錆止め塗料の種類と選び方|簡単3ステップでできる塗り方も解説

更新日:2024年08月08日

錆止め塗料の種類と選び方について解説

ご自宅の屋根や外壁などに金属を使用している場合、サビができないように錆止めを検討している方もいるのではないでしょうか。
サビを抑える方法はいくつかありますが、中でも効果的なのは錆止め塗料です。
錆止め塗料を塗ることで、サビの発生を防ぎやすくなります。
本記事では、錆止め塗料の種類や選び方、塗り方を解説します。
錆止めを施したリフォーム事例もご紹介するので、あわせて参考にしてください。

錆止めの3つの方法

階段の塗装

金属の表面に酸素や水分などが付着し、酸化や還元などの反応によって発生するサビは、錆止めによって防ぎやすくなります。

錆止めには、いくつかの方法があり、どれもサビを発生しにくくするのが特徴です。

主な方法として、次の3つが挙げられます。

錆止めの主な3つの方法
  • リン酸で洗う
  • 酸素や水を遮断する
  • 錆止め塗料を塗る

リン酸は、鉄と反応しやすい性質をもっているため、鉄との作用で表面に皮膜ができ、酸素や水分との付着を防いでくれます。

何度もサビが発生してしまう場合には、酸素や水を遮断する方法が効果的です。

特殊な塗料でサビごと固めて、酸素や水が入らなくします。

サビは気付いたときにはすでに発生していることがあるので、サビを出にくくする錆止め塗料がもっともおすすめです。

塗料で表面を覆うことによって、サビの反応を起こりにくくしてくれます。

サビを防ぎたい場所に塗るだけで使えるので、自力で処理できるのも魅力です。

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錆止め塗料の5つの種類

車の塗装

錆止めをする方法の中でも、塗料を塗る方法は比較的手軽に実践できます。

ただし、塗料には次のような種類があるので、用途に合ったものを選ぶことが大切です。

種類 特徴
油性系 有機溶剤を使用した塗料で、
塗った部分と密着性が高い
合成樹脂系 合成樹脂を使用した塗料で、
油性系よりも防錆(ぼうせい)性能は劣るが、
速乾性に優れている
エポキシ樹脂系 エポキシ樹脂を使用した塗料で、
薬品や水に対して耐性をもっている
スプレータイプ 塗料をスプレーで噴射するタイプで、
手の届かない場所にも塗料を塗れる
サビの上から塗れるタイプ サビの上からも使用できるタイプで、
サビを落とす作業を省ける

