増築に必要な確認申請とは?
確認申請とは、「自治体」もしくは「指定の確認検査機関」に新築や増改築工事の許可をとるための手続きです。
建物を増築する際にも「確認申請」が必要になります。
増築の確認申請には、次の5つの項目が含まれています。
項目 | 内容 |
---|---|
確認申請 | 着工前に図面が合法的か確認すること |
確認認証 | 図面が合法的なものとして認識されたことを証明する書類 |
中間審査 | 工事中に増築が法的に適合しているかを確認する検査 |
完了審査 | 工事完了後に図面通りに工事が行われたかを確認する検査 |
検査済証 | 工事が問題なく行われたことを証明する書類 |
増築の確認申請は、施主の方ご本人でも行えますがリフォーム会社や設計事務所への依頼をおすすめします。
増築の確認申請の際、提出する書類は専門的な知識が必要であるためです。
増築を依頼する際に、リフォーム会社や設計事務所へ確認申請もしてもらえるかを合わせて確認しておきましょう。
基本的に増築の確認申請は必要
次の条件に当てはまると、増築の確認申請をする必要があります。
- 施工範囲が床面積10㎡(約3坪)を超える場合
- 施工地が準防火地域または防火地域(※)である場合 (※)準防火地域または防火地域:市街地における火災の危険を防除するため定める地域
上記2つのうち、1つでも当てはまる場合は申請が必要です。
基本的に増築の確認申請は必要と考えて良いでしょう。
増築を検討している場所が準防火地域または防火地域に当たるかは、各自治体の都市計画課などで確認できます。
※出典:「 都市計画法第九条21項」(e-Gov)を加工して作成。
住居以外にも申請対象になるケースがある
増築とは「敷地内」に延面積を増やす工事を示しており、次の2つの設置も増築に含まれます。
● カーポート
● 物置
上記2つが「建築物」(※)に該当するため、増築の確認申請対象になるケースがあります。
増築の時に、カーポートもしくは、物置の設置をご検討している方はご注意ください。
(※)「建築物」とは、建築基準法で屋根があり、それを支えるための壁・柱で構成した土地に定着している工作物などを指します。
カーポート
カーポートの設置も増築申請の対象です。
屋根と柱、壁などがあるものは全て「建築物」に該当します。
10㎡を超えるカーポートを設置する場合は、増築の確認申請を忘れないようにしましょう。
なお10㎡は6畳程度で、約2〜3台の車が停められる広さです。
>> カーポートの設置リフォームについて詳しく知りたい!
>> ソーラーカーポートの設置リフォーム!後悔しないためには?
物置
カーポート同様、物置の設置も増築の確認申請が必要になるケースがあります。
増築に該当するかの判断は、「屋根や柱、壁があり、屋内的用途があるか」です。
雨風が防げれば「屋内用途あり」と判断され増築に該当します。物置の設置も増築にあたるので、注意が必要です。
DIYで物置を作った場合でも「屋内用途あり」と判断されれば、確認申請が必要になるでしょう。
増築の確認申請をしないとどうなる?
増築の確認申請が必要であるのに申請をせずに増築工事を行うと、建築基準法に違反します。
違反行為が発覚した場合、自治体から行政指導が入り、確認申請を行うことで解決します。
しかし場合によっては、工事の中断や中止、増築した建物の取り壊しを命じられることもあるので注意が必要です。
また自治体の行政指導に従わない場合や近隣に大きな影響を与えると判断された場合、罰金や懲役刑を科されます。
増築を検討されている方は、確認申請が必要かどうかをしっかりと確認し、申請を行いましょう。
※出典:「厳罰に関する基礎データ調査」(国土交通省)を加工して作成。
確認申請が不要な場合もある
確認申請が不要な増築工事もあります。
次の2つの条件を同時に満たす場合、増築の確認申請が不要です。
● 増築面積が10㎡以下の場合
● 施工地が、準防火地域または防火地域以外の場合
増築を検討している方は、施工したい場所が準防火地域または防火地域かどうかを各自治体の公式サイトで確認してみましょう。
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増築の確認申請にかかる費用相場
増築の確認申請には、 「申請」「中間検査(中間検査を行う場合)」「完了検査」の際に、それぞれ手続きをするための手数料が発生します。
【確認申請の手数料】
手数料 | 0~30㎡以内 | 30㎡超え~100㎡以内 |
---|---|---|
確認申請 | 5千~1万円 | 9千~3万2千円 |
中間検査 | 9千~1万5千円 | 1万1千~4万円 |
完了検査 (中間検査なしの場合) |
1~1万6千円 | 1万2千~4万8千円 |
完了検査 (中間検査ありの場合) |
9千~1万5千円 | 1万1千~4万8千円 |
申請費用は自治体によって異なりますが、建築物の床面積が「〜30㎡以内」「〜100㎡以内」などで分けられて決められています。
詳しい申請費用は各自治体に問い合わせて確認してください。
また 業者に申請を依頼する場合は、別途費用が必要です。
業者に申請依頼をすると、 約15〜30万円の費用がかかります。
業者によって、上記費用に申請手数料が含まれているか、別途必要になるか異なるので、依頼時や打ち合わせの時に必ず確認しましょう。
増築の確認申請方法と流れ・申請にかかる期間
増築の確認申請は、次の順に進みます。
1. 建築士がいるリフォーム会社を探す
2. 役所に書類を提出する
3. 着工
4. 中間検査
5. 工事完了後、完了検査
各手順について詳しく解説します。
建築士がいるリフォーム会社を探す
まずは増築工事をお願いするリフォーム会社を探します。
