前回の記事『洗面所・浴室の整理収納のポイントは?人気の整理収納アドバイザーによる実例も交えて解説』では、洗面脱衣所や浴室の整理収納で多い悩みの解決方法をご紹介しました。
今回は、お子さんの成長に合わせた整理収納の方法や要点について、解説していきます!
子どもの整理収納でありがちな悩み
Q:「子どもが、なかなか片付けをしてくれない」という悩みを持つ方が多いですが、片付け上手になってもらう方法はありますか?
「子どもが片付けてくれません!」という相談をされる方は、そもそもご本人が、整理収納が苦手なケースが多いんです。
そのため、お子さんにも片付け方を教えてあげられないし、おもちゃ・学習机周りなどの整理収納も上手にできない。
例えば、リビングの一角などが上の写真みたいな状況になってはいませんか?
大人がこのようにしている状態で、お子さんに「片付けなさい」と言っても、どう片付けるのが正解なのか、大人も子どもも分からないですよね。
モノの量が多すぎて収納スペースが不足していたり、モノの住所(=モノの定位置・置き場所)が決まっていなかったり。それでは、キレイに整理収納することはできません。
片付けをしやすい空間にするためには「モノの量に対して最適な収納を確保する」「"どこに何があるか"を、一目で分かる収納にする」「出し入れしやすくする」などの工夫をしていきましょう。
真似したい!子どもの文具・おもちゃなどの整理収納のコツ&実例
Q:参考までに、能登屋さんが実践された、お子さんのおもちゃや文房具の整理収納テクニックの例を教えてください!
収納例①:絵本コーナーは、細かく仕切る
絵本コーナーには、取り出しやすいよう細かく「仕切り」を作っています。
仕切りがない状態では、1冊取り出す際に力が必要だったり雪崩が起きたりしますからね。
収納例②:ジャンルごとに分ける/ラベルを貼る
「ワンカテゴリ・ワンボックス(例:ぬいぐるみは全て一つのボックスへ入れる)」など、シンプル・簡単なルールを決めて仕組み化するといいですよ。
そして、特に中身が見えないボックスなどには「ラベリング」してあげると、どこに何が入っているかをパッと見て判断しやすくなります。
収納例③:細々としたパズル類は、チャック付きの袋に収納
パズルの収納には「チャック付きの袋」が便利。まだ完成していない状態でも収納できますし、ピースの紛失も防げます。
よく、購入時に付いている透明なフィルムに入れている方を見かけますが、それではパズルを完成させた状態にしないと入らないので、大変ですよね。
収納例④:グルーピングが難しいモノは、片付けが楽チンな箱の中へ
グルーピングしにくいモノ(何かのオマケなど)は、投げ入れるだけで収納できる、大きめの箱に入れています。
フタ付きの箱にする場合は、フタをきちんと閉められる量に抑えることも大事。
こちらのように可愛い箱に入れると、見た目も気にならず満足できるでしょう。
収納例⑤:鉛筆は立てるのではなく、横に寝かせて収納
削っていくうちに短くなる鉛筆は、横に寝かせてしまえるケースに収納するのがオススメ!
我が家も最初はペン立てに入れていたのですが、動作に合わせてより効率的に使える収納方法に切り替えました。
収納例⑥:出し入れしやすい「余白」を作る
整理収納の基本の一つは「出し入れしやすいように、余白を作ること」です。
こちらの写真を見ると「ぜいたくだな」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、これくらいが「取り出しやすく、しまいやすい量」です。
ワンアクションだけで、モノを出したり入れたりできますからね。
【年齢別】子どもと一緒に、上手に整理収納するためのアドバイス
Q:お子さんも上手に片付け・整理収納ができるようになるためには、どのようなことに気を付けるといいでしょうか?また、お子さんの成長に合わせた整理収納方法とは?
