空き家の解体費用の相場
空き家の解体費用は、建物の構造によって異なります。
建物の構造別の解体費用を、以下の表にまとめました。
空き家の構造 | 解体費用の相場 |
---|---|
木造 | 3~5万円/坪 |
鉄骨造 | 4~6万円/坪 |
鉄筋コンクリート造(RC) | 6~8万円/坪 |
解体予定の空き家の構造を確認して、工事費用の相場をチェックしてみてください。
ただし、実際にかかる工事費用は建物の大きさや工期、廃棄物の量などによって異なります。
詳しい内訳は、業者に依頼して見積もりを出してもらいましょう。
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空き家の解体費用を抑えるための裏ワザ3つ
空き家の解体費用を抑えるための裏ワザは、以下の3つです。
● 解体工事を行う季節に注意する
● 補助金を利用する
● 自分でできることは先に行っておく
それぞれの方法を、詳しく解説していきます。
空き家を解体したいけれど、費用がネックとなっている方はぜひチェックしてみてください。
解体工事を行う季節に注意する
台風や雪の影響を受けやすい季節は、解体工事の依頼をできるだけ避けるとよいでしょう。
理由は、工事が遅延する可能性が高いためです。
そのため、気候が安定している春や秋ごろは工事がスムーズに行いやすいです。
ただし、スムーズに工事ができる季節は繁忙期にもなりうるため、早めに予定を組んでみましょう。
補助金を利用する
市町村によっては、家の解体や付帯工事に関する費用に対して補助制度を設けています。
自治体によってはアスベストの除去やブロック塀の撤去に対しても補助制度を用意しています。
補助制度の内容は自治体や年度によって異なるため、必ず解体する空き家がある市町村の情報を確認しましょう。
さらに、補助制度の申請には期限があったり、先着順だったりします。
補助金の利用を希望する際は、早めに申請するようにしましょう。
実際にどのような補助金制度があるかについては、このあと「空き家の解体工事に利用できる補助金制度」で詳しく解説します。
各補助金の適用条件や適用時の注意点などを解説しますので、補助金を利用して解体費用を抑えたい方はぜひ参考にしてみてください。
工事前に自分でできることは行っておく
不要な家具やゴミの処理は、工事前に自分で行っておくとよいでしょう。
不用品は、自分でごみ集積場に持ち込めます。
ただし、ごみの種類や量によって持ち込み料が変わります。
また、付帯工事も工事費用に大きく関わってきます。
そのため、庭木や庭石も自分で処分できるなら工事前に片付けておきましょう。
庭木や庭石の処分の際は、各自治体のルールをご確認ください。
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空き家の解体工事に利用できる補助金制度
お住まいの地域によっては、空き家の解体工事に利用できる補助金制度が存在する場合があります。
ただし自治体によって名称や適用条件が異なるため、実際に利用する場合は自治体の公式ホームページなどを確認するようにしましょう。
本記事では、豊橋市と曽於市を例に挙げ、2つの補助金制度をご紹介します。
補助金額 | 内容 | |
---|---|---|
木造住宅解体工事費補助 (豊橋市) |
解体工事費用の23%の金額
または30万円のいずれか小さい額 |
● 木造住宅の倒壊による被害を防止するための制度 ● 倒壊の可能性がある木造住宅を解体する際に適用可能 |
危険廃屋解体撤去補助金 (曽於市) |
工事費の30% | ● 良好な景観を向上するため、危険廃屋の解体工事費用の一部を補助する制度 |
空き家解体を行う際に補助金を利用したい方は、ぜひ参考にしてみてください。
木造住宅解体工事費補助(豊橋市)
木造住宅解体工事費補助とは、耐震診断で倒壊の可能性があると判断された木造住宅を解体する際に利用できる補助金です。
この補助金は木造住宅の倒壊による被害を防止するための工事が対象です。
以下、適用条件・補助金額をご紹介します。
補助金額 | 解体工事費用の23%の金額 または30万円のいずれか小さい額 |
---|---|
補助対象となる住宅 | ● 補助金交付申請時に延べ床面積30㎡以上のもの ● 豊橋市が行っている木造住宅無料耐震診断または愛知県建築住宅センター実施の木造住宅耐震診断を受けた住宅で、診断の結果判定値が1.0未満「倒壊する可能性がある」と判定された住宅 ● 豊橋市木造住宅耐震改修費補助金の交付を受けていないもの ● 豊橋市木造住宅解体工事費補助金の交付を受けていないもの ● 申請年度の前年度までに耐震診断を実施したもの |
