どの外壁も、10年前後で補修が必要
たいていの外壁は10~15年毎に、塗装によるメンテナンスを行うことで、耐久力を保持できます。
建物の外壁材には、サイディング・モルタル・コンクリート・ALCパネル・タイルなどの種類があり、いずれの外壁であっても毎日風雨や紫外線にさらされることから、10年前後で劣化症状が出てきます。
耐久性が低い塗料で塗装されている場合や、潮風などが当たりやすい環境であれば、5~8年で劣化症状が出る場合もあります。
また、比較的長持ちすると言われているタイルの外壁であっても、10年に一度くらいの周期でコーキングの打ち替えを行う必要があります。
外壁補修はDIYより業者が確実
たいていの外壁補修はプロの施工業者に依頼することをおすすめします。
素人の方には、外壁劣化の根本的な原因や解決方法は判断しづらいものです。
使用するコーキング材や補修の仕方などを誤ると、かえって耐久性を低下させてしまうことにもなりかねません。
また、高所作業でケガをしてしまう危険性もあります。
失敗のリスクを軽減するためには、最初から優良な施工業者に任せることが大切です。
外壁の主な劣化症状と補修方法・価格
外壁の劣化症状でよく見られる、ひび割れの補修・修理の費用相場は約1〜10万円/箇所です。
建物の外壁でよく見られるそのほかの劣化症状を補修・修理する場合の費用は、おおむね次の通りになります。
補修・修理内容 | 費用相場 |
---|---|
ひび割れ(クラック) | 約1〜10万円/箇所 ※ただし全面塗装も必要な場合が多い: 塗装代 = 約1,700~5,000円/㎡ |
コーキングの劣化 | 打ち替え = 約900~1,200円/m (※別途、約1~3万円の廃材撤去費もかかる) |
増し打ち = 約500~900円/m | |
鉄部のサビ | 約200~2,000円/㎡ |
穴・へこみ・欠け・傷 | 約1~6万円/箇所 |
カビ・藻・コケ | 約2~5万円 |
チョーキング | 基本は全面塗装が必要: 塗装代 = 約1,700~5,000円/㎡ |
浮き・膨らみ・反り・はがれ | ※施工範囲によって異なるため業者と要相談 |
なお、いずれの工事の場合でも、補修箇所によっては足場の設置が必要となり、10~20万円程度のコストがさらにかかります。
見積書を提示されたら、足場代が含まれているかどうかも確認しておきましょう。
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1.ひび割れ(クラック)の補修方法と費用相場
ひび割れ(クラック)は、築10~15年前後で発生する可能性が高く、外壁もしくはコーキング(目地)部分に生じます。
(コーキングの補修についてはこの後に解説します。)
外壁にひびが入る原因としては、塗膜のみの劣化、もしくは外壁自体が乾燥などによって収縮している/地震などで建物に振動が生じた際に圧力がかかった、などが考えられます。
ひび割れ(クラック)の幅や深さによって、おおよその劣化具合を判断できます。
ひび割れ箇所の幅が0.3mm以下の場合 |
---|
髪の毛のように細いことから「ヘアークラック」と呼ばれるタイプで、塗装されたサイディングやモルタルなどの外壁で多く見られます。 表面に塗装されている「塗膜」のみが劣化しているので「今すぐに補修しないと危険」というものではありませんが、悪化しない内に、外壁塗装を行うことをおすすめします。 |
幅0.3~1mm程度で、深くひび割れていない場合 |
外壁の機能はまだ損なわれていないでしょう。 ひび割れ箇所を補修した上で、外壁塗装もしてもらうと確実です。 |
幅0.3~1mm程度で、深さが4~5mm以上あるひび割れの場合 |
「構造クラック」と呼ばれるタイプで、外壁自体が歪んでしまっているケースが多いため、早急に補修してもらいましょう。 雨水が侵入して雨漏りする、外壁表面が剥がれ落ちる、シロアリが発生する、などのトラブルが起きてしまう危険性があります。 |
幅1mm以上/段差があるひび割れの場合 |
外壁の下地・構造部にも影響している危険性があります。 すぐに業者に調査してもらい、適切な工法で修繕してもらいましょう。 |
幅3mm以上のひび割れの場合 |
ひび割れが相当進行しており、今すぐに補修が必要な状態です。 建物の内部に雨水が侵入している可能性も高いので、できれば雨漏り診断・修理も対応できる業者に確認してもらうと安心です。 |
外壁のひび割れ(クラック)をそのまま放置すると、雨が染み込み、水分や湿気によって外壁内部や木材まで腐食していきます。
改修費用が高額になってしまうため、できるだけ早く対処しましょう。
【ひび割れ(クラック)の補修費用相場】
ひび割れ(クラック)箇所を部分的に補修する費用は、1箇所につき1〜10万円前後です。
ただし劣化状態がひどい場合は、修繕費だけで30万円ほどになってしまうこともあります。