収納場所などを考える目線も、出し入れする際の目線も、子どもに合わせることが肝心です。
「子どもにとって、使いやすい場所はどこかな?」と一緒に考えてみてください。
親(保護者の方)が責任を持って、その子の年齢や能力に合わせて、環境や仕組みを作り、誘導していかなくてはいけません。
ここからは、お子さんの年齢別に「どのような収納にするべきか」をお伝えしていきます。
赤ちゃんの時期
赤ちゃんは、自分で片付けることができませんよね。そのため「赤ちゃんが出しやすい、かつ大人が片付けやすい」空間にするといいと思います。
本当に簡単に使えるのが、(箱などに)モノを投げ入れるだけで完了する「投げ込みタイプ」の収納です。赤ちゃんでも取り出しやすく、入れやすいボックスを選べると理想的です。
赤ちゃんが自分でモノを取れたら「すごい!」と褒めてあげましょう。そして、元のボックスに戻せたら、また「すごい!」と褒めてあげる。それが収納の第一歩。
一方、そのボックスに入らないモノや、頻繁に使わないモノは、大人が片付けやすい所へ収納しておくといいでしょう。
3歳~小学校入学前くらいの時期
3歳~小学校入学前くらいの頃から、その子の年齢に合わせた整理収納のシステムがあるといいのではないでしょうか。
例えば、種類・カテゴリごとに分けて収納するシステムを作ってあげる。
整理収納が苦手な大人がいる中で、子どもに高度なことを求めるのはNGです。
「同じジャンル・カテゴリのモノ(例:ぬいぐるみ・積み木など)は、同じ一つのボックスに入れる」など、仕組みを簡単にしましょう。
キッチンのおもちゃであれば「食べ物のおウチは、こっちの引き出し」「キッチンツールは、この引き出し」というふうに。引き出しにラベル(絵でも可)を付けてあげると、より分かりやすいと思います。
慣れるまでは「野菜は、ここに戻してあげようね」といった感じで、大人が誘導してあげましょう。
お子さんが「フォークはどこ?」と聞いてきたら「この、おウチに入っているよ」と教えてあげる。そして、もしも定位置に入っていなかったら「ちゃんと、おウチ(=決まった収納場所)に返してあげないと、こうやって無くなっちゃうからね」と説明する。その繰り返しです。
子どもは、マイナスに感じることは嫌がってしまうので「片付け=遊びの延長にしてあげる」のも、とても重要です。
「色のあるモノは、一色ずつ入れてみたらキレイじゃない?」とか「ここを、お人形さんのベッドにしてあげたら?」など、片付けが楽しくなるように声を掛けてあげてください。
また「自分専用のゾーン(例:幼稚園の準備をするゾーンなど)」を作ってあげると、子どもは喜びます。幼稚園のロッカーと同じ仕組みにしておくと、より片付けやすいですよね!
この年代からは「これは、どこに片付けたらいいと思う?」と、一緒に考えてもらうことも大切です。
もちろん大人が少しは誘導してあげることになりますが、お子さん自身に考えてもらうほうが収納場所を覚えますよね。「何で、ここにあるといいのか(使いやすいのか)」といった整理収納の基礎も身に付きます。
小学生の時期
まずは、1ヶ所の管理を任せてみる。モノが溢れてきたら、量や収納方法などを見つめ直すための誘導はしてあげるほうがいいですが、基本的には大人は口出ししない。子どもに責任を持ってもらうほうがいいです。
そうしないと、自分で整理収納できるようにはならないと思うから。
整理収納は、決断力・判断力を養うものです。小学生くらいの時期からは、そこに気を付けて伸ばしてあげてほしいですね。
整理収納のNG例!参考にしたいBefore→After3選
ここからは、おもちゃなどの整理収納でありがちなNG例をご紹介します。
各ご家庭の問題点を能登屋さんがどのように解決したのか、実際のBefore→After写真も参考にしながらチェックしてみましょう。
NG例①:積み重なっており、モノの出し入れがしにくい
【Before】
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【After】
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こちらはフタ付きの収納ボックスを積み重ねて使っていたパターンです。下の収納ボックスに入っているモノはあまり使われないか、使いたい場合は親御さんに頼んで取ってもらう状態でした。
そこで「1段タイプのスタッキングシェルフ」を買い足していただき、さらに収納ボックスのフタをなくして投げ込める収納システムを作りました。上段にあるモノも下段にあるモノも、いつでも簡単に出して遊べますし、細かいモノも入れられます。
NG例②:モノを何となく積み重ねてしまっている
【Before】
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【After】
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こちらは、モノの住所(定位置)が決められておらず、適当に重ねてしまっていたケースです。
キレイに整理しやすいよう、適材適所の収納場所を考え、モノの配置を決めました。
段で仕切る・棚の上段などは細かいモノを置けるように区切る・重いモノは直置きにする、などの工夫をしています。
NG例③:上手な整理収納システムが作れていない
【Before】
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【After】
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こちらは「洋服とおもちゃのシステムを作ってみたけど、うまくできなかった」というパターンです。周囲にベビーゲートを設置したことで、さらにモノが取り出しにくい状態になっていました。
お子さんは掴まり立ちし始めたばかりの年頃で、自分で服を選びたい女の子でした。そこで、お子さんが届く場所に服を掛けてあげることにし、思い切ってベビーゲートは撤去。
「取りたいモノを、きちんと自分で取れるシステム」を作ってあげることも大切です。
一方、お子さんにあまり触られたくないモノについては、手の届かない上段へ収納しました。
子どもと一緒に、おもちゃなどの断捨離をする際のポイント
Q:子どものおもちゃが、どんどん増えて収納に入り切らず溢れてしまう場合、どのようにすると解決できますか?
