基礎断熱とは?メリット・デメリットや上手な暮らし方

更新日:2025年09月02日

基礎断熱 サムネイル

基礎断熱は、建物の基礎部分を断熱材で包む工法で、従来の床断熱と比べて室温の安定性や光熱費削減に優れた特徴があります。住宅の高気密・高断熱化のニーズに寄り添った工法である一方で、シロアリや湿気・カビなどへの対策が必要です。
この記事では基礎断熱の仕組みから具体的なメリット・デメリット、さらに快適に暮らすためのポイントまで解説します。

基礎断熱とは?

基礎断熱とは、従来の床断熱とは異なる考え方にもとづく断熱工法です。

高気密・高断熱住宅が一般的になるにつれて、床下からの冷気の侵入を防ぐ基礎断熱は、住宅の性能を高める上で重要な工法として注目されています。

ここでは、床断熱との具体的な違いや、最近の住宅で基礎断熱が選ばれる理由について詳しく解説します。

家の「床断熱」との違い

基礎断熱と床断熱の最も大きな違いは、断熱材を施工する「場所」にあります。

床断熱が1階の床のすぐ下に断熱材を敷き詰めるのに対し、基礎断熱は建物の基礎コンクリートそのものを断熱材で覆うという工法です。

この施工場所の違いによって、床下空間の扱い方も根本的に異なります。

床断熱では床下を屋外と同じ環境とみなし、通気口から外気が自由に出入りする構造です。

一方、基礎断熱の場合は床下空間も室内の一部と考え、外気が入らないように密閉するのが大きな特徴といえるでしょう。

>> 床下断熱リフォームの費用や補助金を徹底調査!効果と工法も解説

基礎断熱は断熱性と気密性を確保しやすい

性能面で比較すると、基礎断熱のほうがより断熱性と気密性を確保しやすいとされています。

床断熱は施工時に隙間が生まれやすく、そこから冷気が侵入することがあります。

一方、基礎断熱は外気の通り道を根本から遮断するため、一年を通して安定した室内環境を保ちやすいのです。

基礎断熱のメリット

床下からの冷えを防ぎやすい

従来の床断熱では、基礎に設けられた換気口から外気が入り込むため、床下が冷えやすく、足元からじんわりと体全体が冷える「底冷え」の原因になることがありました。

基礎断熱は、そもそも床下に冷気を入れない仕組みのため、この問題を軽減しやすくなります。

また、床下の温度が安定しやすくなるため、足元が比較的暖かく感じられるのです。

1階の床全体が均一な温度に保たれるので、冬でも裸足で歩けるような快適な暮らしが実現しやすくなります。

基礎と床のつなぎ目からの隙間風や冷気の侵入もなくなるため、急な温度差によるヒートショックのリスク軽減にもつながるでしょう。

部屋の温度が安定しやすい

一日を通して快適な室温が保たれやすいのも大きなメリットです。

基礎断熱の家は、床下空間も室内と同じように保温されるため、外の気温が急に変わっても室内の温度は変動しにくくなります。

これは、基礎のコンクリートが熱を蓄える役割を果たし、昼間に蓄えた熱を夜間にゆっくりと放出してくれるためです。

このおかげで、暖房を消したあとも室温が下がりにくく、夜間や早朝の冷え込みが穏やかになります。

また、エアコンなどの冷暖房も、急激な温度変化に対応するためのフル稼働が減り、設定温度を保つための省エネ運転が中心になります。

外気の影響を受けにくい安定した室内環境は、電力の消費を抑え、省エネ効果も高めてくれるでしょう。

光熱費を削減しやすい

基礎断熱は床下からの冷えをシャットアウトすることで暖房効率が向上し、光熱費の削減につながります。

足元が冷えにくいため、エアコンの設定温度を少し下げても快適に過ごせ、無駄なエネルギー消費を抑えることが可能です。

また、室内温度が安定することでエアコンが頻繁にオンオフを繰り返す必要がなくなり、効率的な運転で電力消費量も安定します。

夜間や早朝の冷え込みも緩やかになるため、暖房を使う時間を短くできるでしょう。

このように冷暖房設備への負担が軽くなることで、電気代の節約が期待できるのです。

床下空間を活用できる場合がある

基礎断熱では床下と室内の温度や湿度がほぼ同じになるため、床下空間を有効活用できるという大きなメリットがあります。

これまで屋外と同じ環境で活用が難しかった床下が、従来よりも活用しやすいスペースになる可能性があります。

床下空間の主な活用方法としては、次のようなものが考えられます。

