【2024年度】断熱リフォームで使える補助金制度|対象の工事&費用相場や注意点もご紹介

更新日:2024年11月05日

断熱リフォームで使える補助金制度

一戸建てやマンションで断熱リフォームを行う際、できれば補助金(助成金)を受給したいですよね。
実際、国や自治体が「住宅の(窓・床下・玄関ドアなどの)断熱化」を対象とした制度を設けています。
今回は「補助対象となりやすい断熱工事の内容、およびリフォーム費用の目安」や「主な補助金制度の例」「補助金利用時の注意点」を解説します。
「断熱リフォームの費用を安くするコツ」もご紹介するので、ぜひチェックしてくださいね。

補助対象になりやすい断熱リフォームの内容&費用相場

補助対象になりやすい断熱リフォームの内容&費用相場

最初に「補助金を受給しやすい断熱リフォームの内容」と工事費用の目安を確認しておきましょう。

上の円グラフは、当サービス『リショップナビ』のお客様からの口コミを元に作成した「断熱リフォームにかかった費用」の分布です。
200万円以内でおさまる場合が多いですが、工事箇所によって費用の幅は多岐にわたります。

工事箇所や建物の種類ごとの費用の目安は、下の表の通りです。

対象の住宅 施工内容 価格帯
一戸建て
マンション
共通
家全体
(天井・壁・床・窓・屋根)
を断熱
150〜500万円
(※マンションより
一戸建てのほうが高額)
天井の断熱 7〜40万円
(※天井を一度はがす場合は倍額)
(室内側から)壁の断熱 30〜150万円
(※断熱材の種類、
壁の範囲・解体規模などにより変動)
床の断熱 10〜80万円
(※床材の張り替えも行う場合は倍額)
内窓 3~30万円/箇所
(※サイズやガラス性能などによる)
一戸建てのみ 外壁の断熱
(外断熱)
80〜150万円
(※規模・範囲が大きい場合=倍額)
屋根の断熱
(裏側に断熱材を充填)
10〜80万円
玄関ドアを断熱仕様に交換 45〜60万円
既存の窓全体を交換
(高断熱タイプのサッシ)
3〜40万円
(※サイズやガラス性能などにより変動
掃き出し窓など、
サイズが大きい場合は高額)
窓ガラスを交換
(複層ガラス)
1〜15万円
(※サイズやガラス性能により変動)

>> 断熱リフォームの主な種類と費用相場
>> 内窓(二重窓・二重サッシ)リフォームの費用・施工事例
>> 窓の断熱リフォームの費用相場・注意点

なお補助金の利用時には、 各制度で定められた施工範囲を「省エネ性能・基準」に達するようにリフォームする必要 があります。

「内窓を設置さえすればOK」ということではないため、ご注意くださいね。

補助金制度に詳しいリフォーム業者に「適した製品や工事内容」を提案してもらうと確実でしょう。

マンション=「室内側に断熱材」&「内窓」の施工が許可されやすい

個人の方がマンションでリフォームを行う際には、一戸建てと比べ、施工範囲が限定されます。

建物の構造や管理規約によりますが、たいていの場合「室内側」は専有部のため、工事の許可が下りやすい傾向があります。

マンションで実施しやすい断熱リフォーム
  • 「(室内側の)壁や床」に断熱材を入れる
  • 既存の窓に「内窓」を設置して二重窓にする

一方、外側に面する箇所は「共用部」とみなされ、個人の方がリフォームするのは難しいケースが多いです。

マンションで許可が下りにくい断熱リフォーム

● 建物の「外側」に断熱材を入れる(外断熱)
● 「玄関ドア」の交換
● 「窓サッシ・ガラス」の交換

>> マンションでリフォームする際の費用・注意点

ご不安な場合は、マンションのリフォーム経験がある施工業者にも管理規約を確認してもらった上で、工事プランを一緒に考えてもらいましょう。

断熱リフォーム補助金の申請期間は、いつからいつまで?

断熱リフォーム補助金の申請期間は、いつからいつまで?

制度によって受付の開始時期や期限は異なりますが、早い場合は夏や秋まで、遅くても年末・年度末までを目安としていることが多いです。

ただし、ほとんどの場合は予算の上限に達し次第、締め切られてしまうため、余裕を持ってリフォーム計画を立てることをおすすめします。

「着工前に申請が必要」とする制度が大半のため、早い段階で「断熱工事に対応できるリフォーム業者」を探し、スケジュール面も含めて相談してみるとよいでしょう。

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ここからは、断熱リフォームで活用しやすい補助金(助成金)制度の例を確認していきましょう。

