珪藻土の特徴とは
珪藻土とは、「珪藻」と呼ばれる藻の一種が化石化したもので、二酸化ケイ素(SiO2)を主成分としています。
非常に細かい穴を持つ「多孔質素材」で、季節に合わせて湿気を吸収したり放出したりできるため、優れた調湿機能を持つ素材として注目されています。
さらに消臭効果が高いことから、洗濯物を部屋干しする機会が多い方、ペットの臭い対策をしたいご家庭などで、室内の壁に珪藻土を採用するケースが増えています。
珪藻土塗りDIYで必要な道具
ここからは、珪藻土のDIY方法について、簡単にご紹介していきます。
珪藻土を塗る際には、以下のような道具が必要になります。
コテ、コテ板、ヘラ、スポンジ
バケツ、水、珪藻土用の容器
ローラー、シーラー(下地剤)
珪藻土塗りの材料
用意すべき材料は、もちろん珪藻土。
珪藻土には「練り済みタイプ」と「粉末タイプ」があります。お好みの物を用意しましょう。
どちらのタイプも、ホームセンターや、Amazonなどの通販で購入できます。
練り済みタイプの珪藻土
水分を加えて練ってある状態の珪藻土。
開封後すぐに使える手軽さがありますが、長期保存には不向きです。
粉末タイプの珪藻土
自分で水を加えて練る珪藻土。
作業の手間がかかる反面、長期保存ができるので少量ずつ使用したい時などに適しています。
珪藻土DIYの方法・手順
①【養生する】 |
---|
珪藻土が余計な部分に付かないように、周囲を養生します。 壁の巾木(はばき)やコンセント・スイッチなどにはマスキングテープを、床にはマスカー(テープ付き養生シート)を使いましょう。 |
②【下地処理】 |
使用する珪藻土や壁の種類によっては、下地処理を必要とする場合があります。 ローラーを使ってシーラー(下地剤)を全体に塗り、完全に乾くまで待ちます。 |
③【珪藻土を練る】 |
粉末タイプの珪藻土を使う場合は、下地が乾くまでの間に水を加えて練っておきます。 攪拌(かくはん)機を使うと簡単ですが、なければ底が深すぎない容器を使うことがおすすめです。 少しずつ水を加え、ダマにならないように混ぜます。 |
④【珪藻土を壁に塗っていく】 |
コテ板に適量の珪藻土を乗せ、コテやヘラを使って塗っていきます。 厚みが均一になるように塗りましょう。 二度塗りする場合、一度目は薄く塗ります。 |
⑤【二度塗りをする】 |
一度塗りでも問題はありませんが、模様を付けたい時は二度塗りの段階で行うのがベストです。 二度塗りは一度目の塗りが乾き切る前に行います。 |
⑥【乾く前に養生を外す】 |
珪藻土を塗り終わったら、乾く前に養生をやさしく外します。 乾いた後に外すと、珪藻土が剥がれてしまうので注意しましょう。 |
⑦【珪藻土を乾かす】 |
珪藻土は完全に乾くまでに2、3日かかります。 その間は表面がまだ柔らかいので、手や物などが当たらないように気を付けましょう。 扇風機を設置して風を送ったり、窓を開けて空気の通りを良くしたりすると乾きやすくなります。 |
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珪藻土の模様の種類と付け方
珪藻土に模様を付けるのも、DIYの醍醐味です。
壁塗り専用の刷毛やコテなら模様が付けやすいですが、初挑戦の方はローラーや台所用スポンジを使うと良いですよ。
塗りやすい順番にご紹介していくので、お好みのものを選んで模様付けしてみましょう。
ヒキズリ仕上げ
「ヒキズリ仕上げ」は、横長の凹凸模様です。
角柄のコテの先端を押し付けるだけで模様を付けられる、初心者向けの仕上げ方です。
凹凸がある壁の場合、広範囲に塗ると圧迫感が出てしまうかもしれません。
コテ波仕上げ
コテで塗った跡を自然な状態のまま残しておく仕上げ方が、「コテ波仕上げ」です。
コテの厚みによって模様の付き方が変わります。
コテの形をくっきり残せば良いので、比較的簡単に仕上がります。
模様付け無し仕上げ
模様を全く付けずに平らに仕上げたい場合は、「模様付け無し仕上げ」をすると良いでしょう。
藁すさを材料に練り混ぜて行うのが、標準のやり方です。
ただシンプルな分、塗り方の良し悪しがはっきり表れる方法でもあります。
上手に施工しないと、多少コテ波が残ってしまうので、コテに慣れていない方はローラーを使いましょう。
刷毛引き仕上げ
「刷毛引き仕上げ」は、刷毛の跡が付くように、滑らかに刷毛を動かします。
刷毛によって仕上がりパターンに差が出るのが楽しいですね。
「左官刷毛」と呼ばれる、適度な硬さの刷毛を使うときれいに模様付けできます。
曲線やポイント模様などを刷毛でアレンジしたい時にも良い方法です。
扇仕上げ
「扇仕上げ」は、扇が重なったような連続模様です。
コテを逆に持ち、後部を半円に回して扇状の形を付けていきます。
コテの使い方に慣れてくれば、楽しく模様付けできるでしょう。
コテバケ仕上げ
コテ刷毛という、コテのような形をした刷毛を使います。
