コールドドラフトとは
冬の室内で、なぜか足元だけがひんやりと感じる。
この現象には、はっきりとした科学的な理由があります。
この不快な冷たさの正体を理解すれば、より効果的な対策を立てられますよ。
冷たい空気が足元にたまる理由
冬の足元が冷えるのは、物理法則にもとづく自然な現象です。
窓ガラスに触れた室内の空気は外の寒さで冷やされ、密度が高く重くなります。
重くなった冷たい空気は、重力に引かれて床へと下りていき、足元付近にたまってしまうのです。
一方で暖房で暖められた空気は軽くなって天井付近へ上昇するため、室内にははっきりとした温度の層ができてしまいます。
「天井付近の暖かい空気と床付近の冷たい空気」、この温度差が空気の対流を引き起こし、冷気が足元に流れ続ける循環を生み出します。
特に一枚板のガラスや古いサッシの窓は熱が伝わりやすく、室内の空気を効率よく冷やしてしまいます。
窓の断熱性能が低いほど、この現象は起こりやすくなるのです。
窓際やドアから感じるスースーする冷気の正体
足元で感じるスースーとした冷気は、主に3つの原因から発生します。
ドア周辺の隙間から侵入する外気
玄関ドアや勝手口の気密性が低いと、わずかな隙間から常に冷たい空気が流れ込み、床に沿って冷たい気流が生まれてしまいます。
窓からの冷気
窓枠やサッシの気密性が低い場合、隙間から外気が侵入して室内に冷たい空気の流れを作り出します。
特に古い住宅では窓の気密性能が今の基準より劣るため、この現象が起こりやすくなっています。
玄関ドアの開け閉めで一時的に入り込む冷気
冬場にドアを開けるたび、大量の冷気が室内へ流れ込みます。
床暖房がないと、その冷たさが長い時間残ってしまいます。
この冷気は床に沈む性質があるため、足元の不快感につながるのです。
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コールドドラフトが起きやすい場所

コールドドラフトは家の中のさまざまな場所で起こり得ますが、特に冷気がたまりやすい要注意スポットがあります。
それぞれの場所でなぜコールドドラフトが起きやすいのか、その原因と特徴を詳しく見ていきましょう。
窓の近く
窓際は、住宅内で最もコールドドラフトが発生しやすい場所です。
特に大きな掃き出し窓や北向きの窓では、外気との温度差によって冷やされた空気が下向きの流れとなり、足元へと流れ込みます。
リビングや寝室など窓の面積が大きい部屋では、冷気の及ぶ範囲が広がりやすく、足元全体に冷たい空気がたまりがちです。
築年数の古い住宅の場合、サッシ枠の劣化や窓ガラスの断熱性不足によって、この現象がいっそう深刻になる傾向があります。
断熱シートの活用が効果的
窓からの冷気を防ぐには、断熱シートの活用が効果的です。
窓ガラスに直接貼るだけで外からの冷気の侵入を抑え、室内の暖かい空気が逃げるのを防いでくれます。
また、窓の近くに暖房器具を置くのも一つの手です。
窓際で冷やされた空気を直接暖められるため、コールドドラフトの発生を抑える効果が期待できます。
玄関や勝手口まわり
玄関や勝手口は、家の中でも特にコールドドラフトが発生しやすい、注意したい場所です。
玄関ドアや勝手口ドアの隙間から入り込んだ冷たい外気が、床を這うようにしてホール全体へと広がっていきます。
冷たい空気は床付近にたまる性質があるため、玄関に一歩足を踏み入れた瞬間に、足元からヒヤッとした冷気を感じることが多くなります。
特に勝手口は開け閉めの頻度が高く、そのたびに外気との温度差で冷たい気流が生まれ、足元にたまってしまうのです。
玄関や勝手口のドアは、リビングの窓に比べて断熱性能が低く、気密性も十分ではないことが多いものです。
このため、室内で室内で冷気の侵入が起こりやすい箇所の一つとなり、家全体の快適さを左右するポイントといえるでしょう。
エアコンの効きにくい部屋
エアコンの効きにくい部屋では、暖房をつけていても足元に冷気がたまってしまう現象が起こりがちです。
エアコンから出る温風が窓際の冷たい空気と混ざり合うことで対流が発生。
暖かい空気は上へ、冷たい空気は床へという循環が生まれてしまうからです。
南向きや東向きの窓がある部屋や、断熱性能が十分でない住宅では、窓から失われる熱が暖房の能力を上回ってしまうこともあります。
また、天井が高い部屋やキッチンとつながるリビングなども、エアコンの能力と環境が合わないケースがみられます。
