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※2021年2月リフォーム産業新聞より

サムネイル:立平葺き(たてひらぶき)とは?一戸建てで人気の理由と知っておきたい注意点

立平葺き(たてひらぶき)とは?一戸建てで人気の理由と知っておきたい注意点

更新日:

立平葺きは、シンプルで美しい見た目と優れた機能性から、近年の住宅で人気を集めている屋根工法です。軽量で耐震性に優れ、雨漏りリスクが低いなど、多くのメリットがある一方で、防音・断熱面での対策や定期的なメンテナンスなど、注意点も存在します。 この記事では、立平葺きの特徴、施工のポイント、コストパフォーマンスについて解説します。

目次

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立平葺きとはどんな屋根?

立平葺きとはどんな屋根?

立平葺きは、金属製の屋根材を縦方向に施工する工法です。
主にガルバリウム鋼板を使用し、長尺の金属板を軒から棟へ垂直に葺き並べるのが特徴です。

>> なぜガルバリウム鋼板屋根は人気?"

継ぎ目を最小限に抑えた美しい仕上がりが特徴で、次の2種類があります。

ハゼ葺き

金属板の端部に折り曲げるしろを設けて接合

嵌合式

端部にある凹凸を組み合わせる

この工法の最大のメリットは、高い防水性です。

縦方向に葺くことで雨水をスムーズに流すため、雨漏りリスクが低く、積雪地域でも採用例が増えています。

金属板同士の接合部が水の侵入を防ぐ構造で、従来の瓦屋根に比べてメンテナンス頻度が少ない点も魅力です。

主な特徴

  • 縦方向のラインがモダンな外観を形成
  • 金属板の反射効果で建物の立体感を強調
  • 和風・洋風どちらの住宅デザインにも調和
  • 継ぎ目が少なく見た目がシンプル

この工法では板金同士の接合部を折り曲げて「立ち上げ」るため、継ぎ目が最小限に抑えられ、すっきりとした直線美が生まれます。

立平葺きが一戸建てに向いている理由

立平葺きが一戸建て住宅に選ばれる理由は、その実用性と機能性にあります。

軽量で高い耐震性

立平葺きは、従来の瓦屋根と比較して約10分の1の重量(㎡あたり約4kg)と軽いです。
建物の重心が下がることで、横揺れの影響を最小限に抑える効果が期待できます。

>> 耐震リフォーム工事の費用相場は?
>> 地震に備えて屋根リフォーム

耐震性を支える3つの要素

  • ガルバリウム鋼板の採用(軽量かつ高耐久)
  • 屋根全体の重量軽減(建物負荷低減)
  • シンプルな構造(余計な荷重が発生しない)

特に地震が多い日本では、屋根の軽量化が住宅の安全性向上に直結します。

立平葺きの場合、金属屋根の中でも特に軽量クラスの素材を使用しているため、耐震基準を満たしつつコストバランスの取れた選択肢として注目されています。

雨漏りリスクが低い

立平葺きは構造的に雨漏りリスクを低減できます。

縦方向に1枚の長い金属板を使用するため、屋根面に水平方向の継ぎ目が少なくなります。
雨水が滞留するポイントが減り、屋根に落ちた雨水がスムーズに流れ落ちます。

>> 雨漏り修理の完全ガイド!

施工期間が短い

立平葺きの施工期間が短いのは、工場で事前加工された金属板を使用するためです。
屋根の形状に合わせてカットされた材料を現場で組み立てるため、従来の瓦屋根に比べて工期を短縮できます。

短期間施工の3つの要因

  • 工場で加工するため現場での作業が不要
  • 屋根材を一気に施工できる嵌合(かんごう)式構造
  • 職人が1人でも作業可能な軽量素材

勾配の緩い屋根に特に向く(地域による)

立平葺きが勾配の緩い屋根に適しているのは、その施工方法にあります。

縦方向に長い板金材を使用することにより、緩い勾配でも雨水の滞留が起きにくく、雨漏りリスクを軽減できます。

ただし雪国では屋根に積もった雪の重みを考慮し、積雪量が少ない地域と比べると勾配のある設計が必要になるでしょう。

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立平葺きの注意点

立平葺きは美しい外観と耐久性で人気ですが、注意点も把握しておくことが大切です。
具体的な注意点と対処法について、詳しくみていきましょう。

防音・断熱対策が必要

立平葺きは金属屋根材を使用するため、雨音が室内に響きやすい点に注意が必要です。
特に長尺の屋根材を使う立平葺きでは、雨粒が当たる音が従来の瓦屋根より大きく感じられる場合があります。

対策としては、施工時に遮音シートや断熱材を組み込む方法が効果的です。

  • 断熱材一体型屋根材の採用(横暖ルーフ・スーパーガルテクトなど)
  • 複層構造の施工(鋼板・ルーフィング・野地板・断熱材・合板)
  • 通気層を確保した多層断熱

>> 防音工事の方法&リフォーム費用相場
>> 主な断熱材を比較!

傷やサビに注意しながら定期点検が必要

立平葺きの屋根は金属製のため、経年劣化によるサビや強風時の飛来物による傷が発生しやすいという特性があります。

特に海岸近くや積雪地域では塩害や凍結による影響が早く現れるため、プロによる定期点検がおすすめです。

点検では主に次の箇所を重点的にチェックしましょう。

  • 接合部の隙間や釘の緩み
  • 表面の傷や塗膜の剥がれ
  • 雨水の流れる谷部の詰まり

傷やサビを放置すると防水性能が低下し、雨漏りや下地材の腐食を引き起こします。
軽微な傷であれば補修が可能ですが、深い傷や広範囲のサビには板金交換が必要になる場合もあります。

メンテナンス時期を見極めるためにも、約10年ごとの塗装替えを目安に専門業者に相談すると安心です。

>> 屋根塗装は必要ないといわれる理由

立平葺きの注意点を把握し、耐久性・デザイン性を高めよう

立平葺きは、シンプルでモダンな外観と優れた防水性を兼ね備えた屋根材として、近年の住宅建築で人気を集めています。

伝統的な和風住宅からモダンな洋風住宅まで、幅広い建築様式に調和するデザイン性の高さが魅力です。

メンテナンスの必要性や初期コストの高さといった注意点はあるものの、耐久性や防水性に優れ、長期的な住宅の資産価値を高める選択肢として評価されています。

屋根材選びは住まいの印象を大きく左右する重要な決断です。

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