部分的に珪藻土を重ね塗りし、自然に厚みのある部分を作り、仕上げに表面をならします。
コテ刷毛は、塗り壁用のものを使用すると比較的容易に模様付けできます。
「コテバケ仕上げ」には、「コテバケラフ仕上げ」「コテバケスパニッシュ仕上げ」「コテバケ扇仕上げ」などがあり、いずれもコテで塗った時に出る風合いを生かします。
ラフ仕上げ
「ラフ仕上げ」は、珪藻土を塗りつけた後、あえて平らにせず、自然に厚みのある部分を作ります。
乾燥する前に、部分的に材料を盛り付けて、仕上げに刷毛で表面を整えます。
盛り付ける模様の度合いのセンスや技術が問われるため、ある程度は壁塗りを経験してからトライするのが良いですね。
ウェーブ仕上げ
太めの横縞模様で「ウェーブ仕上げ」。
30~40cm位ずつ、同じ方向にコテ刷毛を2~3回、長く引くように動かして模様付けします。
少々根気が必要になるかもしれませんが、上手に仕上げられれば、欧米の住宅のような柔らかい印象になります。
スパニッシュ仕上げ
ランダムにコテの跡で模様を付けていく「スパニッシュ仕上げ」。
コテの先端を少し浮かせて、後部を押し付けながら模様を付けます。
失敗しにくいように思えますが、エッジを効かせすぎると下地が剥げてしまいます。
吹き付け仕上げ
「吹き付け仕上げ」は、リシンガンという建築用の吹き付け器を使って、珪藻土を吹き付ける方法です。
コテや刷毛とは異なった、細かな凹凸ができます。
2度吹きを基本としますが、下地が透けないように注意しなくてはいけません。上級者向けの仕上げ方です。
トッピングで仕上げるのも◎
塗り壁の素材の中には、トッピングに使うガラスビーズや藁すさなどもあります。
仕上げ用の珪藻土基材に混ぜて使うと、出来上がりがまた違った雰囲気になります♪
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珪藻土DIYでよくある5つの失敗例
ちなみに珪藻土のDIYでは、以下のような失敗をする方が多いため、注意しましょう。
1.下地塗りの段階で作業を断念した
土壁・砂壁や、板張りの壁、剥がれかけたクロスの上から珪藻土を塗る作業は、非常に難しいです。
下地を塗る段階で、大変すぎて諦めてしまった方は少なくありません。
なお天井部分も作業がかなりハードであるため、DIY初心者の方は避けましょう。
2.仕上げの際に汚くなった
下地処理までは上手にできたものの、憧れていたような模様がまったくできず、仕上がりが汚くなってしまい、せっかく塗った珪藻土をサンドペーパーで削って落とした、という例もあります。
きれいに仕上げるためにはそれなりの技術が必要です。
珪藻土DIYは、器用さに自信がある方以外は避けたほうが無難かもしれません。
3.トイレは思いのほか作業が大変
「まずは塗る範囲が狭いトイレで試そう」と思う方も多いようですが、実は角が多いトイレの壁を塗るのは、大変難しい作業です。
また、狭すぎて思うように身動きが取れないため、「角だけではなく、平面も塗りにくかった」という声もあります。
初めての珪藻土塗りは、広い部屋で行いましょう。
4.結合剤を使わなかった
ご自身で水を混ぜてから使う「粉末タイプ」でよくある失敗例ですが、珪藻土は、水で溶くだけでは固まりません。
つなぎとなる結合剤(凝固剤)がないと、珪藻土を固めてきれいに接着できないのですが、商品によっては結合剤が入っていない場合があります。
珪藻土の材料を揃える際に、必ず結合剤の有無を確認しましょう。
5.数年後にカビが生えた
なお、結合剤の材質選びも大切です。
安価な結合剤は合成樹脂で作られていることが多く、珪藻土の利点であるはずの、湿度を調節する穴が埋まってしまうのです。
結合剤は、なるべく自然素材のものを使いましょう。
湿気がこもりやすい場所、特に窓がなく換気しにくいトイレ・洗面所において、数年後にカビが生えてしまった例があるため、ご注意ください。
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珪藻土をDIY or リフォーム業者に依頼する場合の価格を比較
「DIYは不安だけど、プロに頼む場合の費用は高そう……」と悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。
そこで、DIYする場合と、リフォーム業者に施工してもらう場合の値段について、比較してみたいと思います。
ここでは、一般的な6畳の部屋で、20㎡の壁・10㎡の天井を珪藻土にする場合の費用相場をご紹介します。
DIYする場合の価格
まずDIYする際には、以下のような珪藻土の材料費が必要です。
材料 | 平米単価 | 6畳の部屋を施工する場合の費用 |
---|---|---|
練り済みタイプ | 1,500~2,000円/m² | 壁のみの場合 = 3~4万円 |
壁+天井の場合 = 4.5~6万円 | ||