補助対象となる工事 | ● 補助対象となる住宅の解体工事 (建築工事に係る資材の再資源化に関する法律に基づき、適正な分別解体、再資源化等を実施するものに限る) |
参考:豊橋市公式サイト
危険廃屋解体撤去補助金(曽於市)
危険廃屋解体撤去補助金は、市区町村内の住環境や景観を向上させる目的で、危険廃屋の解体工事費用の一部を補助する制度です。
補助金額 | 工事費の30% |
---|---|
補助上限額 | ● 工事費が100〜200万円の場合:35万円
● 工事費が200万円以上の場合:40万円 |
補助条件 | ● 所有者が居住または使用していない家屋 ● 工事費が30万円以上で、市内の解体業者が行う工事 ● 申込時点で解体工事等に着手または申請手続き中に着手したものは対象外 |
補助対象となる工事 | ● 所有者が使用しなくなったり、使用不可能となったりした建物 ● 住宅や店舗、事務所、物置、工場、工業用倉庫、サイロ、広告塔などの撤去工事 ● 住宅に付随する倉庫、自家用車庫等は申請建物を1つとして取り扱うこと ● 所有者から依頼を受けた家屋も対象 |
参考:曽於市公式サイト
自治体によって補助金の適用条件や補助金額が異なります。
実際に補助金を利用する場合は、各自治体の公式サイトなどで確認しましょう。
空き家の解体にかかる費用の項目
空き家の解体でかかる費用の項目は、主に以下の7つです。
● 仮設工事費
● 重機使用料
● 重機回送費
● 解体工事費
● 基礎の撤去費用
● 廃棄物処理費用
● 整地費
それぞれの項目の具体的な内容を、以下で解説します。
仮設工事費
仮設工事とは、家の解体をするために必要な準備のことです。
主に、以下のような作業が行われます。
● 足場の設置
● 養生
● 防音シートの設置
安全に、かつスムーズに工事が行えるように、丁寧な下準備は欠かせません。
重機回送費
解体工事に必要な重機の運搬にも、費用がかかります。
移送する際の人件費や重機を載せて運ぶ車のガソリン代、高速代などが含まれます。
重機使用料
建物全体を解体するため使用する重機のレンタル費用です。
レンタル日数に応じて費用が高くなります。
解体工事費
建物を解体するための本工事にかかる費用です。
解体工事費として計上される金額は、建物解体に必要な作業員の人件費が主となります。
基礎の撤去費用
建物の土台や基礎部分の撤去にかかる費用です。
基礎の構造が複雑だったり、頑丈だったりする場合は費用が高くなる場合があります。
廃棄物処理費
解体工事によって出た廃棄物の処理にかかる費用のことです。
廃棄物は、種類によって処分の方法やかかる費用が異なります。
家の解体では多量の廃棄物が出るため、費用も高めになりやすいです。
整地費用
建物をすべて撤去した後に、土地を整える際にかかる費用です。
一般的に、家の解体後は土地の内部に埋まっている廃棄物やゴミなどを掘り起こします。
その後、土地をならして整地します。
整地をしておけば、その後は駐車場にしたり新たな住宅を建てたりと活用しやすくなるのです。
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空き家の解体に必要な付帯工事
空き家の解体では、建物以外の箇所の処理を行う付帯工事も行われます。
家の解体で行われる付帯工事には、主に以下の4つがあります。
● ブロック塀の撤去
● 庭木や庭石の撤去
● 浄化槽の撤去
● アスベストの撤去
付帯工事の詳しい内容を、項目別に解説します。
ご自宅に該当する箇所はないか、チェックしてみてください。
ブロック塀の撤去
家の周りに設置されてあるブロック塀を崩して、撤去するための工事です。
塀を撤去する際は、廃棄処分をしなければなりません。
そのため、取り壊しと撤去以外に、廃棄処分にも費用がかかります。
ブロック塀の撤去にかかる費用は、処分費込みで1㎡あたり5千~1万円が相場です。
庭木や庭石の撤去
庭に生えている樹木や放置されている石の撤去にも、費用がかかります。
樹木の撤去は、1本あたりおよそ8千~5万円ほどとなります。
価格は樹木のサイズや伐根の必要性によって異なる場合が多いです。
また、庭石撤去の費用相場は1tあたり約1万円です。
浄化槽の撤去
家の解体では浄化槽も不要になるため、撤去しなければいけません。
浄化槽とは、トイレやお風呂などで使用した生活用水を浄化させて、放流するための機械です。
浄化槽の撤去費用は、1箇所あたり5~10万円ほどが相場となります。
アスベストの除去
住宅の建材にアスベストが含まれている場合は、除去をしつつ解体しなければいけません。
アスベストの除去費用は、施工面積によって相場が決まっています。
