解体業者に依頼して工事が行われるまでの流れ
解体業者に依頼して工事が行われるまでの流れは、一般的に以下の4つのステップを踏みます。
● 業者を選ぶ
● 手続きをする
● 解体工事を行う
● 工事後の手続きを行う
それぞれのステップの内容を詳しく解説します。
業者を選ぶ
まずは、解体工事を依頼する業者を選びます。
その際、複数社に相談してみて、最適な会社を選ぶようにしましょう。
業者選びを間違えると、工期が想定以上に延びたり、きれいに解体されなかったりします。
また、詐欺に遭う可能性もあるため、慎重に行うことをおすすめします。
手続きをする
業者を選んだら、家の解体のために必要な手続きを行います。
家の解体に必要な手続きは、主に以下の4つです。
● 建設リサイクル法に関する手続き
● 道路使用許可の申請
● ガスや電気などの停止
● 近隣住民への説明
建設リサイクル法によると、延床面積が80㎡以上の住宅の解体を行う際は、事前に自治体に届け出を行わなければいけません。
また、解体工事の際に道路で作業する必要がある場合は、道路使用許可の申請が必要です。
道路とは歩行者や車が通行するための場所です。
そのため、両者の通行の邪魔になってしまう作業を行う場合は、事前に警察署に届け出ておかなければいけません。
さらに、家を解体する前には、以下のようなライフラインを停止しておく必要があります。
● ガス
● 電気
● ネット回線
● 電話回線
上記にない水道に関しては、工事中に散水を行うため、解体工事終了後に止める必要があります。
全て電話で対処できるので、忘れずに行っておきましょう。
最後に、工事について近隣住民へ説明したり、挨拶したりしておきましょう。
解体工事はできるだけ防ぐようにしても、騒音やホコリが出てしまいます。
そのため、事前に近隣住民へ説明をしておくことで、トラブルを避けやすくなります。
説明の際は、工事の内容や施工期間などを伝えるようにしましょう。
解体工事を行う
手続きが済んだら、契約した業者に解体工事を行ってもらいます。
解体工事は、以下のような流れで進んでいくのが一般的です。
① 仮設工事
② 建物周辺や内部の処理
③ 屋根や外壁などの撤去
④ 埋設物の撤去
⑤ 廃棄物の処理
⑥ 整地
仮設工事では、足場や防音シート、仮設トイレなどが設置されます。
工事を安全に、スムーズに行うために必要な工事です。
建物の撤去後に地中に埋設物があれば、掘り起こして撤去します。
解体後の使用用途に応じた整地を行い、解体工事は終了です。
工事後の手続きを行う
工事が終わったら、必要な手続きを行います。
解体工事の後は、「建物滅失登記」を忘れないようにしましょう。
建物滅失登記とは、建物が解体されてなくなったという旨を法務局に届け出ることです。
不動産登記法では、建物滅失登記は1ヵ月以内に行わなければいけないと規定されています。
法律違反とならないためにも、工事後は忘れずに手続きを行っておきましょう。
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家の解体業者の選び方ポイント9つ
家の解体業者を選ぶ時は、以下の9つのポイントをチェックしましょう。
① 連絡がつきやすい業者である ② 必要な書類をきちんと渡してくれる ③ 見積書や契約書の内容が明確である ④ 許可証や免許を取得している ⑤ 賠償保険に加入している ⑥ 廃棄物を正しく処分している ⑦ 適正な工事価格で受注している ⑧ 下請け業者に丸投げしていない ⑨ 依頼者に寄り添った対応である |
順番に解説します。
① 連絡がつきやすい業者である
電話やメールなどをした際に、連絡がつきやすい業者は安心して工事を依頼できます。
工事前後、または途中にトラブルが発生した際に、すぐに連絡が取れる業者だと安心度が高いです。
反対に、いつ電話してもなかなか繋がらない業者は、いざという時に頼れないため依頼は避けるようにしましょう。
