棟板金(むねばんきん)とは?
棟板金(むねばんきん)とは、 屋根の頂点部分に取り付けられる屋根部材のことです。
スレート瓦や金属屋根で使用されている棟は金属製のため、棟に設置する板金という意味「棟板金(むねばんきん)」と呼ばれています。
棟板金は、特に日本の住宅でよく見られるもので、 屋根全体の防水性能を向上させるために不可欠です。
一般的に、ガルバリウム鋼板やアルミニウム、銅などの金属素材が使用され、耐久性や耐候性が求められます。
棟板金の構造
棟板金は、板金単独ではなく、貫板(ぬきいた)と棟板金で構成されています。
貫板とは、棟の両側の屋根材を接続する木材のことです。
まずは、屋根の面と面のつなぎ目に貫板をあて、貫板の上に棟板金を被せる構造になっています。
棟板金が経年劣化すると、釘やビスがゆるみ浮いてきます。
経年劣化は防ぎようがないため、定期的なメンテナンスが必要です。
棟板金の役割
棟板金の主な役割は、3つあります。
- 雨水の侵入を防ぐ
- 屋根材を固定し、屋根材の飛散を防ぐ
- 建物のデザイン性を上げる
屋根の頂点部分は、風雨の影響を受けやすく、雨漏りのリスクが高いため、棟板金によってしっかりと保護する必要があります。
棟板金で覆われている貫板は、屋根材を固定し、台風や強風による屋根材の飛散を防ぐ役割を果たしています。
ただし、貫板は木製のため撥水機能がありません。
貫板を金属製の棟板金でカバーすることで、防水機能が加わり、耐久性も向上します。
棟板金は建物全体の外観にも大きく影響するので、屋根のデザインを美しく仕上げる役割も果たしています。
棟板金の素材
棟板金にはさまざまな素材が使用されていますが、 近年の主流はガルバリウム鋼板です。
2000年代以前はトタンが主流でした。
銅板に亜鉛のメッキを施したトタンは、低価格で軽量である点がメリットですが、熱を通しやすく、外気の影響を受けやすい点がデメリットです。
外気の影響を受けやすいとエアコンが効きにくくなるので、適温を保つために電気代が高くなります。
現在主流になっているガルバリウム鋼板は、軽量で耐久性や耐震性に優れており、シンプルかつスタイリッシュな見た目も評価されています。
デメリットとしてはトタンと比べるとやや割高である点です。
しかし、最近では、多少コストがかかっても機能性に優れたガルバリウム鋼板の方が、メジャーな素材になっています。
棟板金の耐用年数とメンテナンスの目安
棟板金の耐用年数は一般的に15〜25年です。
ただし、経年劣化により釘が抜けたり、棟板金が浮いたりすることがあるため、 7〜10年経過したらメンテナンスを行うことをおすすめします。
特に、大雨や台風などの災害が多い地域にお住まいの場合は、通常よりも劣化が進んでいる場合があります。
海辺に近い家も、塩害により劣化が進行しやすいので、被害が出る前にメンテナンスすることを心がけましょう。
定期的なメンテナンスを行うことで、棟板金の寿命を延ばせるので、結果的にトータルのコストが安くなります。
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棟板金の浮きの原因と症状
新築の家や屋根のリフォームを行った場合、7〜10年経過すると棟板金が浮いてきます。
棟板金が浮く原因は、経年劣化により釘が抜けるためです。
釘が抜けるのは施工ミスではありません。
金属製の板金が熱膨張と収縮を繰り返すことで、釘が少しずつゆるんでくる仕組みです。
特に日当たりがよい家は、板金が膨張しやすく釘が外れやすくなります。
見た目では棟板金の浮きが確認できなくても、7〜10年経過したら、業者に依頼して点検してもらいましょう。
思いのほか劣化が進行している場合があります。
棟板金の劣化による浮きを放置するとどうなる?