なお、築10年くらいの建物や、全面的な補修が必要となる場合などは、外壁全体を塗装、もしくはサイディング材などの張り替えをしたほうがよいと判断されるパターンが多く見られます。
外壁塗装をする場合の費用は、塗料によって価格が異なりますが、約1,700~5,000円/㎡です。
外壁材を張り替える場合は、約7,000~9,000円/㎡の費用がかかります。
2.コーキング(目地)の補修方法と価格
外壁材の目地にあるコーキング(シーリング)材がひび割れたり、やせてきたりした場合には、新しいコーキング材に打ち替える必要があります。
コーキングの補修方法には、新しく交換する「打ち替え」と、既存のコーキングの上からそのまま充填する「増し打ち」という2通りの方法があります。
「打ち替え」をしたコーキングの寿命は10年前後ですが、「増し打ち」の場合は2~5年程度しか持たないため、基本的には「打ち替え」工法を推奨します。
>> 外壁コーキング(シーリング)補修の費用相場!打ち替え・増し打ちの違い
なおサイディングなどの外壁で、塗装や張り替えのリフォームをする際には、原則としてコーキングの「打ち替え」も一緒に行います。
【コーキングの補修費用相場】
コーキングを打ち替える場合の料金は、1mにつき約900~1,200円で、さらに既存のコーキングを撤去する費用が約1~3万円かかります。
一時的な補修としてコーキングを増し打ちする場合の値段は、1mあたり約500~900円です。
3.鉄部のサビの補修方法と価格
5~10年経つと、鉄・金属部に塗装された塗膜がはがれ、赤茶色のサビが発生しやすくなります。
放っておくと、穴が開き、内部まで腐っていってしまいます。
あるいはすでに内部でサビが発生してしまっている場合もあるので、早めに業者に来てもらい、対応してもらいましょう。
補修方法としては「ケレン作業」でサビ・汚れや古い塗膜を落とし、サビ止め塗料を塗布する方法が一般的です。
【サビの補修費用相場】
ケレン作業およびサビ止め塗料で塗装する費用の合計は、500~1,000円/㎡程度ですが、サビの状態が激しい場合には2,000円/㎡近くなることもあります。
ただし、金属サイディングやトタンの外壁などで全体的にサビがひどい場合は、サビを落とすのではなく、外壁材を丸ごと張り替えたほうが良いかどうか、業者に相談してみましょう。
4.穴・へこみ・欠け・傷の補修方法と価格
外壁に穴やへこみ、欠けや割れ、大きな傷がある場合には、雨漏りの原因になってしまう場合があるため、できる限り早めに修理をお願いしましょう。
補修の仕方は素材によって異なりますが「パテなどで穴を補修後に、周囲と近い色の塗料で塗装する」「サイディングボードを部分的に張り替える」などの方法があります。
【穴・へこみ・欠け・傷の補修費用相場】
外壁の穴や傷は、大きさにもよりますが、1箇所につき1~6万円程度で補修できる場合が多いです。
5.カビ・藻・コケの補修方法と価格
藻やコケは、特に日当たりが悪い場所や、湿気の多い箇所に発生しやすく、やがてはカビの原因になってしまいます。
塗膜の防水機能が低下している可能性が高く、また黒カビなどは人体に悪影響を及ぼします。
どんどん増殖してしまいますから、放置してはいけません。
あまり繁殖していないようであればDIYで洗浄することも可能で、この際は、水洗いかスポンジで軽く磨くのが基本です。
頑固な汚れの場合は市販の高圧洗浄機を使用してもOKですが、塗装がはがれてしまう危険性があるため、なるべくプロの業者に任せたほうがよいでしょう。
【カビ・藻・コケの補修費用相場】
ご自身で掃除できないほどの、カビや藻・コケといった汚れを落としてもらう場合には、高圧洗浄費が約200~500円/㎡必要になります。
洗浄代の他に、養生や飛散防止ネット代もかかりますが、合計で2~5万円程度でおさまるケースがほとんどです。
ただし洗浄する範囲が広いと高額になってくるため、見積もり内容を必ず確認しておきましょう。
なお防水性が落ちていることを考えると、この機会に再塗装も検討してみることをおすすめします。
6.チョーキングの補修方法と価格
「チョーキング」とは、紫外線や雨の影響で塗膜が劣化することにより、塗料に含まれる白色顔料(酸化チタン)が、チョークの粉のように表面に浮き出る現象です。
外壁を手で触ったときに手に白い粉がついたら、チョーキング現象が起きていると判断できます。
太陽光がよく当たる場所は、特に塗膜の劣化が進みやすいため、チョーキング現象が部分的に発生することも決して珍しくはありません。
塗膜の防水性が落ちてきているというサインであるため、外壁全体を塗装し直す必要があります。
【チョーキングの補修費用相場】
チョーキング現象が発生した外壁を修復するためには、高圧洗浄を行った後、全体の塗り替えを行います。
高圧洗浄代は1㎡あたり約200~500円です。
塗装費用は、人気の高いウレタン・シリコン・フッ素・ラジカルといった塗料を使用するのであれば、1㎡につき約1,700~5,000円前後です。
7.浮き・膨れ・はがれの補修方法と価格
