ソーラーカーポートの費用相場はいくら?設置のメリットや節電効果について解説

更新日:2024年08月14日

ソーラーカーポートの費用相場はいくら?設置のメリットや節電効果について解説

電気を自家発電して自家消費できる「太陽光発電システム」の導入を検討されている方も多いのではないでしょうか?太陽光発電は、住宅の屋根だけではなくカーポートにも設置できます。
「家の屋根の形状が複雑で太陽光パネルを設置できない」とお悩みの方でも、「ソーラーカーポート」であれば、電気を自家発電できるのです。本記事ではソーラーカーポートの設置費用や節電効果について解説します。

ソーラーカーポートとは

太陽光発電システム

カーポートの上に太陽光パネルを設置したもの、もしくは、一体化した設備を「ソーラーカーポート」といいます。

住宅の屋根に設置する太陽光発電と同じように、太陽エネルギーによって発電した電気を、自家消費したり余剰分を売電したりできる設備です。

昨今は、公共施設やスポーツ施設、工場の駐車場に導入されることが増えてきました。

ソーラーカーポートの種類は3つある

二台用のカーポートと黒い車

ソーラーカーポートには3つの種類があります。

それぞれの特徴を、次の表にまとめました。

種類 特徴
一体型 最初から屋根に太陽光パネルが組み込まれており、カーポート本体と一体になっているもの。
太陽光パネルの取り外しは、基本的にはできない。
後付け型 既存のカーポートの上に太陽光パネルを後から設置するもの。
カーポート自体が、パネルを設置することを想定して設計されたものである必要がある。
屋根にポリカーボネートが使われているカーポートの場合、強度の問題により設置はできない。
オーダーメイド型 設置場所の面積や形状、環境に合わせてカーポートそのものをオーダーメイドして太陽光パネルを設置したもの。
コストはほかのタイプに比べて高くなる。

今あるご自宅のカーポートに太陽光パネルを設置する場合、耐荷重をしっかり確認しましょう

太陽光パネルの積載を想定していないカーポートだと、パネルの重さに耐えきれず、破損するおそれがあります。

ソーラーカーポートの設置費用の相場

カーポートと二台の黒い車

ソーラーカーポートの費用相場について、一般家庭で多く普及している「2台用」と「3台用」でそれぞれ次の表にまとめました。

カーポートのサイズ 費用相場
普通乗用車2台 約200~230万円
普通乗用車3台 約250~280万円

設置費用は、カーポートのサイズや太陽光パネルの設置枚数によって変動します

また、既製品よりもオーダーメイド製品にした方が、相場よりも金額が高くなる傾向があります。

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ソーラーカーポートで発電した電力は、いくらで売電できる?

電気代

ソーラーカーポートで発電した電力は、自宅で消費する「自家消費」だけでなく、余った分を電力会社に売電できる点が大きな魅力です。

どれくらいの価格で売電できるのかを解説します。

売電にはFIT制度の申請が必要

太陽光発電システムで発電した電気(再生可能エネルギー)を電力会社に買い取ってもらうには、「FIT法」にもとづいて申請し、国から売電を認めてもらう必要があります。

この制度を「事業計画認定」といいます。

FITの正式名称は「固定価格買取制度(Feed-in Tariff)」といい、再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が一定期間、一定価格で買い取ることを国が約束するものです。

出典:「なっとく!再生可能エネルギー」(経済産業省 資源エネルギー庁)を加工して作成

最大16円/kWhで売電できる

電気の売電価格は、上記で解説した「FIT制度」を適用するかしないかによって変わります。

FIT制度における2024(令和6)年度の売電価格(調達価格)は、太陽光発電量が10kW未満の場合、最大16円/kWhとなっています。(2025年度は15円/kWh)

FIT制度の調達期間が終了した後は10円/kWhになる予定です。

調達期間」とは固定価格での買取りが保証されている期間のことで、住宅用の太陽光発電については10年間と定められています。

また、FIT制度を適用せず、それぞれの家庭と電力会社や新電力会社などが個別に契約して売電する方法もあります(自由契約売電)。

太陽光発電システムの導入で補助金を設けている自治体は多くありますが、「FIT制度を適用しない」ことを条件としているケースもあるため、事前の確認が必要です。

出典:「令和6年度以降(2024年度以降)の調達価格等について」(経済産業省)を加工して作成

ソーラーカーポートの節電効果

ソーラーカーポートの節電効果

ソーラーカーポートを導入することで、どれくらいの節電効果が期待できるのでしょうか?

