擁壁の耐用年数は何年くらい?

擁壁とは「土地に高低差を作る際、崖となる部分の土の側面が崩壊するのを防ぐために設ける、壁状の建造物」のことを指します。
劣化が進むと大変危険なため、年数が経っているものは特に注意しなければなりません。

一般的なコンクリート擁壁の場合、おおよその耐用年数は「30〜50年」と言われています。
年数に大きな幅があるのは、擁壁の厚みや土圧、環境の違いなどによるものです。
また、排水がきちんと行われているかどうかも、耐用年数に大きく影響します。
ちなみに、劣化による危険度は築20年ほどから大きく上昇していきます。
パッと見で分からなくても、築年数が経っている場合は調査してもらうと安心です。
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擁壁工事(やり直し/作り直し・補修)の費用はいくら?
続いては、擁壁工事の費用相場について確認していきましょう。

やり直し(作り直し)の工事の費用相場
工事の費用は複数の条件によって決まるため、一概には断定できません。
ただ、新たに設置する場合「3〜13万円/㎡」程度が目安となります。
その費用に、擁壁の解体や土の運搬などにかかる費用が別途加算される可能性があります。
(ひび割れなど)補修工事の費用相場
補修工事の場合も、条件の違いによって費用が変わるため断定はできませんが「1〜2万円/㎡」ほどが目安です。
ひび割れの隙間補修など、既存の擁壁を利用できる場合は、やり直しや新設の工事よりも低額になる傾向にあります。
擁壁の工事費用は、どのような場合に高くなる?
工事金額は、擁壁の種類・面積・設置環境などによって決まります。
![]() (コンクリート擁壁) |
![]() (間知ブロック擁壁) |
擁壁には様々な種類がありますが、現在の建築基準法に適合しているものには、コンクリート擁壁(RC擁壁)や間知ブロック擁壁があります。
一般的に建設されるのはコンクリート擁壁で、費用はやや高額です。
また、もちろん土地の面積が広いほど工事費用は高くなります。
「土砂の流入の可能性が高い場所では、擁壁を高くする」「地盤が弱い場所では、盛り土をする」といった工事も必要になると、その分費用はかさみます。

ただし、これらの相場はあくまでもおおよその目安です。
希望の工事が実現可能か、実際の施工費用がいくらかを知るには、現地調査が必要となります。
まずはリフォーム業者に見積もりを依頼して、適正価格を知ることから始めましょう。
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擁壁工事に補助金・助成金は使える?

自治体によっては、擁壁工事に補助金(助成金)が使用できるケースもあります。
対象となる工事内容、補助金額なども地域によって様々ですが、参考までに「神奈川県横浜市」や「東京都港区」の制度の例を見てみましょう。
『横浜市崖地【防災】対策工事助成金制度』(神奈川県横浜市) |
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<申請受付期間および工事期間> ・申請受付=〜2021年12月28日 (※2022年4月現在、令和3年度分の受付は終了) |
<概要・要件> ■建築基準法または宅地造成等規制法が定める基準に適合した、擁壁の工事、もしくは切り土・盛り土の工事など (※その他、市が定めた細かい要件あり) |
<主な補助対象> ■地盤面からの高さが2mを超える崖地、または道路などに面した1mを超える崖地 ■居住の用に供する建物や、道路などに被害が及ぶおそれがある崖地 (※いずれも市内の崖地などが対象。その他、市が定めた細かい要件あり) |
<補助金額> 市で定めた単価により算出された金額、もしくは工事費の1/3のうち、いずれか少ない額 ※上限額=400万円 ※市で定めた単価=毎年度、改定。令和3年度の場合は、 ①擁壁の垂直投影面積1㎡あたり77,000円 ②切り土・盛り土工事:垂直投影面積1㎡あたり31,000円 ③法枠工事:垂直投影面積1㎡あたり6,8000円 |
『がけ・擁壁改修工事等支援事業』(東京都港区) |
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<申請受付期間および工事期間> ・申請受付=港区の担当窓口にて事前相談の上、申請 (※予算額に達し次第、締め切り) |
<概要・要件> ■区内の個人・管理組合・中小企業などが所有する、敷地内崖地もしくは擁壁における、擁壁の新設工事および築造替え工事 |
<主な補助対象> ■改修工事後、擁壁の高さが2mを超えること (※その他、区が定めた細かい要件あり) |
<補助金額> 助成対象工事に要する費用の、1/2以内 ※上限額=土砂災害(特別)警戒区域外の場合:500万円/土砂災害(特別)警戒区域内の場合:5,000万円 |
ちなみに、東京都港区の場合、委任状があれば施工業者に申請してもらうことも可能です。
申請などの手続きをサポートしてくれるリフォーム業者もありますので、
助成金の利用を考えている場合は、まず相談してみるとよいでしょう。
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擁壁の工事・メンテナンスを検討すべき劣化症状
劣化した擁壁にありがちな症状や危険性について、具体的に確認しておきましょう。
排水の不具合

以下の条件に当てはまる場合、排水に問題がある可能性があります。
・水抜き穴が設置されていない。(3㎡以内に1ヶ所以上、内径75mm以上の水抜き穴が必要)
・水抜き穴の中に、土や草が詰まっている。
・擁壁の表面が湿っている。また、水が染み出している。
・水抜き穴や擁壁表面に、コケが生えている。
排水に問題があると、擁壁に水圧がかかり、大雨の際などに変形や崩壊の危険があります。
ひび割れ・ふくれ・変形

