解体工事で起こりうるトラブルの事例10選と対策方法
解体工事のトラブルは、契約から工事が完了するまでの間、いつでも起こりうる恐れがあります。
「工事中だけ気をつけていれば大丈夫」ということはないので、施主としてトラブルが起きないようにしましょう。
また解体業者が優良でない場合もあり、近隣住民や施主自身にも迷惑がかかる恐れがあるので、ご注意ください。
本章では解体工事で起こりうるトラブルの事例や対策方法を紹介します。
解体工事で起こりうるトラブルには下記の内容が挙げられます。
● 工事前に近隣住民に挨拶をしていない
● 適切な足場・養生の設置ができていない
● 損害賠償保険に加入していない
● 路上駐車で迷惑がかかる
● 騒音や振動によってトラブルになる
● 埃や粉じんが舞ってしまう
● 工期や費用が見積もりと大幅にずれる
● アスベストが適切に処理されていない
● 廃棄物が適切に処理されていない
● 解体工事自体を放棄してしまう
上記のトラブルを未然に防げるように、解体工事を検討している方はぜひ以下の内容を参考にしてください。
工事前に近隣住民に挨拶をしていない
工事前によく発生するトラブルのひとつが「近隣住民に挨拶をしていない」ことです。
解体工事をすれば、多少なりとも迷惑をかけることになります。
例えば急に隣の家から騒音がなったり、大きな振動がしたりするとびっくりしてしまいますよね。
人によっては迷惑に感じることもあるでしょう。
質の悪い業者の場合、事前に挨拶をしないで、工事に入ってしまう恐れがあります。
対策方法
工事前の近隣住民への挨拶は、業者と施主が一緒に行うのがおすすめです。
挨拶だけでなく、工事の日程や時間、内容などを伝えるための説明会も行うとトラブルが起きにくくなります。
基本的には業者が主導して挨拶をしてくれますが、一部の業者では近隣住民への挨拶をしないで工事をする場合もあります。挨拶や事前説明会を開催する様子がなければ、施主が業者の方に働きかけましょう。
適切な足場・養生の設置ができていない
工事前によく発生するトラブルには「適切な足場・養生の設置がされない」ことが挙げられます。
解体工事をする場合は、足場を組んだり、騒音や振動軽減のため養生シートを設置したりします。
足場の設置が不十分だと倒れてしまったり、作業員が怪我をしてしまったりする恐れがありとても危険です。足場が倒れてしまうと、近隣の建物や所有物、公共の物を壊してしまうこともあります。
また、養生シートが古くボロボロの場合、騒音・振動の軽減や埃・粉じんの飛散防止ができなくなり、トラブルになりやすいです。
対策方法
足場や養生に関して施主ができることは多くありませんが、実際にどのようなシートが付けられているか現場を見に行きましょう。
あまりにもボロボロの物が使われている場合は、作業員に確認してください。
また、見積書の養生シートや足場の費用が、適正かどうかも確認しましょう。
あまりに安すぎる場合には古い物を使用する恐れがあるので、しっかりと確かめてください。
損害賠償保険に加入していない
解体工事で起こるトラブルに挙げられるのは「損害賠償保険に加入していない」ことです。
解体工事中は、いつでも事故やトラブルが起こる危険性があります。
場合によっては近隣の建物や所有物、公共の物を傷つけてしまい責任を取る必要があります。
基本的に解体工事中に発生した事故やトラブルは、解体業者が責任を負うことになっていますが、業者が損害賠償保険に加入していないと適切な対応ができません。
業者が適切な対応ができない場合、施主も損害賠償を求められる恐れがあります。
対策方法
解体業者が損害賠償保険に加入しているか、契約前に確認しておきましょう。
また、検討している解体業者の口コミを調べて「過去にトラブルは起きていないか」や「トラブルに適切に対処したか」などを確認するのがおすすめです。
路上駐車で迷惑がかかる
解体工事では、業者の路上駐車で渋滞が発生するなどのトラブルがよく起こります。
