スレート屋根の補修・塗装・葺き替え・カバー工法の費用!メンテナンス時期の目安は?

スレート屋根のリフォームをしたい時、最も気になるのが適したメンテナンス方法や価格でしょう。また古いスレート屋根を葺き替える場合には、アスベストの処分についても不安がありますよね。スレート屋根の主なリフォームには、補修・塗装・カバー工法・葺き替え、といった種類があります。各工事を行う時期の目安や、費用相場をご紹介します。

スレート屋根とは

スレート屋根は、粘土板岩を薄く加工した板状の屋根材です。
スレートの中にも、天然石を使用する「天然スレート」と、「人造スレート」があります。

ちなみに「スレート屋根」のことを、「カラーベスト」「コロニアル」と呼ぶことがあります。
本来「カラーベスト」とは、ケイミュー社(旧クボタ)の登録商標であり、「コロニアル」はカラーベストの中で最も標準的に普及している商品です。

いずれもスレート材の商品名でしたが、スレートと混同して使われることが多いため、現在では「スレート」「カラーベスト」「コロニアル」は、ほぼ同じ意味の言葉として使用されています。

スレート屋根の種類

スレート屋根には、以下のような種類があります。

天然スレート

「天然スレート」は、玄昌石などの天然石を使用したスレート屋根の高級品です。

天然石ならではのデザインが魅力ですが、 高価であることから国内ではほとんど普及していません。

化粧スレート(カラーベスト/コロニアル)

セメントを高温下で成型した板状の合板スレートに着色したものを「化粧スレート」と言います。
「人造スレート」と呼ぶこともあります。
「カラーベスト」「コロニアル」などの名称が使われているのは、この化粧スレート(人造スレート)です。

年数経過とともに着色部分が落ちてくるため、定期的なメンテナンスとして、屋根塗装が必要になります。

素材の特徴としては、耐候性(風雨や日光などに耐える力)が強く、軽くて、耐震性面でも有利なことから、屋根材として広く普及しています。

なお化粧スレートには、「石綿スレート」「無石綿スレート」の2タイプがあります。

【石綿スレート】

1960年代~2004年以前の化粧スレート屋根には、セメントと混ぜる繊維の一部に、不燃性が高い「石綿(アスベスト)」を使用していました。
しかし健康や環境への悪影響が認められたため、現在は使用が禁止されており、石綿スレートは製造されていません。

【無石綿スレート】

アスベスト規制の強化により、今では石綿(アスベスト)の代わりに人工繊維や天然繊維を採用した「無石綿スレート」が普及しています。
今後、新築を建てる場合や新しいスレート屋根にリフォームする際には、こちらの「無石綿スレート」を施工することになります。

石綿(アスベスト)スレート屋根の処分・葺き替え費用と注意点

2004年以降に製造されたスレート屋根にはアスベストは使用されていませんが、それ以前に施工されたスレート屋根には、アスベストが含まれている可能性があります。

ご自宅のスレート屋根がアスベストを含んでいる場合は、葺き替える際に追加費用が発生します。
アスベストの処分・解体撤去費用の相場は、1㎡あたり20,000~85,000円です。
2,000~5,000円/㎡位で済む場合もあります。
業者によっても、工事規模(アスベスト飛散の危険性の具合)によっても大幅に金額が異なります。

1960年代~2004年に製造されたスレート屋根のリフォームでは、予算にゆとりを持っておきましょう。
費用の工面が難しい場合には、屋根を撤去しない「カバー工法(重ね葺き)」で、いったんリフォームするのもおすすめです。

なお工事内容にかかわらず、アスベストを含むスレート屋根の可能性がある場合には、「石綿作業主任者」「アスベスト診断士」「特別管理産業廃棄物管理責任者」といった資格を持ったスタッフがいるリフォーム会社に相談しましょう。

スレート屋根は、アスベスト含有吹付け材などと比べると、改修や解体工事の際にアスベストが飛散するレベルが低い「非飛散性アスベスト」製品とされています。
しかし屋根の劣化具合によっては、作業中に割れたり表面が剥がれてしまったりして、屋根の内側のアスベストが飛散してしまう可能性もあります。

ご家族や工事の作業スタッフだけでなく、近隣の方々への健康被害が出てしまう危険性があるため、2004年以前に製造されたスレート屋根のリフォームは、必ず有資格者に依頼してくださいね。

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以下からは、現在最も使われている「無石綿スレート」の特徴についてご紹介します。
今後屋根をメンテナンス・リフォームするにあたり、まずはスレート屋根のメリット・デメリットについて確認しておきましょう。

スレート屋根のメリット

葺き替える際のリフォーム費用が安い

基本的に単純構造のスレート屋根は、最も安価な屋根材です。

材質や屋根の形状によっても価格は異なりますが、スレート屋根をリフォームする際の価格は、材料費・施工費込みで約5,000~7,000円/㎡です。
セメント瓦やガルバリウム鋼板なら、リフォーム費用は約6,500〜8,000円/㎡、日本瓦だと約8,000~15,000円/㎡かかります。