棟板金の劣化が進行すると釘が抜けて浮きが生じます。
棟板金の浮きを放置するとどのような悪影響が生じるのか解説します。
まだ大丈夫と過信すると、周囲の建物や人を巻き込む事故につながりかねないので棟板金の劣化について理解しておきましょう。
貫板が腐食する
棟板金の浮きを放置すると、貫板が腐食するリスクが高まります。
棟板金には貫板を保護する防水機能がありますが、浮いてしまうと貫板が雨水にさらされるためです。
貫板が雨水により腐食すると、木がボロボロになり釘を打てなくなるので、貫板の交換工事が必要になります。
貫板の腐食が進行すると屋根全体の構造に悪影響を及ぼし、修理の費用も増加するため、早期の対応が重要です。
棟板金が飛散し事故の原因になる
棟板金の浮きを放置すると、 台風や強風時に板金が飛散するリスクがあるので注意が必要です。
棟板金が飛散すると次のような事故の原因になります。
● 近隣住宅の屋根や外壁を傷つける・窓ガラスを割る
● 棟板金が歩行者に直撃し、ケガを負わせる
● 自動車など周辺にあるものにぶつかる
飛散した板金は、近隣の建物や人に危害を及ぼす恐れがあり、重大な事故の原因となることがあります。
特に、台風や暴風雨の際には、飛散のリスクが高まるため、浮きが見られた場合は早急な修理が必要です。
被害が出てから修理するのではなく、被害を未然に防ぐためにも定期的なメンテナンスをおすすめします。
雨漏りが発生する
棟板金には防水機能がありますが、浮いてしまうと防水性能が低下し、すき間から雨水が内部に侵入しやすくなります。
雨漏りが発生すると、棟板金で保護されている貫板や屋根だけでなく、柱や梁など建物内部の構造部分を腐らせ、最悪の場合、倒壊する恐れもあるので非常に危険です。
雨漏りが発生した場合は、早急に業者へ連絡し修理を依頼しましょう。
棟板金の修理方法と費用相場
棟板金は劣化の症状によって修理方法が異なります。
補修で済むのか交換が必要なのかによっても費用が異なりますが、大まかな金額の目安を把握しておきましょう。
ある程度の費用相場を知っておくことで、相場よりも高額請求する業者に依頼することを回避できます。
釘打ちコーキング補修(1.5~5万円)
棟板金を固定している釘がゆるんでいる、あるいは抜け落ちそうになっている場合は、釘打ちコーキング補修を行います。
釘打ちコーキングとは、もともと釘が打ち込まれていた箇所にコーキング処理をしつつ釘を打ち直す方法です。
修理というよりメンテナンスで行う作業のため、費用相場は1.5〜5万円程度で済みます。
新築や前回の棟板金交換から7〜10年経過したら、業者に点検を依頼し、必要に応じて釘打ちコーキング補修を行いましょう。
棟板金の交換(3〜20万円)
経年劣化により、貫板が腐食していたり、棟板金本体が劣化していたりした場合は、交換工事が必要です。
釘打ちコーキング補修よりも材料費がかかり、工数も増えるため、棟板金の交換の方が高額になります。
棟板金の交換工事の流れは次の通りです。
1.既存の棟板金と貫板を撤去する 2.新しい貫板を設置する 3.新しい棟板金を設置する 4.釘打ちし、コーキングする |
この通り、釘打ちコーキング補修と比べると工数が増え、材料費もかかるので費用は高くなります。
寿命による交換であればやむを得ませんが、メンテナンスを怠ることで棟板金の交換が必要になるケースがあります。
メンテナンスを先延ばししないことで、結果的に節約になり、家の安全性も保たれます。
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棟板金の修理費を安く抑えるコツ
棟板金の修理費を安く抑えるにはコツがあります。
できるだけ出費を抑えつつ、屋根の安全性をキープできる工夫をしましょう。
まとめて修理依頼を出す
棟板金に不具合が生じた場合は、屋根や外壁も含めて修理依頼を検討しましょう。
7年以上家のメンテナンスを行っていない場合、経年劣化しているのは棟板金だけではありません。
雨漏りなどの明らかな不具合が発生していなくても、目に見えない劣化が進行しているケースがあります。
- 屋根全体のメンテナンスを依頼する
- 外壁の補修も依頼する
棟板金以外のパーツもいずれはメンテナンスや補修が必要です。
まとめて修理してもらえば、全体の費用としては大きくなりますが、一つひとつの施工コストは抑えられます。
それぞれの箇所を違うタイミングで補修すると、工事のたびに足場代などの費用が発生してしまうためです。