解体工事をする際、場合によっては工事車両を道路に停めることがあります。
道路に工事車両を停める場合は、あらかじめ警察署などに申請の提出が必要です。
申請を怠ってしまうと、指導や勧告の対象となってしまいます。
道路の本来の用途に即さない道路の特別の使用行為で、交通の妨害となり、又は交通に危険を生じさせるおそれのあるものは、一般的に禁止されていますが、このうち、それ自体は社会的な価値を有することから、一定の要件を備えていれば、警察署長の許可によって、その禁止が解除される行為を、道路使用許可が必要な行為として道路交通法第77条第1項に定めています。
※出典:警察庁ウェブサイト
対策方法
解体業者を決める際は、資格や認可を持っている会社かどうか確認しましょう。
資格や認可を持っていない業者の場合、問題になる恐れがあります。
また検討中の業者が、狭い道路や場所での工事実績があるかなども判断材料になりますよ。
騒音や振動によってトラブルになる
解体工事でよく起こるトラブルが「騒音や振動」によるものです。解体工事ではどうしても、騒音や振動が発生してしまいます。
前述でも解説したように、挨拶なしに突然解体工事が始まり、騒音や振動が発生すると、近隣の方は迷惑に感じてしまいます。
また騒音規制法で、決められた時間、日数、曜日にしか工事は行えません。
1号区域 | 2号区域 | |
---|---|---|
作業時間帯 | 7時から19時まで | 6時から22時まで |
作業時間 | 1日あたり10時間以内 | 1日あたり14時間以内 |
同一場所で連続6日以内 | ||
作業日 | 日曜日・休日でないこと 休日:国民の祝日に関する法律に規定する休日 |
対策方法
近隣に挨拶を行う際に、工事の詳細についてしっかり説明しておきましょう。
● 工事日程(いつどの工事をするのか)
● 工事内容(騒音が出る作業なのか)
● 工事期間(何日から何日までなのか、どれくらいかかるのか)
● 施主・業者の連絡先
上記について近隣住民に伝えておくのがおすすめです。
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埃や粉じんが舞ってしまう
解体工事中は騒音や振動の他に、埃(ほこり)や粉じんの飛散も必ず発生します。
埃や粉じんは、近隣住民の洗濯物や外壁を汚すだけでなく、健康被害も与える恐れがあります。
粉じんはアレルギー症状を引き起こす原因にもなるので、注意しましょう。
対策方法
埃や粉じんが原因でトラブルにならないように、施主は業者がしっかりと対策をしているか確認しましょう。
実際に現場に赴いて、養生シートがボロボロだったり、たるんでいたりしないかチェックしてみてください。
工期や費用が見積もりと大幅にずれる
近隣とのトラブルの他にも、施主と業者間のトラブルも考えられます。
契約時の工期や費用が工事後に大幅にずれてしまい、問題になることもあります。
工期は天候に左右されることがありますが、問題なのは天候とは関係のない理由で工期が遅れる場合です。
また悪質な業者では安価な見積り金額を提示して工事を請け負い、高額な追加費用を請求したりします。
「産業廃棄物の量が想定以上だった」「地中埋設物が出てきた」などの理由をつけて、追加費用を請求される場合があります。
対策方法
工期の遅延に対する対策方法として、解体業者を選ぶ際に過去の実績や、工程の確認をしましょう。
見積もりを依頼する際に工程表もお願いして、無理のない日程で行われるか確認してみてください。
また工事期間中に自分で現場の進捗を確認するのも良いですよ。
追加費用の過剰請求を防ぐためには、契約前に追加費用についてしっかりと業者とすり合わせておくのが、おすすめです。
また複数者に見積もりを依頼し、解体業者の相場について理解しておくと良いでしょう。
>> 解体工事の期間の目安は?工事の流れと工期短縮のポイントを解説
>> 家の解体費用の相場は?出費を抑える方法や注意点も詳しくご紹介!
