節水型トイレの特徴・メリット|費用相場・リフォーム事例も解説

更新日:2024年06月13日

メリットが多い節水トイレ

自宅の水道代が気になっている方の中には、トイレの節水を考えている方も多いのではないでしょうか。節水型トイレは少ない水量で汚れを落とせるため、水道代を節約しやすくなります。
本記事では、節水型トイレのメリット・デメリットや注意点、リフォーム事例まで詳しく解説します。

節水型トイレとは

節水トイレ利用中

節水型トイレとは、従来のトイレよりも節水性能に優れたトイレです。

排泄物を処理する際に水が流れますが、節水型トイレは従来のトイレより少ない水量で洗い流せるため、節水効果を期待できます。

節水型トイレは各トイレメーカーが長年研究を重ねており、近年一般家庭にも浸透しつつあります。

節水型トイレの仕組み

節水型トイレは、水量を抑えて排泄物を洗い流せるように「サイフォンの原理」という考え方を応用し、水の勢いや効率を高める仕組みを採用しています。

サイフォンの原理とは、水で満たされた配管を高い位置または低い位置の水につけると、水が片方に移動する現象です。

排水レバーによって水位が高くなると、臭いや逆流を防ぐ排水トラップが密閉されます。

サイフォンの原理によって、排水が勢いよく引き寄せられることで、少ない水でも排泄物やトイレットペーパーを洗い流せるのが基本的な仕組みです。

従来のトイレよりも水量は少ないですが、水流のパワーが増し、汚れをしっかり洗い流せるようになったことで節水効果を期待できます。

家庭でトイレは水を多く使う場所

日本衛生設備機器工業会の調査によると、もっとも水が使われていると認識している場所はお風呂68.3%・キッチン26.1%・トイレ4.5%でした。

意識的に節水している場所は、お風呂74.4%・キッチン72.7%・洗面所51.6%・トイレ32.9%と、トイレの節水意識はそれほど高くありません。

実は水をもっとも多く使っているのはトイレです。

家庭で使う水の約3割を占め、お風呂よりも使用している水量が多いのが特徴です。

トイレの使い方も重要ですが、節水型トイレにリフォームすることで節水を期待でき、水道代の節約につながるでしょう。

【メーカー別】節水型トイレの特徴

リフォームで取り付けた節水トイレ

節水型トイレは、メーカーによって見た目や機能などに違いがあります。

4つのメーカーをピックアップしたので、それぞれの特徴を押さえて、トイレ選びに役立ててください。

>> 人気トイレメーカー比較・ランキング

①TOTO

人気トイレメーカーTOTO

TOTOでは、ネオレストシリーズやピュアレストシリーズなど幅広い節水型トイレを展開しています。

機種によって細かい違いはありますが、汚れが落ちやすい表面加工や効率的な洗浄機能などによって節水を実現しています。

汚れが取り除きやすいフチなし形状のトイレやタンクレスタイプもあり、スタイリッシュな見た目も人気です。

>> TOTOトイレのリフォーム価格・事例

②パナソニック

人気トイレメーカーパナソニック

パナソニックでは、「アラウーノ」という名前でトイレを展開しています。

清潔性にこだわった「L150シリーズ」やベーシックな機能が揃った「S160シリーズ」などがあり、節水性能に優れているのが「アラウーノV」です。

便器を旋回するようにまんべんなく洗い流しながら、反対方向の流れで一気に排水する「3Dツイスター水流」によって、洗浄力と節水を両立しています。

有機ガラスでつくられたスゴピカ素材を使用し、水アカの固着やキズを防ぎ、最低限の手入れで長く利用できるのも特徴です。

>> パナソニック「アラウーノ」のリフォーム価格・評判・事例

③リクシル

人気トイレメーカーリクシル

リクシルが提供している「サティス」は、独自の節水技術を活用した超節水トイレです。

