築50年の住宅の問題点
築50年の住宅には次のような問題がよく見られ、リフォームの検討が必要です。
● 独立基礎のため災害時に不安がある
● 独立キッチンが多くリビングから孤立している
● 部屋が細かく区切られており不便
● 新耐震基準を満たしていない恐れがある
● 構造部の劣化が進んでいる恐れがある
● 冬は寒く、夏は暑い
独立基礎のため災害時に不安がある
築50年の住宅は独立基礎でつくられていることがあり、災害時のダメージが懸念されます。
独立基礎とは、1本の柱の下に単独で設置される基礎のことです。
柱のない部分にも基礎がある「ベタ基礎」や「布基礎」と比べると、独立基礎は衝撃に対して弱い傾向があります。
地震や台風などの災害時に倒壊する恐れがあるため、立地条件によっては基礎部分の補強をしたほうがよいでしょう。
独立キッチンが多くリビングから孤立している
築50年の住宅は独立キッチンが多く、キッチンがリビングから離れていることがあります。
現代のキッチンはリビングやダイニングとの間に壁がない「オープンキッチン」が主流です。
しかし、築50年の住宅ではキッチンがダイニングの裏にあったり、玄関付近に独立して設置されていたりします。
家事をしながら家族とコミュニケーションを取るのが難しいため、LDK(※)への変更を実施するケースが多数見られます。
※リビング・ダイニング・キッチンの3つが1つの空間になっている間取りのこと
部屋が細かく区切られており不便
築50年の住宅は間取りが古く、部屋が細かく区切られていることがあります。
家族の人数が少ない現代では、必要以上に部屋が多いと不便に感じるでしょう。
また、LDKのように広々とした空間が家の中にほとんどなく、現代の住宅と比べると閉塞感があります。
さらに和室が多いため、掃除やメンテナンスの手間に悩む方も多いでしょう。
新耐震基準を満たしていない恐れがある
築50年の住宅は新耐震基準を満たしておらず、耐震性が低い恐れがあります。
耐震基準は1981年に強化され、旧耐震基準から新耐震基準に変わりました。
築50年の住宅は新耐震基準に変わる前に建築されているため、現代の住宅と比べると耐震性の低さが懸念されます。
構造部の劣化が進んでいる恐れがある
築50年の住宅は構造部の劣化が進んでいる恐れがあります。
屋根や壁の雨漏りが内部の腐食を引き起こしていたり、柱や床の下など、普段は見えない部分でシロアリの被害を受けていたりするかもしれません。
配管の劣化による水漏れの心配もあります。
外見上はさほど古い家に見えない場合でも、構造部の劣化が進んでいて、安全性に問題があるかもしれません。
リフォーム前にホームインスペクション(住宅診断)を受けるのがおすすめです。
冬は寒く、夏は暑い
築50年の物件は断熱対策があまり行われていないことが多いです。
そのため、冬は隙間風により家の中が冷えて寒いときや、夏には暑い外気が侵入してくることがあります。
また、冷暖房の効率が悪く、冷暖房代もかかります。
築50年の住宅は、そもそも断熱材が使用されていなかったり、窓の断熱性が低かったりします。
快適性が気になる場合は、断熱リフォームを検討しましょう。
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築50年の住宅が優先すべき300万円以下のリフォーム
築50年の住宅を300万円以下でリフォームを実施したい場合、次のリフォームを優先しましょう。
● 耐震リフォーム
● 屋根リフォーム
● 外壁リフォーム
● 水回りリフォーム
● 断熱リフォーム
耐震リフォーム
旧耐震基準で建築されている場合、新耐震基準を満たすようにリフォームする必要があります。
工事の必要性を調べるため、まずは耐震診断を依頼しましょう。
耐震リフォームを実施する場合、具体的な工事内容によって25~200万円程度の費用がかかります。
耐震リフォームの工事内容と費用相場は次の表の通りです。
工事内容 | リフォーム費用相場 |
---|---|
筋交いを施工する耐震リフォーム | 5~20万円/箇所 |
耐震パネルを施工するリフォーム | 25~65万円 |
屋根の軽量化を行う耐震リフォーム | 80~150万円 |
現状や工事の組み合わせによっては300万円以上になることもあるので、施工業者と細かく打ち合わせをしましょう。
屋根リフォーム
屋根が劣化していると雨漏りにより住宅全体が傷む恐れがあるので、屋根リフォームの工事を優先して検討しましょう。
