屋根塗装は意味ない？必要ないと言われる理由と不必要なスレート屋根とは？

スレート屋根の塗装不要説は、1996～2008年製の初期ノンアスベスト製品の耐久性問題に起因しています。

「屋根機能への影響が小さい」「塗装だけでは不十分」「塗装によるトラブル発生」などが理由です。

ただし、この時期以外の製品には塗装メンテナンスが必要です。

自宅のスレート屋根の状況を確認し、適切な対策を検討しましょう。

屋根塗装をしなくても、機能面への影響が少ないと考えられがちです。

塗装だけで雨漏りを防ぐことや、屋根の寿命を大幅に延ばすことはできません。
塗装によって屋根材の耐久性や強度を直接向上させるわけではありません。

ただし、塗装は雨水の侵入防止や断熱効果の維持、美観の保護、紫外線や酸性雨からの防護に役立ちます。

適切な塗装により経年劣化を抑え、結果的に屋根の寿命を延ばす効果があります。

屋根のメンテナンスは、塗装だけでは不十分です。

塗装は屋根の表面に施されるだけで、深いひび割れや水漏れ、腐食などには対応できず、根本的な解決にはなりません。

劣化が進んでいる場合には、部分的な修繕や交換・屋根の強化・大がかりな修繕が必要です。

一方で、塗装は劣化の初期段階で行うと屋根の寿命を延ばし、大がかりな修繕を避けられます。

定期的な塗装は予防的なメンテナンスとして重要です。

屋根塗装が原因で雨漏りなどのトラブルが発生してしまい、「塗装しない方がよいのでは？」という意見もあります。

不適切な施工では、塗装後に雨漏りや塗装の剥がれが生じることもあるようです。

主な原因は施工業者の技術力や経験不足であり、下地処理の不十分、塗料選定や塗布方法の不適切、「縁切り」工程の不足、高圧洗浄の負荷過多などが挙げられます。

適切な施工を怠ると屋根の機能を損なうことがあるため、信頼できる施工業者を選ぶことが重要です。

屋根塗装が不要な主なケースは、次の表の通りです。

それぞれ詳しく解説します。

屋根塗装が不要なケースについて3つ解説します。

屋根材の特性や劣化状況、築年数によって判断するようにしましょう。

高い防水性と耐久性を持つ粘土瓦には、塗装を施す必要がありません。

高温の窯で焼かれ、表面は釉薬(ゆうやく)や炭素被膜で着色されているため、ほとんど変色しない特性があるためです。

塗装を施した場合、塗膜の劣化や剥がれなどで雨漏りのリスクが高まるため、粘土瓦はそのままの状態で使用するのが適しています。

屋根の劣化が大きく進行している場合、塗装を施しても意味はありません。

スレート屋根の寿命は通常30年ですが、中には10年程度で深刻な劣化をする屋根材もあります。

30年以上経過した屋根や表面のはく離・ひび割れ・雨漏りがある場合は、塗装のみでの機能回復は困難です。

防水シートの劣化が進行していると、塗装では根本的な劣化対策にはならないため、「カバー工法」や「葺き替え工事」が必要です。

屋根材の表面が塗料で着色されている場合、一般的に屋根塗装のメンテナンスが必要です。

ただし、塗装は通常10年程度効果を持続するため、築年数が10年未満の建物では塗装の必要性は低いと言えます。

同様に、屋根葺き替えやカバー工法で新しく屋根材を設置した場合も、10年以内に塗装を行う必要はありません。

塗料の種類によって異なるものの、屋根塗装の耐久年数は10〜15年とされています。

屋根塗装が効果的なケースについて2つ解説します。

屋根に劣化の兆候が現れた場合には、色あせやチョーキング、ひび割れなどの症状が見られるかをチェックするようにしましょう。

金属製屋根材で塗装が必要なのは、「トタン」です。

トタンは亜鉛メッキ鋼板で、亜鉛の犠牲防食作用によりサビにくい性質を持ちます。

ただ、経年劣化でメッキの摩耗により鋼板が露出するとサビやすくなり、屋根材が朽ちることがあるため、塗装での保護が重要です。

ガルバリウム鋼板はサビにくい特性を持つものの、メンテナンスが不要ではありません。

メッキが剥がれるとサビが発生しやすくなるため、専門業者による定期的な水洗いや点検をおすすめします。