年間発電量や売電収入などからシミュレーションします。

ソーラーカーポートの推定年間発電量

ソーラーカーポートに設置した太陽光パネルの出力を、駐車台数ごとに次の表にまとめました。

カーポートのサイズ 発電出力
1台用 約3.6kW
2台用 約4.5kW
3台用 約6~9kW

出力とは、太陽光発電の瞬間的な発電量を示した値です。

年間の発電電力量は、下記の計算式で求めます。

年間発電電力量〔kWh/年〕=標準状態における太陽電池出力〔kW〕×設置場所での日射量 〔kWh/㎡・日〕×総合設計係数(通常は0.7程度)×365〔日〕

次の条件でシミュレーションしてみましょう。

設置地域:東京(平均日射量は3.92〔kWh/㎡・日〕)
ソーラーカーポートのサイズ:2台用

4.5〔kW〕×3.92〔kWh/㎡・日〕×0.7×365〔日〕=4,507〔kWh〕

東京と同等の年平均日射量がある地域で、駐車台数2台分のソーラーカーポートを設置した場合、年間で約4,500〔kWh〕を発電できる計算になります。

ソーラーカーポートでの発電量による売電収入

太陽光発電システムの特性として、太陽光パネルで発電したすべての電力を自家消費できるわけではありません

なぜなら、日中の発電のタイミングと、昼間の家庭内での電力消費のタイミングが合わないなどの理由があるためです。

太陽光発電システムの「自家消費率」は約30%とされており、残りの70%を売電することになります。

(蓄電池と併用した場合の自家消費率は約50%です)

その前提を加味して、上記で求めたソーラーカーポートの発電量をもとに売電収入を計算します。

電気量 計算式
自家消費分
(発電の30%)
4,500〔kWh〕×30〔%〕=1,350〔kWh〕
売電分
(発電の70%)
4,500〔kWh〕-1,350〔kWh〕=3,150〔kWh〕
1年間の売電収入 16〔円/kWh〕×3,150〔kWh〕=50,400〔円〕

東京と同等の年平均日射量がある地域で、駐車台数2台分のソーラーカーポートを設置した場合、1年間で売電できる金額は約50,400円となります。

ソーラーカーポートを導入した後の年間の推定電気料金

ソーラーカーポートで売電できる金額をもとに、年間の電気料金がどれくらい節約できるのかをシミュレーションします。

環境省が公表しているデータによると、2022(令和4)年度の世帯あたりの年間消費電力は3,950〔kWh〕とあります。

出典:「令和4年度 家庭部門の CO2排出実態統計調査 結果について(確報値)」(環境省)を加工して作成

利用する電気料金の単価を、2023年5月時点の平均値である35〔円/kWh〕とすると、年間の電気料金と自家消費による節約額、実質の年間電気量は下記の通りになります。

計算式
年間の電気料金 3,950〔kWh〕×35〔円/kWh〕=138,250〔円〕
自家消費による節約額 1,350〔kWh〕×35〔円/kWh〕=47,250〔円〕
実質の年間電気料金(※) 138,250〔円〕-47,250〔円〕-50,400〔円〕=40,600〔円〕

計算式
年間の電気料金 3,950〔kWh〕×35〔円/kWh〕=138,250〔円〕
自家消費による節約額 1,350〔kWh〕×35〔円/kWh〕=47,250〔円〕
実質の年間電気料金(※) 138,250〔円〕-47,250〔円〕-50,400〔円〕=40,600〔円〕

(※)年間の電気料金から、自家消費による節約分と売電収入を差し引いた額

上記の計算により、ソーラーカーポートを導入すれば(FIT制度の適用で)年間138,250円かかるはずの電気料金が、実質40,600円まで節約できることがわかりました。

