滅失登記の費用相場
滅失登記の費用は、自分で手続きを行う場合は1,000~3,000円程度、解体業者や土地家屋調査士に委任する場合は3~5万円程度です。
それぞれにかかる費用の詳細を紹介します。
自分で滅失登記手続きを行う場合の費用
土地家屋調査士に依頼せず自分で行う場合は、必要書類の取得にかかる費用や手数料を合わせて約1,000〜3,000円必要です。
不動産登記に関わる書類の取得にかかる手数料は、下記の表の通りです。
区分 | 手数料 | |
---|---|---|
登記事項証明書(謄抄本) | 書面請求 | 600円 |
オンライン請求・送付 | 500円 | |
オンライン請求・窓口交付 | 480円 | |
登記事項要約書の交付・登記簿等の閲覧 | 450円 | |
証明(地図・印鑑証明を除く) | 450円 | 地図等情報 | 書面請求 | 450円 |
オンライン請求・送付 | 450円 | |
オンライン請求・窓口交付 | 430円 | 印鑑証明書 | 書面請求 | 450円 |
オンライン請求・送付 | 410円 | |
オンライン請求・窓口交付 | 390円 | 筆界特定 | 筆界特定書の写し | 550円 |
図面の写し | 450円 | |
手続記録の閲覧 | 400円 | |
登記識別情報に関する証明 | 書面請求 | 300円 |
オンライン請求・交付 | 300円 |
書類の用意にかかる手数料の詳細は、法務省のホームページで確認してください。
解体業者や土地家屋調査士に依頼した場合の費用相場
解体業者や土地家屋調査士に委任した場合、滅失登記の費用は約3〜5万円が相場です。
ただし、下記の表のようにイレギュラーなケースでは追加費用がかかります。
イレギュラーなケース | 追加費用 |
---|---|
相続発生時の戸籍調査が必要なケース | 約3〜5万円 |
登記上の住所を変更するケース | 約1~2万円 |
分合筆により所在を変更するケース | 約1~2万円 |
広大な借地上建物を滅失登記するケース | 約1~2万円 |
解体証明書がないケース | 約数万円 |
抵当権が残存しているケース | 約数万円 |
なお、解体業者は書類の準備はできても滅失登記はできないので、実際には解体業者を通して土地家屋調査士へ依頼します。
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滅失登記を自分で行う7ステップ
滅失登記を自分で行う際は、次の7つ手順があります。
1. 必要書類を用意する
2. 管轄の法務局の場所を調べる
3. 登記の有無を確認する
4. 登記事項証明書を取得する
5. 建物滅失登記申請書を作成する
6. 管轄の法務局へ必要書類を提出する
7. 登記完了証を受け取る
それぞれの詳しい手続きを説明します。
必要書類を用意する
滅失登記を自分で行う際は、最低でも次の書類が必要です。
● 建物滅失登記申請書
● 滅失した建物の登記事項証明書
● 建物滅失証明書
● 解体業者の代表者事項証明書
● 解体業者の印鑑証明書
● 住宅地図
建物滅失登記申請書と登記事項証明書は法務局で受け取れます。
建物滅失証明書と解体業者の代表者事項証明書、印鑑証明書は解体業者に準備をお願いしましょう。
住宅の地図はインターネットの地図を印刷したものや市販の住宅地図のコピーで構いません。
管轄の法務局の場所を調べる
滅失登記はその建物があった地域の管轄法務局で実施するため、管轄の法務局も調べましょう。
管轄の法務局は、法務局のホームページで検索できます。
市や地区により管轄が細かく分けられているので、間違えないように注意しましょう。
登記の有無を確認する
建物の登記の有無は、固定資産税の納税通知書に同封されている課税明細書の家屋番号により確認できます。
家屋番号があれば登記されているので、解体時は滅失登記が必要です。
一方、家屋番号がなければ未登記のため、滅失登記の必要はありません。
登記事項証明書を取得する
登記の有無を確認した後、登記事項証明書を取得します。
登記情報に誤りがないか確認するために、大変重要な書類です。
登記事項証明書は、お近くの法務局で取得できますが、下記のサイトからオンラインで請求できます。
>> 登記事項証明書等の請求にはオンラインでの手続が便利です:法務局建物滅失登記申請書を作成する
管轄の法務局へ必要書類を提出する
必要書類がすべてそろったら、不動産登記部門の表示係へ郵送、または直接窓口へ持っていきます。
書類は下記の順に重ねて、ホチキスで止めましょう。
● 建物滅失登記申請書
● 滅失した建物の登記事項証明書
● 建物滅失証明書