屋根は劣化状況に合わせて塗り替えや葺き替えなどの工事が必要です。
工法の特徴や費用相場は、次の表を参考にしてください。
屋根の工法 | 特徴 | リフォーム費用相場 |
---|---|---|
塗り替え | 既存の屋根に塗装を行い、塗膜で屋根材を保護する | 15〜80万円 |
カバー工法(重ね葺き) | 既存の屋根を残したまま新しい屋根を重ねて設置する。解体や廃材処理が不要 | 60〜250万円 |
葺き替え | 既存の屋根を撤去してから新しい屋根を設置する | 70〜260万円 |
屋根の状態によって、工法が変わる場合があります。
どの工法が適しているか、施工業者に相談してみましょう。
外壁リフォーム
外壁も劣化すると雨漏りの原因となるため、塗り替えや張り替えなどによるリフォームが必要です。
工法の特徴や費用の目安は、次の表を参考にしてください。
外壁の工法 | 特徴 | リフォーム費用相場 |
---|---|---|
塗り替え | 既存の壁に塗装を行う | 60〜180万円 |
カバー工法(重ね葺き) | 既存の外壁材を残したまま新しい外壁材を張る | 130〜220万円 |
葺き替え | 既存の外壁材を撤去してから新しい外壁材に張り替える | 150~300万円 |
塗り替えは使用する塗料により大きく費用が異なります。
光触媒塗料のように機能性が高い塗料の場合は、上記の費用目安より高額になる場合もあります。
予算内に収まるよう、工法や塗料は施工業者とよく相談して決めましょう。
水回りリフォーム
水回りの設備が古いと水漏れが起きやすくなります。
古い設備は使い勝手が悪く家事もしにくいので、劣化状況に合わせてリフォームを検討しましょう。
水回りのリフォーム費用相場は次の表の通りです。
リフォーム箇所 | リフォーム費用相場 |
---|---|
浴室 | 50〜150万円 |
トイレ | 15〜50万円 |
キッチン | 50〜150万円 |
洗面所 | 10〜50万円 |
配管が劣化している場合は、配管工事も必要になる場合があります。
設備の入れ替えだけでなく移動もしたい場合は電気・配管工事が必要となるため、上記の費用目安より高額になるケースがあります。
断熱リフォーム
断熱性が低いと冷暖房の効率が悪く、電気代が高くなります。
安全性に直結する問題ではありませんが、快適な暮らしのためにも断熱リフォームも検討しましょう。
工事内容 | リフォーム費用相場 |
---|---|
壁に断熱材を施工 | 4,000~30,000円/㎡ |
天井の断熱化 | 4,000~8,000円/㎡ |
床下の断熱化 | 4,000~8,000円/㎡ |
内窓(インナーサッシ)追加 | 8~30万円/箇所 |
屋根の断熱塗装 | 3,000~6,000円/㎡ |
外壁の断熱塗装 | 2,300~4,500円/㎡ |
上記すべての断熱工事を実施した場合は、300万円以上かかることもあります。
予算を施工業者に伝えた上で、どのような工事を優先すべきか相談しましょう。
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築50年以上の住宅を300万円でリフォームした施工事例
ここでは、築50年以上の住宅を300万円以内でリフォームした施工事例をご紹介します。
築年数の古い住宅でなるべく費用を抑えてリフォームしたい場合の参考にしてください。
狭いお風呂場をおしゃれなシャワーブースに
建物構造 | 木造軸組み工法 |
---|---|
築年数 | 100年 |
リフォーム費用 | 100〜150万円 |
リフォーム箇所 | 風呂・浴室 |
給水管・給湯管を鉄管から樹脂管に変更する工事も実施しています。
>> この事例の詳細を見る
多くの劣化個所をまとめて修復
建物構造 | 木造軸組み工法 |
---|---|
築年数 | 50年 |
リフォーム費用 | 200〜250 |
リフォーム箇所 | 外壁塗装・外壁 |
穴が空いてしまった雨樋は掛け替えを行い、外壁(焼き板)は劣化状況に合わせて塗装と張り替えで施工しています。
軒天井のプリントベニヤも新しく張り替えました。
>> この事例の詳細を見る
築50年のアパートを暮らしやすく
建物構造 | 木造軸組み工法 |
---|---|
築年数 | 50年 |
リフォーム費用 | 260万円 |
リフォーム箇所 | キッチン 、 トイレ 、 洗面所 、 リビング 、 玄関 |