モノが溢れてきたら「そろそろ片付けようか?」と促し、量を見つめ直す機会を与えましょう。
その際、大人が勝手に捨てたりリサイクルショップへ持って行ったりするのではなく、きちんと子どもに納得してもらうことが大切です。子どもとの信頼関係に影響しますので。
まだ決断力がない時期は「全部捨てたくない!」などと言われてしまって進まないものですが、根気よく続けましょう。
例えば「このおもちゃは赤ちゃん用だから、近所の赤ちゃんにあげない?」などと聞いてあげて。もし「イヤだ!」と言われたら「じゃぁ、これは残そうね」と、一緒に判断してあげる。
年齢によっては「量が多くて入り切らないから、この引き出しの中に10個だけ残そうか」と言って、捨てるモノ・残すモノをお子さんに全部選ばせてみるのもいいでしょう。
このときに、あえて残す量を少なめに伝えるのもオススメです。結局残したいモノが10個に絞れず15個になる場合もあるんですが、それでいいんです。「15個残してOKだよ」と言ってあげたら、お子さんも嬉しいと思います。
また、(誕生日やクリスマスなど)プレゼントをもらえるタイミングで、おもちゃの断捨離をすると「これは古いから、もういらないかな?」と、そこまで悲しくならずに捨てるモノを判断できることもありますよ!
リフォームする際の整理収納計画の注意点
Q:当サービス『リショップナビ』のお客様の中には、リフォームやリノベーションの際に「子どもの成長に合わせた設計にしたい」と希望される方が多くいらっしゃいます。考慮すべきポイントはありますか?
まずは、(子どもが何歳のとき、どんなイベントがあるか、など)分かっている予定を年表に書き出して「見える化」することが大事だと思います。
そして「この歳には、1人部屋を欲しがるだろう」といった感じで「どのタイミングで、どんなグッズや設備があるといいか」をイメージし、書いてみましょう。
ただ、子どもに個室が必要な時期というのは、実はそんなに長くないんです。小学生から大学生くらい、あるいは高校卒業くらいまでなので、約10年。その10年のために「クローゼット付きの、6畳の子ども部屋を作るべきなのか?」というのは考えてみてください。「リビングで勉強するから、子ども部屋は狭くてOK」という選択肢もありますよね。
お子さんの人数が多いなら、クローゼット付きの個室を持たせるより、リビングなどに「ファミリークローゼット」を設置するほうが家事は楽になりますし。
「楽に家事をできる設計にしたいのか」「子どもに自立させたいのか」といった想像が必要になってきます。
そうとは言え、そこまで考えながら設計していくのは難しいことかもしれません。困ったときは、プロに頼って相談してみるのもいいでしょう。リフォーム・リノベーションの整理収納計画などでお悩みの際には、ぜひ(整理収納アドバイザーである能登屋さんに)お声掛けください!
※能登屋英里さんの公式サイト・Instagramはこちら: HP : https://eirinotoya.com Instagram:@eiriyyy_interior |
能登屋さん取材記事のバックナンバー
これまで、能登屋さんから様々な整理収納術について、お話しいただきました!
能登屋さんのインタビュー記事は、以下の通りです。
《能登屋さんインタビュー記事一覧》 第1回: 話題の整理収納アドバイザーが伝えたい、本当に快適な空間を作るためのポイント 第2回:整理収納アドバイザーに聞いた「キッチン」整理収納術!Before/After実例も解説 第3回:整理収納アドバイザー直伝「リビング」整理収納のコツ!Before/Afterの事例もご紹介 第4回:洗面所や浴室をキレイに整理収納するには?人気の整理収納アドバイザーによる実例も交えて解説 第5回:子どもが自分で片付けられるようになる?!プロ直伝の「子の成長に合わせた整理収納」の要点や実例を公開(※本記事) |
皆さんも、整理収納のコツを楽しく理解し、今まで以上に過ごしやすく快適な空間作りをぜひ目指してみてくださいね!
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