防水工事とは?
防水工事とは、 住宅を雨水の影響から守るための工事です。
主に屋根やベランダ、バルコニーなどに実施します。
建物に防水工事をしない場合、水たまりができていつまでも乾かなかったり、雨漏りが起きたりします。
防水工事は新築時に実施しますが、経年劣化により効果が薄れてしまうため、定期的な再施工が必要です。
工法や使用する材料にはさまざまな種類があり、建物の構造や周辺環境などをふまえて選択します。
防水工事の主な5つの種類
本章では、代表的な防水工事の種類5つと特徴をご紹介します。
どの種類が適しているかは建物の状況により異なるので、業者に相談してみましょう。
①アスファルト防水
アスファルト防水は、昔からよく採用されている防水工事の種類です。
アスファルト防水のなかにもいくつか種類があります。
工事の種類 | 特徴 |
---|---|
熱工法 | 高温で溶かしたアスファルトを流し込む |
常温工法 | 粘着層付改質アスファルトルーフィングを使う |
トーチ工法 | シート状のアスファルトをトーチバーナーであぶる |
アスファルト防水は比較的安いコストで高い防水効果を得られます。
耐久性もあり、メンテナンスの手間が少ない点がメリットです。
②ウレタン防水
ウレタン防水もよく採用されている種類のひとつです。
ウレタン樹脂を塗布して硬い塗膜を作り、防水層の役割をさせます。
軽量な防水層を作れるため、建物への負担が少ない点がメリットです。
複雑な形状の部分にも施工でき、既存の防水層の上から施工することも可能です。
比較的短期間で施工できますが、均一でシームレスな塗装をするには技術力と丁寧さが必要なため、職人のスキルが問われます。
③FRP防水
FRP防水は、繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics=FRP)を利用した防水工事の方法です。
FRPは耐酸性や耐熱性、耐候性などに優れており、酸性雨や紫外線にも強い防水層が作れます。
軽量なため建物への負担軽減も可能です。
防水層がシームレスなできあがりとなるため、見た目もきれいに仕上がります。
④塩ビシート防水
塩ビシート防水とは、塩化ビニル樹脂製の防水シート(塩ビシート)を下地に貼り付ける防水工事の方法です。
塩ビシートは工場から出荷された時点ですでに防水効果があるため、安定した防水性の高さを期待できます。
ただし、現場での加工がほぼできないため、複雑な形状の場所に貼り付けるのは非常に困難です。
一定サイズのシート同士を貼り合わせていくため、つなぎ目も生じます。
⑤ゴムシート防水
ゴムシート防水とは、接着剤を使ってゴムシートを下地に固定していく工法です。
屋上の防水工事によく採用されます。
ゴムシートは伸縮性に優れているため建物の収縮に対応でき、ひび割れの予防が可能です。
ただしシートを組み合わせて施工するため、つなぎ目ができてしまいます。
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防水工事の2つの工法
防水工事には密着工法と絶縁工法の2種類の工法があります。
それぞれの工法にメリットとデメリットがあり、適する環境・適さない環境があるため、違いを理解することが大切です。
本章では密着工法と絶縁工法それぞれの特徴を解説します。
①密着工法
密着工法は防水層を下地に密着させる工法です。
主に一般住宅やマンションで採用します。
絶縁工法よりも安価で工期も短い傾向があります。
防水層と下地の間に空気がないため、強度が高く、人や車が頻繁に行き交う場所にも施工可能です。
ただし、下地の状態に防水層が影響を受けやすく、下地に含まれた水分により防水層にひび割れや膨れなどの劣化が生じるおそれがあります。
②絶縁工法
絶縁工法とは、防水層を下地に密着させず、間に空気の層を作る工法です。
下地が防水層の影響を受けないため、下地にひび割れや浮きなどの劣化があっても基本的に施工可能です。
下地が多少濡れていても施工できることがあります。
下地の水分を空気の層から逃がせるため、湿気がたまりにくく、密着工法よりも耐久性があります。
ただし、人の歩行は可能ですが、大人数や車の行き交う場所には施工できません。
防水工事をする重要性とは?
