更地にするための費用相場
建物の構造別の解体費用、解体に付帯して発生する費用それぞれの相場をご紹介します。
建物の構造ごとの解体費用や相場
解体費用は、建物の構造によって異なります。
ここでは木造・鉄骨造・鉄筋コンクリートの構造ごとに解体費用相場をご紹介します。
木造の場合
木造は、日本の戸建て住宅や小規模アパートなどで多くみられる建築工法です。
耐用年数を超えたことで、木造住宅の解体を検討している人もいるのではないでしょうか。
木造の解体費用相場は、以下のとおりです。
坪数 | 木造 |
---|---|
1坪当たり | 3~5万円 |
20坪 | およそ60~100万円 |
30坪 | およそ90~150万円 |
40坪 | およそ120~200万円 |
鉄構造の場合
鉄骨造には次の2種類があります。
軽量鉄骨造:一般住宅や小規模店舗などに利用されている。鋼材の厚さが6mm未満。
重量鉄骨造:ビルや高層マンションなどに利用されている。鋼材の厚さが6mm以上。
相場は次のとおりですが、重量鉄骨造は軽量鉄骨造よりも少し高額になりやすいです。
坪数 | 鉄骨造 |
---|---|
1坪当たり | 4~6万円 |
20坪 | およそ80~120万円 |
30坪 | およそ120~180万円 |
40坪 | およそ160~240万円 |
鉄筋コンクリートの場合
鉄筋コンクリート造はビルやマンションなどに使われることが多く、鉄筋とコンクリートを合わせた強度の高い建築工法です。
鉄筋コンクリート造は丈夫で耐震性・耐久性が高いため、解体に手間がかかります。
そのため木造や鉄骨造に比べて解体費用も高めです。
坪数 | 鉄筋コンクリート |
---|---|
1坪当たり | 6~8万円 |
20坪 | およそ120~160万円 |
30坪 | およそ180~240万円 |
40坪 | およそ240~320万円 |
付帯工事費用
土地を更地にするときには、建物の解体費用だけでなく、ブロック塀や樹木などの撤去費用として付帯工事費用がかかります。
敷地にある物置やブロック塀、樹木など付帯物が多くなるほど、費用は高くなります。
以下の表は付帯工事費用の目安です。
項目 | 撤去費用の相場 |
---|---|
ブロック塀 | 5千~1万円/㎡ |
物置・倉庫 | 3~8万円 |
樹木 | 8千~5万円 |
カーポート | 6万円~/1台用 |
建物に、アスベストが含まれている場合には除去をしなければなりません。
アスベストの除去には特別な処理が必要なため、費用が高くなります。
アスベストの除去費用の相場は、以下のとおりです。
処理面積 | 除去費用の相場 |
---|---|
300㎡以下 | 2~8万5千円/㎡ |
300~1,000㎡ | 1万5千~4万5千円/㎡ |
1,000㎡以上 | 1~3万円/㎡ |
出典:「アスベスト対策Q&A」(国土交通省)を加工して作成
整地費用
建物の解体後は、敷地を整える必要があります。
整地にかかる費用は、土地の広さや整地の種類によって異なります。
解体後の整地をどのような状態にするのか、業者とあらかじめ決めておきましょう。
以下は整地の種類ごとの費用相場です。
それぞれの特徴も併せて参考にしてください。
種類 | 費用相場 | 特徴 |
---|---|---|
粗整地 | 300~600円/㎡ | ゴミ・石などを取り除き、トンボや重機などでざっと地面をならす方法 |
砕石舗装 | 2,000~7,000円/㎡ | 細かいゴミまで丁寧に除去し、砕石を敷き詰めてきれいにする方法 |
真砂土舗装 | 3,000~4,000円/㎡ | 細かいゴミまで丁寧に除去し、真砂土を敷いて転圧しきれいにする方法 |
アスファルト舗装 | 3,500~6,000円/㎡ | 砕石を敷き詰めて、アスファルトで舗装する方法 |
コンクリート舗装 | 5,000~10,000円/㎡ | 砕石を敷き詰めて、コンクリートで舗装する方法 |
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土地を更地にするメリット
古家を解体して更地にするメリットをご紹介します。
買い手がつきやすい
古家を解体して更地にすると、買い手がつきやすいというメリットがあります。
買い手にとっては購入後に古家を解体する手間がなく、新築が建つまでの施工期間も短く済むためです。
古家の解体費用もかからないため、金銭面でも買い手にとっては購入しやすい物件となるでしょう。
また更地であれば、買い手は自由に建築プランを立てられ、購入後の土地活用のイメージが沸きやすくなります。
中古のマイホームを探すケースでなければ、買い手にとっては更地の方が都合がいいでしょう。
駐車場として利用できる
土地を更地にしても、すぐに売却できるとは限りません。
買い手が見つかるまでの間、更地を貸し駐車場として活用する方法もあります。
貸し駐車場の運営は、いったん更地にしてしまえば初期費用が少なく、管理費用もほぼかかりません。