>> 解体工事の見積書はここをチェック!内訳や解体費用もご紹介
アスベストが適切に処理されていない
解体工事では、アスベストの不適切な処理によるトラブルもあります。
アスベストは健康被害を引き起こす原因になるので、有資格者の適切な処理が必要です。
業者によってはアスベストの調査をしなかったり、処理を行わずに解体工事を開始するケースもあるので注意しましょう。
石綿(アスベスト)は、天然に産する繊維状けい酸塩鉱物で「せきめん」「いしわた」と呼ばれています。
以前はビルなどの建築工事において、保温断熱の目的で石綿を吹き付ける作業が行われていました。
しかしその繊維が極めて細いため、石綿が飛散して人が吸入してしまうおそれがあるため、昭和50年に原則禁止されました。
※厚生労働省ホームページ
(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/sekimen/topics/tp050729-1.html)を元に作成
対策方法
解体する建物が古い場合は、念のためアスベストの事前調査をしてもらいましょう。
また、アスベストの処理が適切にできない業者には、工事の依頼をしないほうが良いでしょう。
廃棄物が適切に処理されていない
解体工事自体が完了しても、廃棄物の処理でトラブルになる恐れも大いにあります。
解体工事で出る廃棄物は、産業廃棄物として「廃棄物処理法」に従った処理が必要ですが、山林や空き地などに不法投棄する悪質な業者もいます。
不法投棄などの違法行為を業者が行うと、施主も責任を問われる恐れがあります。
単に営利を目的とする企業活動にとどまらず、公共的事業をも含む広義の事業活動に伴って排出された廃棄物のうち、燃えがら、汚でい、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類およびその他法で定める廃棄物をいうものであること。
産業廃棄物は事業者が自らの責任において行わなければならない。
参考:環境省ホームページ(https://www.env.go.jp/hourei/11/000516.html)
対策方法
解体工事完了後に、マニフェスト伝票を確認しましょう。
マニフェスト伝票とは、産業廃棄物管理票ともいわれており、解体工事で発生した産業廃棄物が処理法に従って処理されているか管理するものです。
きちんとした業者であれば、マニフェスト伝票を発行してくれるので、業者に発行を依頼ししっかりと処理されたか確認しましょう。
解体工事自体を放棄してしまう
一部の悪質な業者は工事代金だけ請求して工事をまったくしないというケースもあります。
解体工事の放棄には、確信的にやっている場合と、自分たちでは手に負えなくなった場合があります。
対策方法
悪質な業者に当たらないように契約をする前に、口コミを参考にしましょう。
万が一悪質な業者に工事を放棄され連絡がつかない場合は、弁護士や消費者センターに相談するのがおすすめです。
相談先については以下より詳しく解説するので、参考にしてみてください。
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解体工事トラブルの相談先
解体工事でトラブルになってしまった場合の相談先は、下記3つです。
● 弁護士
● 法テラス
● 消費者センター
解体工事を検討している方は、万が一のために以下の内容を頭に入れておきましょう。
弁護士
解体工事でトラブルにあった場合、弁護士に相談するのがおすすめです。
素人ではわからない法律的なことや専門知識を理解している弁護士に、相談することで解決できる可能性が高くなります。
建築関係の実績や、解体工事に関するトラブルを強みとする弁護士を選ぶのが良いでしょう。
法テラス
解体工事のトラブルの相談先には「法テラス」も挙げられます。
法テラスは弁護士のようにトラブルに対して、直接関与するのではなく、適切な相談先や法的に解決できるかどうかのアドバイスなどを専門としています。
刑事・民事を問わず、国民のみなさまがどこでも法的なトラブルの解決に必要な情報やサービスの提供を受けられるようにしようという構想のもと、総合法律支援法に基づき、平成18年4月10日に設立された法務省所管の公的な法人。
引用:日本司法支援センター(法テラス)
消費者センター
弁護士の相談費用に不安がある方には、消費者センターへの相談がおすすめです。
消費者センターでは原則無料でトラブルの相談ができます。
消費者センターで解決できない場合は、弁護士を紹介されることが一般的なので、消費者センターに相談してから弁護士を利用するのが良いでしょう。
トラブルなしで解体工事を円滑に進めよう
本記事では解体工事で起こりうるトラブルについて解説しました。
トラブルを避け、円滑に解体工事を進めるために事前にしっかりと対策しましょう。
万が一トラブルが起きてしまった場合、弁護士や消費者センター、法テラスに相談するのがおすすめです。
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