【外壁塗装】無機塗料の費用は?メリット・デメリットや ほかの塗料との比較も

更新日:2024年11月12日

無機塗料のサムネイル画像

無機塗料は、自然環境に強い無機物と有機塗料を混合したハイブリッド塗料です。その優れた機能性は、外壁・屋根塗装リフォームに使用できる塗料として話題を集めています。ほかの塗料と比較して耐候性が高いため、1回の塗装で長持ちさせたい人におすすめです。
本記事では、無機塗料の特徴やメリット・デメリットをはじめ、気をつけたいポイントや価格などの面からもわかりやすく解説します。

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無機塗料とは?

「無機塗料」とは、塗料成分に石やガラスなどの無機物を配合した塗料です。

紫外線に強く、劣化しにくいことが大きな特徴で、耐久性の高さから、長期間にわたって美観を保つことが期待されます。

一方、一般的な有機塗料はプラスチックなどの有機物を主成分としていますが、自然環境の影響で劣化しやすいという弱点があります。

無機塗料は、この欠点をカバーするために開発され、無機物の強度と有機物の柔軟性を組み合わせたハイブリッド塗料です。

配合する有機物の種類によって、耐用年数や性能が変わります。

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無機塗料のメリット

無機塗料のメリットについてまとめた画像

次に、無機塗料の特徴やメリットをご紹介します。
ほかの塗料と比較してどのような点が優れているのか、確認しましょう。

耐候性が高く、耐用年数が10〜25年と長い

無機塗料の平均的な耐用年数は10~25年です。

有機物は雨・雪・風・紫外線・塩害などの影響を受けやすいため、有機塗料を使用した場合は、経年によって、外壁や屋根を保護する塗膜が劣化しやすいです。

一方、無機塗料は含まれている有機物が少なく、自然からの影響を受ける度合いが低いため、外壁や屋根を守る塗膜の寿命が長いのです。

一般的な塗料の耐用年数は、アクリル塗料で3~8年、シリコン塗料で7年~15年、耐用年数が長い光触媒塗料でも10~20年といわれています。

無機塗料は通常の塗料より長持ちするので、メンテナンスの回数が少なく済み、長く住み続けるほど、最終的にほかの塗料よりもコストパフォーマンスがよくなる可能性が高いでしょう。

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色あせ・変色しにくい

雨や紫外線への耐性が高い無機塗料は、ほかの一般的な塗料と比較して、色あせや変色が起こりにくいといえるでしょう。

塗装後の色や艶を長期間保ち、見た目も綺麗な状態が長続きします。

防汚性が高い

家の外側を無機塗料で塗装することは、長く外気にさらされる家の外観を汚れから守るためにも有効であるといえます。

石や鉱物を想像するとわかりやすいですが、無機物には、水とよくなじむ特性と、静電気を起こしにくいという特性があります。

そのため、無機塗料を使用すれば、多少の汚れは雨水などで洗い流すことが可能です。
静電気でつきやすいホコリやチリを未然に防ぐこともできます。

チリやホコリは、カビや苔の栄養にもなってしまうため、付着させないことで、カビなどの繁殖を防ぐ助けにもなります。

屋根や外壁は、建物の中でも常に風雨にさらされ、掃除が難しい場所でもあります。

燃えにくい

無機塗料には、ほかの塗料と比較して燃えにくいメリットがあります。

炭素を含む有機物は、物が燃えるときの燃料となります。
つまり、炭素を含まない無機物が多く配合されている塗料ほど、燃えにくい性質が強まるのです。

外壁や屋根などに使用すると、建物の防火性を高める効果が望めます。
万が一周辺で火災が起こっても、家に火が燃え移る危険性は低く抑えられるでしょう。

長年にわたり、安心して住み続けられる家づくりに適した塗料といえます。

無機塗料のデメリット

無機塗料のデメリットをまとめた画像

無機塗料を取り入れる際に、気をつけたいデメリットも存在します。
使用を検討する場合は、あらかじめしっかりと確認しておくようにしましょう。

価格が高い

無機塗料は、高い耐候性や耐用年数の長さなどをはじめとする優れた機能を備えた塗料です。
そのため、ほかの塗料と比べると価格は高くなる傾向にあります。

使用の際は、塗装する箇所や次回の塗装までの期間、予算などを検討した上で選びましょう。

下地によってはひび割れしやすい場合もある

無機塗料には、石や鉱石などの成分が多く含まれているため、ほかの製品に比べて、塗った後に固まってできる塗膜が硬いという特徴があります。

地震などで建物が揺れた場合には、衝撃に耐えられず、ひび割れが起きやすいリスクも潜んでいます。

対応策としては、弾力性や伸縮性が高い有機成分が混ざったタイプの無機ハイブリッド塗料で施工してもらう方法があります。

塗装する前に、外壁材やすでに塗装してある旧塗膜の状態を見てもらい、適切な塗料を提案してもらいましょう。

塗装できない素材がある

使用する無機塗料によっては、塗装が難しい、相性の悪い外壁材があります。
伸縮性の低い無機塗料は、気候条件などによって収縮する素材には塗装できないのです。

例えば、サイディングボードやガルバリウム鋼板、木材などに塗装できないという無機塗料もあります。
使用する際には、現在の外壁や屋根に塗装ができる無機塗料を選ぶようにしましょう。