① 収納スペース
⇒ 日用品や防災グッズ、季節ものの家電などを保管する

② 設備機器の設置
⇒ 床下エアコンや全館空調システムを設置しやすくなる

③ 配管・配線の管理
⇒ 給排水管や電気配線の点検やメンテナンスがしやすくなる

収納を増やしながら室内の見た目をすっきりさせたり、効率的な住宅設備を導入したりできる点も、基礎断熱ならではの魅力といえるでしょう。

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基礎断熱のデメリットや注意点

シロアリ対策をしっかり考える必要がある

基礎断熱にすると床下が暖かく湿度が保たれやすいため、シロアリにとって活動しやすい環境になってしまうことがあります。

特に、基礎の外側を断熱材で覆う「基礎外断熱」の場合、断熱材がシロアリの侵入経路になりやすいので注意が必要です。

シロアリ被害を食い止めるには

シロアリの被害を防ぐには、家を建てる段階からの対策がとても重要になります。

防蟻効果のある断熱材を選んだり、基礎と断熱材の間に隙間ができないよう、丁寧に施工したりすることが大切です。

また、基礎の外側に断熱材を施工する場合は、防蟻・防湿効果のあるシートを設置するのも効果的です。

必要に応じて家が完成したあとも、定期的に専門業者に点検を依頼しましょう。

床下換気システムで湿度を適切に管理することも、シロアリが住みにくい環境を作る上で役立ちます。

早期発見と早期対処が、被害を最小限に食い止めるための鍵となります。

湿気やカビに注意が必要

基礎断熱は気密性が高いため、床下の空気が外部と入れ替わりにくく、室内と同じような温湿度環境になります。

この特性から湿気がこもりやすくなり、結露やカビが発生するリスクが高まる可能性があります。

特に、湿度が高くなる梅雨の時期や、室内外の温度差が大きくなる冬場は、床下の湿度管理がより重要になります。

断熱材や木材にカビが広がると、家の耐久性や室内の空気に悪い影響を与えてしまう場合もありますので、しっかりと対策を行うようにしましょう。

効果的な湿気・カビ対策

基礎断熱の住まいでカビの問題を防ぐには、床下に換気システムを導入したり、除湿機能付きの全館空調で空気を循環させたりすることが効果的です。

また、断熱材に結露を防ぐ処理を施したり、防湿シートを正しく施工したりすることも重要です。

定期的な床下点検でカビの発生を早期に発見し、予防策を続けることで、快適で健康的な住環境を長く維持しやすくなります。

最近の住宅で基礎断熱が選ばれる理由

最近の住宅で基礎断熱が選ばれる最大の理由は、高気密・高断熱住宅の普及にともない、より高い住宅性能が求められるようになったからです。

基礎断熱は、従来の床断熱では防ぎきれなかった床下からの冷気の侵入を、根本から遮断できるという利点があります。

また、年間を通して安定している地中熱の特性を活かし、夏は涼しく冬は暖かい環境を保ちやすい点も大きな魅力です。

これにより冷暖房の効率がアップし、省エネと光熱費の削減を同時に実現しやすくなります。

特に冬の寒さが厳しい地域では、足元からくる底冷えの不快感や、急な温度変化によるヒートショックのリスクを和らげる効果が高く評価されています。

全館空調システムとの相性もよく、床下まで含めた家全体を快適な温度で管理できるため、現代の高性能住宅のニーズに応える工法といえるでしょう。

基礎断熱リフォームのご相談は『リショップナビ』へ

基礎断熱は、床下空間も室内の一部として断熱することで、家全体の温度を安定させる工法の一つです。

その一方で、湿気やシロアリへの対策がとても重要になります。

基礎断熱を導入する際は、換気システムを適切に運用し、定期的なメンテナンスを計画することが欠かせません。

ご自身の住む地域の気候や予算なども考えながら、専門の業者とよく相談し、最適な断熱方法を選ぶことが大切です。

当サイト『リショップナビ』では、クリニックの内装リフォームに詳しい専門の業者から、一括で見積もりを取得することが可能です。

リフォームの希望や予算などに応じた適切なリフォーム会社を探すのにぜひご活用ください。

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