【外壁塗装】塗料の1液型と2液型を徹底比較!メリット・デメリットも解説

更新日:2024年11月26日

塗料の1液型と2液型 サムネイル

外壁や屋根の塗装で使われる塗料には、「1液型」「2液型」と呼ばれる種類があります。
それぞれの主な違いは、塗装時の扱い方、施工のしやすさ、耐久性などですが、「1液型」と「2液型」の特徴をしっかり理解しておけば、塗料を選ぶときや、塗装業者がよい提案をしてくれているかどうかの判断に役立ちます。
どちらにもメリットとデメリットの両面がありますので、この機会に比較してみましょう。

あわせて読みたい

外壁塗装の

補助金情報や事例はこちら ▶

塗料の分類・「1液型」「2液型」とは?

「1液型」「2液型」についてお話しする前に、外壁や屋根に使われる塗料について、簡単にご説明しておきましょう。

塗料の分類「1液型」「2液型」について説明した画像

塗料は、合成樹脂などの主成分によって「アクリル」「ウレタン」「シリコン」「フッ素」といった種類に分けられます。

これらの塗料は、使用時に塗りやすく加工するため、薄め液を使用します。

水で薄めるタイプの物を「水性塗料」、シンナーなどの有機溶剤で薄めるタイプの物を「油性(溶剤/弱溶剤)塗料」と呼んでおり、 ウレタン塗料やシリコン塗料などはすべて、水性か油性に分けられます。

さらに、上記の塗料は「1液型」か「2液型」のどちらかに分類されます。

1液型と2液型はそれぞれ「塗料が1つの缶にまとまっているか」「主剤(塗料液) と硬化剤の2つの缶に分けられているか」で類別されます。

>> シリコン塗料の特徴や費用

「1液型」と「2液型」の違い

「1液型」と「2液型」の主な違いの要点は、次の通りです。

1液型 2液型
缶は1つのみ
(すでに硬化剤が入っており、そのまま使える)
缶は2つある
(主剤と硬化剤を、使用する直前に混ぜる)
保管期限が短い (混合前であれば)
保管期限が長い
余っても翌日に使用できる 一度混ぜたら、一定時間内に使い切る必要がある
価格が安い 価格が高い
耐用年数が2液型より劣る 耐用年数が1液型より2~3年位、長い
塗れる場所が限られる
(コンクリート・セメントモルタル・サイディングボード・各種の旧塗膜など)
金属など多様な素材に塗ることが可能

1液型の特徴

塗料が1つの缶の中にまとまっている「1液型」は、硬化剤がすでに適切な量で混合されており、開封すればそのまま、水もしくはシンナーで薄めてすぐに使用できるのが最大の特徴です。

ただし、あらかじめ硬化剤が含まれていることから、缶の中で硬化反応を起こして徐々に固まっていき、性能も落ちていってしまいます。

このため1液型は保管期限が短く、製造日から3か月~1年以内を目処に使い切らなければなりません。

両者の大きな差はこの点にありますが、このほかにも耐久性や適した施工場所などにも違いがあります。

2液型の特徴

主剤と硬化剤の2缶に分かれているのが「2液型」です。
使用前に2つの素材を混ぜ合わせた上で、水かシンナーで薄める必要があります。

一度混ぜた2液型の塗料は、硬化反応を起こして徐々に固まり始め、完全に固まってしまうと、再利用できません。

塗料の種類や気候によって硬化のスピードは変動しますが、3~8時間以内を目安に使い切らなくてはいけません。

なお塗料を混合する前なら、日が当たらず暑くならない場所にさえ置いておけば、長い間保管できます。

【元は「2液型」が主流だった】

元々、外装用の塗料は、主剤と硬化剤を混ぜて使う「2液型」が主流でした。

しかし、作り置きができない/混ぜ合わせる手間がかかる、などの理由から、使いやすさや施工の簡易性が重視され、塗装時に混ぜる必要のない「1液型」の商品開発が進んだのです。

ただし、1液型の塗装が適している箇所・材質は限られているため、必ずしも使いやすさだけで選ぶのが正解とはいえません。

そこで、「1液型」と「2液型」のメリット・デメリットについて詳しく触れていきましょう。

「1液型」のメリット

1液型のメリット

1液型の一番のメリットは、混合や攪拌(かくはん=かき混ぜること)の手間がなく、扱いやすい点でしょう。

また、2液型のように短時間で固まってしまう心配がないため、余った塗料は翌日も同じように使用できます。

さらに、価格面でも1液型のほうが割安になるメリットがあります。
1㎡あたりの単価は1~2割の差しかありませんが、外壁・屋根の塗装では最初に下塗りを行った後、二度塗りで仕上げるのが基本です。