粉末タイプ | 850~1,150円/m² | 壁のみの場合 = 1.7~2.3万円 |
壁+天井の場合 = 2.7~3.3万円 | ||
下地材 (※別途購入が必要な場合) | 400~700円/m² | 壁のみの場合 = 8千~1.4万円 |
壁+天井の場合 = 1.2~2.1万円 |
【練り済みタイプの珪藻土の価格】
練り済みタイプの珪藻土は、10kgで10,000円、20kgで15,000~20,000円の製品が多く、施工面積1㎡につき1.5~2kg必要です。
こちらを塗装にかかる値段に換算すると1m²あたり1,500~2,000円で、20㎡の壁に塗布する場合は30,000~40,000円前後、10㎡の天井にも塗るなら+15,000~20,000円程度のコストがかかります。
【粉末タイプの珪藻土の価格】
粉末タイプの珪藻土は、5kgで6,000円、10kgで10,000円、20kgで20,000円位の価格で販売されており、施工面積1㎡につき1kgを使用します。
1m²あたりの単価は850~1,150円位で、20㎡の壁に施工する場合は+17,000~23,000円前後、天井にも塗る場合は+10,000円程度かかります。
【珪藻土の下地材の価格】
なお、下地材も別途購入が必要な場合には、1㎡あたり400~700円の費用もかかります。
20㎡の壁を塗るなら8,000円~14,000円、10㎡の天井も塗装する場合は、さらに4,000~7,000円ほど必要でしょう。
リフォーム業者に依頼する場合の施工費用
プロのリフォーム業者にお願いする場合の費用目安は、以下の通りです。
ちなみに塗装ではなく、珪藻土を使った壁紙クロスも人気があるため、参考までに掲載しておきます。
工事の種類 | 平米単価 | 6畳の部屋を施工する場合の費用 |
---|---|---|
珪藻土の塗装 | 3,000~6,000円/m² | 壁のみの場合 = 6~10万円 |
壁+天井の場合 = 10~18万円 | ||
珪藻土クロス貼り | 1,200~2,300円/㎡ | 壁のみの場合 = 2.4~4.6万円 |
壁+天井の場合 = 3.6~6.9万円 |
【珪藻土の塗装リフォームの費用】
珪藻土の塗装を業者に依頼する場合、1㎡あたり3,000~6,000円程度の費用が必要です。
6畳部屋の壁を施工する場合は約60,000~120,000円のコストがかかります。
なお、高級素材の珪藻土を使う場合や、天井もあわせて施工する場合、床の間のある和室に珪藻土を施工する場合には、+30,000~60,000円位の予算を考えておきましょう。
【珪藻土壁紙リフォームの費用】
「珪藻土壁紙クロス」は、さまざまなメーカーから販売されています。
基本、裏地は塩化ビニール製であるため、塗装する場合と比べると機能性はやや劣りますが、珪藻土のような風合いの壁にしたい方、低価格でリフォームしたい方にはおすすめです。
珪藻土クロスを施工する際の費用は1㎡あたり1,200~2,300円位で、普及品のビニールクロスを使う場合と比べると200~800円/㎡ほど高額です。
珪藻土クロスを6畳の壁に施工する費用は24,000~46,000円、天井にも採用する場合は、+12,000~23,000円位かかります。
このように比較してみると、DIYの倍の金額にはなってしまいますが、10,000円で10kgの珪藻土を購入して失敗してしまった時のリスクを考えると、プロに頼んだほうが安心かもしれません。
一年中快適な湿度を保ってくれる珪藻土の壁ですが、除湿・消臭といった効果を発揮させるためには、正しい知識と技術で施工することが肝心です。
珪藻土の壁を実現したい方は、一度予算内で施工できるかリフォーム会社に相談してみてはいかがでしょうか。
現地調査や見積書の作成は無料なので、ご自宅に合ったプランをぜひ提案してもらいましょう。
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【この記事のまとめ&ポイント!】
珪藻土の模様の種類や、付け方について知りたいです。 |
---|
「ヒキズリ仕上げ」「コテ波仕上げ」「刷毛引き仕上げ」といった主な模様の種類について、こちらで簡単にご紹介しています。 |
DIYで珪藻土塗りの壁にしたいのですが、失敗しやすいものでしょうか? |
「下地塗りの段階で作業を断念した」「仕上げの際に汚くなった」「トイレなど狭い場所では、思いのほか作業が大変だった」「数年後にカビが生えてしまった」などの失敗例が多いため、くれぐれもご注意ください。 |
室内の壁に珪藻土を施工したいです。「DIYする場合」と「リフォーム業者に依頼する場合」の費用は、それぞれいくらですか? |
「DIYする場合」と「業者に依頼する場合」の価格表を掲載しているので、参考にしてください。 |
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