「省エネ・防犯住宅推進アプローチブック」によると、従来モデルに比べて年間数千円から約14,000円の節約ができます。

ワンタッチ節電やスーパー節電などの機能を搭載し、従来モデルよりも大幅な節電も可能です。

さらに、カラーバリエーションが複数あり、空間に合わせたカラー選びによって、トイレを心地よい場所に演出できます。

>> リクシル(LIXIL)トイレのリフォーム価格・特徴

④タカラスタンダード

人気トイレメーカータカラスタンダード

タカラスタンダードが販売している「ティモニFシリーズ」は、2つの水流で洗い流す「スクリュー洗浄」や汚れがつきにくい素材によって、節水を実現しています。

従来タイプに比べて、バスタブ換算で年間約210杯分相当の節水を期待できます。

タイマー節電・おまかせ節電・セーブモードが搭載され、便座や温水の温度を調整し、年間約4,210円の節電が可能です。

>> タカラスタンダードのトイレのリフォーム価格・特徴

節水型トイレを設置する3つのメリット

節水トイレで喜ぶ女性

節水型トイレの設置によって、次のようなメリットを期待できます。

【メリット①】水道代を節約できる

節水型トイレの一番の特徴は節水性能であり、水道代の節約に効果的です。

性能は機種によって異なりますが、TOTOの自動水栓トイレ「アクアオート」と「アクアオート節水タイプ」の年間水量を比較したところ、比較対象のトイレよりも「アクアオート」は約68%、「アクアオート節水タイプ」は約84%の節水に成功しました。

通常タイプよりも節水型の方が節水効果を期待でき、水道代を大幅に抑えられるでしょう。

メーカーの公式サイトでは、トイレの洗浄水量を記載しています。

現在使用しているトイレの洗浄水量と比較し、節水を期待できる機種を選びましょう。

【メリット②】節電効果を期待できる

節水型トイレにかかわらず、最近のトイレは節電機能を搭載した機種が増えています。

たとえば、TOTOのトイレには「おまかせ節電」と「タイマー節電」があり、使用していない間に便座温度を下げたり、指定の時間帯でヒーターを切ったりして、節電が可能です。

節電機能を備えた節水型トイレを設置すれば、節水と節電を同時にできて、水道代と電気代の節約につながるでしょう。

【メリット③】手入れがしやすい

節水型トイレは、従来のトイレよりも洗浄力が高いだけではなく、汚れが取れやすいように表面の素材にもこだわっています。

もし汚れが残ってしまっても簡単な掃除で落とせるため、手入れのしやすさも嬉しいメリットです。

汚れが入り込みやすいフチをなくしたトイレや、周辺が汚れにくいタンクレストイレなども登場しています。

いつも清潔な状態を維持したい方は、節水型トイレの素材や設計などにも注目してみましょう。

節水型トイレで注意したい2つのデメリット

節水トイレ取り付け業者

節水型トイレで気をつけたい2つのデメリットをご紹介します。

【デメリット①】本体価格やリフォーム費用が比較的高い

節水型トイレは一般的なトイレよりも性能が高く、素材や機能にこだわったものが多いため、本体価格が高めに設定されています。

リフォーム費用も当然発生するため、水道代の節約を期待できるとはいえ、初期費用を回収するには数年かかるでしょう。

節水型トイレへのリフォームコストが気になる場合は、補助金を活用する方法があります。

こどもみらい住宅支援事業では、エコ住宅設備の設置のひとつとして、節水型トイレのリフォームで補助金を受け取れる場合があります。

節水型を問わずトイレのリフォームに対して補助金制度を実施している自治体もあるため、費用を捻出する際に補助金の活用を考えてみましょう。

>> 【2024年版】トイレのリフォーム・改修で助成金(補助金)は活用できる?主な制度や注意点は?

