屋根の形10種類の特徴を解説!形状変更のリフォーム費用相場は?

屋根の形状によって、建物の外観だけではなく、今後のメンテナンスの手間や、固定資産税なども変わってきます。太陽光発電システムを設置するか、落雪対策を行いたいかどうかも基準にして、最適な屋根の形を考えてみましょう。今回は、住宅で主流な屋根の形10種のメリット・デメリット、リフォームで形状変更する際の費用や注意点について解説します。

1.切妻屋根の特徴

「切妻(きりづま)屋根」は、 私たちにとって最も親しみのある一般的な屋根です。

屋根の最頂部の棟(むね=屋根面が交差している部分)から地上に向かって、二つの傾斜面が本を伏せたような山形の形状をしています。

切妻屋根のメリット

シンプルな形なので、工事が比較的簡単で防水処理の欠陥が少なく、トラブルが発生しにくいという長所があり、メンテナンスも比較的簡単です。

新築時にもメンテナンスリフォームの際にも、工事費を抑えたい方におすすめです。

切妻屋根のデメリット

妻側(つまがわ=建物の棟に対し、直角に接している側面のこと。切妻屋根の場合は、屋根がかかっていない面)の壁には、日光や雨水が直接当たってしまいます。
そのため妻側の外壁は劣化しやすく、定期的に塗装などのメンテナンスを行わないと、雨漏りなどの不安が残ります。

また東西方向に屋根面が来る場合は、太陽光パネルを設置しても発電効率が良くありません。

2.片流れ屋根の特徴

「片流れ(かたながれ)屋根」は、切妻屋根を半分に切ったような形の屋根です。
シャープな形状のため洋風の家で人気があります。

片流れ屋根のメリット

形状がシンプルなので、工事が簡単で防水上の欠陥も少ないため、新築での需要が高まっています。
デザイン性も高く、屋根裏の空間を確保しやすいのも特長です。

なお屋根面が南向きになるよう設計すれば、太陽光パネルを設置しやすくなります。
(※屋根面を北向きにしてしまうと、太陽光パネルの設置はできません。)

片流れ屋根のデメリット

片流れ屋根では、一面に雨が集中してしまいます。
大雨の際には、たった一つしかない雨樋から雨水が溢れてしまうトラブルが発生しやすくなるので、気をつけなくてはいけません。

また、屋根がかかっていない側の壁は、風雨が直接当たり劣化しやすいため、外壁からの雨漏りが発生していないか点検するようにしましょう。

3.寄棟屋根の特徴

「寄棟(よせむね)屋根」も、最近の屋根の中で非常に多いタイプです。
勾配のある4つの屋根面で構成されています。

最上部に、地上に対して水平になる「大棟(おおむね)」という部分があります。
大棟に対し、傾斜がある棟のことを「隅棟(すみむね)」あるいは「降り棟/下り棟(くだりむね)」と呼びます。

寄棟屋根のメリット

屋根面を4方向から寄せて支え合っているため、一番耐風性があると言われており、実際、台風や嵐に強いです。
日本の気候に合った屋根と呼べるでしょう。

寄棟屋根のデメリット

寄棟屋根は、屋根の上に降った水が4つの方向に流れます。
この際、大棟と降り棟の取り合い部分(Y字型の合わせになる「かき合い」という部分)で、雨漏りが発生することがあります。

本来、施工やメンテナンスがしっかりしていれば安全ではありますが、切妻屋根と比べると雨漏りのリスクが高いので、念のため注意が必要です。

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4.方形屋根の特徴

「方形(ほうぎょう)屋根」は、一つの頂点から4方向へ、屋根面が同じ角度で傾斜している、ピラミッドのような形の屋根のことです。
寄棟屋根の「大棟」部分がないタイプです。

方形屋根のメリット

寄棟屋根と同様で、4方向から支え合っているため頑丈な構造で、台風や嵐に強いです。

方形屋根のデメリット

方形屋根の下になる部屋は、正方形に近い設計にしなくてはなりません。
また全ての屋根面が三角形であるため、ソーラーパネルの設置には不向きです。

5.入母屋屋根の特徴

「入母屋(いりもや)屋根」は、寄棟屋根と切妻屋根を組み合わせたようなデザインの屋根で、田舎で見かけることが多いタイプです。
上部の切妻部分と下部の寄棟部分が、一続きになっています。

