水が少しずつ流れる場合はつまりを放置しても大丈夫?
水が少しずつしか流れないトイレのつまりには、放置しても大丈夫な自然に直るケースと、自然には直らないためそのままにしてはいけないケースがあります。
本章では、それぞれのケースについて解説するため、ご自宅のトイレの状況がどちらに該当するのか確認してみてください。
放置してもいいつまり
放置してもいいつまりは、つまりの原因が水に溶ける特徴を持つもので、自然につまりが解消する可能性があるケースです。
水に溶けるものの一例としては、次のようなものが挙げられます。
● 便(排泄物) ● トイレットペーパー ● おしりふき、お掃除シート、トイレブラシなど、トイレに流せると記載のある商品 |
これらがつまっている場合は、2~3時間放置しておくとつまりが解消する可能性があります。
2~3時間放置してもつまりが解消されない場合は、別の対処法に切り替えましょう。
なお、トイレットペーパーの中でも海外製のトイレットペーパーは溶けにくいため、注意が必要です。
放置NGのつまり
放置NGのつまりは、水に溶けないものをトイレにつまらせてしまったケースです。
こちらのケースでは、放置しても溶けていかないため、つまりは解消されません。
つまりの主な原因となるものには、次のようなものが挙げられます。
● ティッシュペーパー ● 生理用ナプキン ● 紙おむつ ● たばこの吸殻 ● 残飯 ● 金属、プラスチック製品などの固形物 |
つまりが悪化する恐れもあるため、水で溶けないつまりの放置はやめましょう。
トイレつまりを放置するとどうなる?
トイレのつまりを放置すると、どうなるのでしょうか。
つまりを放置すると、さまざまなトラブルが発生する恐れがあるため、早めの対応が欠かせません。
つまりを放置することで生じる事象としては、次の3つが挙げられます。
● 水漏れが起こる
● 室内に汚水があふれ出す
● 悪臭が発生する
便器の中は、水が溜まっているのが正常な状態です。
これは封水と呼ばれ、害虫の侵入や臭いを防ぐ役割を持ちます。
しかし、トイレがつまると封水の水位が下がってしまい、下水管の悪臭が逆流して悪臭が充満する恐れがあります。
>> トイレが急に下水臭いのはなぜ?主な原因と自分でできる対策方法を解説
また、つまったまま使い続けていると、トイレ内に溜まった汚水が室内にあふれ出す恐れもあります。
汚水は汚物や雑菌に汚染されているため、衛生面で注意が必要です。
さらに、自宅がマンションやアパートなどの共同住宅の場合、多くがトイレの配管を共有しています。
その場合、トイレのつまりを放置すると下の階への水漏れにつながることがあるため注意が必要です。
トラブルに発展したり、賠償金を請求されたりするケースにつながりかねません。
修理費用以上の金額を負担するリスクが高くなるため、早めの対処が重要です。
トイレがつまり水が少しずつ流れる4つの原因
トイレのつまる原因について解説します。
①水に溶けるものがつまっている
水に溶けるものであっても、トイレつまりを引き起こす恐れがあります。
トイレつまりの原因の多くは、トイレットペーパーを大量に流したことによるつまりです。トイレットペーパー自体は水に溶ける性質を持っていますが、大量に流すことで溶けるスピードが追いつかず、トイレがつまる原因となってしまいます。
また、お掃除シートなどのトイレに流せると記載のある商品も、一度に大くの量を流すとつまりの原因になります。
これらの商品は、説明文に「1枚ずつ流してください」と記載されていることがほとんどです。
水に溶けるからどんどん流していいと勘違いするのではなく、説明書をしっかり確認して正しく使うようにしましょう。
②固形物がつまっている
固形物などの流れないものがつまることも、トイレの水が少しずつ流れる原因です。
誤ってトイレに固形物を流すと、トイレをつまらせる原因となるため注意しましょう。
トイレに流し(落とし)がちなものとしては、次のようなものがあります。
● 服のボタン ● アクセサリー ● スマートフォン ● カギ |
また、生理用品や紙おむつはそもそも水に溶けないため、トイレに流してしまわないように注意しましょう。
③排水管に汚れが溜まっている
配水管に汚れが溜まっている場合も、水の流れが悪くなる原因のひとつです。
自宅の築年数が古い場合や排水管清掃を定期的に行っていない場合は、排水管に汚れが蓄積して水の流れが悪くなる恐れがあります。
排水管の汚れが原因のときは、トイレの水が流れるパイプの内側に問題がある可能性が高く、パイプは見えない位置にあるため自力での修復は困難です。
トイレ自体には問題が見られず、トイレに物をつまらせてしまった覚えもない場合は、排水管の汚れを疑うとよいでしょう。
