古家とは?中古住宅との違い
古家(ふるや)とは文字通り古くなった家のことです。
しかし、必ずしも何年も放置されている家や築数十年のボロボロの家を指すわけではなく、「中古住宅」と同じ意味で使われることもあります。
不動産業界では「古家」と「中古住宅」の明確な違いはありません。
比較的、築年数の浅い家でも「古家」と表記されていることがあります。
ただ、築20年を超える木造住宅は「古家」とされることが多い傾向にあります。
また、部分的なリノベーションや簡単な修繕をすれば住める状態の物件を「中古住宅」、耐震工事など大規模な工事が必要な場合を「古家」と区別することもあるようです。
古家の解体費用相場
古家の解体費用は、以下の表の通り構造によって異なります。
住宅の構造 | 1坪あたりの解体費用相場 |
---|---|
木造 | 3~5万円 |
鉄骨造 | 4~6万円 |
鉄筋コンクリート造(RC) | 6~8万円 |
30坪の木造住宅の場合なら、90~150万円が費用の目安です。
費用相場は住んでいる地域や住宅の状態によっても異なります。
また、庭木や家財が残っている場合は撤去・処分のために追加で費用が発生します。
正確な費用相場を知りたい場合は、解体業者に現地調査と見積もりの作成を依頼しましょう。
付帯工事費用の相場
付帯工事とは、庭木や門、倉庫など、住宅本体以外の撤去や処分に必要な費用のことです。
付帯工事の例や費用相場は以下の表を参考にしてみてください。
付帯工事の例 | 費用相場 |
---|---|
ブロック塀撤去 | 5千~1万円/㎡ |
門の撤去 | 3~10万円 |
庭木の撤去 | 8千~5万円/本 |
庭石の撤去 | 約1万円/t |
倉庫・物置の撤去 | 2~3万円 |
浄化槽の撤去 | 5~10万円 |
井戸の埋め戻し | 10万円 |
アスベスト除去費用 | 2〜8.5万円/㎡ ※300㎡以下の場合 |
付帯工事にかかる実際の費用は工事の規模によって異なり、規模が大きい場合は割引してもらえることもあります。
業者や物件の状態によって費用が大きく異なる可能性があるので、詳しい費用を調べるには複数社に見積もりを依頼してみてください。
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古家の解体費用の決まり方
古家の解体費用には、以下の6点が大きく関わっています。
● 重機が入れるかどうか
● 家の構造は何か
● 庭木や庭石はあるか
● 廃材はどのくらい出るか
● アスベスト建材が使われているか
● 地中埋設物はあるか
それぞれの詳細を順番に解説します。
重機が入れるかどうか
土地に重機が入れないと手作業での解体作業となり、その分手間と工期がかかるため費用が高くなります。
以下の場所には重機が入れないことがあるので、現地調査時に業者に確認してもらいましょう。
● 住宅密集地
● 傾斜地
● 細い路地
また、重機が入れる場合でも、敷地上に電線が張っている場合は重機を使えないことがあります。
家の構造は何か
「古家の解体費用相場」でもご紹介した通り、解体費用は家の構造によって異なります。
一般的に鉄筋コンクリート造や鉄骨造は木造よりも頑丈なため解体に手間がかかり、費用が高くなります。
家の構造は、建築確認済証や登記簿謄本(とうきぼとうほん)で確認可能です。
建築確認済証は古家の建築時に確認検査機関や施工業者から受け取っているはずですが、見つからない場合は、法務局で登記簿謄本の写しをもらうか、インターネット(登記情報提供サービス)で確認しましょう。
庭木や庭石はあるか
庭木や庭石が残っていると、運搬や処分に費用がかかります。
費用の目安は以下の通りです。
作業内容 | 費用相場 |
---|---|
庭木の撤去 | 8千~5万円/本 |
庭石の撤去 | 約1万円/t |
数が多い場合やサイズが大きい場合は、高額になる傾向があります。
特に重機が入れない場合は作業員が手作業で重い庭木や庭石を運ぶことになるので、上記の費用相場よりも高額になる可能性があります。
廃材はどのくらい出るか
解体で発生したコンクリートのがれきや木くずなどは一般のごみと同様には捨てられないため、別途廃棄物処理費用がかかります。
廃材の処理にかかる費用の目安は、以下の表の通りです。
廃材の種類 | 費用相場 |
---|---|