【デメリット②】配管が詰まりやすい

節水型トイレは水量を抑えられる一方で、従来のトイレよりも詰まりやすい点に注意が必要です。

詰まらない工夫をしている機種が多いため、頻繁にトラブルが起きる心配はありませんが、排管にトイレットペーパーが詰まる場合があります。

万が一のためにメンテナンス道具を用意しておきましょう。

トイレが詰まらないようにするためには、洗い流せる掃除アイテムを流さないのがポイントのひとつです。

通常のトイレよりも詰まりやすいため、流さなくても処理できるものはゴミ箱に捨てるようにしましょう。

節水型トイレにリフォームする際の費用相場

節水トイレ工事見積り

通常のトイレから節水型トイレにリフォームする際の費用は、約15万円~40万円が相場です。

節水型トイレの購入費用や設置、既存のトイレの撤去などが費用に含まれます。

トイレをまるごと交換するケースが大半であるため、同じタイプのトイレで交換するよりも費用は高額になりやすいです。

>> トイレリフォームの費用相場を徹底解説!内装込みの場合や事例を公開
>> トイレのリフォームはどこが安い?格安・激安の施工事例もご紹介

費用をできるだけ抑えたい場合は、複数の業者で相見積もりしましょう。

同じリフォーム内容でも業者によって費用が異なるため、見積もりを比較すれば、希望する工事を安くしてもらえる業者を見つけられます。

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節水型トイレを設置する際の注意点

注意点を教えてくれる女性

節水型トイレは、次に挙げる2つのケースでは設置できない場合があります。

①壁排水の住宅では設置できない場合がある

住宅の排水方式は、床排水と壁排水に分かれています。

戸建て住宅に多い床排水は下方向に排水するため、大量の水は必要としません。

壁排水はマンションで採用されている場合が多く、壁側に水を流す必要がある分、床排水よりも使用水量が増えます。

節水型トイレは水量を抑えているため、壁排水の住宅には対応していない場合がある点に注意が必要です。

自宅の排水方式を確認した上で、対応した節水型トイレを選びましょう。

②水圧との相性が悪いと設置できない場合がある

節水型トイレは少量の水を勢いよく流すことで節水を実現しているため、ある程度の水圧が必要です。

水道の圧力が低い住宅では、節水型トイレの性能を最大限に引き出せず、そもそも設置できない場合もあります。

水圧の強さを自己判断するのは難しいため、リフォーム業者に確認してもらってから、節水型トイレの設置を検討しましょう。

節水型トイレへのリフォーム事例【3選】

節水型トイレへリフォームした事例を3選ご紹介します。

【事例①】TOTO「ネオレスト」シリーズにトイレをリフォーム

住宅の種類 一戸建て
築年数 25年
施工日数 2日間
リフォーム費用 約30万円
家族構成 ファミリー

和式トイレに不便を感じていたため、洋式トイレにリフォームした事例です。
既存のトイレはタンクが壁に取り付けられていましたが、タンク一体型のTOTO「ネオレスト」に変更したことで、空間がすっきりしました。
クロスの張り替えも同時に行い、落ち着いて過ごせる空間に生まれ変わっています。

>> この事例の詳細を見る

【事例②】和式トイレから節水型の洋式トイレにリフォーム

住宅の種類 一戸建て
築年数 35年
施工日数 2日間
リフォーム費用 約30万円
家族構成 ファミリー

和式トイレから節水型の洋式トイレにリフォームしつつ、内装やクロスにも手を加えています。
温水洗浄便座搭載の節水型トイレで、省エネ仕様の壁リモコンによって節電にも配慮しているのが特徴です。
クロスやフローリングは張り替えを行い、白で統一した清潔感のあるトイレを実現しています。

>> この事例の詳細を見る

【事例③】ハイグレードな節水型トイレにリフォーム

住宅の種類 一戸建て
築年数 新築
施工日数 1日間
リフォーム費用 約17万円
家族構成 ファミリー

トイレの節水性にこだわり、ハイグレードな節水型トイレをリフォームした事例です。
節水効果の高いトイレを設置しただけではなく、できるだけすばやくリフォームを完了している点でも、お客さまの要望をかなえています。
約3時間でリフォームを行い、いち早く節水型トイレを導入できた点も喜ばれたポイントです。

>> この事例の詳細を見る

節水型トイレを設置して節水・節電を実現しよう

リフォーム後の節水トイレ

節水型トイレは従来のトイレよりも水量が少なく、節水効果を期待できます。

節電機能を搭載した機種も多く、節水と同時に節電もかなえられるのが魅力です。

洗浄力の高さも特徴で、汚れが残りにくい素材や形状の機種では、手入れの手間も軽減できます。

節水性能や機能はメーカーや機種によって異なるため、現在使っているトイレと比較した上で、メリットの多い製品を選びましょう。

トイレのリフォーム事例も参考にし、節水型トイレへの交換・リフォームをぜひ検討してみてください。

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