④タンクから流れる水の量が少ない
タンクの故障やタンクから流れる水の量が少なすぎると、トイレットペーパーや汚物が流されきらずつまりの原因になるため、注意しましょう。
たとえば、水を流すときに「小」レバーで流している、タンク内にペットボトルなどを入れて、水量のかさ増しをしているといったような場合は流れる水の量が不足してしまい、つまりを引き起こしてしまう恐れがあります。
そのほか、タンク自体が故障しているケースも考えられるでしょう。
上記のようなことをしていないのに、普段より水量が少ないと感じた場合は専門業者に早めに確認を依頼することをおすすめします。
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トイレつまりの3つの対処法
トイレつまりが起こった場合の対処法についても、押さえておきましょう。
①水溶性のものの場合
つまりの原因が水溶性のものの場合は、次の4つの対処法が考えられます。
1 ラバーカップ(スッポン)を使う
2 水もしくはぬるま湯を流す
3 洗剤を使う
4 重曹とクエン酸を使う
ラバーカップ(スッポン)を用いる方法では、便器に圧力をかけて水を流れやすくします。
ラバーカップ使用中はトイレの水が飛び散る恐れがあるため、ビニールや新聞紙で壁や床を保護しておくと安心です。
水もしくはぬるま湯(40~60度)を流す方法では、水を含ませることでつまりの原因物をやわらかくしてから流れやすくします。
なお、ぬるま湯ではなく熱湯を使うと便器が破損する恐れがあるためやめましょう。
強アルカリ性のトイレつまり専用洗剤を使って、排水管のつまりを解消する方法も効果的です。
アルカリ性洗剤はホームセンターやドラッグストアなど市販されており、タンパク質の構造を分解する効果が期待できます。
主に、次のようなつまりの原因の場合に有効です。
● 排泄物 ● 髪の毛 ● 嘔吐物 ● 残飯 |
アルカリ性洗剤は酸性洗剤と併用すると、有毒ガスが発生する危険性があるため注意してください。
そのほか、重曹とクエン酸を混ぜて炭酸ガスの泡を発生させ、原因物質をほぐしてつまりを解消する方法もあります。この場合も、換気を十分に行いながら作業してください。
②固形物など水に溶けないものの場合
排水管の前で固形物や水に溶けないものがつまっていれば、手で取れる可能性があります。
その際は、ゴム手袋を着用して対処しましょう。
手で届く範囲に原因物質がない場合は、自力での対処が難しいため、業者へ修理を依頼することをおすすめします。
無理にブラシなどを突っ込むと、状況の悪化につながる恐れもあるためやめましょう。
③排水管汚れや原因不明の場合
トイレ自体につまりの原因がなく、かつ何かをつまらせた覚えがない場合は、排水管の汚れが原因だと考えられます。
その場合も、業者へ早急に修理を依頼しましょう。
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トイレのつまりに対する予防策
トイレつまりを起こさないためには、日頃からトイレを正しく使うことが重要です。
トイレのつまりに対してできる予防策もご紹介します。具体的な予防策は次の5つです。
- トイレはこまめに流す
- トイレットペーパー以外は流さない
- トイレに余計なものを持ち込まない
- トイレはこまめに掃除する
- 誤った節水対策をしない
トイレつまりを起こさないようにするためにも、トイレットペーパーはこまめに流すようにしましょう。
また、トイレに流せるとうたっている商品でもなるべく流さないようにすることも大切です。
そのほか、トイレに余計なものを持ち込まない、汚れを蓄積しない、誤った節水方法をしない、といったつまりの原因を避けることが予防策になります。
これらのつまりを起こさない予防策を心がけて、未然にトイレつまりを防ぎましょう。
もし10年以上使用しているトイレであれば、つまりが発生するリスクも高まるため、交換も視野に検討してみてもいいかもしれません。
トイレつまりは放置せず業者に任せよう!
水が少しずつ流れているトイレつまりは、原因によって対応が異なります。
水に溶けるものがつまっている場合、そのままで状況が改善される可能性もありますが、固形物や水に溶けないものがつまっている場合は早急な対応が必要です。
水に溶けるものをつまらせた場合は、ご紹介した対処法をぜひ試してみてください。
それでもトイレつまりが解消されない場合は、専門業者に依頼することをおすすめします。
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