家の解体工事を自分でできるのか?
解体工事は業者に依頼すると、木造30坪の場合で90万円〜150万円と、高額の費用がかかってしまいます。
解体費用を少しでも安くするために自分で解体したいけれど、そもそも解体工事は自分でできるのか疑問に思う人もいるかもしれません。
結論からいうと、家の解体工事は自分でできます。
ただし、重機を動かす資格や専門的な調査が必要になるので、専門的な作業は業者に依頼するのがおすすめです。
解体作業に必要となる資格、また解体作業のうち業者に依頼するべき工程については、自分で解体工事をする際の注意点3選で詳しく解説します。
自分で解体工事を検討している人は参考にしてください。
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自分で解体工事をする場合の進め方
自分で解体工事をする場合の進め方は以下のとおりです。
1. 届出や申請を提出する
2. ライフラインの停止をする
3. 重機や作業道具を確保する
4. お祓いや近隣への挨拶をする
6. 養生を設置する
7. 解体作業をする
8. 廃棄物を処分する・土地の掃除をする
9. 建物滅失登記の申請をする
各工程について詳しく解説します。
届出や申請を提出する
自分で解体工事をする場合、まずは工事に必要な届出や申請を提出します。
提出が必要になる届出や申請には、以下のような物があります。
● 建築リサイクル法
● 道路使用許可
● 特定粉じん排出等作業実施届
各届出について以下より解説します。
【建築リサイクル法】
建設リサイクル法の対象となるのは、コンクリートや木材、アスファルトが使われいる床面積が80㎡以上の建物です。
建築リサイクル法の届出は、工事の7日前に届け出る必要があります。
建設リサイクル法では、特定建設資材を用いた建築物等に係る解体工事またはその施工に特定建設資材を使用する新築工事等であって一定規模以上の建設工事(対象建設工事)について、その受注者等に対し、分別解体等および再資源化等を行うことを義務付けています。
また対象建設工事の実施に当たっては、工事着手の7日前までに発注者から都道府県知事に対して、分別解体等の計画等を届け出ることが義務付けられています。
※引用元:環境省
【道路使用許可】
解体工事には重機や廃材運搬のための車両を使用する場合があります。
車両を道路に停める場合や重機が必要な作業をする場合は、警察署に申請書の提出が必要です。
道路の本来の用途に即さない道路の特別の使用行為で、交通の妨害となり、または交通に危険を生じさせるおそれのあるものは、一般的に禁止されていますが、このうち、それ自体は社会的な価値を有することから、一定の要件を備えていれば、警察署長の許可によって、その禁止が解除される行為を、道路使用許可が必要な行為として道路交通法第77条第1項に定めています。
※引用元:警察庁
【特定粉じん排出等作業実施届】
アスベストが使用されている建築物を解体するには、特定粉じん排出等作業実施届を作業の14日前に提出する必要があります。
またアスベストが使用されている建物は、事前調査やその調査結果の報告も義務付けられているので、忘れずに行いましょう。
事前調査には「建築物石綿含有建材調査者」の資格が必要なので、資格を持っている専門家に依頼するのがおすすめです。
石綿(アスベスト)は、天然に産する繊維状けい酸塩鉱物で「せきめん」「いしわた」と呼ばれています。
以前はビル等の建築工事において、保温断熱の目的で石綿を吹き付ける作業が行われていました。
しかしその繊維が極めて細いため、石綿が飛散して人が 吸入してしまうおそれがあるため、昭和50年に原則禁止されました。
※引用元:厚生労働省
ライフラインの停止をする
解体工事を始める前に、ライフラインの停止をしましょう。
停止しておくべきライフラインは以下のとおりです。
● ガス
● 電気
● 電話
● インターネット
ライフラインの停止には時間がかかる場合もあるので、早めに各業者に連絡をしておきましょう。
なお水道は解体工事中や清掃時に使うことがあるので、工事後に停止するのがおすすめです。