そのため使用する塗料の量が多く、最終的にかかるリフォーム費用は1液型のほうが、数万円程度安くなります。

「1液型」のデメリット

1液型のデメリット

耐久年数については、1液型よりも2液型のほうが2~3年ほど長い傾向があります。
例えば、同じ油性のシリコン塗料であっても、1液型なら12年、2液型なら15年程度持つイメージです。

また1液型の最大のデメリットは、塗装に適した箇所が「コンクリート・セメントモルタル・サイディングボード・各種の旧塗膜」などに限られており、アルミのような金属部分には塗装できない製品が多いことです。

そのため、1液型での塗装を望んでも、施工場所によっては2液型を薦められることがある点を理解しておきましょう。

塗料選び塗装工事も得意な
\リフォーム業者を探したい!/
無料!
リフォーム会社一括見積もり依頼 ▶

「2液型」のメリット

2液型のメリット

2液型が優れている点は、耐久性と汎用性の高さにあります。

2液型は、塗装する直前に主剤と硬化剤を混ぜることによって、大きな化学反応が起きるため、丈夫な塗膜を作り、密着性も高まります。

紫外線や雨風に対する抵抗力が強く劣化しにくい魅力があり、さらに1液型のように塗装箇所を選ばず、鉄・アルミニウム・ステンレスなどの金属類にも施工が可能です。

「2液型」のデメリット

2液型のデメリット

一方で、「2液型」の最大の難点とされているのは、取り扱いの難しさです。

主剤と硬化剤を混ぜる割合・比率は製品によって細かく規定されています。

例えば日本ペイント社の『水性ファインウレタンU100』は、塗装方法に合わせて0~10%の水道水で薄める仕様になっています。

良質な塗膜を作るには、誤差を5%以内に収めるのが理想的だとされており、逆に希釈率に大きな差があり過ぎると、塗料が本来持っている耐久力が落ちてしまいます。

可使時間にも注意が必要

さらに、各製品には混合後の使用限度時間を示す「可使時間」が定められています。

例えば、可使時間が「5時間(気温が23℃の場合)」と設定されている塗料であれば、一度混ぜた塗料は、気温23℃の際に5時間以内に使い切らなければなりません。

また、気温が高いと「可使時間」はもっと短くなるので、夏場などはより手早く塗装作業をする必要があります。

可使時間を過ぎて塗料が硬化してしまった場合、再利用ができないため、その日の気温や湿度も考慮しながら、無駄に余ることがないよう量を計算して混合する必要があります。

また少なく作ってしまった場合にはその都度、主剤と硬化剤を混ぜる作業を行わなくてはなりません。

上記のような手間がかかることから、2液型をうまく扱うには豊富な知識と経験が必要とされるのです。

「2液型」のほうが、高性能かつ施工が難しい

元来、外壁・屋根の塗装には、「2液型」の油性塗料を用いるのが一般的でしたが、現在は、取り扱いの難しさを解消した「1液型」の塗料や、高性能な水性塗料が数多く開発され、流通しています。

しかし「1液型」の塗料は施工しやすい長所がある反面、塗装経験が少ない職人が手抜き工事をするかもしれないリスクもあり、また前述した通り耐久性もやや劣ります。

反対に、昔から主流である「2液型」を扱える業者のほうが、施工実績が豊富で腕が良いと判断でき、高耐久の塗装をしてもらえる可能性が高いといえます。

ただ最近は、臭いが少なく環境に優しい水性塗料のほうが推奨される傾向にありますが、水性の「2液型」の製品は、あまり多くは流通していないため、選択肢が限られます。

なお人気の塗料製品の一つである『スーパームキコート』などは、「2液型」の水性塗料です。
興味がある方は、塗装業者に相談してみるとよいでしょう。

塗料も塗装業者も、相見積もりで比較して選ぶと安心

きちんと長持ちする塗料を選べるか、施工技術のある業者が探せるか、など不安に感じるかもしれませんよね。

また、下地によって適した塗料も異なりますので、プロの意見を参考に、最適な物を選びたいところです。

そこでまずは、複数の塗装会社に、見積もりを依頼してみることをおすすめします。
各業者の得意・不得意や、推奨品の提案の仕方、予算など、様々な点を比較することができます。