こうした環境では部屋の隅や窓際に冷気が集中し、温度ムラが生まれ、エアコンのセンサーが室温を正しく感知できなくなることがあるのです。
これが、足元のスースーした冷気がなかなか解消されない原因の一つになっています。
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コールドドラフト対策の基本と具体的な対策
冬の足元を襲う冷気「コールドドラフト」は、適切な対策によって和らげることができます。
カーテンやブラインドで冷気を遮る
窓からの冷気は、カーテンやブラインドを上手に使うことである程度は遮断できます。
カーテン
厚手の断熱カーテンや遮光カーテンは、冷気の侵入を物理的に防いでくれる、優れた防寒アイテムです。
大切なのは、カーテンの丈を床まで届く長さにし、窓枠をすっぽり覆うこと。
これにより、冷たい下降気流が室内へ流れ込むのを防ぐ効果が期待できます。
ブラインド
ブラインドの場合は、羽根の角度調整がポイント。
羽根を適切な角度に調整すれば、窓ガラスとの間に空気の層が生まれ、断熱性能を高めることができます。
特にハニカム構造のブラインドは、空気層によって外気の侵入を抑え、熱が逃げるのを防ぐ効果が高いです。
ただし、ブラインドは構造上どうしても隙間ができやすいもの。
窓のサイズにぴったり合ったものを選ぶことが重要です。
隙間から冷気が漏れてしまうため、サイズ選びには特に注意しましょう。
ラグやカーペット
厚手のラグやカーペットは、床からの冷気を遮断し、足元を暖かく守ってくれます。
カーペットの繊維には空気がたくさん含まれており、この空気層が断熱材のような役割を果たしてくれるのです。
特に窓際や冷気が流れやすい場所に敷くと、足元の体感温度をぐっと高めることができます。
素材で選ぶなら、保温性に優れたウールがおすすめです。
冬の保温性が高く、適度な厚みと密度の高いものを選ぶとより効果を感じられるでしょう。
毛足の長いウールラグなら、冷気が上がってくるのを防ぐ効果が期待できます。
断熱効果をさらに高める工夫
ラグの下にアルミマットや断熱シートを重ねて敷くと、床からの冷気を遮る効果がさらにアップします。
また、ホットカーペットを一緒に使えば、足元をポカポカと暖めながら底冷え対策も同時に行えるため、一石二鳥の効果が期待できます。
サーキュレーターで空気を循環させる
サーキュレーターは、冬のコールドドラフト対策に効果的なアイテムです。
暖かい空気は自然と天井付近にたまってしまうため、どうしても足元は冷えやすくなります。
サーキュレーターのまっすぐな風で空気を循環させることで、部屋全体の温度を均一に保てるのです。
効果的な使い方は、サーキュレーターを窓際に置き、上向きに送風すること。
こうすると冷たい下降気流を遮断しやすくなります。
天井にたまった暖かい空気が床まで届き、温度ムラと足元の冷えを軽減する効果が期待できます。
タイマー機能付きの製品なら、暖房器具と連動させて効率的に空気を循環させることも可能です。
同じ設定温度でも体感温度が上がり、省エネにもつながるでしょう。
窓際に家具を置かないよう工夫する
窓際に置いた家具は冷気の直撃を受けやすく、家具そのものが冷えることで、お部屋が冷えているように感じる原因になってしまうことがあります。
ソファやベッドを窓の近くに置くと、コールドドラフトによって流れ込む冷気の影響を受けやすくなってしまいます。
デスクや収納棚といった大きな家具は、なるべく窓から1m以上離して置くとよいでしょう。
これにより冷気の自然な流れを妨げず、サーキュレーターなどで空気を循環させやすくなります。
窓際1m以内は「冷気ゾーン」と意識してみましょう。
暖房器具や普段過ごす場所は、お部屋の中央寄りに移動させるのがおすすめです。
ヒーターなども窓から離して置くことで、暖かい空気が効率よく部屋全体に行き渡るでしょう。
家具の配置を見直すだけで、暖房効率が改善され、光熱費の節約にもつながります。
コールドドラフトは対策できる
冬の足元の冷え対策は、窓の断熱性を高めることと、床からの冷気を遮ることが基本です。
手軽にできる方法から本格的な対策まで、住まいの環境や予算に合わせて複数の対策を組み合わせ、より快適な室内環境で冬を過ごしましょう。
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