以下にて、施工面積ごとの除去費用をご紹介しましょう。
処理面積 | 除去費用 |
---|---|
300㎡以下 | 2~8.5万円/㎡ |
300~1,000㎡ | 1.5~4.5万円/㎡ |
1,000㎡以上 | 1~3万円/㎡ |
参考:国土交通省
処理面積が広くなるほど、1㎡あたりの費用は安くなります。
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空き家を解体するメリット
空き家を解体するメリットには以下2つがあります。
● 管理の手間がなくなる
● 売りやすい
ここでは、上記のメリットについて解説します。
管理の手間がなくなる
空き家を所有していると、以下のような問題があります。
掃除が必要 |
---|
空き家が自宅から遠かったり、建物自体が大きかったりすると、所有者の負担が大きくなります。 大きな家の清掃や修繕は時間もお金もかかります。 |
トラブルになる可能性がある |
空き家を放置すると、事件や事故にも巻き込まれる可能性も少なくありません。 古くなった家屋は倒壊の危険性もあります。 |
土地の価値が下がる |
建物があることで土地の価値が下がることもあります。 |
上記の問題も解決するには、空き家を解体するのがおすすめです。
今後活用する予定がない空き家の場合、解体を検討してみましょう。
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売りやすい
空き家を解体して更地にすることで、土地が売りやすくなります。
土地を探している人の多くが新居のために土地を購入するので、空き家が残っていない方が買い手がつきやすいといえます。
すぐに買い手を見つけたい場合は、空き家を解体するとよいでしょう。
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空き家を解体するデメリット
空き家を解体するデメリットには、以下3つが挙げられます。
● 費用が高い
● 軽減措置が受けられない
● 解体後、再建築できない場合がある
上記のデメリットについて以下より解説していきます。
費用が高い
解体工事には高額の費用が必要です。
解体後に土地を売却できればよいですが、解体費用が土地の売却費用を上回って赤字になる可能性もあります。
土地の需要が低いエリアでは、買い手が見つからず長い間売れ残ってしまうこともあります。
せっかく更地にしても売れ残ってしまうと、解体費用を回収できないままです。
土地の需要が低い場合には、空き家を解体せずそのまま売ることも視野に入れましょう。
軽減措置が受けられない
住宅用に使用している土地は、固定資産税や都市計画税に軽減措置が適用され税金が安くなります(都市計画税は地域による)。
軽減措置が適用されていれば、固定資産税は課税標準額の6分の1、都市計画税は課税標準額の1/3に軽減可能です(1戸につき200平米までの小規模住宅用地の場合)。
しかし更地にすると軽減措置の適用対象外になるため、固定資産税・都市計画税ともに解体前よりも高くなります。
解体後すぐに売却できない場合には、更地の固定資産税・都市計画税を納めることになるので注意が必要です。
解体後、再建築できない場合がある
解体して更地にしても、以下の理由により再建築できない場合があります。
再建築不可物件の場合
古い建物の中には現在の建築基準から外れてしまっているものもあります。
その土地に新しく建物を立てる場合、現在の基準に合わせなければいけません。
また「都市計画区域」や「準都市計画区域」で建物を建てるためには、建築基準法で決められた接道義務を満たさなければいけません。
建築物の敷地は、建築基準法上の道路に2m以上接しなければならないという決まり。
参考:建築基準法(第43条第1項)
市街化調整区域の場合
解体する家のエリアが市街化調整区域に指定されている場合、再建築はできません。
市街化調整区域は街の発展や開発が認められていないエリアだからです。
空き家の解体を検討している方は、各自治体の都市計画マップなどを活用して確認してみてください。
空き家の解体費用には付帯工事も含まれているか確認しておこう
空き家の解体費用には、さまざまな項目が含まれています。
そのため、業者から見積もりを受け取ったら、内訳がきちんと記載されているか確認しておきましょう。
内訳がまとめて一括で記載されている場合は、詐欺に遭う危険性があります。
後から不要な請求をされないように、提示された解体費用には付帯工事の分も含まれているか確認しましょう。
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