日本瓦の半分程度の価格で施工できるので、スレート屋根は大変リーズナブルな屋根材と言えます。

>> 屋根瓦の種類・形・費用相場
>> ガルバリウム鋼板屋根の特徴・費用・メンテナンス方法

軽量なので耐震性に優れている

スレートの重さは、1㎡あたり約20kg。
一方、和瓦は1㎡あたりの重さが、スレートの3倍の約60kgです。

比較的軽量なスレート屋根は、地震の際に屋上部の重さが軽減され、建物の揺れが和瓦の家よりも小さくなります。
また、瓦が落ちてくる心配もありません。

カラーバリエーションが豊富

日本で普及している化粧スレート屋根は、表面に塗装を施しています。
そのため、色の選択肢が豊富です。

2018年4月現在、ケイミュー社の人気商品である『コロニアルクァッド』や『コロニアル遮熱グラッサ』では、ホワイト・ブラック・ベージュ・ブルー・レッド・グリーン・シルバー・ブラウンなどのカラーを展開しています。

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スレート屋根のデメリット

選べるデザインが少ない

スレート屋根は、デザインがスッキリとしているのが魅力です。

しかし、ガルバリウム鋼板の屋根であれば、和瓦風、洋瓦風、金属瓦風、スレート風のデザインから選べます。

見た目にもある程度こだわりたい方には、スレート屋根は物足りなく感じるかもしれません。

他の屋根材に比べて耐久性が低い

スレート屋根の耐用年数は、10~20年です。
なお、セメント瓦やガルバリウム鋼板は20~40年、日本瓦は50年前後の耐久性があります。

価格が安い分、スレート屋根は他の屋根材と比較すると耐久性が低いため、リフォームを行う頻度が多くなります。
10年以上経ったスレート屋根は、塗装が剥がれてきてしまうので、必ず塗り直しを行いましょう。

頻繁にメンテナンスが必要

上述した理由から、スレート屋根は頻繁にメンテナンスやリフォームを行う必要があります。

また他の屋根材よりも防水性が低くコケが生えやすかったり、割れ・反りが生じやすかったりという欠点もあります。

スレート屋根のメンテナンス方法とリフォーム費用

それではスレート屋根の特性を踏まえた上で、具体的なメンテナンス方法やリフォーム価格について、チェックしてみましょう。

時期目安 工事内容・施工価格
(屋根面積100㎡以下)
瓦のずれ・外れがある 【瓦の差し替え・交換】
5,000~30,000円/枚
築10~20年 【棟板金の補修】
5,000~8,000円/m
【漆喰の補修】
2,500~7,000円/m
築7~20年 【塗装】
15~70万円
築20年以上 【カバー工法(重ね葺き)】
60~150万円
【葺き替え】
70~180万円

以下でもう少し詳しくご説明しますが、どの工法が良いかは、スレート屋根の施工経験豊富な業者に相談するのが最も確実です。
特にヒビ割れや雨漏りは、部分補修で済むか、塗装や葺き替えが必要か、プロに現地調査してもらわないとわからないためご注意ください。

なおいずれの工事も、足場代や諸経費などが別途かかることが多いので、最終的にかかる費用は必ずリフォーム会社に確認してくださいね。

スレート屋根の修理・補修の時期と費用相場

スレート瓦がずれたり外れたりしている場合は、早めに修理・交換しましょう。
スレート瓦を差し替え・交換する価格は、1枚あたり5,000~30,000円位です。

築10年位の建物では、スレート屋根の棟板金や漆喰の補修が必要になることが多いです。
特に屋根の頂上部にある棟板金は、最も強風の影響を受けやすいため、注意が必要です。

棟板金の補修費用は、1mあたり約5,000~8,000円ですが、足場の設置が必要な場合は総額30万円以上、高額になる時は80~100万円近くかかることもあります。
漆喰のみを補修する費用は、1mにつき約2,500~7,000円ですが、やはり足場が必要な時は高額になるので、予算についてリフォーム会社と相談しておきましょう。

ちなみに棟板金や漆喰の耐用年数は、15~20年です。
30年程度持つこともあれば、10年位で劣化してしまったケースもあります。

できれば10年に一度位を目安に屋根に詳しい業者にメンテナンスをしてもらい、劣化具合によっては塗装やカバー工法(重ね葺き)・葺き替えといった工事も一緒に行ってもらうと良いでしょう。

なお築年数にかかわらず、台風などの被害で破損や雨漏りがあれば、早急に修理を依頼してください。
ちなみに火災保険に加入している方は、風災や豪雨の被害による屋根修理は、保険の対象になることがあるので確認しておくと良いでしょう。

>> 火災保険リフォームの修理対象・注意点・トラブル対策

スレート屋根の塗装時期と費用相場

藻やコケが発生している場合や、築7~10年経ったスレート屋根には、塗装を行いましょう。
塗り替えを怠ってしまうと、屋根の劣化が早まってしまいます。

また一度塗装リフォームを行ってから7~10年経った場合や、色褪せ・塗装の剥がれがあり、かつ雨漏り・割れなどの症状が見られない場合にも、塗装をしておくと良いでしょう。