コンクリート | 8千円~/㎥ |
木くず | 5千円~/㎥ |
石膏ボード | 1.5万円~/㎥ |
タイル・ガラス | 2.5万円~/㎥ |
家が大きかったり、家の中に不用品が多く残っていたりする場合は廃材が多く出るので、費用も高くなります。
アスベスト建材が使われているか
アスベストは人体に有害なため、解体時は特別な処理が必要です。
アスベスト建材は、2004年に1%以上のアスベストを含む製品の製造・使用などが禁止され、2006年には0.1%以上含む製品も禁止されました。
したがって、解体する古家が2004年以前に建築された場合はアスベスト建材を含んでいる可能性があるでしょう。
アスベスト建材が使われている場合、目安として以下の費用が解体費用に上乗せされます。
アスベスト建材が使われている箇所 | 費用相場 |
---|---|
天井・柱・梁 | 1.5~8.5万/㎡ |
内壁・配管 | 1~6万円/㎡ |
外壁 | 30坪・2階建ての住宅で30~40万円 |
アスベスト建材が使用されているかは素人には判断が難しいので、専門業者に調べてもらいましょう。
地中埋設物はあるか
浄化槽や古井戸、がれきなどの地中埋設物が地中から見つかった場合、撤去費用が発生します。
地中埋設物の撤去費用相場は以下の通りです。
地中埋設物 | 費用相場 |
---|---|
コンクリートくず | 1.2万円~/㎥ |
レンガ | 2.2万円~/㎥ |
タイル | 2.5万円~/㎥ |
瓦 | 2.2万円~/㎥ |
地中埋設物を放置して土地を売却した場合、買い手から損害賠償を請求されることがあるので、地中埋設物が見つかったら必ず撤去してもらいましょう。
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古家の解体費用を安く抑える方法
ここからは、古家の解体費用を安くする方法について解説します。
● 補助金・助成金を利用する
● 事前に屋内の不用品を処分しておく
● 複数の業者から見積もりをもらう
解体費用の負担が少なくなるよう、これからご紹介する3つを実践してみてください。
補助金・助成金を利用する
古家の解体費用は、補助金や助成金により自治体で一部負担してくれることがあります。
たとえば東京都福生市では、1981年(昭和56年)5月31日以前に着工されたことなどを条件に、1戸当たり上限30万円の助成金を支給しています。
参考:空き家住宅除却費用の助成(福生市)
また、大阪市では平成12年5月31日以前に建築された住宅などを条件に、1戸あたり上限50万円の補助金を用意しています。
参考:民間戸建住宅等の耐震診断・改修等補助制度(大阪市)
※大阪市の本制度は、2022年度の申請受付を終了しました
補助金・助成金の内容や条件は自治体ごとに異なるので、自分の地域の役所に問い合わせてみましょう。
事前に屋内の不用品を処分しておく
不用品はなるべく解体工事前にすべて処分しておきましょう。
古家に家財が残っていると撤去の手間や解体時の廃材が増え、付帯工事費用や廃棄物処理費用が高くなります。
不用品買取業者やリサイクルショップ、フリマアプリなどを使えば、ごみだと思っていたものも売れるかもしれません。
工事まで余裕があれば、不用品は自分で片づけるのがオススメです。
複数の業者から見積もりをもらう
解体工事業者を選ぶときは、1社だけではなく複数社に現地調査・見積もりを依頼しましょう。
1社だけでは適正な価格かどうか判断できず、必要以上に高い費用を請求されていても気づけません。
3~5社程度に見積もりを依頼し、まずは相場を確かめましょう。
適正な価格の業者の中で対応や実績を比較し、信頼できる業者を選んでみてください。
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古家を解体するメリット
古家を解体すると、以下の2つのメリットがあります。
● 売却がスムーズに進みやすい
● 土地の状態を把握しやすい
売却がスムーズに進みやすい
古家が建っている場合に比べて、更地のほうが売却がスムーズに進む傾向があります。
更地の場合は買い手が解体工事を手配する必要がなく、土地を自由に使えるからです。
古家は老朽化が進んでいる場合も多く、買い手に与える印象はあまりよいものではないことが大半です。
