差し掛け屋根とは?
差し掛け屋根は、高さの異なる2つの屋根面が段違いで接合し、片方の屋根がもう片方に覆い被さるような独特な構造を持つ屋根形状です。
和風・洋風どちらの住宅デザインにも調和しやすいため人気が高まっています。
片方の屋根がもう片方に重なるような形の屋根
差し掛け屋根は、大小異なる2つの屋根面が高さを変えて段違いに接合し、片方がもう片方に覆いかぶさる構造をしています。
この独特な形は、母屋と呼ばれる上位の屋根と、下屋と呼ばれる下位の屋根を組み合わせることで実現されています。
次のような特徴が挙げられます。
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直線的でモダンな印象:2階の屋根の軒先が1階の屋根に重なり、左右非対称なシルエットを生む 屋根裏スペース:屋根の高さの段差で、採光や通風を効率的に確保し、広く活用しやすい 排水計画:片流れ屋根同士の接合部では雨水の流れが複雑になり、排水計画が重要な課題となる |
屋根と外壁の取り合い部分も構造上の弱点となりやすく、防水施工の精度が建築全体の耐久性を左右する重要な要素になるのです。
シンプルだけど機能的なデザインとして人気
差し掛け屋根は、和風・洋風どちらのスタイルにも合わせやすく、さまざまな住宅デザインに対応できるのも魅力です。
屋根の段差が生み出す立体感と陰影は、平坦な切妻屋根よりも視覚的に魅力的な住宅外観を演出してくれます。
左右のバランスが非対称だからこそ、オリジナリティのある空間表現が可能になります。
機能性を保ちながら建築コストを抑えられるという実用性も、注目すべきポイントです。
デザイン性と実用性を両立させたい方にとって、差し掛け屋根はとても魅力的な選択肢といえるでしょう。
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差し掛け屋根の特徴とメリット

差し掛け屋根は、その独特な段差構造によって多くの実用的なメリットをもたらします。
屋根裏の有効活用や優れた排水性能など、機能面でも注目すべき特徴を数多く備えています。
それぞれの特徴が、住まいの快適性向上にどう貢献するのかを詳しく見ていきましょう。
採光・通風性を確保しやすい
差し掛け屋根の大きな利点は、段差部分の外壁に窓を設置できることです。
高い位置から自然光を室内の奥まで効率的に取り込めます。
平屋などでは採光が制限されがちですが、高窓(ハイサイドライト)を活用すれば、部屋の隅々まで光が届くようになります。
日中の照明を減らし、明るく開放的な空間を演出できるでしょう。
また、屋根の高低差がある部分に通風口を設けると、自然な風の通り道が生まれます。
温度差による上昇気流で換気が促されます。
これにより、機械に頼らない空気循環が生まれ、屋根裏に湿気がこもりにくくなるというメリットも得られます。
軒の出が深い構造は、夏の直射日光を適度に遮りつつ、間接光による明るさを確保するのにも役立ちます。
こうした工夫が、省エネで快適な室内環境につながるのです。
屋根裏スペースを有効活用しやすい
差し掛け屋根は、高さの異なる2つの屋根が生む段差によって、独特な居住スペースが生まれます。
一般的に屋根裏は限られたスペースになりがちですが、差し掛け屋根の構造なら広々とした空間を確保しやすく、仕事部屋や趣味の部屋として有効活用することも可能です。
勾配天井を活かした設計にすれば、収納棚や作り付けの家具を設置して、限られた床面積を最大限に生かせます。
高い天井は、開放的で快適な室内環境を実現してくれるでしょう。
また、屋根裏の高低差は自然な空気の流れを生み出し、湿気が溜まりにくい効果も期待できます。
建物の劣化を抑えながら室内の快適性を高めやすいのも、差し掛け屋根の大きな魅力です。
雨水の排水性が高い
差し掛け屋根は段差のある構造のため、雨水が基本的に一方向へ効率的に流れるように設計されています。
雨水の流れる道筋が複数できることで、一般的な屋根構造よりも排水しやすいのが特徴です。
勾配のある屋根面が、重力を利用した自然な排水を促し、雨水が溜まりにくくなっています。
集中豪雨の際も、軒先の高低差が雨水を分散させるため、雨樋への過度な負担を和らげる効果が期待できます。
ただし、屋根と外壁が合わさる部分には雨水が集中しやすいため、注意が必要です。
設計段階での適切な工夫と防水処理、そして定期的なメンテナンスを行うことで、差し掛け屋根の優れた排水性能を活かせるでしょう。
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差し掛け屋根のデメリット・注意点
差し掛け屋根はデザイン性と機能性を兼ね備えた魅力的な屋根形状ですが、採用する前に知っておきたい注意点もいくつかあります。
事前にこれらのポイントを理解しておくことが、長期的に安心して暮らせる住まいづくりにつながります。
屋根の形状によっては雨風の影響を受けやすい
差し掛け屋根は、両側の屋根が段差をなしている構造のため、風や雨の影響を受けやすい点に注意が必要です。
屋根面の高低差が風の流れを乱し、台風や強風の際には風圧を受けやすい場合があります。
段差部分や外壁との接合部には、横殴りの雨が吹き込みやすくなります。
特に季節風が強い地域では、防水対策を重視するとよいでしょう。
また、軒先の段差によって風圧が不均等にかかり、防水シートや板金部材への負荷が集中することも。
その結果、ほかの屋根形状よりも劣化が早まる可能性があります。
こうした構造上の特性を理解し、施工時に適切な防水処理と防風対策を施すことが、長く安心して暮らせる住まいづくりのためには不可欠です。
断熱・防水の施工精度が大切
差し掛け屋根は屋根と外壁の接合部分が複雑なため、施工の精度が住まいの長期的な快適性を大きく左右します。
屋根面の段差や外壁との取り合い部は、雨水が集中しやすい場所です。
雨水の浸入を防ぐための防水シートや板金工事の施工精度が重要です。
特にシーリング材は雨風や紫外線で劣化しやすいため注意が必要です。
正確な施工技術だけではなく、定期的な点検も重要です。
また、複雑な屋根形状は断熱材が途切れやすく、熱橋(ヒートブリッジ)の発生や結露を招きやすい傾向もあります。
快適な室内環境を保つには、施工時に気密・断熱のラインを確実に処理することが欠かせません。
>> 屋根の断熱材の費用相場は?メリット・デメリットや注意点
取り合い部分の防水紙の重ね方やシーリング処理など、専門知識が求められる工程が多いです。
そのため、施工業者の技術力が最終的な仕上がりを左右するといえるでしょう。
新築やリノベーションの際には、差し掛け屋根の施工実績が豊富な業者を選ぶことがとても大切です。
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デザイン性と機能性を兼ね備えた差し掛け屋根
差し掛け屋根は、建物の美観と機能性を両立できる、優れた屋根デザインです。
この記事では、差し掛け屋根の基本的な構造や特徴、メリット・デメリット、そして施工時の注意点などを解説しました。
おしゃれな外観を演出しながら、雨仕舞いや採光性の向上といった実用的な効果も期待できる、とても魅力的な選択肢といえるでしょう。
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