入母屋屋根のメリット

樋から雨水が溢れてしまうトラブルが発生しにくいです。
また、屋根裏の断熱性や通気性が高くなります。

日本の伝統的なスタイルなので、和風の住宅に最適なデザインです。

入母屋屋根のデメリット

接合部分が多く屋根の形が複雑になるので、工事が高額になります。
また防水上の欠陥が発生しやすくなるため、定期的なチェックが必要です。

6.はかま腰屋根の特徴

切妻屋根の妻側に、屋根上部から少しだけ寄棟屋根のような屋根面を設けた屋根のことを、「はかま腰(はかまごし)屋根」と言います。
隅切(すみきり)屋根・半切妻(はんきりづま)屋根・ドイツ屋根などとも呼ばれます。

はかま腰屋根のメリット

道路斜線や日影規制など法的な制約により使われる事が多く、この形状を取り入れることで、室内空間の自由度が高まります。

はかま腰屋根のデメリット

切妻屋根などと比較すると、棟の形が少し複雑であるため、雨漏りが発生しやすいです。

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7.差し掛け屋根・招き屋根の特徴

「差し掛け(さしかけ)屋根」は、切妻屋根の上部をずらしたようなデザインです。

「招き(まねき)屋根」は、差し掛け屋根の一種です。
切妻屋根の一方の屋根面が長く、もう一方が短い屋根のことを指します。

差し掛け屋根・招き屋根のメリット

強風や突風に強いというメリットがあります。
壁部分をつくることができるため、屋根の間に採光窓を設けることが可能です。
また、太陽光パネルを設置するのに適した角度を確保しやすいです。
施工費が安く、屋根裏の断熱性や通気性も保てます。

差し掛け屋根・招き屋根のデメリット

屋根と外壁との雨仕舞いをしっかりと行なわないと、雨漏り発生リスクが高くなるので用心しなくてはなりません。
施工に慣れたリフォーム会社を選ぶのが重要です。

8.越屋根の特徴

「越(こし)屋根」は、採光や風通しのための屋根の上に、さらに小さな屋根組をのせた形状の屋根です。
煙抜きのために設置されることもあります。

越屋根のメリット

越屋根では開口部が高い位置に来るため、熱気が抜けていき、風通しが良くなります。
また窓の設置の仕方次第で、夏の日射しを防ぎ、冬は採光しやすくなります。

越屋根のデメリット

構造が複雑で、やはり雨漏りが多発する傾向があります。
雨漏りが発生した時、原因究明にも時間と費用が相当かかるため、特にこだわりがなければ避けた方が良いデザインです。

9.陸屋根・ルーフフラット式無落雪屋根の特徴

屋根の勾配がほとんどない「陸(りく/ろく)屋根」は、RC住宅で利用されることが多いです。
また同様の形状の「ルーフフラット式無落雪(むらくせつ)屋根」は、北海道の住宅で採用されている例が多いです。

ちなみに、ツララや落雪の不安が軽減される「無落雪屋根」には大きく分けると、屋根面が平らな「ルーフフラット式」、屋根の中央部に融雪用のダクトを設置する「スノーダクト式」、 勾配がある屋根に雪止めを取り付ける「勾配屋根タイプ」の3種類があります。

陸屋根・ルーフフラット式無落雪屋根のメリット

屋根面がほとんど平らになるので、ベランダのように人が歩くことができる点が長所といえます。
積雪地域の場合、雪が滑り落ちる斜面がないため、落雪対策をほぼ行わなくて済みます。

陸屋根・ルーフフラット式無落雪屋根のデメリット

傾斜がない構造上、水が流れずに溜まってしまうため、防水層の防水性能と耐久性によって、雨漏りの危険性が大きく変わります。
できるだけ施工時には高性能な防水層を選ぶ必要があり、また防水シートが破れていないかなど、リフォーム会社に定期的に点検してもらうことが重要になります。

