魂抜きをして物に戻してから撤去や移動をする必要があるのです。
魂抜きは、仏壇か神棚かによって依頼先が異なります。
仏壇は、お寺の僧侶またはご縁のある菩提寺、または近くのお寺に相談しましょう。
神棚は神社の神主へ依頼し、「神棚納め」のお祓いをしてもらいます。
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解体清祓と地鎮祭の違い
結論から言うと、「解体清祓」は家を解体するとき、「地鎮祭(じちんさい)」は家を建てるときに行うという違いがあります。
地鎮祭を行う目的として、その土地にいる神様に「土地を利用させてもらうこと」や「工事の安全」などを祈願します。
もしかしたら実際に立ち会ったり、見かけたりしたことがある方は多いかもしれませんね。
解体清祓と地鎮祭は間違われやすい言葉ですが、目的や意味がまったく異なることを、把握しておきましょう。
解体時にお祓いを行う手順
お祓いを行うには、事前に依頼先を決めたり、お供え物を準備したりする必要があります。
ここでは、お祓いを行う手順について確認していきましょう。
解体清祓の依頼先の選定
近隣の神社に依頼する方法と解体業者に神主を紹介してもらう方法があります。
近隣に神社があり、かつご縁のある神社があれば、そちらにお祓いの依頼をするのが無難です。
そういった神社がない場合には、解体業者に紹介してもらいましょう。
解体業者は解体を生業としていることから、神社とのつながりがあるケースもあるため、一度相談することをおすすめします。
業者選びには、一度に複数の解体業者を比較できる『リショップナビ』が最適です。
神社にツテがある解体業者を探しましょう。
お供え物の購入・準備
家を解体するときに必要となる「お供え物」は、一般的に工事の依頼主である施主が購入・準備します。
解体にともなうお祓いでは、下記4つを準備します。
● 米:1合
● 塩:粗塩を小皿一杯
● 水:コップ1杯
● 酒:1升(一般的に日本酒ですが、地域によって異なる場合があります)
場合によっては、下記の物を準備することもあります。
● 魚:尾頭付き
● 乾物:するめ・海苔・かつおぶしなど
● 野菜・果物
お祓いを依頼する神社によって用意すべきお供え物が異なるため、事前に確認しておきましょう。
お供え物を置く「祭壇」は、基本的には神社側が準備します。
解体清祓当日
解体清祓(かいたいきよばらい)当日は、一般的に下記の流れで進みます。
1. 開式の辞
2. 修祓の儀(しゅばつのぎ):祓い清める
3. 降神の儀(こうしんのぎ):神様を招く
4. 献饌の儀(けんせんのぎ):神様にお食事をお供えする
5. 祝詞奏上(のりとそうじょう):神主や宮司がお祈りをする
6. 清祓いの儀(きよはらいのぎ):建物の四隅と入り口をお祓いする
7. 取毀の儀(とりこぼちのぎ):柱を木槌で叩いて神様に解体を知らせる
8. 玉串奉奠(たまぐしほうてん):参列者が玉串をお供えする
9. 撤饌の儀(てっせんのぎ):神様へのお供え物を下げる
10. 昇神の儀(しょうしんのぎ):神様を元の場所にお送りする
11. 直会の儀(なおらいのぎ):神酒・神様に準備したお食事(神饌:しんせん)をいただく
12. 閉式の辞
当日にかかる時間は30〜60分程ですが、参列者の数やお祓い内容によって所要時間は前後するでしょう。
家の解体時に行われるお祓いの費用
家の解体時に行われるお祓いの手順や種類が把握できたところで、費用相場についても確認しましょう。
「解体清祓でかかる費用」や「神棚・仏壇の処分費用」、「そのほか追加でかかる費用」についてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
解体清祓でかかる費用相場
まず、解体清祓でかかる費用は、トータル5万円前後が相場です。
内訳について下記の表にまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
内訳 | 費用相場 | 補足 |
---|---|---|
初穂料(はつほりょう) | 20,000~50,000円 | 神主への謝礼金 |
交通費 | 5,000~10,000円 | 神主への車代 |
祭壇の準備費用 | 5,000~100,000円 | 大掛かりに行う場合には、10万円前後になることもある |
お供え物代 | 10,000~20,000円 | 前述の「米・塩・水・酒」などを準備する |
菓子折り代 | 1,000~3,000円 | ご近所に配るための品代 |
食事代 | 1,000~2,000円 | 関係者用のお弁当など |