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無機塗料を使う場合に気をつけたいこと

ここまで、無機塗料のメリットとデメリットをそれぞれご紹介しました。
次は、実際に使用するとき気をつけたいポイントを、1つずつ確認していきましょう。

技術力と実績のある業者を選ぶ

塗装を依頼する際は、業者選びが重要なポイントです。

無機塗料は、一般的な塗料と比較して質感が硬く、塗るときの伸びがあまりよくないことから、塗装が難しいとされています。

一定の厚みで均一に塗らないと製品の良さが発揮できないだけでなく、ひび割れなどの原因となることもあります。

製品を扱える確かな技術力と、外壁などでの施工経験が豊富な、実績のある業者を選ぶようにしましょう。

どのメーカーの無機塗料かを確認する

無機塗料の成分には明確な規定がないため、メーカーにより内容が異なります。

わずかに無機物が含まれていれば無機塗料として販売可能なため、品質にばらつきが見られることも。
使用する無機塗料がどのメーカーのものか、確認するようにしてください。

ご自身で調べてもメーカーがわからない場合は、日本ペイントや関西ペイント、エスケー化研などの有名メーカーを選ぶと安心です。

品質保証がある商品を賢く選び、塗装トラブルを防ぎましょう。

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代表的な無機塗料

無機塗料の代表的な5つのメーカーをまとめた画像

さまざまなメーカーが無機塗料を扱っております。
ここでは、代表的な5つのメーカーの無機塗料をご紹介していきます。

日本ペイント「アプラウドシェラスターⅡ」

日本ペイントは100年以上の歴史を持つ大手塗料メーカーで、キセノンランプ試験法により、超高耐候性が確認されています。

さらに、汚れや熱にも強いのも特徴の1つ。
戸建て住宅はもちろん、学校や病院、高層マンションなどの塗装に適しているといわれています。

関西ペイント「アレスダイナミックMUKI」

日本ペイントと同じく、長い歴史をもつ塗料メーカーの1つです。
現在は業界1位の売り上げを誇り、自動車用の塗料においてはアジアでもトップクラス。

アレスダイナミックMUKIは、太陽光や酸性雨に強い性能を備えながらも、下地によく馴染む柔軟性をあわせ持っています。

また、カビや藻の発生を抑制し、建物の美観のキープが可能です。

エスケー化研「スーパーセラタイトF」

日本ペイントと関西ペイントに並ぶ大手塗料メーカーであり、建築用仕上塗材国内シェアNO.1といわれており、アジアを中心とした海外展開も積極的に行っています。

スーパーセラタイトFは有機、無機のハイブリッド塗膜により高い耐候性を示しています。
付着した汚れは雨水で自然に除去され、塵やホコリ、排気ガスによる汚れを抑制することができます。

ダイフレックス「ダイヤスーパーセランフレックス」

ダイフレックスは日本シーカ(スイスに本拠地を置き、全国70ヵ国以上で工業用化成品を扱うメーカーの日本法人)のグループ会社です。

高い耐候性に加え、シーリング上に施工した場合のひび割れのリスクが軽減するほどの柔軟性を持っています。
また、カビや藻の発生を抑制します。

KFケミカル「KFワールドセラシリーズ」

70年近く化学品を取り扱ってきたノウハウを活かし、2012年に建築塗料事業をスタートしました。
開発した製品の耐候性を確かめるため、厳しい環境下である沖縄県宮古島での暴露実験を実施しています。

KFワールドセラは耐候性が非常に高く、宮古島の紫外線や雨、風、塩害に耐え、強い光沢をキープできます。
厳しい環境下でも活躍できる耐候性だけでなく、ひび割れが発生しづらい柔軟性も備えています。

無機塗料を使う場合の費用相場

無機塗料を使用して外壁を塗装する場合の費用相場を、ほかの製品とも比較しながらご紹介していきます。

塗料 価格(平米) 耐久年数 特徴
無機塗料 3,500~5,500円/平米 10〜25年 汚れや熱に強く、耐用年数が長い
アクリル塗料 1,000円~1,800/平米 3〜8年 安価で重ね塗り向き
ウレタン塗料 1,700〜2,500円/平米 5〜10年 様々な形状、素材に対応
シリコン塗料 2,300〜3,500円/平米 7〜15年 耐久性と費用のバランスが良い
ラジカル塗料 2,200〜4,000円/平米 8〜16年 チョーキング対策ができ、コスパも良い
フッ素塗料 3,500〜4,800円/平米 12〜20年 熱、寒さ、酸性雨に強い

外壁塗装で利用されることが多いシリコン塗料やフッ素塗料と比較すると、一般的な製品の値段よりも高いことがわかります。

>> アクリル・シリコン・フッ素など耐用年数・値段別で塗料を比較

上記の価格はあくまで目安であり、塗装する広さや施工箇所はもちろん、塗料の種類や依頼する業者によっても差が生じます。

無機塗料が気になっている方は、複数社を比較する際に、その旨も伝え、施工実績のある業者から見積もりをもらうとよいでしょう。

無機塗料の特性を把握して長持ちする外壁へ

無機塗料は、優れた耐久性や耐候性を持ち、長寿命な外壁や屋根の保護に適しています。

しかし、施工時の難しさや費用の高さといったデメリットも考慮が必要です。

選ぶ際には、使用目的に応じた製品を見極め、信頼できる施工業者に依頼をしましょう。

塗装のプロと相談しながら、満足できる塗装工事ができるとよいですね。

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