出典:「2023年6月の電気料金、なぜ値上がりするの?いくらになるの?」(経済産業省 資源エネルギー庁)を加工して作成

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ソーラーカーポートを設置する5つのメリット

白い電気自動車

ソーラーカーポートを導入すると、次の5つのメリットがあります。

それぞれ解説します。

メリット①:自家発電・自家消費で電気代を節約できる

ソーラーカーポートの大きなメリットは、住宅の屋根に設置する太陽光発電と同じく、電気を「自家発電」して「自家消費」できることです。

電気料金が高騰している昨今、太陽光発電システムがあることで省エネになり、月々の光熱費を抑えられるのは嬉しいポイントですよね。

さらに、停電など災害時の電力確保でも大いに役に立ちます

メリット②:売電収入が得られる

ソーラーカーポートの節電効果の項目でもシミュレーションしましたが、ソーラーカーポートで発電した電力の余剰分は、電力会社などに売電できます。

家の屋根の太陽光発電と併用すれば、さらなる収入アップが望めるでしょう。

また、住宅の屋根の形状により太陽光パネルが十分に載せられない場合でも、ソーラーカーポートがあれば不足分を補えます。

メリット③:デッドスペースを有効活用できる

一般的なカーポートだと、屋根の上は特に活用する術もなく「ただの屋根」という扱いです。

家の車庫をソーラーカーポートにすれば、屋根の上が発電スペースになり、デッドスペースを余すことなく有効活用できます。

メリット④:住宅の屋根の形やデザインにこだわれる

住宅の屋根に太陽光パネルを設置する際は、効率の良い発電のために、方角や屋根形状が限定されてしまうこともあります。

「太陽光発電を設置したいと思ってはいるものの、家の屋根のデザインを変えるのは嫌だ」という方には、ソーラーカーポートがおすすめです。

ソーラーカーポートであれば、住宅の屋根をリフォームすることなく太陽光発電を導入できるので、屋根の色や素材、デザインの自由度が制限されません

メリット⑤:蓄電池やV2Hとの併用で電力を有効活用できる

ソーラーカーポートだけでは、発電した電気を貯めておくことはできません。

しかし、蓄電池を導入すれば発電量に合わせて電気を貯めておき、電力消費の多い時間帯に自家消費できます。

また、V2H機器を導入していれば、ソーラーカーポートで発電した電気を電気自動車へ送電したり、逆に電気自動車から家庭に電気を流すことも可能です。

V2Hとは「Vehicle to Home」の略称で、「車(Vehicle)から家(Home)へ」を意味し、電気自動車に蓄えられた電気を家庭で有効活用する設備のことです。

自治体によっては電気自動車の購入と併せてV2Hの設置への補助金制度を定めているところもあるため、確認してみましょう。

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ソーラーカーポートの設置でかかる税金や申請費用

電卓などを使った費用計算

ソーラーカーポートに関する税金や、申請費用について解説します。

固定資産税がかかることがある

次の4つの条件にすべて当てはまると、ソーラーカーポートも固定資産税の対象となります。

● カーポートに屋根がある
● カーポートの3方以上が壁に囲まれている
● カーポートの基礎が地面に固定されている
● カーポート内で作業や居住ができる

また、上記の条件に加え、ソーラーカーポートが安定して出力し続けられる電気量が10kWあると、事業用とみなされて固定資産税の対象である「償却資産」に該当します。

ソーラーカーポートの発電出力は駐車1台あたり約3.6kWであり、固定資産税の対象になる10kW以上になるのは、駐車台数3~4台分が目安です。

建築確認申請のための費用がかかる

床面積が10㎡を超える建築物を建てる際は、確認申請が必要です。

ソーラーカーポートの場合、面積の緩和措置があるため、駐車2台分からが対象となります。
(防火・準防火地域であれば面積に関係なく申請対象です)

リフォームなどで後からソーラーカーポートを設置するときも、同じように確認申請しなければいけません。

ただし、家の新築時に一緒にソーラーカーポートを設置すれば、確認申請は家の分と合わせて一度で済みます。

確認申請にかかる費用は自治体によって異なりますが、今回は東京都の金額を一部抜粋して表にまとめました。

【確認申請・計画通知手数料】

床面積の合計 金額
30㎡(約9坪)以内のもの 5,600円
30㎡(約9坪)を超え
100㎡(約30坪)以内のもの
9,400円

【完了検査申請・工事完了通知手数料】

床面積の合計 金額
30㎡(約9坪)以内のもの 11,000円
30㎡(約9坪)を超え
100㎡(約30坪)以内のもの
12,000円

出典:「建築基準法関係申請手数料」(東京都都市整備局)を加工して作成

申請費用は、建築士に依頼すると代行手数料が上乗せされるため、約15~30万円ほどかかる見込みです。

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ソーラーカーポートの設置で補助金は申請できる?

ソーラーカーポートの設置で補助金は申請できる?

ソーラーカーポートを設置する際は、補助金の申請はできるのでしょうか?

結論からいうと、国の補助金はありますが民間業者や団体等が対象となっており、ほとんどの場合個人による申請はできません

ただし、北海道士幌市など、自治体によっては個人向けの補助金制度を定めているところもあるため、お住まいの地域で確認してみるとよいでしょう。

まとめ:ソーラーカーポートを導入して光熱費を削減しよう!

カーポートが設置されたグレーの戸建て住宅

ソーラーカーポートの費用相場やメリット、電気料金の節約効果についてご紹介しました。
ソーラーカーポートは、カーポートのサイズや積載する太陽光パネルの枚数によって設置費用が変わります。

ソーラーカーポートを検討する際は、複数の業者に見積もりを依頼して比較・検討することが大切です。

節電シミュレーションなどのデータを詳しく解説してくれるなど、適切なアドバイスをしてくれる実績豊富なプロに相談してみましょう!

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