防水工事は建物の安全性を高めるために必要な工事です。
ここでは、なぜ防水工事の施工が重要なのかを具体的に解説します。
防水工事の必要性を理解し、適切なメンテナンスを行いましょう。
建物の耐久性低下を防ぐ
防水工事は建物を雨水の影響による劣化から守り、耐久性を維持するために必要です。
防水工事をしない場合、雨水が建物の内部に入り込んで建材を傷めてしまいます。
サビやカビにより内部の建材が傷むと建物全体がもろくなり、耐久性が大きく落ちます。
結果的に倒壊や火災などのリスクが高くなるため、住み続けるのは非常に危険です。
防水工事で雨水の影響を小さくしましょう。
雨漏り対策ができる
防水工事は雨漏り対策においても重要です。
防水層が十分に施工されていなかったり、劣化していたりすると、水はけが悪くなる、ひび割れや剥がれが生じるなどの問題が起こります。
水はけが悪くなって水たまりができると、ひび割れや剥がれができている部分から雨漏りが発生してしまいます。
雨漏りは建物の外部と内部の両方を劣化させるため、大規模な修繕が必要になるかもしれません。
建物を適切にメンテナンスするため、防水工事は定期的に実施しましょう。
健康被害への対策になる
防水工事を実施しないと健康被害につながるおそれもあります。
防水層が劣化して雨水から建物を守れなくなると、建物の内部にカビが発生することがあります。
カビは喘息や肺炎などの原因になることがあり、放置するのは危険です。
しかし、建材部分に生じたカビは発見しにくいため、対応が遅れてカビがどんどん繁殖してしまうおそれがあります。
健康被害が生じないよう、防水工事で安全な住まいを作りましょう。
防水工事が必要なサインとタイミング
防水工事は雨水が建物にダメージを与える前に実施する必要があります。
ここでは防水工事が必要なサインとタイミングを解説します。
ご自宅に防水工事が必要かどうか見極める際の参考にしてください。
雨漏りしたとき
ご自宅に雨漏りが発生した場合、防水工事が必要なケースがあります。
雨漏りの原因は複数あり、必ずしも防水層の劣化が原因とは限りません。
外壁や給水管の劣化、目地の破損が原因のこともあります。
業者に雨漏りの原因を調べてもらい、防水層の劣化が原因の場合は防水工事をしてもらいましょう。
色あせやひび割れなどの劣化があるとき
ベランダや屋上に色あせやひび割れなどの劣化が見られる場合、防水工事が必要なことがあります。
色あせやひび割れの主な原因はトップコートの剥がれです。
トップコートは防水層を保護する役割があり、トップコートが剥がれると防水層が劣化してしまいます。
防水層が劣化すると雨漏りが発生するリスクがあるため、なるべく早めに防水工事を実施しましょう。
ベランダや屋上を触って指に粉がつく場合もトップコートが剥がれかけているため、早めの対応が必要です。
パラペットや笠木が傷んでいるとき
屋上のパラペットや笠木が割れたり剥がれたりしている場合、雨漏りに発展する前に防水工事が必要です。
パラペットとは、外壁と屋根の境界にある立ち上がった部分のことをいいます。
パラペットの最上部にある仕上げ材が笠木です。
パラペットや笠木は雨水が外壁に流れるのを防ぐ役割があります。
割れや剥がれが生じている場合はパラペットと笠木の間に雨水が入り込み、建物内部を劣化させるおそれがあります。
屋上を点検してパラペットや笠木が傷んでいれば、防水工事を手配しましょう
最後に防水工事をしてから10年以上経っているとき
新築や最後に防水工事をしてから10年以上経っている場合は、防水工事の施工を検討しましょう。
防水工事の周期は一般的に10~15年です。
工法や材料、環境によっては20年以上持つ場合もありますが、念のため10年を目安に業者に点検してもらいましょう。
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防水工事におすすめの季節
防水工事は比較的天候が安定している春、または秋の実施がおすすめです。
夏は台風や豪雨、冬は降雪や結露の影響で施工がスムーズに進まないことがあります。