② 必要な書類をきちんと渡してくれる
解体工事に必要な書類をきちんと渡してくれる業者は、優良であるといえます。
書類の抜けがある業者だと、工事も手抜きされる可能性があるためです。
解体工事では、一般的に見積書や契約書のほかに以下のような書類を渡されます。
● 工事の工程表
● 設計図
● 駐車方法を記載した図面や書類
上記の書類は、建設リサイクル法に関する手続きや、道路使用許可申請を行う際に必要になります。
そのため、手続きや申請の前に業者から受け取るようにしましょう。
③ 見積書や契約書の内容が明確である
見積書や契約書は、単価や内訳、施工内容などが詳しく記載されているかよく確認しましょう。
見積書の場合は、特に以下が明確に記載されているかチェックしてみてください。
● 施工範囲
● 数量
● 単価
資材の個数や作業工数ではなく、「〇〇一式」のようにまとめて記載されている場合は注意が必要です。
実際に必要な個数よりも多く見積もられていたり、工事後に金額が上がったりする恐れがあります。
また、見積書の合計金額が解体工事単体の費用だけでなく、人件費や仮設工事費、運搬費も含まれたトータルの金額なのか質問してみましょう。
契約書の場合は、以下の項目がしっかり記載されているかチェックしてみてください。
● 施工業者の会社名と所在地
● 発注者
● 発行日
● 施工内容
● 契約金額
● 工事期間
● 工事完了の基準
● 支払い期限
不明な点があれば細かいことでも確認し、不安や疑問を全て解消してから契約を締結しましょう。
④ 許可証や免許を取得している
解体工事は、許可証や免許をきちんと取得している業者に依頼するようにしましょう。
主に、建設業許可を得ているかや、解体工事業登録をしているかをチェックしてみてください。
解体工事を行う業者は、建設業許可または解体工事登録が必要です。
建設業許可は、工事の請負金額が500万円以上の場合は保有しておかなければいけません。
また、500万円未満の請負金額の場合は、解体工事登録のみでも大丈夫です。
ただし、解体工事登録は登録している都道府県内でのみ施工可能です。
反対に、建設業許可は取得しておくと全国どこででも解体工事が行えます。
⑤ 賠償保険に加入している
依頼する解体工事業者が賠償保険に加入しているかも必ず確認しましょう。
解体工事では、解体時の振動により隣家の塀にひびが入ったり、重機や破片で近所の家や車を傷つけたりしてしまうことがあります。
トラブルが発生した時にスムーズに補償してもらえるよう、賠償保険の有無を確かめましょう。
⑥ 廃棄物を正しく処分している
廃棄物の不法投棄は犯罪なので、必ず正しい方法で処分を行っている業者に施工を依頼するようにしましょう。
廃棄物がきちんと廃棄されているか、契約前にはマニフェストを確認することが大切です。
マニフェストとは、産業廃棄物管理票のことで、業者がどのように廃棄物を処分するかが記載されている書類です。
マニフェストには、主に以下の項目が記載されています。
● 解体現場
● 解体業者の情報
● ゴミの種類
● 廃棄する量
● 廃棄先の住所
● ゴミの運搬会社の情報
上記の内容をチェックして、解体工事で発生した廃棄物が適切に処分されているか確認しましょう。
⑦ 適正な工事価格で受注している
適正な工事価格で受注している業者に依頼すれば、詐欺被害に遭うことは少ないでしょう。
高すぎる場合は詐欺の心配もありますが、安すぎる業者は手抜き工事をする恐れがあります。
また、費用が安すぎる場合は工期を短くするためにきちんとした手順を踏まない業者もあるのです。
適切な工事を行わないと、騒音やほこりが発生してご近所迷惑になる場合もあるため注意が必要です。
さらに、安く見積もりを出して工事の途中や後に追加請求してくるケースもあるため、価格だけで業者を選ぶのは避けましょう。
まずは、家の解体費用の相場を知っておくことが大切です。
木造住宅の解体にかかる費用相場は、1坪あたり3~5万円ほどです。