市場価値の低い古家を残しておくよりも、解体して更地として売却したほうが買い手が見つかりやすいでしょう。
土地の状態を把握しやすい
解体工事の最中や工事の後は、地盤調査や埋設物の有無の確認がしやすくなります。
地盤の状態が土地の購入前の説明と違うと判明した場合や、埋設物を買い手が発見した場合、売り手に賠償責任が発生します。
売却前に土地の状態をよく把握しておきたい場合は、解体工事の実施がオススメです。
古家を解体するデメリット
古家を解体する際は、以下のデメリットも考慮する必要があります。
● 更地のほうが固定資産税が高い
● 新しい建物を建てられない場合がある
更地のほうが固定資産税が高い
古家の解体工事後は、固定資産税が最大で6倍になる可能性があります。
住宅用地に建物が立っている場合、土地の固定資産税は以下の軽減措置が受けられます。
土地の広さ | 固定資産税 |
---|---|
200㎡以下 | 課税標準の1/6 |
200㎡超過 | 課税標準の1/3 |
更地にした場合は軽減措置が適用されないので、固定資産税が6倍になる場合があります。
土地の売却や活用予定が特にない場合は、固定資産税が高くならないよう解体せずそのままにしておいたほうがよいでしょう。
新しい建物を建てられない場合がある
解体する古家が再建築不可物件の場合、解体後に新しい家は建てられません。
再建築不可物件とは、「幅員4m以上の道路に2m以上接していないといけない」という接道義務を果たしていない物件のことです。
再建築不可物件の可能性がある場合は、役所の建築関連窓口に登記事項証明書や公図などを持って行き、接道義務を果たしているか確かめてもらいましょう。
解体工事の流れ
解体工事は一般的に以下の流れで進みます。
1. 解体業者の決定
2. 事前準備
3. 解体工事
4. 廃材の処理と整地
それぞれの工程で行われる作業や注意点について解説します。
解体業者の決定
まずは解体業者を決定する必要があります。
3~5社に見積もりを依頼し、安すぎる業者や高すぎる業者があれば工事内容や単価などをよく確認しましょう。
見積もりは電話やメールだけで済ませず、現地調査を依頼することが重要です。
重機が入れるかどうか、廃材がどのくらい出そうかなどは、実際に現場を見なければわかりません。
現地調査をせずに契約を進めようとする業者がいれば、依頼しないように気をつけましょう。
事前準備
解体前の準備には、主にライフラインの停止と近所へのあいさつがあります。
電気やインターネット、ガスを契約していれば、それぞれの会社に連絡して停止してもらいましょう。
水道は工事に使うこともあるので、事前に業者に尋ねてみてください。
また、近所へは最低でも以下の4軒に工事時期や内容の説明に行きましょう。
● 両隣の家
● 向かいの家
● 裏の家
あいさつは業者が代わりに行ってくれることもあります。
解体工事
解体工事は、足場や養生の設置後に屋根や内装の解体からはじめていきます。
廃材を分別する必要があるため、内装は基本的に手作業です。
内装の解体時には屋内の不用品も撤去されます。
壁や梁、柱など主要構造物の解体は重機を使いますが、重機が入れない場合はこれらも手作業で行われます。
ほこりが舞いやすいので、水も使いながら作業することが一般的です。
廃材の処理と整地
解体自体が終わったら、廃材の処理と整地をして工事完了です。
地中埋設物の有無もこの時に確認します。
単に「整地」といっても、業者によっては地面が凸凹していても整地完了とすることがあります。
理想は買い手が再度整地をしなくても建築できる状態です。
どの程度まできれいな状態にしてもらえるか、あらかじめ確かめておきましょう。
古家の解体は複数社の見積もりを比較してみよう
古家の解体は、家の構造や廃材の量、アスベスト建材の使用有無などで費用が異なります。
実際に現地調査をしてもらわないと費用の把握が難しいので、まずは見積もりを依頼しましょう。
見積もりは複数社に依頼すると、適正価格や本当に必要な作業を見極められます。
リショップナビでは、複数の優良業者に一括で見積もりを依頼できます。
具体的な工期を決めていない場合も、まずは費用の把握のために現地調査をお願いしてみましょう。
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