屋根塗装の適切なタイミングは、「塗装後10年」と「塗膜が劣化したとき」の2点でしょう。

スレート屋根は10年ごとの点検と塗装が推奨され、高級コーティングなら15〜20年が目安です。

塗料の種類も耐用年数に影響するため、現在の屋根材や塗料の耐用年数を確認しましょう。

屋根の劣化の状況も見極める必要があります。

チョーキングや色あせ、汚れ・コケの発生、屋根材の破損などをチェックし、適切なメンテナンスを行うことが大切です。

カバー工法や葺き替え工事と比較した相場は次の通りです。

【工法別の価格比較表】

適正な塗装費用の相場を知り、実際の見積もり金額が納得いくものであるか検討することが重要です。

リショップナビ外壁塗装の事例をもとにした坪数ごとの費用相場は、次の通りです。
(2023年1月時点集計データ)

塗料にもウレタン系塗料・シリコン系塗料・フッ素系塗料・遮熱塗料(ガイナ)などがあり、それぞれ施工単価が異なります。

>> 屋根リフォームの費用相場や施工事例を公開！補助金や保険についても紹介
>> 屋根塗装の塗料の種類は？特徴や耐用年数、業者選びのポイントも解説

塗装は、葺き替えやカバー工法に比べて費用が抑えられ、工期も短いのが一般的です(塗料や屋根の状態により異なる)。

遮熱や断熱といった機能も追加できます。

屋根材の劣化が深刻な場合は、塗装だけでは解決できないので、カバー工法や葺き替えなどのリフォームが必要です。

ここでは、それぞれについて解説します。

屋根の葺き替え費用は屋根材の種類によって大きく異なります。

瓦の場合、瓦交換で90〜250万円、スレートやガルバリウムへの変更で70〜200万円程度です。

スレート屋根の場合、同材での交換は70〜160万円、ガルバリウムへの変更は80〜200万円ほどかかります。

セメント瓦から他の材料への変更は、80〜250万円の範囲です。

葺き替えの際は、アスベスト残存の場合も配慮が必要です。

新しい屋根材の選択は、費用と外観のバランスを慎重に検討しましょう。

屋根カバー工法のリフォーム費用は、屋根のサイズや形状、状態によって異なりますが、合計で60～250万円が目安です。

カバー工法の適用時には荷重増が伴い、一部地域では「大規模な修繕」に当てはまらない場合であっても構造計算が必要な場合もあります。

上記の手続きは自己判断が難しいため、自治体へ問い合わせをしましょう。

屋根のメンテナンスは、10年を目安に検討します。

色あせ・コケ・ひび割れ・破損などの症状が現れた場合には、早期対応が必要です。

色あせは紫外線による塗膜劣化、コケは防水効果低下のサインです。
ひび割れはスレートの膨張収縮が原因で、放置すると完全に割れる場合があります。

破損が軽微なら部分補修、広範囲ならカバー工法や葺き替えを検討しましょう。

塗料の耐用年数は、ウレタン8〜10年、シリコン10〜15年、フッ素と遮熱は15〜20年です。

屋根の状態に応じ、適切な対策が求められます。

塗装業者へ相談する際は、「塗装の施工実績が豊富であるか」「見積もり書や施工の説明がわかりやすく丁寧であるか」を確認しましょう。

施工実績は、ホームページなどで実際に塗装をしたお客様の声や、施工事例などを確認するのがおすすめです。

また、スタッフに塗装技能士資格を持っている方や塗料メーカーの認定証の有無などもチェックするとよいでしょう。

さらに、見積もり書の内容が詳しく記載されているか、施工の説明がわかりやすく質問に対しても明確に回答してくれるかもポイントです。

塗装をする際は、不安なく施工してくれる業者を選ぶようにしましょう。

スレート屋根は、使用年数や劣化具合によっては塗装が不要なケースもあります。
金属屋根は塗膜が劣化することでサビが発生してしまうこともあるため、塗装が効果的といえるでしょう。

いずれにしても屋根は日光や風雨の影響を強く受けているため、10年ごとのメンテナンスがおすすめです。

屋根の状態を見極め、業者と相談しながら適切なメンテナンス方法を選択していきましょう。