重機や作業道具を確保する
重機や作業道具をあらかじめ用意しておきましょう。
解体工事では重機を使用したり、特殊な道具が必要になったりします。
【解体工事で使う重機・道具】
● パワーショベル
● 圧砕機
● バール
● ノコギリ
など
バールやノコギリなどの道具を持っていない人は購入するかレンタルをして、用意しましょう。
またパワーショベルなどの重機を使用しないと解体工事はなかなか進まないことが多いため、手配しておくのがおすすめです。
ただ重機の運転には特殊免許が必要なので、工事までに免許を取得する必要があります。
重機の免許については「重機の運転に免許が必要になる」で詳しく解説します。
免許をとる余裕がない人には、重機を使う作業のみ業者に依頼するのがおすすめです。
お祓いや近隣への挨拶をする
解体工事をするとなると、騒音や振動、埃などが必ず発生するため、工事前に近隣住民に挨拶をしておく必要があります。
事前に工事期間やどのように作業を行うのかなどを近隣住民に伝えておくことで、トラブルになる可能性が低くなります。
近隣住民に理解をしてもらってから工事を進めるようにしましょう。
また必須ではありませんが、解体工事を始める前にお祓いをする場合もあります。
お祓いは、家の守り神に対して見守ってくれたお礼と工事の安全を祈願するために行います。
養生を設置する
解体工事では騒音や振動、粉じんが発生するので、必ず養生をしましょう。
養生シートを設置することでホコリの飛散を抑えられます。
ホコリの飛散防止には、散水しながら工事を進めるのがおすすめです。
養生に必要な足場や養生シートはレンタルができます。
ただ足場を組むと倒壊のリスクもあるので、自分で組むのではなく、業者に依頼する方がよいでしょう。
解体作業をする
養生の設置までできたら解体作業をはじめます。
解体工事は以下の順で進めます。
1. 内装の撤去(石膏ボードや土壁、天井など)
2. 窓ガラスの撤去
3. 屋根の撤去
4. 骨組みの撤去
5. 基礎の撤去
屋根の撤去は高所での作業なので、転落しないように注意しながら作業を進めましょう。 また撤去したものは素材や材質ごとに分けて処分するので、解体作業中から意識しながら進めると、処分時にスムーズに分けられますよ。
廃棄物を処分する・土地の掃除をする
解体作業が完了したら、廃棄物の処分をします。
自分で解体工事をした場合、基本的には一般廃棄物としてリサイクルセンターに持ち込めます。
ただ産業廃棄物としてみなされる場合もあるので、その場合は許可をもっている業者に処分を依頼しましょう。
地方自治体によって一般廃棄物か産業廃棄物かの判断基準が異なるので、リサイクルセンターに事前に確認しておくのがおすすめです。
単に営利を目的とする企業活動にとどまらず、公共的事業をも含む広義の事業活動に伴って排出された廃棄物のうち、燃えがら、汚でい、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類およびその他法で定める廃棄物をいうものであること。
産業廃棄物は事業者が自らの責任において行わなければならない。
参照元:環境省
建物滅失登記の申請をする
解体工事後1ヶ月以内に、建物滅失登記の申請が必要です。
建物滅失登記は建物すべてを解体した時や火災によって消失した時に登記簿に反映させるために行います。(参照元:法務局)
マイナンバーカードがあれば、オンラインで登記の申請も可能です。
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家の解体に必要な費用
家の解体には以下の費用が必要です。
項目 | 費用 |
---|---|
準備費用 | 50,000円〜100,000円 |
重機などの免許取得費用 | 100,000円〜130,000円 |
廃棄物処理費用※1 | 20,000円〜50,000円 |
届出費用 | 1,000円 |
調査費 | 40,000円〜50,000円 |
合計※2 | 30万円〜60万円 |
※1:廃棄物の重量を20t〜40tと仮定した場合
※2:重機・道具のレンタルを1週間したと仮定した場合