リフォーム会社を選ぶ際は次の2つのポイントに気を付けましょう。
- 増築の確認申請ができる建築士がいるか
- 増築の経験や実績が豊富かどうか
増築の確認申請ができる建築士がいる業者を選べば、別途申請依頼をする手間が省けます。
また、図面作成や増築に関する知識があるので、ご自身で行うよりもスムーズです。
リフォーム会社を選ぶ際は、必ず複数社に相見積もりを依頼し、予算や理想の増築にあう業者を選択しましょう。
役所に書類を提出する
リフォーム会社を決めたら、建築士と相談しながら具体的な増築プランを決めます。
具体的な希望や要望を伝えて、納得のいく増築プランになるようにしましょう。
プランが決まったら、確認申請の書類を作成してもらいます。
書類の作成だけでなく、書類の役所への提出も請け負っているリフォーム会社もあります。
着工
役所へ書類を提出してから約1〜2週間後、審査結果が出ます。
無事に増築の許可が降りたら、増築工事を始めることが可能です。
中間検査
場合によっては、工事の途中に中間審査が行われる場合もあります。
中間検査とは、増築工事が法令の基準に適している状態で進められているかどうかを確認する検査です。
中間検査に合格すると「中間検査合格証」が発行されますが、不合格の場合は次の工程に進められません。
中間検査の有無は自治体ごとに基準が設けられており、各自治体で必要かどうか判断されます。
工事完了後、完了検査
工事完了後に「完了検査」が行われます。
完了審査とは、増築工事が図面通りに行われ、法令に適合しているかどうかを確認する検査です。
完了審査で問題なければ、検査済証が発行されます。
増築の確認申請に必要な書類
増築の確認申請に必要な書類は次の2つです。
- 既存建物の検査済証
- 既存建物の確認申請図書の副本
増築の確認申請に必要な書類は、工事内容や規模によって異なりますが、上記2つの書類は基本的に必要になります。
増築工事を検討している方は、事前に揃っていることを確認しておくのがおすすめです。
既存建物の図面がない場合は、復元作業が必要になる場合があります。
復元には時間と費用がかかるので注意が必要です。
ただ既存建物の状態によっては、図面の復元ができない場合もあります。
増築の確認申請に必要な書類が用意できない場合は、工事を依頼するリフォーム会社に相談してみましょう。
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増築ができないのはどのような場合?
増築の許可が降りないのは、次のようなケースです。
- 「建ぺい率」や「容積率」の基準を超えてしまう
- 建物が「既存不適格建築物」に該当する
- 高さの制限を超えている
- 異なる工法で増築する
各ケースについて、次より詳しく解説します。
「建ぺい率」や「容積率」の基準を超えてしまう
増築する時に「建ぺい率」や「容積率」の基準を超える場合、増築の許可がおりません。
建ぺい率は、敷地面積に対する建物面積の割合で、風通しや防災の観点から定められています。
建ぺい率の制限は地域ごとに異なるので、自治体や不動産会社に確認が必要です。
容積率は、敷地面積に対する延べ床面積の割合を指します。
延べ床面積は建物内の全ての床面積を合計したもので、容積率は土地に対して何階の建物が建てられるかを定めた基準です。
「建ぺい率」と「容積率」は土地ごとに既に決まっています。
増築によって、どちらかが上限を超えてしまう場合は増築工事ができません。
増築を検討している方は、増築したい敷地の「建ぺい率」と「容積率」の現状と上限を、不動産会社や自治体に確認するようにしましょう。
建物が「既存不適格建築物」に該当する
現在の建物が「既存不適格建築物」に該当する場合も、増築の許可がおりません。
既存不適格建築物とは、法改正や都市化計画の変更で、適正ではなくなっ部分のある建物のことです。
現在の建物を現行制度に適した建物に変更する工事をしなければ、増築はできません。
しかし「既存不適格の緩和」という制度もあり、場合によっては現在の建物を直さなくても増築できることがあります。
緩和制度の条件は細かく決められているので、既存不適格のまま増築できるかどうか、必ず自治体や建築士に確認しましょう。
高さの制限を超えている
地域によっては、建物の高さを制限しています。
高さ制限のある地域の場合、指定の高さを超えて増築はできません。
地域によっては10〜12mの制限を設けており、おおよそ木造で3階、コンクリート造で4階としています。
高さ制限の対象地域かどうかは、自治体で確認しておきましょう。
異なる工法で増築する
既存の建物と増築する建物の工法や構造方式が異なる場合、増築工事をするのが難しいと言われています。
例えば木造の住宅に鉄骨造を増築するような場合や、鉄骨造の住宅に木造を増築するようなケースは法律上認められていません。
異なる工法で増築すると、耐震性能が異なるので危険です。
増築は、既存の建物の工法で施工する必要があると覚えておきましょう。
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適切な手続きで増築の確認申請をしよう
増築工事を行う場合は基本的に「増築の確認申請」が必要になります。
増築の確認申請は、施工内容が合法的なものか確認するもので、工事前と工事中、工事後の3回の確認が行われます。
申請はご自身でもできますが、専門的な知識を要する書類が多いため、業者に依頼するのがおすすめです。
増築を依頼するリフォーム会社を選ぶ際は、確認申請ができる建築士がいる会社を選ぶようにしましょう。
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