更地にすると高くなる固定資産税も、貸し駐車場での利益でまかなえる可能性もあります。
ただし貸し駐車場の収益性は、周辺の環境によって左右されます。
自分の土地が駐車場として需要があるかどうかを、事前に調べておく必要があります。
地盤の確認ができる
土地を更地にすることで、地盤調査が可能になります。
売却前に地盤を調査するメリットは以下の3つです。
● 買い手に情報を提供できる
● 売却後のトラブルを防げる
● 契約不適合責任の免責を要求できる
地盤調査を事前に行うことで、買い手に土地の詳しい情報を提供できます。
買い手が前もって土地の情報を知ることで購入後のリスクを減らせるため、売買契約に繋がりやすくなるでしょう。
もし契約後に土地の地盤に関して不具合が生じた場合、売主側は契約不適合責任を問われてしまうリスクがあります。
契約不適合責任とは納品された目的物に、契約内容と異なる点があることが判明したときに、売主が負担する責任を指します。
トラブルを防止するためにも、地盤調査を行っておくと安心です。
土地を更地にするデメリット
ここからは、更地にするデメリットについて確認しましょう。
解体費用がかかる
土地を更地にするためには古家の解体が必要です。
一般的に30坪の木造住宅の場合、90~150万円の解体費用がかかります。
しかし多大な費用をかけて更地にしても、すぐに売却できるとは限りません。
資金計画を立てるときには、更地の売却に時間がかかることも念頭に置いておきましょう。
固定資産税が上がる
住宅用地に建物が建っているときには、特例によって固定資産税が優遇されています。
以下の表は、一定の要件を満たす住宅用地における固定資産税の課税標準額です。
小規模住宅用地の場合は固定資産税が1/6と軽減されていますが、更地になると軽減されません。
区分 | 土地の利用状況と面積区分 | 課税標準額 |
---|---|---|
小規模住宅用地 | 200㎡以下の部分 | 価格×1/6 |
一般住宅用地 | 200㎡を超える部分 | 価格×1/3 |
※小規模住宅用地とは住宅1戸につき200㎡以下の住宅用地
※一般住宅用地とは住宅1戸につき200㎡を超える部分の住宅用地
出典:「資料(税負担軽減措置関係)」(総務省)」を加工して作成
ただし、固定資産税を軽減したいからと更地にせず建物をそのまま放置するのは避けましょう。
空き家を放置して老朽化が進むと、周辺住民に迷惑がかかったり、衛生上の問題が出たりするからです。
放置し続け「特定空家等」に認定された場合、軽減措置は適用されず固定資産税が上がる恐れがあるので注意が必要です。
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更地にする費用を安く抑えるコツ4つ
ここでは更地にする費用を安く抑えるコツを4つご紹介します。
更地にすることを検討している人はぜひ参考にしてください。
自治体の補助金(助成金)を利用する
自治体によっては、解体費用に対する補助金制度を設けています。
積極的に利用しましょう。
補助金の例を以下に記載しますので、参考にしてください。
老朽危険家屋解体撤去補助金(福岡県飯塚市) |
---|
【内容】 老朽化等で倒壊の恐れがある危険家屋の除却を促進する制度。 解体費用の1/2以内で最大50万円が支給される。 【条件】 自治体の認定や耐震診断を受ける必要がある。 |
木造住宅耐震化助成制度(東京都町田市) |
【内容】 倒壊の恐れがある場合、除去(解体)工事や耐震改修工事の費用を補助。 工事費用の1/2以内で最大50万円が支給される。 【条件】 簡易耐震診断の結果、倒壊の恐れがあると判断されることなど、いくつか条件あり。 賃貸用の住宅は不可。 |
山梨市空き家解体補助事業(山梨県山梨市) |
【内容】 空き家解体費用の一部を補助。 補助金額は20万円。 【条件】 解体費用の合計費が100万円以上。 売り手、買い手が空き家バンクに登録していていることなど、いくつか条件あり。 |
補助金制度を利用すると、解体費用の負担が軽くなります。
まずは更地にする土地がある市町村に、補助金があるか、また条件に該当するかを確認してみましょう。
解体業者の繁忙期を避ける
解体業者の繁忙期を避けることも、費用を抑える方法のひとつです。
解体工事は一般的に決算月が集中する2~3月頃が繁忙期とされていて、見積もり額が高くなる傾向にあります。
一方で、閑散期とされる6~9月、12~1月は、費用が安くなるでしょう。
費用を安く抑えるためには閑散期に依頼するのがおすすめです。
廃棄物を処分する
解体工事に伴う廃棄物の処分にも費用がかかります。
廃棄物が多くなるほど解体費用は高くなります。
廃棄物の処分を業者に依頼した場合、2LDK以上の1軒家で10~50万円程度かかるといわれています。
家具や家電などの不用品がある場合には、解体前にできる限り自分で処分することで、費用の節約につながるでしょう。
複数の解体業者から見積もりをとる