● 解体業者の代表者事項証明書
● 解体業者の印鑑証明書
● 住宅地図
なお、郵送で提出した場合でも、書類に修正が必要な場合は法務局に出向く必要があります。
内容に不安がある場合は、直接窓口に行った方が良いでしょう。
登記完了証を受け取る
書類に不備がなければ滅失登記が完了し、「登記完了証」が交付されます。
郵送での受け取りを希望する場合は、返信用封筒と書留郵便用の切手を必要書類に同封しておきましょう。
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滅失登記を1ヶ月以内に行わないと起こる4つのデメリット
ここでは、滅失登記を1ヶ月以内に行わないと起こるデメリットについて解説します。
●10万円以下の罰金が課される
● 新しい建物の建築許可が下りない
● 土地を売却できない
● 固定資産税がかかり続ける
10万円以下の罰金が課される
滅失登記を1ヶ月以上行わないでいると、不動産登記法第百六十四条に基づき10万円以下の罰金が課せられます。
第百六十四条 第三十六条、第三十七条第一項若しくは第二項、第四十二条、第四十七条第一項(第四十九条第二項において準用する場合を含む。)、第四十九条第一項、第三項若しくは第四項、第五十一条第一項から第四項まで、第五十七条又は第五十八条第六項若しくは第七項の規定による申請をすべき義務がある者がその申請を怠ったときは、十万円以下の過料に処する。 |
出典:e-Govポータル(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=416AC0000000123)
罰金を払うことがないよう、滅失登記は1ヶ月以内に行いましょう。
新しい建物の建築許可が降りない
滅失登記を行っていない場合、自治体は建物が既に解体されていることを知りません。
したがって、新しい建物を建築しようとしても、建築確認申請が却下される恐れがあります。
更地を利用する際の障壁になるので、必ず滅失登記を行いましょう。
土地を売却できない
解体後の土地を購入したい人がすでにいる場合でも、滅失登記により更地であることを証明できなければ土地を売却できません。
スムーズに売却するためにも、滅失登記は早めに行いましょう。
固定資産税がかかり続ける
滅失登記を行わなければ建物は存在していると判断され、固定資産税の対象となります。
実際には解体していても、滅失登記をしない限り、存在しない建物の固定資産税を払い続けることになるのです。
税金の負担が増えるので、滅失登記の手続きを忘れないようにしましょう。
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解体した建物の所有者が亡くなっている場合に必要な3つのもの
最後に、解体した建物の所有者が亡くなっている場合に必要な書類を3つ紹介します。
● 所有者の戸籍謄本・除籍謄本
● 申請者の戸籍謄本
● 所有者の住民票の除票または戸籍の附票
所有者の戸籍謄本・除籍謄本
所有者の戸籍謄本、または除籍謄本は所有者が亡くなっている事実の証明に必要です。
亡くなった所有者の配偶者や子どもが同じ戸籍にいれば戸籍謄本、戸籍に誰も残っていない場合は除籍謄本を用意します。
戸籍謄本・除籍謄本は本籍地のある市区町村の役所で取得します。
自治体によっては取得する時に手数料が必要です。
申請者の戸籍謄本
申請者の戸籍謄本は、申請者が所有者の相続人である証拠として必要です。
ただし、所有者の戸籍謄本、または除籍謄本に申請者の名前が記載されていれば申請者の戸籍謄本は必要ありません。
所有者の住民票の除票または戸籍の附票
所有者の住民票の除票・戸籍の附票は、所有者が亡くなったときの居住地の証明に必要です。
住民票の除票とは住民登録が消除された住民票のことで、転出した人や亡くなった人がかつてその住所に住んでいたことを証明するものです。
除票の保存年限は150年であり、保存期限を過ぎている場合は発行できません。
戸籍の附票とは、戸籍が作られてから現在までの住所すべてが記載されたものです。
本籍地の市区町村で取得できます。
失登記は土地家屋調査士に依頼するのが安心
滅失登記は自分で行う方法と、解体業者や土地家屋調査士に依頼する方法があります。
滅失登記は1ヶ月以内に行う必要があるだけでなく、用意する書類も多いため大きな負担です。
コストはかかってもプロにお願いするのがおすすめですよ。
滅失登記が遅れると、罰金や存在しない建物の固定資産税が発生するため、スムーズに済むよう早めに手配しましょう。
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