鉄骨造は1坪あたり4~6万円、鉄筋コンクリート造(RC)は1坪あたり6~8万円ほどとなりますので、ぜひ参考にしてください。
⑧ 下請け業者に丸投げしていない
解体工事を下請け業者に丸投げしている業者は避けたほうがよいでしょう。
打ち合わせ担当と工事担当者のコミュニケーション不足により、依頼通りの施工がされない可能性があるからです。
また、施工にミスがあった場合の責任の所在もあいまいになりやすく、トラブルが複雑化する原因にもなります。
安心して工事を任せられるよう、打ち合わせから施工完了まで一貫して担当してくれる「自社施工」の解体業者がおすすめですよ。
⑨ 依頼者に寄り添った対応である
安心感がある業者だと、工事を任せやすいです。
例えば、相談の際に丁寧に対応してくれたり、見積もり内容を細かく説明してくれたりするかどうかをチェックしましょう。
依頼主に寄り添った対応を行っている業者は、安心感があるでしょう。
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解体業者との間で起こりやすいトラブルと注意点
解体業者の選び方のほかに、起こりやすいトラブルも把握しておくと事前に問題を避けられ、よりスムーズに工事を進められます。
ここでは、解体業者との間で起こりやすいトラブルと注意点について、以下の4点を解説します。
● 工事時期の遅れ
● 工事範囲の認識のずれ
● 近所への配慮や態度
● 工事終了後の片付け
工事時期の遅れ
小規模な解体業者の場合は、複数の現場の掛け持ちが難しいため工事のスケジュールがずれてしまうことがあります。
もちろん全ての小規模な解体業者に当てはまることではありませんが、念のため事前にスケジュールを打ち合わせしておきましょう。
工事開始が遅れると終了時期も遅れてしまい、土地の売却や新居の建築などの予定もずらさなければいけなくなります。
時期をずらせない場合は、期限があることをあらかじめ伝え、スケジュール通りに工事を進めてもらいましょう。
工事範囲の認識のずれ
担当者に工事範囲を伝えていたにもかかわらず、依頼した内容と実際に工事された内容が異なることがあります。
たとえば、残しておくはずだった木が切られてしまったり、解体予定だった物置が残ったままだったりといったケースです。
営業担当者と現場の作業員とのコミュニケーション不足が原因のことが多いので、現場の作業員とのコミュニケーションを大事にしているか確認しておくとよいでしょう。
近所への配慮や態度
解体工事は大きな音や振動、粉塵により近所に迷惑をかけるため、業者の対応によっては近隣の住民とトラブルになる場合があります。
なるべく穏便に工事が進むよう、事前に近所に挨拶し、近隣への工事の影響が少ないように配慮してくれる業者がおすすめです。
見積もりや打ち合わせの態度から、誠実さや品行もチェックしておきましょう。
工事終了後の片付け
工事終了後の片付けは基本的に業者側の責任ですが、中には解体中に発生したゴミを持ち帰らずに施工を完了してしまう業者もいます。
ゴミが未処理のままにならないよう、解体完了後は必ず立ち合い、余計なものが残されていないか確認しましょう。
悪徳な解体業者と契約してしまった場合の対処法
もし、悪徳な解体業者と契約してしまった場合は、弁護士や消費生活センターなどに相談しましょう。
悪徳業者はさまざまな手口を使って依頼主に詐欺をはたらきます。
そのため、どうしても悪徳業者に捕まってしまうケースもあるのです。
しかし、もう契約してしまったからと諦めるのではなく、早めに第三者機関に相談して対処することが大切です。
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家の解体についてよくある質問
最後に、家の解体についてよくある質問と回答をご紹介します。
● 家の解体は何日かかる?
● 解体工事におすすめの時期は?