依頼する解体業者によって、解体費用は異なります。
解体業者に見積もりを依頼する際は、最低2~3社の見積もりを取り、それぞれ工事内容や金額を比較することが大切です。
複数業者を比較・検討した上で、納得のできる料金やサービスを提供する解体業者を選びましょう。
相見積もりを取るなら、複数社まとめて見積りが取れるリショップナビがおすすめです。
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解体して更地にするまでの4つのステップ
土地を更地にするときには、事前準備や事務処理などが必要です。
建物の解体から更地にするまでには、以下の4つのステップがあります。
1. 解体業者の選定
2. ライフラインの停止
3. 工事着工
4. 減失登記の申請
ここでは更地にするまでの流れを理解し、できるだけスムーズに進められるようにしましょう。
1. 解体業者の選定
土地を更地にすることが決定したら、まずは解体業者を選定します。
解体業者によって費用やスケジュールが異なるため、複数社の見積もりを比較・検討することが重要です。
1社だけに絞ると、費用が高いのか安いのか、プラン内容が適切なのかが判断しにくくなります。
少なくとも2~3社に相見積もりを取り、最適なプランを提供してくれる解体業者を選びましょう。
リショップナビなら複数社をまとめて見積もり依頼できるため、非常に便利です。
2. ライフラインの停止
解体工事が始まる前に、ガスや電気、インターネット、セキュリティシステムといった水道以外のライフラインを停止します。
水道は、解体工事中に粉塵を抑えるための散水として使用する可能性があるため、停止しないケースが多くあるのです。
解体業者とよく相談して、ライフラインを停止する日程を決めましょう。
3. 工事着工
足場・養生を設置後、解体工事が始まります。
建物の内部から本体へと解体作業を進めていき、解体後には整地を行います。
整地まで終えた後は、忘れずに廃棄物の処理と清掃を行いましょう。
依頼主も協力し、できるだけきれいな状態にしておくことが大切です。
全てが完了したら、解体工事業者の立ち合いのもとで引き渡しとなります。
4. 滅失登記の申請
登記簿に登録してある建物がなくなったことを登記する、滅失登記の申請をします。
滅失登記は、基本的に1ヵ月以内に法務局へ申請しなければいけません。
滅失登記は自分で手続きもできますが、素人では困難なため、家屋調査士へ依頼するのをおすすめします。
なお、家屋調査士へ依頼した場合、一般的には3~5万円程度の費用がかかります。
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更地にする際に気をつけること3つ
土地を更地にして売却する際、いくつかのトラブルが発生する恐れがあります。
更地にすると決めたら、以下の3点に注意しましょう。
● 契約内容を確認しておく
● 買い手の融資承認後に着工する
● 解体費用はローンが組めない場合もある
契約内容を確認しておく
更地にして売却する際は売却後のトラブルを防ぐため、売買契約書に以下の3点が記載されていることを確認しましょう。
● 売主の責任と負担のもとで解体すること
● 解体する建物の抹消登記に関する取り決め
● 土地の瑕疵担保責任(契約不適合責任)
建物を解体する旨や契約不適合責任の内容に、売主と買主で認識のズレがないこと確認して売買契約を結びましょう。
買い手の融資承認後に着工する
解体工事の着工は、買い手の融資が承認されてから行うようにしましょう。
融資が承認される前に解体工事に着手して、万が一非承認となった場合、費用の無駄になってしまいます。
一般的に、買い手は住宅ローンの融資を受けるケースがほとんどです。
融資が承認されなければ、売買契約そのものが解除されてしまいます。
売却の機会を失うことのないよう、必ず買い手のローン審査が通ったあとに着手するようにしましょう。
解体費用はローンが組めない場合もある
古家を解体して更地にするだけでは、ローンが組めないケースがほとんどです。
ただし、以下の2つのどちらかを満たす場合、ローンを組めます。
● 空き家を解体する場合
● 居住中で建て替えの予定がある場合
空き家を解体する場合はローンが組める銀行があるので、最寄りの金融機関に相談しましょう。
建て替えでハウスメーカーを利用する場合も住宅ローンが適用されます。
上記2つに当てはまらない場合にはローンが組めないため、現金での支払いが必要ですので注意しましょう。
更地にする費用を安く抑えてスムーズに解体しよう
土地を更地にするには、解体費用のほかに付帯工事費や整地費が必要です。
本記事でご紹介した方法を利用することで、費用を抑えられるでしょう。
解体業者によって費用やスケジュール、プラン内容が大きく異なります。
最適な業者を選ぶことで、スムーズに更地にできるでしょう。
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