高気密高断熱とは
高気密高断熱住宅は、どのような仕組みで快適な暮らしが実現されるのか、気になる方も多いでしょう。
気密性と断熱性はそれぞれ異なる役割を持ち、組み合わせることで住環境を大きく改善します。
近年では省エネ基準の強化や光熱費の高騰を背景に、多くのハウスメーカーが高性能な住宅づくりに力を入れています。
「気密」と「断熱」の違い
高気密高断熱という言葉の、「気密」と「断熱」の違いを正確にご存じない方もいらっしゃるかもしれません。
「高気密」 |
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「高断熱」 |
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それぞれ目的が異なる「断熱」と「気密」 を組み合わせることで相乗効果が生まれ、夏は涼しく冬は暖かい、快適な室内環境を保ちやすくなります。
高気密高断熱の家が増えている理由
高気密高断熱住宅への関心が急速に高まっている背景には、いくつかの社会的な要因が関係しています。
法的な義務化
最も大きな要因は、法的な義務化の流れです。
2022年に建築物省エネ法が改正され、2025年度からは新築住宅に省エネ基準(断熱性能を含む外皮性能と一次エネルギー消費量性能)への適合が義務化されます。
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住宅業界全体で、高性能化への取り組みが加速している状況です。
光熱費への懸念
光熱費への懸念も重要な理由のひとつといえるでしょう。
世界的なエネルギー価格の高騰を受け、長期的な視点でランニングコストを削減できる点が重視されるようになっています。
高気密高断熱住宅は冷暖房効率が向上するため、家計の負担軽減が期待できます。
健康面への関心の高まり
健康面への関心の高まりも見逃せません。
特にヒートショック対策として、室内外の温度差による健康リスクを軽減する効果が注目されています。
快適で安全な住環境への需要が、この住宅タイプの普及を後押ししているといえるでしょう。
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高気密高断熱の家で得られるメリット

高気密高断熱の家は、従来の住宅に比べて暮らしの質を大きく向上させる、たくさんのメリットがあります。
これらの具体的なメリットについて詳しく見ていきましょう。
夏も冬も快適に過ごしやすい
高気密高断熱住宅の最大の魅力は、外気温に左右されにくく、一年中快適な室内環境を保てる点です。
夏の猛暑でも室内に熱気が侵入しにくく、 冬の厳しい寒さでも暖房の熱が外へ逃げにくいため、環境省が推奨する室温(夏28℃、冬20℃程度)を安定して保ちやすくなります。
条件によっては、エアコン一台で家全体の温度管理がしやすくなり、部屋を移動する際に感じる不快な温度差も大幅に軽減されます。
これにより、季節を問わず住まい全体で心地よく過ごしやすい環境が手に入るでしょう。
光熱費を節約しやすい
高気密高断熱の家が注目される大きな理由のひとつに、光熱費を削減できる効果が挙げられます。
外気温の影響を受けにくい構造によって、冷暖房に使うエネルギーを抑えながら快適に過ごしやすくなります。
断熱性が高い住宅ほど消費エネルギーの削減につながり、環境にも家計にもやさしい暮らしが実現できるでしょう。
従来の住宅と比べて、冷暖房の稼働時間と電力消費量を大きく減らせるのが特徴です。
こうした省エネ効果により、光熱費が抑えられた環境にやさしい住まいの実現につながります。
部屋ごとの温度差が少なくなる
高気密高断熱住宅は、優れた断熱性能で外気温の影響を受けにくく、室内温度が安定しやすいという大きな特徴があります。
この特性により、リビングや寝室はもちろん、浴室やトイレといった水回りスペースとの温度差も格段に小さくなります。
従来の住宅では、暖房の効いた居室から廊下や洗面所へ移る際の温度差が10℃以上になることも珍しくありませんでした。
高気密高断熱住宅なら室内の熱が外に逃げるのを防ぐため、非居室空間も含めて家全体の温度ムラが大幅に改善されます。
この効果は2階建て住宅でも同様に期待できます。
暖房で暖めた空気が上の階へ逃げても、下の階との温度差を抑えやすくなります。
移動時の急激な温度変化が軽減し、家中どこでも快適に過ごせるような住環境を実現しやすいでしょう。
結露やカビのリスクを減らしやすい
高気密高断熱の家は、室内外の温度差が小さくなることで結露の発生を抑えやすくなります。
従来の住宅で窓周りや壁面に発生しやすかった表面結露も、安定した室温環境によって起こりにくくなるでしょう。
湿度が一定の範囲に保たれやすいことも重要なポイントです。
カビは高温多湿な環境で繁殖しますが、温度と湿度の両方が安定することで、その繁殖条件を根本から取り除くことにつながります。
特に注目したいのは、内部結露のリスクが低減される点です。
高気密高断熱の家は結露が発生しにくいため、アトピーやアレルギーといった健康への影響を軽減しやすくなります。
施工不良や欠陥などがなければ内部結露も起こりにくくなるため、建物の耐久性向上にもつながるでしょう。
断熱欠損や熱橋を防ぐ適切な施工を行うことで、見えない部分での結露トラブルも予防しやすくなり、住まいの長寿命化と健全な住環境の維持につながります。
デメリット・注意点とその回避対策
高気密高断熱住宅は優れた性能を持つ一方で、その特性からくる注意点もあります。
適切な対策を講じればこれらの課題は十分に回避可能ですので、安心して快適な住環境を実現できます。
空気がこもる可能性がある
高気密住宅は外気の侵入を抑える構造上、自然換気による空気の入れ替わりがほとんど期待できません。
そのため、24時間換気システムの設置が法律で義務付けられています。
換気が不十分だと室内の空気がこもりやすくなり、二酸化炭素濃度の上昇や室内空気質の悪化につながる可能性があります。
また、換気システムのフィルターや換気口の清掃を怠ると、換気効率が低下しやすくなるので注意しましょう。
湿気やニオイがこもりやすくなることで、カビやダニの発生リスクも高まってしまいます。
適切な換気計画で快適な空気環境を維持
こうした課題は、第一種換気システムの導入と適切な換気計画によって改善できる場合があります。
設計段階で室内の空気の流れを十分に検討し、定期的なメンテナンスを継続することで、長期にわたって良好な空気質を維持していけるでしょう。
家具やインテリアの配置に工夫が必要
高気密高断熱住宅では、限られた空気の流れのなかで効率的な環境を保つため、家具の配置に少し配慮が必要です。
大型の家具は空気の流れを遮ってしまうため、エアコンや換気システムの風が各部屋へ届きにくくなる可能性があります。
特に全館空調システムを採用している場合、背の高い家具や間仕切りが空気の循環を妨げ、部屋ごとの温度ムラの原因になることもあります。
換気口の周辺には大きな家具を置くのを避け、空気の通り道を確保することが大切です。
家具配置で意識したいポイント
効率的な空気循環を実現するために、次の点を意識して家具をレイアウトしてみましょう。
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これらの工夫によって、高気密高断熱住宅が本来持つ快適性を最大限に生かせます。
多くのメリットのある「高気密高断熱」の住まいで快適な暮らしを
高気密高断熱住宅は、外気の影響を受けにくい構造によって室内環境を安定させ、冷暖房効率を向上させる住まいです。
光熱費の削減や一年を通じた快適性の実現など多くのメリットがある一方で、初期コストの高さや換気システムの重要性といった注意点もあります。
これらの特徴を正しく理解することが、よりよい住まい選びの判断材料として役立つでしょう。
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