屋根塗装の際には、選ぶ塗料によって価格や耐用年数が以下のように変動します。

塗料の種類 施工価格(㎡) 耐用年数
アクリル 700~2,000円/㎡ 5~7年
ウレタン 1,500~2,500円/㎡ 8~10年
シリコン 1,800~3,500円/㎡ 13~15年
フッ素 3,000~5,000円/㎡ 15~20年

さらに塗り替え費用とは別に、足場代・洗浄費・養生費などもかかります。

一般的な戸建ての屋根42~100㎡の面積を塗装する際の総額費用は、15~50万円位です。
耐久性のあるフッ素塗料や、高機能な断熱塗料を使うと、70万円近くなることもあります。

なお、塗料の耐久性や立地によっても、塗装の目安時期は異なるため、業者に定期点検してもらうことが大切です。
築20年以上の場合は、塗装でメンテナンスできるとは限らないため、カバー工法や葺き替えも視野に入れることをおすすめします。

【スレート屋根の塗装で縁切りは必須】

スレート屋根の塗装では、「縁切り」という作業が必須です。

スレート屋根は、雨水が屋根材の下へ侵入した際に、屋根材が重なっている部分のスキマから水を排出します。
このスキマに、塗装時に塗料が入りそのまま乾いてしまうと、雨水の逃げ道がなくなり、雨漏りや腐食・内部結露の原因になってしまいます。

「縁切り」とは、こういったトラブルを防ぐために、重ね目に付着した塗膜を丁寧に切っていく作業のことです。

主な方法としては、カッターなどを使って地道に切っていく場合と、「タスペーサー」という部材を差し込む場合と、2パターンあります。

スレート屋根の塗装を依頼する際には、縁切りをしっかり行ってくれる業者かどうかも確かめておくと安心です。

スレート屋根のカバー工法(重ね葺き)の時期と費用相場

「カバー工法(重ね葺き)」とは、傷んでいる屋根を撤去せずに、上から新しい屋根材を施工する方法です。
まるで葺き替えたように見た目が新しくなる上、葺き替えよりもリフォーム費用と工事期間を抑えやすいというメリットがあります。

築20年以上で屋根の下地までは劣化していない場合や、この先長く住み続けるかわからない、近い将来引っ越す予定があるため「わざわざ葺き替える必要はない」という方は、カバー工法(重ね葺き)を検討してみましょう。

スレート屋根のカバー工法(重ね葺き)の費用は、施工面積50~100㎡程度であれば60~150万円かかるパターンが多いです。
屋根の勾配や形状、新しい屋根材のグレードによっても費用が変動します。

なお新しい屋根材には「スレート」も選択可能ですが、屋根全体の重さが増えてしまうことから、より軽量な「ガルバリウム鋼板屋根(=重量がスレートの約1/3~1/5)」を提案するリフォーム会社が多いです。

>> 屋根のカバー工法(重ね葺き)のメリット・デメリット・費用

スレート屋根の葺き替えの時期と費用相場

築20年以上で一度も塗装をしたことがない場合や、すでに屋根の下地まで劣化している場合は、葺き替えが必要です。
また、この先も同じ家に長く住み続ける予定の方も、今後のメンテナンスを考慮すると、葺き替えてしまったほうが良いでしょう。

築30~45年以上経過している場合は、定期的に塗装リフォームをしてきたスレート屋根であっても、老朽化により雨漏りの危険性が高くなっています。
塗装やカバー工法ではなく、葺き替えを行いましょう。

一般的な戸建てのスレート屋根を葺き替える総額費用は、約70~180万円かかることが多いです。
屋根の形状や劣化具合、新しい屋根材によっても金額が異なるため、見積もりの際にリフォーム会社に確認しておきましょう。

>> 屋根の葺き替え費用相場と施工例

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スレート屋根の塗装・葺き替えリフォーム事例

最後に、リショップナビに加盟する施工会社が、スレート屋根のリフォームを行った事例をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。

事例1
カラーベストを塗装でメンテナンス

施工費用 19万円
築年数 30年
カラーベストを、10年に一度のメンテナンスのため塗装しました。直射日光や風雨で劣化していた屋根を塗り直し、塗膜の光沢が美しい屋根に仕上がりました。

事例2
塗膜が劣化していたスレート屋根を塗装

施工費用 20万円
築年数 14年
塗膜が劣化していたスレート屋根を、塗装リフォーム。ヒビ割れなどの問題は起きていなかったため、劣化が進んでしまう前に十分な対策ができました。台風にも耐えられる、安心の屋根です。

事例3
スレート屋根からスレート屋根への葺き替え工事

施工費用 123万円
築年数 15年
経年劣化で表面が色褪せていたカラーベスト。棟や破風板も傷んでいたため、水をかけて検査したところ、雨漏りしていたことが判明しました。雨漏りの原因をしっかり調査し、きれいなスレート屋根へと葺き替えました。

スレート屋根材は色合いが豊富で瓦よりも軽いため、現在でも様々なデザインの住宅に使われています。
スレート屋根の施工が得意な業者と相談しながら、ご自宅に最適な屋根リフォームを実施しましょう。

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更新日:2018年4月25日
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