種類別に錆止め塗料の特徴を詳しく解説します。

①油性系

油性系の錆止め塗料には、シンナーをはじめとした有機溶剤が使われています。

塗装した有機溶剤の揮発によって表面に塗膜が形成され、酸素や水の付着を防ぐのが特徴です。

合成樹脂系やエポキシ樹脂系に比べて塗膜が厚く、塗った部分に強く密着するので、防錆性能に優れています。

一方で、塗料が乾くまでに比較的長く時間がかかります。

乾くまでの時間を想定して、時間に余裕をもって作業するとよいでしょう。

>> 水性塗料と油性塗料の違い、費用、メリット・デメリット

②合成樹脂系

合成樹脂系は油性系の1種で、有機溶剤ではなく、合成樹脂を原料としています。

防錆性能は油性系の方が高いものの、接着性や耐久性などを持ち合わせているため、バランスのよい塗料といえるでしょう。

油性系よりも乾くのが早く、短時間でも錆止め処理ができるのも特徴です。

防錆性能よりも機能のバランスを優先したいときは、合成樹脂系が向いています。

③エポキシ樹脂系

エポキシ樹脂系は、強度と耐熱性に優れたエンジニアリングプラスチックの1種であるエポキシ樹脂を使用しています。

エポキシ樹脂は耐熱性や耐水性などに優れ、酸素や水を通さないことで腐食を防ぐ耐腐食性も兼ね備えているのが特徴です。

速乾性があるため使いやすく、臭いが少ないので屋内でも使用可能です。

ただし、紫外線に弱い性質をもつため、屋外で使用する場合には上塗り塗料で紫外線対策をする必要があります。

④スプレータイプ

スプレータイプは、スプレーの容器に錆止め塗料が入っています。

ハケやローラーなどの道具で塗料を塗る手間がなく、サビを防ぎたい箇所に噴射するだけで手軽に錆止めできるのが魅力です。

スプレーの噴射は狭い場所にも届くので、手が届きにくい場所の錆止めに対応できます。

自動車や機械など、入り組んだ箇所の錆止めをしたいときに便利です。

⑤サビの上から塗れるタイプ

錆止め塗料はサビを取り除いてから塗るのが基本ですが、サビの上から塗れるタイプも販売されています。

特殊な防錆剤を配合した塗料でサビを覆うことで、サビを隠しつつ、さらなるサビの発生を防ぐのが特徴です。

サビを落とす作業を省けるので、手間なく錆止めをしたいときに活躍するでしょう。

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錆止め塗料の4つの選び方

壁の塗装

錆止め塗料はさまざまな種類があるだけではなく、商品ごとに違いがあります。

使いやすく、使用場所で効果を発揮できるように、塗料選びに気を配りましょう。

錆止め塗料を選ぶ際の主なポイントは次の4つです。

錆止め塗料を選ぶ際の主な4つのポイント
  • 使い方に合ったタイプを選ぶ
  • 使用場所に合った耐久性をもつ塗料を選ぶ
  • 上塗り塗料に合った色を選ぶ
  • 温度の高い場所で使うなら耐熱性で選ぶ