まとまったお金が必要になりますが、長い目で見ると一括で修理依頼した方が安くなります。
一括見積もりで好条件の業者を見つける
棟板金の修理を依頼する場合は、相見積もりを取りましょう。
相見積もりを依頼することで、複数の業者の中から好条件の業者を選べます。
とはいえ、1社ずつ見積もり依頼するのは大変です。
リショップナビの一括見積もりサービスを利用すれば、簡単に好条件の業者が見つかります。
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棟板金が飛散した際の対処方法・補修の流れ
災害により棟板金が飛散した場合は、火災保険が適用されるケースがあります。
対象の火災保険に加入していても、申請しなければ保険金はもらえません。
火災保険の申請の仕方や業者へ修理依頼する流れについて解説します。
①火災保険が適用できないか調べる
台風や強風などの天災が原因で棟板金が外れた場合は、火災保険が適用されるケースがあります。
火災保険に加入している場合は、条件を確認してみましょう。
保険が適用されれば、修理費の負担軽減につながります。
②損害保険会社に申請する
火災保険の内容を確認したら、保険証券番号がわかる書類を準備のうえ、契約している保険会社に連絡しましょう。
損害保険会社から、棟板金が飛散した日時や損害の状況などについて質問されるので、くわしく説明してください。
状況に応じて、保険金の申請に必要な書類が郵送されます。
書類が届いたら、必要事項を記入のうえ、すみやかに返送しましょう。
③屋根の修理業者に見積もり依頼する
損害保険会社に保険金の申請をしている間に、屋根の修理業者に見積もり依頼をしましょう。
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④業者に依頼して応急処置してもらう
業者が決まったら、被害を悪化させないために、ひとまず修理が必要な箇所の応急処置をしてもらいましょう。
緊急を要する場合は、すぐに修理を依頼した方がいいですが、そうでない場合は、保険の審査が通るまで応急処置でしのいだ方が得策です。
⑤保険会社の審査が通ったら、業者に修理を依頼する
保険会社の審査が通ったら、業者に修理を依頼しましょう。
天災による被害の場合、書類に不備がなければ基本的に審査に通ります。
保険金が出れば、修理費の負担を減らせます。
⑥保険金を受け取る
保険金を受け取るには手続きが必要です。
審査に通っても受け取りに必要な手続きを行わなければ、保険金は入金されないので注意しましょう。
棟板金の修理事例3選
棟板金は経年劣化するので、定期的なメンテナンスや修理が必要です。
劣化や破損の状況により工事にかかる費用も変わるので、代表的な事例を3つご紹介します。
症状に応じて、どのような修理が必要かイメージしやすくなるので、ぜひ参考にしてください。
屋根棟板金交換工事
住宅の種類 | 一戸建て |
---|---|
施工日数 | 1日 |
リフォーム費用 | 約35万円 |
棟板金の交換工事を行いました。
3階建ての一戸建て住居のため、足場工事の費用もかかっています。
>> この事例の詳細を見る
棟板金交換工事
住宅の種類 | 一戸建て |
---|---|
施工日数 | 1日 |
リフォーム費用 | 20〜50万円 |
経年劣化にともない、棟板金内部の貫板の腐食が進行していました。
貫板が腐食すると強風に耐えられずに、棟板金が飛散する原因になります。
今回は、台風の被害による交換工事でしたが、棟板金の飛散を未然に防ぐためにも、定期的なメンテナンスが大切です
>> この事例の詳細を見る
棟板金の釘抜け対処
住宅の種類 | 一戸建て |
---|---|
施工日数 | 5日 |
リフォーム費用 | - |
積雪のため、足場の解体が1日延期したものの、トラブルなく工事が完了しました。
異変を感じなくても、定期的な点検を行うことで、劣化を確認できるケースがあります。
>> この事例の詳細を見る
棟板金が劣化したら業者に一括見積もりしよう
棟板金が劣化して浮きが生じてきた場合は、早めの対処が必要です。
放置しておくと雨漏りや棟板金の飛散の原因になります。
リショップナビの無料一括見積もりサービスを利用して、好条件の業者に修理の依頼をしましょう。
早めに対処することで、被害を拡大させず、最低限の修理費に抑えられます。
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