なお太陽光パネルを導入したい場合には、角度をつけなくてはならないため追加で工事費用がかかります。

10.バタフライ屋根・スノーダクト式無落雪屋根の特徴

「バタフライ屋根」「スノーダクト式無落雪屋根」は、蝶々の羽を広げたようなユニークな形で、屋根の端から真ん中に向かって低くなっている、V字型の形状です。

バタフライ屋根・スノーダクト式無落雪屋根のメリット

バタフライ屋根は、個性的な外観を演出できます。

無落雪屋根として施工する場合には、屋根の谷(中心部のくぼんだ箇所)に「スノーダクト」を設置することにより、融雪・排水できます。

スノーダクト式無落雪屋根は、なるべく傾斜を緩く設計するので、雪下ろしの際の転落事故を防げる点もメリットと言えるでしょう。

バタフライ屋根・スノーダクト式無落雪屋根のデメリット

谷の部分に水が溜まりやすい形状なので、排水がうまく行かないと溢れてしまう恐れがあり、また屋根材や樋が傷みやすいです。

特にスノーダクト式無落雪屋根では、雪の重みによってドアや窓が開かない・屋根が陥没してしまう、といったトラブルも考えられるため、雪の重量に耐えられる強度をあらかじめ確保しておく必要があります。

さらにスノーダクトは、定期的にメンテナンスを行わないと「すが漏れ(すが漏り)」が起きてしまう危険性があります。

「すが漏れ(すが漏り)」とは、屋根に積もった雪が凍ってできた「すが(=氷のこと)」による雨漏りのことで、排水部が凍ってしまった場合や、排水口にゴミが詰まっている時などに発生しやすい現象です。

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最適な屋根選びは、プロの業者と相談が一番

以上のように、いずれの形状の屋根にもメリット・デメリットがあります。
建物が木造か鉄骨か、屋根材は何を使いたいかによっても、適応する屋根の形状は異なるため、屋根の施工経験が豊富な業者に相談し、工事を依頼することが最も確実です。

今後のメンテナンスにかかる費用や方法など、素人ではわからないこともアドバイスしてくれるはずですから、まずはプロに質問してみると良いでしょう。

屋根の形状変更のリフォーム費用相場

雨漏りや雪対策のために、屋根の形状を変えたいと考える方もいらっしゃるでしょう。
基本的に屋根の形状変更は可能ですが、屋根の下の構造によっては好きな形にできるとは限らないので、まずは施工業者と相談してみることをおすすめします。

リフォーム費用の目安ですが、傾斜付きの屋根を陸屋根(ルーフフラット無落雪屋根)に変更する場合は、100~300万円でおさまるケースが多いです。
工事規模によっては、こちらの倍の金額になるかもしれないので、ご注意を。

屋根の形状変更は、確認申請・固定資産税に注意

屋根のリフォームでは、確認申請は不要なことが多いですが、屋根の形状を著しく変更する際、「高さ制限」や「斜線規制」といった内容に関わる場合には、確認申請が必要なケースも考えられます。
必ず施工会社や、お住まいの役所の担当窓口に確認しておきましょう。

また固定資産税も、屋根の形状によって変わってきます。
外観のデザインだけではなく、屋根の組み方や、屋根材・下地材、資材の量なども、住宅の資産価値を左右します。
ことに、複雑な形状の屋根ほど、固定資産税が上がりやすい傾向があります。
屋根を葺き替えるタイミングで、切妻屋根のようなシンプルな形状に変更し、固定資産税を軽減させる方もいらっしゃるほどです。

屋根の形を変える際には、固定資産税が予想外に高額にならないかどうかも配慮しておきましょう。

確認申請の代行サービス費用相場

なお確認申請が必要な場合には、構造計算をしなくてはなりませんが、知識がないと難しいため、ご自身で手続きすると大変です。

そのため確認申請は、施工会社に代行してもらうのが一般的ですが、費用は15~30万円位かかります。

予算が不安な方は、確認申請をしないで済む形状にリフォームしたい旨を、リフォーム会社の担当者に伝えておくと良いでしょう。

屋根の形状によって、将来的に必要な塗装・葺き替えのメンテナンス費用も変動します。
屋根業者の担当スタッフとじっくり打ち合わせしながら、ご自宅に合った形やリフォームの仕方を検討してみてくださいね。

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>> 屋根塗装・屋根リフォームの費用相場

更新日:2018年4月16日
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