①使い方に合ったタイプを選ぶ

錆止め塗料のタイプは、液体とスプレーに大きく分けられるため、使い方に合わせたタイプを選ぶのがポイントです。

錆止めを広範囲に使用したかったり、さまざまな場所に使いたかったりする場合は、液体塗料がよいでしょう。

ハケやローラーなどで塗れて、効率よく作業を進められます。

手軽さや細かい場所での使用を重視するなら、スプレータイプがおすすめです。

錆止めしたい場所に吹きかけるだけでよく、ハケやローラーを使いにくい場所にも届きます。

②使用場所に合った耐久性をもつ塗料を選ぶ

屋外と屋内では環境が異なるので、使用場所に合った耐久性をもっているか確認しましょう。

屋外で使用する場合は、風雨や紫外線の影響を受けやすいため、一度塗ると長持ちする耐久性の高い塗料がおすすめです。

強溶剤を使った塗料は耐久性が高いので、屋外の使用に適しています。

屋内で使用する場合は、耐久性はそれほど必要ありません。

最低限の耐久性を備えつつ、生活への影響を考慮して臭いが少ない塗料を選ぶとよいでしょう。

③上塗り塗料に合った色を選ぶ

錆止め塗料の大半は、塗った後に上から仕上げの塗料を塗るため、上塗り塗料との相性に気を配る必要があります。

下塗りの錆止め塗料は見えなくなりますが、上塗り塗料との色の相性によっては、仕上がりの色合いに影響が出るため、カラーの相性が重要です。

錆止め塗料には、上塗り可能な塗料の説明が記載されているので、対応した塗料の中から色の相性がよい上塗り用の商品を選びましょう。

④温度の高い場所で使うなら耐熱性で選ぶ

錆止めを施したい場所が高温になる場合は、塗膜が溶けないように、耐熱性のある塗料を選びましょう。

自動車のエンジンやキッチンのオーブンなどは高温になるため、耐熱性の高い錆止め塗料が必要です。

塗りたい部分が何度に達するかを確認したうえで、錆止め塗料が耐えられる温度をパッケージや商品説明欄でチェックしましょう

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錆止め塗料を塗るときに必要な7つの道具

塗装の道具

錆止め塗料を塗る際は、主に次のような道具が必要です。

主に必要な道具

● 紙やすり・サンドペーパー
● スクレイパー
● マスキングテープ、養生テープ
● 養生シート
● ハケ、ローラー
● 錆止め塗料
● 上塗り塗料

紙やすりやスクレイパーは、錆止め塗料を塗る前にサビを取り除く作業に使用します。

塗料が周囲に付着しないように、養生テープや養生シートでカバーする作業も重要です。

ハケやローラーは、錆止め塗料や上塗り塗料を塗る際に欠かせません。

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錆止め塗料の塗り方【簡単3ステップ】

サビや汚れを取り除く作業

錆止め塗料をDIYする際の3つのステップをご紹介します。

丁寧な作業によって、周囲を汚すことなく、しっかりと錆止め塗料を塗ることができます。

ステップごとに作業のポイントを押さえていきましょう。

①サビや汚れを落とす「ケレン作業」をする

ケレン作業とは、塗料が下地に密着するように、サビや汚れなどを事前に取り除く作業です。

錆止め塗料を塗る際に重要な作業で、きれいな状態に整えることにより、塗料が長持ちし、サビを長期間防ぎやすくなります。

紙やすりやスクレイパーでサビを削ったり、ブラシできれいにしたりして、できるだけサビや汚れがなくなった状態を目指しましょう。

②塗装する場所の周りを養生する

錆止め塗料を塗る前に、作業をする場所を養生テープや養生シートを使って養生しましょう。

液体タイプの塗料は飛びにくいですが、錆止めスプレーは飛散しやすいので、なるべく広い範囲を養生するのがポイントです。

③錆止め塗料を塗る

養生が完了したら、サビを防ぎたい箇所に錆止め塗料を塗っていきます。

塗料のパッケージに記載された使用上の注意を必ず確認し、使い方を守ってハケやローラーで塗装していきましょう。

下塗り用の錆止め塗料を使用する場合は、最後に上塗り塗料で仕上げを行います。

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錆止めリフォームの事例4選

当サービス『リショップナビ』の加盟店が実際に施工した、錆止めリフォームの事例を4つご紹介します。

事例1: トタン屋根を赤色の錆止め塗装で鮮やかにリフォーム

住宅の種類 一戸建て
築年数 30年
施工日数 1日間
リフォーム費用 約9万円
小屋のトタン屋根のサビが気になり、きれいに塗装し直したリフォーム事例です。
リフォームを行う前は、サビている箇所以外にも、色あせも目立っていました。
錆止め塗料を下塗りした後に、鮮やかな赤の上塗り塗料で仕上げているのが特徴です。
周辺に緑が多い場所であるため、赤色とのコントラストが映え、見た目の印象が大きく改善されました。

>> この事例の詳細はこちら

事例2: オレンジの錆止め塗装で明るい雰囲気にリフォーム

住宅の種類 店舗
築年数 35年
施工日数 5日間
リフォーム費用 約19万円
店舗の壁に対して錆止めや塗装を施したリフォーム事例です。
白色の壁にサビが広がっており、コーキングのはがれもあり、パネルまで影響が及びそうな状態でした。
錆止め塗料の色にオレンジを採用し、サビを防ぎながら、明るく入りやすい雰囲気を演出しています。
コーキングや目地、パネルの塗装も行い、全体的にきれいな仕上がりになりました。

>> この事例の詳細はこちら

事例3: 下塗り処理で塗膜の光沢が美しい屋根にリフォーム

住宅の種類 一戸建て
築年数 30年
施工日数 5日間
リフォーム費用 約19万円
普段は目に届きにくい屋根に塗装を施した事例です。
直射日光や風雨などによって劣化し、サビも目立っていましたが、錆止め塗料をしっかり下塗りすることで、塗膜をはがれにくくしています。
塗膜の光沢が映える仕上がりになり、見た目もきれいになりました。

>> この事例の詳細はこちら

事例4: 破風部分に錆止めを施した外壁・屋根リフォーム

住宅の種類 一戸建て
築年数 -
施工日数 25日間
リフォーム費用 -
外壁や屋根の劣化に対するリフォーム事例です。
サイディングの浮きや目地コーキングの亀裂などに対処し、屋根は濃いブラウン、外壁は優しい色合いの塗料で仕上げています。
破風部分に錆止めを施し、細かい部分までサビが発生しないように配慮されています。

>> この事例の詳細はこちら
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錆止め塗料でサビを未然に防ごう

塗装する人

サビが発生しやすい部分に錆止め塗料を塗ることで、サビの原因である酸素や水の付着を防ぎやすくなります。

液体タイプとスプレータイプがあるので、使い勝手に合わせて選ぶことが大切です。

ほかにも、使用場所に合った耐久性や耐熱性にも注目すると、長く効果を期待できます。

錆止め塗料は必要な道具を揃えれば、ご自身でも手軽に使用できるので、サビが気になる箇所への錆止めにチャレンジしてみましょう。

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