● 解体工事前の挨拶は誰にしたらいい?
● 解体費用の支払いタイミングは?
● 家の寿命はどのくらい?
● 解体工事はDIYでもできる?
● 解体工事にお祓いは必要?
家の解体は何日かかる?
解体にかかる日数は、家の構造や広さにより異なります。
解体工事に必要な日数は、以下の表を目安にしてください。
建物の大きさ | 解体工事期間 |
---|---|
10坪程度の小屋や倉庫 | 2~3日 |
15坪程度平屋木造住宅 | 4~5日 |
30坪木造2階建て住宅 | 7~10日 |
30坪鉄骨造2階建て住宅 | 10日~15日 |
30坪鉄筋コンクリート造2階建て住宅 | 15日~20日 |
家財が多い場合や建物にアスベストが使われている場合などは、上記の目安よりも工期が長くなる場合があります。
正確な日数は見積もり時に質問してみましょう。
解体工事におすすめの時期は?
解体工事は、天候の安定している3~5月がおすすめです。
地域にもよりますが、6〜7月の梅雨の時期と、8〜10月の台風の時期は工事がストップしてしまうことがあるので、あまりおすすめしません。
また、雪の降る地域は12~2月の積雪が多い時期も避けたほうがよいでしょう。
業者によっては閑散期に割引をしていることがあるため、なるべく安く工事したい人は閑散期を狙うのもおすすめです。
見積もりを依頼する時に、安くしている時期があるか確認してみるとよいでしょう。
解体工事前の挨拶は誰にしたらいい?
解体工事前は、最低でも以下の近隣4軒に挨拶をしておきましょう。
● 両隣の家
● 向かいの家
● 裏の家
また、重機や作業員が通って邪魔になることがあるので、道路が狭い場合や住宅が密集している場合は、真向かいの家に加えてその両隣の家にも挨拶しておくとよいでしょう。
解体費用の支払いタイミングは?
解体費用は、一般的に工事完了後に支払います。
しかし、業者によっては前払いが必要なこともあります。
前払いが必要な場合でも、工事前に全額を支払うのは避けましょう。
支払い後に工事に対応してくれなくなる恐れもあるためです。
トラブルを避けるため、前払いではなく施工後の支払いを設定している業者がおすすめです。
家の寿命はどのくらい?
以下の表の通り、家の寿命は構造によって異なります。
構造 | 寿命目安 |
---|---|
木造住宅 | 約30年 |
鉄骨住宅 | 約30~50年 |
鉄筋コンクリート住宅 | 約40~90年 |
これらはあくまでも目安であり、住宅のメンテナンスやリノベーションなどによって寿命目安より長く住むことも可能です。
解体工事はDIYでもできる?
解体工事はDIYでもできます。
重機免許と重機を所有していない場合、免許を取得し自身で必要機材を手配する必要があります。
事業に依頼する場合と異なり、個人で解体する場合は、建設業許可や解体工事業登録も不要です。
ただし、アスベストの含有量によっては自治体へ届出が必要です。
アスベストの調査は専門業者でなければ難しいため、住宅の解体は業者に頼んだほうがよいでしょう。
解体工事にお祓いは必要?
解体前にするお祓いを「解体清祓(かいたいきよばらい)」といいます。
解体清祓は必須ではありませんが、家に思い入れがある場合や、宗教上の儀式を重視する場合は神社に相談してみましょう。
費用は宮司の出張費やお供え物なども含めて、トータルで5万円程度となるのが一般的です。
家の解体で失敗を避けるためには
家の解体は大掛かりな工事となり、費用も多額になりやすいです。
そのため、工事は信頼できる業者に依頼することが大切です。
信頼できる業者に依頼すれば、工事がスムーズに行われるだけでなく、詐欺や犯罪に巻き込まれる心配もありません。
解体工事を依頼する際は、見積書の内容や対応が丁寧な業者に依頼するようにしましょう。
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