居抜き工事とは?特徴やリフォーム費用、工事の流れを解説

更新日:2025年10月02日

居抜き工事とは?基礎から業者選びまで徹底解説

居抜き工事とは、前のテナントが使用していた内装や設備をそのまま活用して、店舗の工事を行うことです。居抜き工事を行うことで、工事にかかる費用を削減でき、開業までの期間を短縮することできます。
また、居抜き工事にかかる費用は、一般的には1坪あたり15〜50万円程度とされています。
本記事では、居抜き工事の特徴や費用、スケルトン物件との違いや工事の流れを解説しました。

居抜き工事の特徴とその魅力

そもそも居抜き工事とは、前テナントが使用していた内装や設備がそのまま残っている物件の工事を行うことです。
飲食店や美容室など、特殊な設備が必要な業種においては既存設備を活用すれば、初期投資を大幅に削減できます。

主なメリットとしては次の通りです。

  • 初期投資の削減:既存設備を活用することで、高額な設備導入費用を抑えられます。
  • 開業スピードの短縮:必要な設備が整っているため、最短2週間で営業開始が可能です。

>> 居抜き物件の改装費用を賢く抑える方法!

居抜き物件とスケルトン物件の特徴を比較!

スケルトンリフォームとは、住宅の壁・床・天井などをすべて解体・撤去し、建物の「骨組み」だけを残した状態にしてから、間取り・内装・設備を一新するリフォームのことです。

スケルトン物件と居抜き物件の特徴を下記にまとめました。

項目 居抜き物件 スケルトン物件
初期費用 低い 高い
開業までの期間 早い(最短2週間) 遅い(数か月かかることも)
柔軟性 低い(設備変更が難しい) 高い(オリジナルの店舗作りが可能)
工事費用 低い(既存設備を活用できる) 高い(新たな設計・設備が必要)

スケルトン物件は完全にオリジナルの店舗を作りたい場合には最適ですが、初期投資や工事期間が長くなりがちです。

>>スケルトンリフォームとは?注意点を解説
>>スケルトン工事の店舗業態別工事費用をご紹介

時間や予算に制約がある場合は居抜き物件を選ぶとよいでしょう。

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居抜き工事にかかる費用

居抜き物件を活用して、店舗などを改装する場合の費用は、一般的に坪単価15〜50万円程度とされています。

例えば20坪の飲食店を改装する場合であれば、300〜1,000万円程度の費用がかかるでしょう。

既存の設備を活用するため、スケルトンリフォームより工事費用を安く済ませられる点が、居抜き物件の魅力ですね。

居抜き工事でさらに費用を抑える

居抜き工事では、次のような既存設備の修理や交換を行うことで、さらにコストを削減することができます。

設備の修理・部品交換
● 冷蔵庫のコンプレッサー部分を交換
● ガス管を再利用
内装の変更は色や素材など最小限に
● 古い壁紙を塗り替える
● 電球をLED照明に交換する
電気系統は再利用したい
● 古い配線を再利用し、必要部分だけ交換する

追加工事のリスクを避けるには

居抜き工事では、追加工事の発生や予算オーバーのリスクがつきものです。

事前にしっかりと計画し、リスクを最小限に抑えるための予算管理と進捗確認について知っておきましょう。

現地調査の実施

追加工事を最小限に抑えるためには、事前に徹底的な現地調査を行い、既存設備の状態や法的適合性を専門家と共に確認することが必要です。

特に、電気容量や排水設備などの後から変更が難しい部分については、慎重に点検してください。

工事の予算には余裕をもっておく

予算オーバーを防ぐためには、総工費の10%程度を予備費として初期段階で計上しておくことが大切です。

予算に余裕を持たせておくことで、予期せぬ追加費用に柔軟に対応できます。

さらに、工事の優先順位を明確にし、必要な改修を優先的に進めることが予算内で工事を完了するために重要です。

工事中の進捗管理を徹底する

工事中に発生する可能性のある想定外の費用を早期に察知するために、業者との定期的な進捗確認が重要です。

進捗確認を行いながら、こまめにコミュニケーションを心がければ、費用の超過を未然に防ぐことができます。

具体的には、毎週進捗ミーティングを設け、予定通り進んでいるか、必要な工事が適切に行われているかを確認できるとよいでしょう。

居抜き物件で注意すべき点

居抜き物件には次のようなリスクもありますので、事前に確認しておきましょう。

設備の老朽化リスク 既存設備が古い場合、修理や交換が必要になることがあります。
業者との適合性 前テナントの業種と異なる場合、設備や内装の転用が難しいことがあります。
特に飲食店から小売店への転用では、厨房設備が使えない場合もあります。

居抜き工事の契約から完工までの流れ

居抜き工事_契約から完工までの流れ

居抜き工事は、契約締結から始まり、その後の工事や準備をしっかりと段階的に進めることが重要です。
こちらの章では、居抜き工事における一連の流れについてご紹介します。

1. 契約の締結と事前準備

居抜き物件の工事は、最初に造作譲渡契約と賃貸借契約を結ぶことから始まります。

造作譲渡契約とは
前テナントから引き継ぐ設備の詳細(内装や厨房機器など)を明確に定めます。
契約書で設備の状態や譲渡内容をしっかり確認し、必要に応じて交渉します。
契約時に「設備の状態や耐用年数」について記載を求めることがトラブルを避けるために大切です。
賃貸借契約とは
契約締結後、賃貸契約の内容を確認し、万一のリスクについても整理します。