上記表の費用は、木造2階建て30坪を解体した場合の概算費用です。
木造30坪の解体を業者にすべて依頼する場合には、90万円〜150万円が相場といわれているので、自分で解体工事をした方が費用が抑えられるのがわかります。
ただあくまで上記表内の費用は目安となりますので、参考程度にしてください。
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自分で解体工事をする際の注意点3選
自分で解体工事をする際には、以下3つの注意点があります。
● 部分ごとに業者への依頼も選択肢にいれる
● すべて自己責任になる
● 重機の運転に免許が必要になる
上記の注意点について詳しく解説します。
部分ごとに業者への依頼も選択肢にいれる
最終的な目標は家の解体をすることなので、自分の力で難しいところは専門家の力を借りましょう。
部分的に業者に依頼をすることで、費用を抑えつつ工事を進められます。
【業者に依頼するのがおすすめな工程】
● アスベストの調査・撤去
● 足場の設置
● 重機を使う解体作業
アスベストの調査・撤去には「石綿作業主任者」の講習を受け、資格を取る必要があります。
講習を受けるには、講習費として8,000円〜10,000円ほど必要です。
講習に5時間程度かかることも考えると、アスベストに関する作業は専門業者に依頼するのがおすすめです。
また足場の設置には、強風などで足場が倒壊してしまう恐れがあるので、自分で足場を設置するのはおすすめできません。
安全面を考えて専門業者に依頼しましょう。
重機の運転免許については「重機の運転に免許が必要になる」で詳しく解説します。
すべて自己責任になる
自分で解体工事をする場合には、当然、すべて自己責任になります。
業者に依頼して工事をすればお金を支払う分業者に責任をゆだねられますが、自分で解体工事をする場合には誰も責任はとってくれません。
解体工事中は災害や事故に巻き込まれる場合もあり、近隣に被害を与える可能性もあります。
自分で解体工事をする場合はこれらのリスクの責任を負うことになります。
注意をしながら作業を進めるのが大切です。
また必要に応じて保険に加入するのもおすすめです。
重機の運転に免許が必要になる
解体工事で使われる重機を運転するには、以下の講習を受けなければいけません。
講習名 | 講習時間 | 講習費 |
---|---|---|
車両系建設機械(整地・運搬・積込み用および掘削用)運転技能講習 | 〜38時間 | 4万円〜11万円 |
車両系建設機械(解体用)運転技能講習 | 5〜38時間 | 2万円〜11万円 |
「車両系建設機械(解体用)運転技能講習」は学科13時間、実技25時間で構成されています。
ただ「車両系建設機械(整地・運搬・積込み用および掘削用)運転技能講習」の資格を取得している場合、5時間の講習で資格取得が可能です。
多くの教習所で「車両系建設機械(解体用)運転技能講習」は5時間枠しかないので、整地・運搬・積込み用及び掘削用を取得してから解体用の資格を取得する必要があります。
2つの講習を受ける場合、約40時間、13万円〜15万円がかかるので、面倒に感じる人もいるでしょう。
講習を面倒に思う人や講習を受ける時間がない人には、重機を使う工程を業者に依頼するのがおすすめです。
注意事項を把握して安全に解体作業を進めよう
家の解体は自分でもできます。
自分で解体工事をする場合、以下のような手順で進めます。
1. 届出や申請を提出する
2. ライフラインの停止をする
3. 重機や作業道具を確保する
4. お祓いや近隣への挨拶をする
5. 養生を設置する
6. 解体作業をする
7. 廃棄物を処分する・土地の掃除をする
8. 建物滅失登記の申請をする
自分で解体工事はできますが、工事をするには手続きや資格が必要になります。
また解体工事に伴うトラブルやリスクの責任をすべて負わなければいけません。
専門家や業者を部分的に利用し、解体工事を安全に進めましょう。
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