塗装や外壁材の一部が浮いている・膨れている・はがれている、という状態は、外壁自体がダメージを受けている証拠です。
雨漏りが起きやすくなる他、壁の一部がはがれている場合は、落下する危険性もあるため、至急直してもらいましょう。
補修方法としては、素材や状態にもよって違うため一概には言えませんが、部分張り替え、もしくは塗装を行うことになる場合が多いでしょう。
あきらかに塗膜のはがれ・膨れであれば再塗装になりますが、内部まで影響している場合は、下地の交換が必要な場合もあります。
なお塗装しか対応できない業者も多いため、塗装と張り替えのどちらが良いか相談したい場合には、複数のリフォーム会社に見積もりを依頼し、提案内容を比較するのが無難です。
【浮き・膨れ・はがれの補修費用相場】
部分的な塗り替えや、サイディング・タイルの部分補修・一部張り替えで済むこともありますが、症状が出ていない箇所も劣化してきている確率が高いため、全体を塗装するよう勧められることも多いです。
また、モルタルやサイディングが部分的に膨れ・はがれている箇所の修理や補強であっても、範囲によっては総額15~40万円、雨漏りの危険性があるようなひどい状態だと100万円超えてしまう場合も考えられます。
劣化具合や築年数によっては、外壁材を全体的に張り替えたほうがよいでしょう。
下地に問題がなさそうなら、重ね張りで対応できる場合もあります。
モルタルの外壁の上から、サイディング材を重ね張りすることも可能です。
まずは現地調査してもらい、どのような工法が向くか判断してもらいましょう。
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外壁全体の補修が必要な場合の費用相場
建物の築年数や劣化具合により、外壁全体の塗装や張り替えが必要な場合費用についても触れておきましょう。
こちらでは、施工する外壁の面積が100~200㎡の場合の価格帯について解説します。
(※いずれの工事も、足場設置費や諸経費などが別途かかります。)
塗装 | 約1,700~5,000円/㎡ |
---|---|
重ね張り | 約6,500~8,250円/㎡ |
張り替え | 約6,650~9,000円/㎡ |
>> 坪数別に外壁塗装費用をご紹介
>> 外壁カバー工法(重ね張り)のメリット・デメリットと費用を解説!塗装・張り替えとの違い
外壁補修の施工事例(部分修理・全体的な工事)
それではここで、当サービス『リショップナビ』の加盟業者が手掛けたリフォーム事例をご紹介しましょう。
外壁を部分的に補修した例
事例1
ひび割れや、古いコーキングなどを補修
リフォーム費用 | - |
---|---|
施工日数 | - |
築年数 | - |
サッシ周辺や外壁材のジョイント部分の古いコーキングは取り、新しくコーキング処理。
小さい傷は、コーキング材で充填(じゅうてん=穴や隙間などに物を詰めて、ふさぐこと)処理しました。
>> この事例の詳細を見る
事例2
コーキングを打ち替え、外壁・屋根を塗装
リフォーム費用 | - |
---|---|
施工日数 | 18日間 |
築年数 | 14年 |
施主様から「外壁の色あせや、目地のコーキングの劣化が気になる」というご相談を受け、外壁目地のコーキングの打ち替え、外壁塗装を実施。
同時に、スレート屋根の塗装も行いました。
事例3
傷んでいたサイディング目地をメンテナンス
外壁を全体的に修繕・リフォームした例
事例1
シリコン打ち替え外壁屋根塗装
リフォーム費用 | 約90万円 |
---|---|
施工日数 | 10日間 |
築年数 | 15年 |
外壁のシリコンが劣化しており、雨漏りの原因になってしまうため、シリコンを打ち替えました。
あわせて、外壁塗装と屋根塗装も同時に行うことで手間と費用を抑えました。
事例2
全体的な補修と塗装
リフォーム費用 | 約100万円 |
---|---|
施工日数 | 14日間 |
築年数 | - |
最後に外壁・屋根塗装をしてから10年が経ち、劣化が見られたためリフォームしました。
サイディング部分のコーキングの劣化や、コケの発生、塗膜剝離、板金の釘浮き箇所もあり、全体的な塗装工事を行いました。
事例3
色あせが目立っていた外壁を塗装
事例4
オシャレで丈夫なガルバリウム鋼板に張り替え
事例5
外壁に鉄板系サイディングを施工&一部、塗装工事も実施
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外壁の補修・修理は火災保険を活用可能
台風・大雪・豪雨などの影響で、外壁が破損・雨漏りしてしまった場合には、火災保険の補償対象となるケースがあります。
地震保険にも一緒に加入しているようであれば、地震によって外壁にひびが入ってしまった時なども保険金を受け取れる可能性が高いです。
火災保険の知識があるリフォーム会社に相談し、保険金を活用できる工法を提案してもらうと確実です。
外壁の補修・修理業者はどう探す?