最終的に、全体的な印象が最もよい会社を選んで、工事を任せると安心です。

塗料選び塗装工事も得意な
\リフォーム業者を探したい!/
無料!
リフォーム会社一括見積もり依頼 ▶
リフォーム費用は比較で安くなる! 最大50%DOWN 簡単30秒 見積もり件数No.1 無料リフォーム会社一括見積もり依頼 カスタマーサポートがびったりの会社をご紹介
このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもお役立ち情報をお届け中!

公式LINEアカウントはこちら
公式Instagramアカウントはこちら

外壁塗装・外壁のおすすめ記事

  • 水性塗料と油性塗料の違いは?費用やメリット・デメリットを徹底比較!

    一昔前までは、塗膜の耐久性に大きな差があった「油性塗料」と「水性塗料」。しかし最近では、油性塗料に引けを取らない水性塗料も数多く開発されており、塗装業者でも積極的に水性塗料を採用しています。では、そんな水性塗料を外壁塗装に利用することはできるのでしょうか?水性という性質上、雨に濡れると溶けてしまいそうな気もしますよね。今回は、水性塗料に関する様々な疑問や、油性塗料との違い、さらに信頼できる業者の選び方などについてもご紹介します。

  • シリコン塗料の外壁・屋根塗装の費用相場は?特徴やメリット・デメリットを解説

    シリコン塗料は、外壁・屋根塗装のリフォームで非常に人気があります。しかし、本当に良い塗料であるかどうかしっかり確認しておきたいですよね。 そこで、シリコン塗料のメリット・デメリットや、種類・グレードの違い、メーカーのおすすめ品について解説します。 また、ウレタン塗料やフッ素塗料と比較した場合の価格・耐用年数の差や、シリコン塗料を使った施工例もご紹介するので、チェックしてみてくださいね!

  • 【徹底解説】ラジカル塗料とは?費用やメリット・デメリットをご紹介

    ラジカル塗料(ラジカル制御塗料)は、2012年から販売を開始して以来、注目度が上がっている最新技術の高機能な外壁・屋根塗料です。 今回は、ラジカル塗料の特徴とメリット・デメリット、価格や耐久性についてしっかりチェックしていきましょう! また、人気塗料の一つであるシリコンとの比較や、大手メーカーのおすすめ品、ラジカル塗料で実際に施工した事例も、まとめてご紹介します!

  • 屋根リフォームの費用相場や施工事例6選を公開!補助金や保険についてもご紹介

    屋根のリフォーム工事の際には「費用はいくら?」「補助金や火災保険は、利用できる?」と気になる方が多いはず。築年数によっては「工法は、塗装・カバー工法(重ね葺き)・葺き替え、どれがよい?」という点で悩む方もいらっしゃいますよね。そこで、屋根リフォーム工事の価格相場、施工費用を安く抑えるコツ、おすすめの会社の口コミなどをご紹介します。当サービス『リショップナビ』の加盟業者が手がけた施工事例(費用・築年数やビフォーアフター画像掲載)も、参考にしてくださいね。

  • 内装・内壁を塗装するメリット・デメリットと塗料の種類

    内装・室内の壁をリフォームするとき、塗装か壁紙クロスかで悩む方は多いでしょう。壁紙クロスもバリエーションがたくさんありますが、塗料にしか出せない味わいがあったり、DIYで部分補修もしやすかったりという点から、内壁塗装に注目する方が増えています。内壁を塗装するときの注意点や、おすすめの塗料についてご紹介します。

リショップナビは3つの安心を提供しています!

  • ご希望にあった会社をご紹介!

    お住まいの地域に近く・ご希望のリフォーム箇所に対応が可能という基準を元に、厳選した会社をご紹介。可能な限り、ご要望にお応えできるように対応致します。

  • しつこい営業電話はありません!

    紹介する会社は、最大で5社まで。また、連絡を希望する時間帯をお伝え頂ければ、しつこい営業電話をすることはありません。

  • 見積もり後のフォローも致します

    ご紹介後にご不明点や依頼を断りたい会社がある場合も、お気軽にご連絡ください。弊社から各会社へのご連絡も可能となっております。

© ZIGExN Co., Ltd. All Rights Reserved.