浮いているトイレってどんな仕組み？見た目スッキリな最新トイレの特徴を解説

従来の床置きトイレから一歩進んだフロートトイレは、見た目の美しさと実用性を兼ね備えた最新設備です。
床から浮いた独特なデザインが生み出すメリットは、単なる見栄えのよさにとどまりません。

浮いているトイレの最大の特徴は、床から浮いたデザインです。
便器と床の間に生まれた空間により、視覚的に室内が広く感じられ、従来型のトイレとは異なる、スタイリッシュでホテルライクな印象を演出します。

ライフスタイルの変化に対応しやすい設計で、新築やリフォームの際に採用されるケースも増えています。

浮いているトイレの最大の実用的なメリットは、何といっても毎日の掃除が劇的に楽になることです。
便器が床から浮き、床と便器の間に7cm前後のすき間があるため、モップや掃除機を差し込みやすい構造です。

給排水管が壁の中にすべて隠されているため、床面に障害物が少なく、掃除しやすいフラットな空間を保ちやすいのもポイントです。

一度のモップ掛けで床全体をスッキリと清掃でき、 従来のトイレでは汚れが溜まりやすかった継ぎ目や隙間が減るため、衛生を保ちやすくなります。

浮いているトイレの大きな特徴の一つが、給水管や排水管、電源コードなどの配線類をすべて壁の中に隠蔽する設計であることです。

従来の床置きトイレでは配管が露出していることが多く、どうしても雑然とした印象になってしまいます。
配管が見えないことで、トイレ空間に生活感が出にくく、ホテルライクの洗練された印象に仕上がります。

背面のキャビネット内に給水管や掃除用具も収納でき、目に見える設備機器を最小限に抑えたミニマルなデザインが実現するのです。

この上質な空間づくりを実現する設計は、トイレを単なる設備ではなく、インテリアの一部として機能させます。
こだわりのある暮らしを求める方にとって、フロートトイレは理想的な選択肢といえるでしょう。

フロートトイレは従来の床置き式とは全く異なる革新的な設計で、便器を宙に浮かせる仕組みが注目されています。

壁の中に隠された特殊なフレームや配管システムが、見た目のスッキリ感と機能性を両立させる秘密です。
一体どのような構造で便器を支え、給排水を処理しているのでしょうか。

フロートトイレが浮いた状態で設置できるのは、壁の内側に頑丈なフレーム(壁掛け施工用フレーム)を埋め込む設計だからです。

このキャリーフレームが便器全体の荷重を支える主役となり、給排水管や電源コードといった配管類もすべて壁内に隠して収納される構造にな り、床との接触面がなくなります。

タンクレス設計も大きな特徴で、水道直圧式で洗浄し、操作パネルや給水バルブなどの細かいパーツも壁内ユニットに一体化させています。

このスッキリとした見た目を実現するには、壁内に150mm以上のスペースと専用フレームによる固定が必須です。
既存の住宅のリフォームでも対応できますが、壁の強度確認と必要に応じた補強工事を事前に行うことが重要です。

浮いているトイレの秘密は、壁の内部に隠された「フレームユニット」にあります。
この特殊な金属フレーム構造が、便器全体の重さをしっかり受け止める仕組みになっています。

フレームは床と壁の両方に接し、テコの原理を活用して安定性を確保しています。
床に着く部分が支点、壁の高い位置に着く部分が作用点として機能することで、効率的に荷重を分散させています。

実際、TOTOやLIXILなどメーカーの耐荷重試験では約120～200kg程度に耐える性能が確認されており、一般的な使用で十分な強度があります。

さらに優れている点は、給排水管や電源配線、操作パネルといった生活感のある部材をすべてフレーム構造に一体化して壁内に隠蔽できることです。
これにより、スッキリした見た目と優れた機能性を両立させた、新しいタイプのトイレとして注目されています。

浮いているトイレの美しさを引き出す秘密は、見えない部分にあります。
給排水管や電源コード、さらに一部のモデル(キャビネットタイプ)ではトイレタンクまでが、すべて壁の内部に隠されています。

壁厚150mm以上の空間に配管・配線・操作パネルを一体化させることで、表面に何も露出させません。br この設計により、生活感がなく、スッキリとした空間が実現します。

気になるメンテナンスについては、心配ありません。
壁面に設けられたアクセスパネルから点検や修理を行いやすい構造で、万が一のトラブル時も、専門業者が効率的に対応できるようになっています。

浮いているトイレの導入を検討する際は、事前に確認すべき重要なポイントがいくつかあります。
これらのポイントを事前にしっかり把握しておくことで、導入後のトラブルを避けながら理想的な浮いているトイレを実現できるでしょう。

フロートトイレの設置には、既存の壁の状態を事前に調査することが非常に重要です。
建物の構造によっては、補強工事が発生して追加費用が必要になるケースがあります。

木造住宅や築年数が経過した建物の場合、壁の耐荷重が不足していることが多く、便器の重さに対応させるための鋼製の補強材を追加する工事が必要です。

一般的にRC造の建物であっても壁の厚さが薄いと、内部からの補強が必要になります。追加費用の目安は15～20万円程度です。
補強工事に伴い施工期間が延長されるため、隣接する部屋への影響や騒音問題についても事前に確認しておくことが大切です。

浮いているトイレは配管が壁の中に隠れるため、従来型とメンテナンス方法が異なります。

給排水管の点検や修理が必要な場合、背面のキャビネットに設置されたアクセスパネルから対応することになります。
そのため、パネル位置と開閉に必要なスペースを事前に確認することが重要です。

トイレを設置する位置を決める際は、隣接する収納や家具の配置も考慮して、メンテナンス時に十分に対応できるかを検討する必要があります。

配管トラブル発生時には修理費用が増加したり、作業期間が長期化したりするリスクが想定されます。
施工業者の保証内容を十分に確認し、万が一の事態に備えておくと安心です。

浮いているトイレは壁に固定する特殊な構造のため、一般的なトイレとは異なる専門的な知識と技術が必要です。

壁内配管の複雑な構造や金属フレームの正確な固定方法に精通した専門業者に依頼することで、施工不良や後々のトラブルを未然に防げます。
業者選びをする際は、次のイントを確認すると安心です。

浮いているトイレは一般的なトイレと比較して、設置に多くの工事を要するため費用も割高になる傾向があります。
だからこそ、経験豊富な業者との相談を丁寧に進めることで、安心して施工を任せやすくなります。

浮いているトイレは壁に固定された構造により、床面をスッキリと見せる現代的なデザインが魅力です。

この記事では、壁掛け式トイレの仕組みから設置方法、メリット・デメリットまでを詳しくご紹介しました。
掃除のしやすさや空間の広がり感といった利点がある一方で、設置費用や工事の複雑さなどの課題もあることがお分かりいただけたでしょう。

トイレリフォームをご検討の際は、ご自宅の構造や予算、ライフスタイルに合わせて最適な選択をしていただければと思います。