解体清祓でもっとも費用がかかるのは「初穂料」です。
もちろん依頼する神社によって費用は異なるため、準備する物と一緒に費用についても確認しておきましょう。
神棚・仏壇の処分費用相場
続いて、神棚・仏壇の「魂抜き」が終わったあとの、処分費用の相場を下記にまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
主な処分方法 | 処分の費用相場 | 処分方法を選ぶ基準 |
---|---|---|
菩提寺および神社 | 10,000~100,000円 | 日頃お世話になっている菩提寺がある場合 |
仏壇店 | 20,000~80,000円 | 仏壇を買い替える場合 |
リサイクル業者 | 要相談 | 美術的価値が高く、換金できそうな場合 |
自治体の粗大ゴミ | 400~2000円(各自治体で異なる) | 無宗教かつ、安く処分したい場合 |
依頼先によって、神棚や仏壇の処分費用は異なります。
また、ひとくちに神棚・仏壇といっても、大きさや重さは異なるため、相場がわかりにくいものです。
費用について聞くことは失礼になりませんので、事前に依頼先に確認しましょう。
複数の処分先に連絡するのが手間に感じる場合は、解体業者に確認してもらう方法もあります。
その他追加でかかる費用
最後に、その他追加でかかる費用として、前述した「井戸祓・樹木祓・魂抜き」があります。
それぞれの費用は下記の通りです。
追加でかかる費用一覧 | 処分の費用相場 |
---|---|
井戸祓 | 10,000〜30,000円 |
樹木祓 | 20,000〜30,000円 |
魂抜き | 20,000〜50,000円 |
上記の内容は解体清祓とは別にかかる費用なので、必要に応じて支払うことになります。
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家の解体におけるお祓いに関するよくある質問
ここで、家の解体のお祓いによくある質問をご紹介します。
初穂料の渡し方とのし袋の書き方は?
上記写真の通り、初穂料(はつほりょう)は「のし袋(ご祝儀袋)」に入れて渡します。
外袋と中袋に分かれているタイプは、外袋の表面上部には「御初穂料」と書き、下部に贈る方の氏名を記載します。
中袋には表面中央に旧字体で金額を記載し、裏面左側に贈る方の住所と氏名を書きましょう。
初穂料は、お祓いが始まる前に神主に渡すのが一般的です。
仮に渡しそびれてしまった場合は、お祓いが終わったあとに渡しましょう。
当日はどのような服装にするべき?
お祓い当日の服装に、決まりはありません。
しかしお祓いは儀式ということもあり、何を着ていけばいいのか迷ってしまいますよね。
基本的にはどのような服装でも問題ありませんが、あまりにもラフすぎる格好は避けたほうが無難でしょう。
正装を求められたときにはそれに従います。
心配な方は、事前に依頼先の神主または僧侶に聴いておくと安心です。
のし袋の中身は新札がいい?
のし袋の中身には新札を入れましょう。
なぜなら、初穂料は神様に奉納するお金だからです。
もし新札を準備する時間がない場合は、比較的きれいな旧札を入れます。
汚れていたり、折れ曲がっていたりするお札は避けましょう。
お札を入れる際は、表に人物が描かれた面が上になるようにしてのし袋に入れます。
お祓いは自分でできる?
中には、「住んでいた家に感謝の気持ちを伝えたいけれど、費用がかかるのであれば解体清祓はしなくてもいいかな」と考える方もいるでしょう。
結論を言うと、お祓いは自分でできます。
自分でお祓いをする際は、塩・精米・清酒などを用意し、家の四隅や庭木にまきます。
感謝の気持ちと解体することを報告し、お礼をしましょう。
家の解体でお祓いをするときは解体業者に相談・依頼しよう
本記事では、家を解体するときに行うお祓いの必要性や費用についてご紹介しました。
家を解体する際の主なお祓いとして「解体清祓(かいたいきよばらい)」がありますが、必ず行わなければならないものではありません。
「あのときお祓いをしておけばよかった」と後悔しないためにも、家族で話し合ってお祓いを行うかどうかを決めるとよいでしょう。
お祓い先を見つけるには時間や手間がかかるため、解体業者にツテがないか聞いてみるのもおすすめです。
まだ解体業者を選んでいない方は、一括見積もりが可能な「リショップナビ」で探してみてましょう。
加盟店はいずれも厳しい審査基準をクリアした優良業者ですので、安心してご依頼・ご相談が可能です。
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