ただし、春や秋でも強風や台風により工事が一時中止になることもあります。
夏や冬でもまったく施工できないことはありません。
天候に合わせながら施工を進めることも可能です。
春や秋のほうがスムーズに施工できる可能性が高いですが、夏や冬に実施したい場合に先延ばしにする必要はないでしょう。
季節に関係なく、雨漏りに発展する前に防水工事を実施してください。
防水工事の費用相場
防水工事の費用相場は工事の種類によって異なります。
各工事の費用の目安は次の通りです。
防水工事の種類 | 費用相場 |
---|---|
アスファルト防水 | 4,500~8,000円/㎡ |
ウレタン防水 | 3,000~8,000円/㎡ |
FRP防水 | 4,000~8,000円/㎡ |
塩ビシート防水 | 3,500~8,000円/㎡ |
ゴムシート防水 | 2,500~7,000円/㎡ |
こちらの費用はあくまでも目安であり、実際の費用は建物の状態や環境により異なります。
また、高圧洗浄や養生などにかかる費用が別途必要です。
ご自宅の防水工事にかかる費用を確かめるには業者に見積もりを依頼しましょう。
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防水工事業者の選び方
ここでは防水工事業者の選び方を解説します。
どのような点に注意して業者を選べばいいのかの参考にしてください。
施工実績が豊富か
業者のホームページやSNSを見て施工実績を確認しましょう。
防水工事はスキルや経験によって仕上がりに差が出ます。
仕上がりの質が悪いとすぐに防水層が劣化してしまい、短いスパンでのメンテナンスが必要となります。
業者の技術力をチェックするため、これまでどのような場所の防水工事を行ってきたか、どのような種類の防水工事に対応しているかを確認しましょう。
防水工事関係の資格を持っているか
業者のスキルを見極めるには防水工事関係の資格を持っているかどうかも参考になります。
代表的な資格のひとつが防水施工技能士です。
国家資格であり、防水工事の施工に関して一定の技能があることが証明されます。
質の高い工事ができるかどうかの判断のひとつとして、資格を有している職人がいるか、資格保有者が何人いるかなどをチェックしましょう。
アフターフォローが充実しているか
アフターフォローが充実しているかどうかも確かめましょう。
定期点検や無料補修期間など、アフターフォローの内容は業者により異なります。
特に瑕疵(かし)保険に加入しているかをチェックしてください。
瑕疵保険は施工不良があるにもかかわらず施工業者が補修の対応ができない場合に、保険会社が保険金を払ってくれるサービスです。
業者が瑕疵保険に加入していれば、万が一施工会社の倒産後に施工不良が発覚しても保険金で補修ができます。
費用は相場通りか
防水工事にかかる費用が相場通りかも確認しましょう。
ご自宅の場合の費用相場を調べるには、3~5社程度を目安に見積もりを依頼して比較してください。
高すぎる業者は過剰請求されているかもしれません。
逆に安すぎる業者は手抜き工事のおそれがあります。
見積もりの内訳も確認し、わかりにくい内容やあいまいな部分があれば業者に確認しましょう。
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定期的な防水工事で建物を守ろう
防水工事は建物の耐久性低下を防いだり、雨漏りの対策をしたりするために必要です。
屋上やベランダに色あせやひび割れの劣化が見られる場合や、最後に防水工事をしてから10年以上経っている場合は防水工事を検討しましょう。
業者を選ぶ際は、施工実績や資格の有無、アフターフォローの内容などを比較してください。
費用相場は建物の状態や環境によって異なるため、実際に見積もりを依頼して確かめましょう。
3社程度の見積もりを比較して、ほかの業者と大きく金額が離れていないか、内訳はしっかり書かれているかなどをチェックしてください。
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