【外壁塗装】塗料の1液型と2液型を徹底比較!メリット・デメリットも解説

更新日:2024年11月20日

塗料の1液型と2液型 サムネイル

外壁や屋根の塗装で使われる塗料には、「1液型」「2液型」と呼ばれる種類があります。
それぞれの主な違いは、塗装時の扱い方、施工のしやすさ、耐久性などですが、「1液型」と「2液型」の特徴をしっかり理解しておけば、塗料を選ぶ時や、塗装業者が良い提案をしてくれているかどうかの判断に、役立ちます。

どちらにもメリットとデメリットの両面がありますので、この機会に比較してみましょう。

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塗料の分類・「1液型」「2液型」とは?

「1液型」「2液型」についてお話しする前に、外壁や屋根に使われる塗料について、簡単にご説明しておきましょう。

塗料の分類「1液型」「2液型」について説明した画像

塗料は、合成樹脂などの主成分によってアクリル・ウレタン・シリコン・フッ素といった種類に分けることができます。

これらの塗料は、使用時に塗りやすく加工するため、薄め液を使用します。

この際、水で薄めるタイプの物を「水性塗料」、シンナーなどの有機溶剤で薄めるタイプの物を「油性(溶剤/弱溶剤)塗料」と呼んでいます。

そのため、ウレタン塗料やシリコン塗料などはすべて、水性か油性に分けられます。
さらにこのような塗料は「1液型」か「2液型」のどちらかに分類されます。

1液型と2液型はそれぞれ「塗料が1つの缶にまとまっているか」「主剤(塗料液) と硬化剤の2つの缶に分けられているか」で類別されます。

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「1液型」と「2液型」の違い

「1液型」と「2液型」の主な違いの要点は、次の通りです。

1液型 2液型
缶は1つのみ
(すでに硬化剤が入っており、そのまま使える)
缶は2つある
(主剤と硬化剤を、使用する直前に混ぜる)
保管期限が短い (混合前であれば)
保管期限が長い
余っても翌日に使用できる 一度混ぜたら、一定時間内に使い切る必要がある
価格が安い 価格が高い
耐用年数が2液型より劣る 耐用年数が1液型より2~3年位、長い
塗れる場所が限られる
(コンクリート・セメントモルタル・サイディングボード・各種の旧塗膜など)
金属など多様な素材に塗ることが可能

1液型の特徴

塗料が1つの缶の中にまとまっている「1液型」は、硬化剤がすでに適切な量で混合されており、開封すればそのまま、水もしくはシンナーで薄めてすぐに使用できるのが最大の特徴です。

ただし、あらかじめ硬化剤が含まれていることから、缶の中で硬化反応を起こして徐々に固まっていき、性能も落ちていってしまいます。

このため1液型は保管期限が短く、製造日から3か月~1年以内を目処に使い切らなければなりません。

両者の大きな差はこの点にありますが、このほかにも耐久性や適した施工場所などにも違いがあります。

2液型の特徴

主剤と硬化剤の2缶に分かれているのが「2液型」です。
使用前に2つの素材を混ぜ合わせた上で、水かシンナーで薄める必要があります。

一度混ぜた2液型の塗料は、硬化反応を起こして徐々に固まり始め、完全に固まってしまうと、再利用できません。

塗料の種類や気候によって硬化のスピードは変動しますが、3~8時間以内を目安に使い切らなくてはいけません。

なお塗料を混合する前なら、日が当たらず暑くならない場所にさえ置いておけば、長い間保管できます。

【元は「2液型」が主流だった】

元々、外装用の塗料は、主剤と硬化剤を混ぜて使う「2液型」が主流でした。

しかし、作り置きができない/混ぜ合わせる手間がかかる、などの理由から、使いやすさや施工の簡易性が重視され、塗装時に混ぜる必要のない「1液型」の商品開発が進んだのです。

ただし、1液型の塗装が適している箇所・材質は限られているため、必ずしも使いやすさだけで選ぶのが正解とはいえません。

そこで、「1液型」と「2液型」のメリット・デメリットについて詳しく触れていきましょう。

「1液型」のメリット

1液型の一番のメリットは、混合や攪拌(かくはん=かき混ぜること)の手間がなく、扱いやすい点でしょう。

また、2液型のように短時間で固まってしまう心配がないため、余った塗料は翌日も同じように使用できます。

さらに、価格面でも1液型のほうが割安になるメリットがあります。
1㎡あたりの単価は1~2割の差しかありませんが、外壁・屋根の塗装では最初に下塗りを行った後、二度塗りで仕上げるのが基本です。