2. 現状の確認と設計プランの策定

契約が締結された後は、現地調査を実施し、現在の設備や内装の状態を詳細に確認します。

現状調査
設備や内装の使用状況を確認し、必要に応じて修理や改修が必要かどうかを評価します。
これに基づいて、次のステップで設計プランを作成します。
設計プランの作成
既存設備を活かしながら、どの部分を改修するか、またどの部分を新たに追加するかを検討します。
業種に特化した設備やデザインの要求がある場合は、設計段階で柔軟に対応できるようにします。

3. 見積もりと費用の精査

設計したプランに基づいて、業者から具体的な見積もりを取得しましょう。
内容が確定した後に、工事費用を詳細に精査します。

見積もりについては、設計内容に沿って業者から詳細な内訳をもらい、各項目ごとに確認します。
追加費用が発生するリスクを事前に把握しておくことが重要です。

4. 施工開始

見積もりと契約が完了後、工事が始まります。

居抜き物件では、前テナントの設備を活用した部分改修を行い、コストと工期の短縮を図ります。
施工中は品質とスケジュールを守り、進捗を確認しながら進めていきます。

5. 完工後の検査・引き渡し

工事完了後、最終検査では、安全性や仕様が設計通りに適合しているか確認し、特に設備(電気・水道・ガスなど)の動作確認が入念に行われます。

設備の操作方法や保証範囲などを最終確認した後、業者から店舗を引き渡してもらいます。

6. 開業準備

工事完了後は、いよいよ開業に向けた準備が始まります。

開業準備では、施設や設備が整った後に必要書類を受け取り、開業に向けてスタッフ採用、販売促進計画、店内の最終調整などを進めていきましょう。
開業までの最後のステップをしっかりと計画することがポイントです。

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優良な業者選びのポイント

次の5つのポイントを参考にして、業者選びを行いましょう。

① 実績と口コミの確認
同業種の施工例を多く持つ業者を選び、過去の実績や口コミをしっかり確認。
経験豊富な業者は、既存設備の活用方法にも慣れており、スムーズに進行します。

② 見積もりの透明性
見積もりの項目ごとに詳細な内訳が記載されているか、曖昧な費用が含まれいるかをチェック。
追加費用が発生する可能性がないかも忘れずに。

③ アフターフォロー体制
工事完了後のメンテナンス対応や緊急時のサポートがある業者を選ぶことで、開業後の不安が減少します。

④ 提案から施工までの一貫対応
店舗コンセプトを理解し、設計段階から要望に柔軟に対応できる業者が理想です。
デザイン提案から施工まで一貫して行える業者を選びましょう。

⑤ 予算管理の適正さ
提示された見積もりが予算枠内に収まっているか、または代替案が提示されるなど、柔軟な対応があるかを確認します。

契約前に必ず確認!造作譲渡契約と賃貸借契約の注意点

造作譲渡契約
● 譲渡される設備や内装の詳細リストを作成し、現状を双方で確認します。
● 設備の経年劣化や瑕疵担保責任の有無を明記しておくことで、後々のトラブルを防ぎやすくなります。
賃貸借契約
原状回復義務や設備の所有権の移転については、特約で定めておきます。
● 修繕費用の負担区分も確認しておきましょう。
● 造作譲渡自体を認めていない場合もあるため、貸主の条件をしっかり把握しましょう。
両契約の整合性
● 支払条件や引渡し時期が矛盾しないように、両契約に相互参照条項を設け、条件を整合させることが大切です。

これらをきちんと確認することで、契約時のトラブルを避けることができます。

居抜き工事でよくあるトラブル

居抜き物件では、前テナントの設備不良や契約トラブルが発生することがあります。
ここでは、よくあるトラブル事例とそれを未然に防ぐための対策を解説します。

設備不良のリスク

前テナントが撤去し忘れた設備や隠れた不具合は、居抜き物件でよく発生します。
これらのリスクを回避するためには、内覧時に詳細な動作確認を行うことが重要です。

排水管の詰まり 飲食店では特に排水管の詰まりが問題となります。
高圧洗浄が必要かどうかを確認し、問題があれば事前に対処しておきましょう。
電気・水道設備の動作テスト 実際に動作確認を行い、不具合があれば書面に記録しておくことをおすすめします。

契約時の費用面でのトラブル

追加費用が発生した場合、契約時に曖昧な部分があるとトラブルの原因になります。
費用に関するトラブルを避けるためには、次の点を確認しましょう。

見積もりの詳細な内訳 「造作譲渡費用」や「廃棄物処理費」など、各費用項目を具体的に記載。
契約書に明記 曖昧な表現を避け、除外項目や追加費用についても契約書に明記しておくと安心。

>> 見積書のチェックポイント

工事中の外部とのトラブル対策

工事中に発生する可能性がある外部のトラブル(近隣からのクレームや行政指導など)に対する対策を事前に講じておくことが重要です。

  • 騒音規制の時間帯に考慮し、適切な時間帯で作業を行いましょう。
  • 消防法への適合性開業予定の業態に応じて、消防法に基づく適合性を確認しておきます。
  • 近隣住民への挨拶を開業前に行い、理解を得ておくことで、後のトラブル防止につながります。

また、前テナントとのトラブル履歴がないか確認できると、より安心して工事を進めることができます。

居抜き工事はしっかり計画を立てることが大切

居抜き物件は、初期投資を抑え、スピーディーに開業を進めるための非常に有効な選択肢です。
しかし、工事を進める際には、メリットとデメリットを十分に理解し、慎重に計画を立てることが重要です。

物件選びや業者選定で迷うことがあれば、専門業者への相談をおすすめします。
プロのアドバイスを受けることで、より効率的に理想的な店舗作りを実現できるでしょう。

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