最後に、外壁の補修・修理業者を選ぶ際のポイントについて、チェックしておきましょう。
資格取得者がいる業者は、より安心
外壁のリフォームに対応している業者はたくさんありますが、企業によって得意分野は異なります。
選び方の基準の一つとして、外壁劣化診断士・雨漏り診断士・住宅診断士などの有資格者が在籍するリフォーム会社を利用すると、建物に最適な修理方法をプランニングしてもらいやすいです。
過去の施工実績を確認
ホームページに作業工程などの写真が掲載されていれば、業者が実際に施工を行ったかどうか確認できるでしょう。
ただし、ホームページがない/あっても施工事例を掲載していない、という会社もあります。
このような場合は「見積もりの際などに、施工写真があれば見せてもらう」「近くに施工したお客様のお家があるなら、見に行く」などの方法もおすすめです。
なお修理経験が豊富であれば、火災保険に詳しいスタッフに出会える確率も高いでしょう。
保証内容なども充実しているか確認
工事完了後に不具合が起きてしまうこともありえるため、保証内容などが充実していると、なお安心です。
「万が一の際には、アフターフォローをしてもらえるか」など、事前に聞いておくとよいでしょう。
特に「塗装工事」の場合は、保証期間を設けている業者がほとんどです。
「保証の有無」や「どのような保証内容か」も、しっかり確認しておきたいですね。
早めの対応で外壁トラブルを未然に防ぐ
外壁のカビやひび割れを長い間放置してしまうと、いずれは腐食してしまい、家が傾いたり、倒壊したりするおそれがあるため、できる限り早めに業者に相談しておきましょう。
相性の良いリフォーム会社に出会えれば、予算やローン計画にも配慮しながら、適切な方法で補修してくれるはずです。
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【この記事の要点まとめ◎】
外壁を補修・修理したいのですが、費用はいくらくらいですか? |
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「ひび割れ(クラック)」や「コーキングの劣化」「チョーキング」など、劣化症状別の補修費用について、こちらで解説しています。 |
外壁全体の補修が必要な場合、費用はいくらかかりますか? |
施工する外壁の面積が100~200㎡の場合は「塗装=約60〜180万円」「重ね張り=約150~200万円」「張り替え=約150〜230万円」が目安です(詳しくは、こちら)。 |
外壁の補修や修理には、保険を活用できますか? |
台風などの影響で、外壁が破損・雨漏りしてしまった場合、火災保険の補償対象になることがあります。 また地震保険にも一緒に加入している場合、地震で外壁にひびが入った時なども保険金を受け取れる可能性があります。 詳しくは、こちら。 |
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ご希望にあった会社をご紹介!
お住まいの地域に近く・ご希望のリフォーム箇所に対応が可能という基準を元に、厳選した会社をご紹介。可能な限り、ご要望にお応えできるように対応致します。
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しつこい営業電話はありません!
紹介する会社は、最大で5社まで。また、連絡を希望する時間帯をお伝え頂ければ、しつこい営業電話をすることはありません。
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見積もり後のフォローも致します
ご紹介後にご不明点や依頼を断りたい会社がある場合も、お気軽にご連絡ください。弊社から各会社へのご連絡も可能となっております。