【全国共通】断熱リフォーム補助金(助成金)制度の例

2024年9月現在、全国共通で利用できるのは、次のような制度です。

既存住宅における断熱リフォーム支援事業

対象の断熱リフォーム
次のいずれかを選択可

1. <トータル断熱>
家全体を「断熱材・窓・ガラス」で断熱改修

2. <居間だけ断熱>
居間を中心に「窓」で断熱改修
 [※居間の窓(ガラスを用いた開口部)全ての改修が必須]
補助金額
次の金額を上限とし、それぞれ対象経費の3分の1以内を補助

● 一戸建て:120万円/戸
● 集合住宅:15万円 or 20万円/戸

(※「蓄電設備」や「熱交換型換気設備」なども導入する場合、別途補助あり)
申請期間
2024年9月2日~12月13日 (17時メール必着)/※予算に達し次第、終了

※次の期間にも公募実施予定
● 2025年1月下旬~3月上旬

先進的窓リノベ事業

対象の断熱リフォーム
●「窓」の断熱改修
● 窓の断熱化と同時に行う場合に限り「ドア」の交換も対象

(※本事業に登録した「窓リノベ事業者」と、工事請負契約を締結し、施工してもらうことが条件)
補助金額
次のように、対象工事に応じた補助額を支給
(※上限=200万円/戸)

[補助額=いずれもサイズ・性能や工法により異なる]

● 内窓の設置:2.3〜11.2万円
● 外窓の交換:4.6〜22万円
● ガラスの交換:0.5〜5.5万円
● ドアの交換:4.6〜22万円

上の補助額の合計が5万円以上である場合に申請可
工事着手期間
2023年11月2日~遅くとも2024年12月31日 ※予算に達し次第、終了

[※工事請負契約以前に着工した場合は対象外]

※出典:「先進的窓リノベ2024事業公式ウェブサイト」(環境省)を加工して作成。

子育てエコホーム支援事業

こちらは「子育て〜」という制度名ですが、子育て世帯ではなくても利用できます。

先にご紹介した2つの制度とは異なり「断熱化」以外のリフォームも対象としています。
バリアフリー化や防災対策などの工事も予定されている方は、本事業の活用も検討するとよいでしょう。

対象のリフォーム
次のいずれかの工事が必須

1.「開口部(窓やドア)」の断熱改修
2. 「外壁・屋根・天井・床」の断熱改修
3. エコ住宅設備の設置

(※本事業に登録した「エコホーム支援事業者」と、工事請負契約を締結し、施工してもらうことが条件)

● 1〜3の工事と同時に行う場合に限り
「バリアフリー」や「防災性向上」のリフォームなども補助対象
補助金額
次のように、対象工事に応じた補助額を支給
(※上限=世帯や住宅により異なり、20〜60万円/戸)

[補助額=いずれもサイズ・性能や施工範囲により異なる]

1.「開口部(窓やドア)」の断熱改修の場合:
● 内窓の設置/外窓の交換:1.7〜3.4万円
● ガラスの交換:0.3〜1.4万円
● ドアの交換:3.2〜4.9万円

2. 「外壁・屋根・天井・床」の断熱改修の場合:
● 外壁の断熱:5.6〜15.1万円
● 屋根・天井の断熱:2〜5.4万円
● 床の断熱:3.6〜9.6万円


上の補助額の合計が5万円以上である場合に申請可
申請期間
2023年11月2日~遅くとも2024年12月31日※予算に達し次第、終了

[※工事請負契約以前に着工した場合は対象外]

※出典:「子育てエコホーム支援事業公式ウェブサイト」(国土交通省)を加工して作成。

(「子育てエコホーム支援事業」の対象となるリフォームや補助金額の詳細は、こちらの記事で解説しています。)

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【自治体】断熱リフォーム補助金(助成金)制度の例

ほとんどの自治体が、断熱化を含めた「省エネリフォーム」を対象に、補助・助成制度を用意しています。

2024年5月時点で利用可能な制度の例を見てみましょう。

東京都|災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業

対象の断熱リフォーム
● 窓・ドア・外壁・床などの断熱改修
● 高断熱浴槽への改修
補助金額
次の金額を上限とし、対象経費の3分の1を補助

● 高断熱窓へのリフォーム:100万円/戸
● 高断熱ドアへの交換:16万円/戸
● 壁・床などの断熱改修:100万円/戸
● 高断熱浴槽への改修:9.5万円/戸
申請期間
※原則として、契約締結前に事前申し込みが必要
● 事前申し込み=2024年5月31日〜受付開始

<特例措置>2024年4月1日~6月30日に、
事前申し込み前に「契約締結した場合」もしくは「契約および工事をしている場合」は、
条件を満たすことで受給対象

※参考:「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」(東京都地球温暖化防止活動推進センター公式ウェブサイト)