そのため使用する塗料の量が多く、最終的にかかるリフォーム費用は1液型のほうが、数万円程度安くなります。

「1液型」のデメリット

耐久年数については、1液型よりも2液型のほうが2~3年ほど長い傾向があります。
例えば、同じ油性のシリコン塗料であっても、1液型なら12年、2液型なら15年程度持つイメージです。

また1液型の最大のデメリットは、塗装に適した箇所が「コンクリート・セメントモルタル・サイディングボード・各種の旧塗膜」などに限られており、アルミのような金属部分には塗装できない製品が多いことです。

そのため、1液型での塗装を望んでも、施工場所によっては2液型を薦められることがある点を理解しておきましょう。

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「2液型」のメリット

2液型が優れている点は、耐久性と汎用性の高さにあります。

2液型は、塗装する直前に主剤と硬化剤を混ぜることによって、大きな化学反応が起きるため、丈夫な塗膜を作り、密着性も高まります。

紫外線や雨風に対する抵抗力が強く劣化しにくい魅力があり、さらに1液型のように塗装箇所を選ばず、鉄・アルミニウム・ステンレスなどの金属類にも施工が可能です。

「2液型」のデメリット

一方で、「2液型」の最大の難点とされているのは、取り扱いの難しさです。

主剤と硬化剤を混ぜる割合・比率は製品によって細かく規定されています。

例えば日本ペイント社の『水性ファインウレタンU100』は、塗装方法に合わせて0~10%の水道水で薄める仕様になっています。

良質な塗膜を作るには、誤差を5%以内に収めるのが理想的だとされており、逆に希釈率に大きな差があり過ぎると、塗料が本来持っている耐久力が落ちてしまいます。

可使時間にも注意が必要

さらに、各製品には混合後の使用限度時間を示す「可使時間」が定められています。

例えば、可使時間が「5時間(気温が23℃の場合)」と設定されている塗料であれば、一度混ぜた塗料は、気温23℃の際に5時間以内に使い切らなければなりません。

また、気温が高いと「可使時間」はもっと短くなるので、夏場などはより手早く塗装作業をする必要があります。

可使時間を過ぎて塗料が硬化してしまった場合、再利用ができません。

その日の気温や湿度も考慮しながら、無駄に余ることがないよう量を計算して混合する必要があります。

また少なく作ってしまった場合にはその都度、主剤と硬化剤を混ぜる作業を行わなくてはなりません。

上記のような手間がかかることから、2液型をうまく扱うには豊富な知識と経験が必要とされるのです。

「2液型」のほうが、高性能かつ施工が難しい

元来、外壁・屋根の塗装には、「2液型」の油性塗料を用いるのが一般的でしたが、現在は、取り扱いの難しさを解消した「1液型」の塗料や、高性能な水性塗料が数多く開発され、流通しています。

しかし「1液型」の塗料は施工しやすい長所がある反面、塗装経験が少ない職人が手抜き工事をするかもしれないリスクもあり、また前述した通り耐久性もやや劣ります。

反対に、昔から主流である「2液型」を扱える業者のほうが、施工実績が豊富で腕が良いと判断でき、高耐久の塗装をしてもらえる可能性が高いと言えます。

ただ最近は、臭いが少なく環境に優しい水性塗料のほうが推奨される傾向にありますが、水性の「2液型」の製品は、あまり多くは流通していないため、選択肢が限られます。

なお人気の塗料製品の一つである『スーパームキコート』などは、「2液型」の水性塗料です。
興味がある方は、塗装業者に相談してみると良いでしょう。

塗料も塗装業者も、相見積もりで比較して選ぶと安心

きちんと長持ちする塗料を選べるか、施工技術のある業者が探せるか、など不安に感じるかもしれませんよね。

また、下地によって適した塗料も異なりますので、プロの意見を参考に、最適な物を選びたいところです。

そこでまずは、複数の塗装会社に、見積もりを依頼してみることをおすすめします。
各業者の得意・不得意や、推奨品の提案の仕方、予算など、様々な点を比較することができます。

最終的に、全体的な印象が最もよい会社を選んで、工事を任せると安心です。

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