ご要望は「長年過ごしてきた歴史を感じられる」「赤ちゃんがいるご家族が過ごしやすい住宅にしたい」ということ。
綿密な打ち合わせを行い、間取り変更や水回りのリフォームを行いました。
>> この事例の詳細を見る
水回りを中心にリフォーム
建物構造 | 木造軸組み工法 |
---|---|
築年数 | 50年 |
リフォーム費用 | 約300万円 |
リフォーム箇所 | 家全体・リノベーション 、 キッチン 、 風呂・浴室 、 トイレ 、 その他 |
給排水工事や浄化槽の位置変更も実施しています。
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無垢の木を使った内装リフォーム
建物構造 | 木造軸組み工法 |
---|---|
築年数 | 75年 |
リフォーム費用 | 250〜300万円 |
リフォーム箇所 | 家全体・リノベーション |
無垢の木を多く取り入れ、温かみのある風合いの和モダンに仕上げています。
>> この事例の詳細を見る
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築50年のリフォームを300万円に抑えるコツ
築50年のリフォームを300万円に抑えるには、次のような方法を実施して工事費用をなるべく安くしましょう。
● 補助金・助成金を申し込む
● 減税制度を利用する
● 複数の業者に相談する
補助金・助成金を申し込む
経済的な負担を減らすため、リフォーム関係の補助金・助成金を申し込みましょう。
国土交通省による「長期優良住宅化リフォーム推進事業」では、既存住宅の長寿命化や省エネ化などのためのリフォームを対象に補助金を支給しています。
対象の工事は耐震工事や断熱サッシへの交換、給水・排水管の工事などです。
工事内容によって100~250万円を限度に、対象工事費用の3分の1を補助してもらえます。
出典:「長期優良住宅化リフォーム推進事業」(国土交通省)を加工して作成
独自の補助金や助成金を提供している自治体もあります。
たとえば大阪市の「民間戸建住宅等の耐震診断・改修等補助制度」では、耐震診断や耐震工事に要する費用の一部を補助しています。
補助限度額は工事の内容によって異なり、1戸あたり5~50万円です。
出典:「民間戸建住宅等の耐震診断・改修等補助制度」(大阪市)を加工して作成
実施している補助金・助成金制度は自治体により異なります。
どのような制度があるかお住まいの市町村に問い合わせてください。
減税制度を利用する
次のリフォームを実施する場合、固定資産税の減税ができます。
リフォーム内容 | 減税割合 |
---|---|
耐震リフォーム | 1/2 |
バリアフリーリフォーム | 1/3 |
省エネリフォーム | 1/3 |
長期優良住宅化リフォーム | 2/3 |
固定資産税の減税は、工事から3か月以内に各自治体の窓口へ申請しましょう。
また、10年以上のローンを借りてリフォームする場合は、住宅ローン減税も利用できます。
年末ローン残高の0.7%を所得税から控除でき、1年で最大14万円の控除が可能です。
住宅ローン減税は最長で10年間受けられます。
住宅ローン減税の申請は初年度は確定申告で行い、翌年以降は年末調整で行います。
毎年確定申告を行っている方は、翌年以降も確定申告で手続きをします。
複数の業者に相談する
リフォームを計画する際は、複数社に工事内容を相談してみましょう。
複数社に相談することで相場が分かり、適正価格で工事を実施できます。
最低でも3社を目安に見積もりを依頼してみましょう。
工事内容の提案も施工業者により異なることがあります。
なぜ・どのような工事が必要なのか複数の業者から意見を聞き、本当に必要な工事を予算内で実施できるようにしましょう。
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築50年の住宅は部分的なリフォームなら300万円で可能
築50年の住宅は300万円でもリフォーム可能ですが、施工箇所が限られます。
安全性に関係する耐震工事や屋根・外壁などを優先しつつ、予算内でどのような工事ができるか施工業者に相談してみましょう。
補助金や助成金、減税制度なども利用しながら、300万円でリフォームできるよう計画してください。
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