「擁壁にひび割れがある」「ふくれているように見える」「変形している」といった箇所が見られる場合は、強度が低くなっている可能性が非常に高いです。
地震や大雨などで崩壊する危険があるため、専門のリフォーム業者に点検してもらいましょう。
白色生成物

ひび割れや積石の隙間などに、白い物質が現れている場合も、注意が必要です。
擁壁の背面にひび割れが発生している可能性があるため、専門のリフォーム業者に調べてもらうのがおすすめです。
劣化した擁壁で起きやすいトラブルとは?
擁壁の劣化が進むと、大きな災害などが起こった際に崩壊する可能性があり、人命に関わります。
詳細は後述しますが、高さ2m以下の低い擁壁であっても、トラブルが多いので注意が必要です。
また、劣化を知っていたにも関わらず放置していた場合は、土地所有者の責任が問われることもあります。
このようなトラブルを未然に防ぐためにも、ご自宅の擁壁が心配な方は、一度リフォーム業者に相談してみるとよいですね。
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擁壁工事で工作物確認申請は必要?不要?ポイントや注意点は?

高さ2mを超える擁壁の建設工事=「工作物確認申請」が必要
高さ2mを超える擁壁を建設する場合は、工事の事前チェックとして「工作物確認申請」が必要となり、手数料がかかります。
工事の内容によっては「開発許可」や「宅地造成に関する工事の許可」が必須になります。
このように、擁壁は法的基準に則って申請を行い、確認を受けた後に工事を進める必要があります。
高さ2m以下の擁壁は、手抜き工事されている場合があるため注意
ちなみに「高さ2mを超えない擁壁なら、確認申請などは不要か」と断言できるかと言うと、そうではありません。
上述の通り、建築基準法上では高さが2m以下の擁壁であれば、工作物確認申請の義務がありません。
これにより、プロに審査されていない/適した材料を使用していない/法律の基準に則していない工事が行われ、トラブルが多発しているという現実があります。

また、擁壁や土留めに使用される「ブロック」には、防水性が高い物と低い物、強度が高い物と低い物があります。
防水性や強度が弱いブロックを使用されていると、特に危険度が高くなるため、さらに注意が必要と言えるでしょう。
つまり低い擁壁こそ、新設時に安全な工事をされていないリスクも高いのです。
擁壁の高さがどの程度であっても、施工前に現状確認してもらうことを推奨します。
既存の擁壁の安全性は、自治体や施工業者に確認してもらうと安心

なお、既存の擁壁がきちんと法的手続きを取っているかを確認できる自治体もありますので、心配な場合は問い合わせてみましょう。
ただ既存の擁壁が安全かどうかは、やはり現場を実際に調査してみないと分からないことが多いため、安心できるリフォーム業者に見積もりを依頼するのがおすすめです。
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擁壁工事・リフォームの施工事例
それでは最後に、当サービス『リショップナビ』加盟店が実際に施工した擁壁をご紹介します。
安全面が改善されるのはもちろん、見た目がおしゃれになるといった利点もありますよ。
【事例①】
基礎の打ち込みを伴う大掛かりな擁壁工事!

物件種類 | 一戸建て |
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築年数 | 26年 |
リフォーム費用 | 130万円 |
施工日数 | 43日 |
庭の下の配管を移設し、玄関付近は暗くならないよう明り取りも設置しました。
>> このリフォーム事例を詳しく見る
【事例②】
擁壁塗装で外観がキレイに!

物件種類 | 一戸建て |
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築年数 | - |
リフォーム費用 | 12万円 |
施工日数 | 4日 |
駐車場も兼ねたスペースがきれいに生まれ変わりました。
>> このリフォーム事例を詳しく見る
【事例③】
ボーダータイルで擁壁がおしゃれに!

物件種類 | 一戸建て |
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築年数 | 20年 |
リフォーム費用 | - |
施工日数 | 20日 |
エクステリア全体が調和する、あたたかなデザインにまとまっています。
>> このリフォーム事例を詳しく見る
擁壁は劣化が進むと、重大な事故につながる恐れがあります。
劣化が確認できる場合や、築年数的に不安な場合は、調査をしてもらうとよいでしょう。
まずは擁壁工事を請け負っているリフォーム業者に、相談してみてはいかがでしょうか。
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【この記事の要点まとめ◎】
擁壁のリフォーム工事(補強・作り直しなど)にかかる費用はいくら? |
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「やり直し(作り直し)」「ひび割れなどの補修工事」にかかる費用や、高額になりやすい場合について、こちらでまとめて解説しています。 |
既設の擁壁を工事する際、補助金・助成金制度の対象になる? |
自治体によっては、防災対策のため擁壁の工事に補助金を支給しています。 ただし年度末には締め切られているケースが多いため、申請時期にはご注意ください。 |
高さ2m以下の擁壁の工事なら、工作確認申請は不要? |
建築基準法上では、高さ2mを超える場合は工作確認申請が必要とされています。 ただし、低い擁壁であれば安全とは言い切れないため、工事前にプロに調査してもらうことをおすすめします。 詳細は、こちら。 |
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こちらの記事もおすすめ♪
>> ブロック塀の解体・交換にかかる費用と地震対策
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