千葉県|住宅用設備等脱炭素化促進事業補助金

対象の断熱リフォーム
● 窓の断熱改修
 [※1室単位で、外気に接する窓を全て改修]
補助金額
次の金額を上限とし、対象経費の4分の1を補助

● 窓の断熱:8万円/戸
申請期間
※予算に達し次第、終了
(市町村により「予算に達しない場合=2025年1月31日まで」など、期間が異なる)

※参考:「住宅用設備等脱炭素化促進事業補助金」(千葉市)

北海道士別市|士別市地域循環型住宅リフォーム促進助成金

断熱・省エネ化に限らず、市区町村が設定した条件を満たすリフォームであれば、補助金を受給できる場合があります。
「地元の業者に工事を依頼する」など、地域活性化を要件としているケースが多いです。

対象のリフォーム
● 断熱改修など、50万円(消費税込み)以上のリフォーム・増改築
(※20万円以上の工事の場合=地域のサフォークポイントによる助成可)
補助金額
<現金助成>の場合:次のように、内容に応じて定額を支給 (※重複不可)
● 市内事業者を活用したリフォーム:10万円
● ゼロカーボン対策
(省エネ推進・二酸化炭素の排出量削減など)のリフォーム:20万円
● 中古住宅のリフォーム:15万円
● 移住者が行うリフォーム:20万円
申請期間
【第1期】2024年4月1日~8月31日/※年度当初の予算額の約7割
【第2期】2024年9月1日~2025年3月31日/※予算に達し次第、終了

※参考:「士別市地域循環型住宅リフォーム促進助成金について」(士別市)CC BY 4.0

リフォーム業者によっては、地元の補助金制度に詳しいスタッフが在籍している場合があります。
見積もりや打ち合わせのタイミングで「利用できそうな補助金があるか」を質問してみるとよいですね。

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国や自治体の補助金制度は併用できる?

どの制度を組み合わせるかにもよりますが、 複数の補助金を併用して受給できることはあります。

例えば国の制度である「先進的窓リノベ事業」と「子育てエコホーム支援事業」は、リフォーム箇所や製品性能などに応じて、併用が可能です。
ただし同一の窓・ドアなどの工事について、それぞれの事業から重複受給することはNGですので、ご注意ください。

一方、自治体と国の制度の組み合わせであれば、併用OKとされるパターンが多いです。
(なお国費が充当される自治体の制度については、国の制度との併給は原則できません。)

補助金(助成金)の申請は、施工業者に任せられる?

補助金(助成金)の申請は、施工業者に任せられる?

「先進的窓リノベ事業」や「子育てエコホーム支援事業」では、施工業者が申請などの手続きを行うことになっています。

「既存住宅における断熱リフォーム支援事業」や、自治体の制度については、ご自身で申請するのが基本です。
ただリフォーム会社によっては「補助金の申請代行サービス」を扱っています。
業者探しをする際に「工事だけではなく、補助金の手続きも対応してもらえるか」を確認しておくと、スムーズでしょう。

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断熱リフォームを安くできる方法はある?

断熱リフォームを安くできる方法はある?

補助制度を活用可能かどうかに関わらず、できれば断熱リフォームにかかる費用を安く済ませたいですよね。
そこで工事費を抑えるコツについても確認しておきましょう。

部分断熱を検討する

お住まい全体をリフォームするよりも「窓のみ」「長く過ごすリビングのみ」など、断熱対策する範囲を限定することで、工事が安く、かつ早く済みます。
(本記事冒頭の「費用相場」参照)

ただし「壁のみ」「窓を1箇所だけ」といった工事では、十分な断熱性を得られないことがあるため、予算を重視しすぎないほうが無難でしょう。
まずは断熱対策に詳しいリフォーム業者に、どのような施工が適しているか現地調査してもらうことも大事といえます。

相見積もりで比較する

業者により、推奨する工法や、見積もり金額は異なります。
予算・施工内容ともに納得できるリフォームを実現するためにも、複数のリフォーム業者に見積もりを依頼し、比較してみることが大切です。

>> リフォーム/リノベーションの見積もり時の重要ポイントは?注意点や体験談も紹介
>> リノベーションの見積もりの取り方とは?注意すべき点も解説

【2024年度】断熱リフォームで使える補助金制度|対象の工事&費用相場や注意点もご紹介

「部分断熱でも効果がありそうか」「どんな断熱の仕方がよいか」「補助制度を使いたい」「なるべく安くリフォームしたい」といった疑問点や要望を、遠慮なくプロの業者に伝えてみましょう。
親身になってくれるスタッフであれば、ご自宅に合った方法を一緒に考えてくれるはずです。

最適な断熱リフォームを実現し、夏も冬も快適な住空間をぜひとも手に入れてくださいね!

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