ソーラーカーポートとは?
ソーラーカーポートとは、太陽光発電ができるカーポートのことです。
通常のカーポートとして利用できるだけでなく、蓄電池システムと組み合わせることで電気自動車の充電ステーションとして活用できるものもあります。
ソーラーカーポートは、次の2つのタイプに分けられます。
<ソーラーカーポート/2つのタイプ> ● カーポートと太陽光発電パネルの一体になったタイプ ● カーポートの上に太陽光発電パネルを搭載したタイプ |
カーポートと太陽光発電パネルが一体になったタイプは、カーポートの屋根面積のほぼすべてがパネルになるため、発電量が多い傾向にあります。
また、強風時にパネルが外れることや、パネルと屋根の間にゴミが溜まることがありません。
一方、カーポートの屋根の上に太陽光発電パネルを別途搭載するタイプは、屋根よりもパネルのほうが小さくなることがあります。
発電量が少なくなるケースも見受けられるため、注意しておきましょう。
さらに強風時にパネルが外れたり、隙間にゴミが溜まったりするリスクが高まるだけでなく、パネルの重量をカーポートが支えきれないこともあります。
ソーラーカーポートで後悔!よくある失敗例5選
タイプに関係なく、「ソーラーカーポートを設置しなければよかった……」と後悔する方もいらっしゃるようです。
続いて、よくある後悔を5つピックアップしました。
1.初期費用が想定以上に高額だった
ソーラーカーポートの本体と設置にかかる費用は、通常のカーポートと比べて1〜2台用のもので140〜200万円ほど高額になります。
発電できる点は魅力とはいえ、初期費用が高額で負担に感じるかもしれません。
費用相場については、次の表をご覧ください。
サイズ | ソーラーカーポートの 初期費用相場 |
カーポートの 初期費用相場 |
---|---|---|
2台用 | 200〜230万円 | 25〜50万円 |
3台用 | 250〜280万円 | 45〜55万円 |
4台用 | 300〜380万円 | 50〜100万円 |
2.メンテナンス費用を考えていなかった
ソーラーカーポートを運用し続けるには、メンテナンス費用がかかります。
メンテナンス費用がかかることを知らずにソーラーカーポートを設置すると、出費の負担を感じて後悔してしまうかもしれません。
なお、定期点検や清掃などは専門業者に依頼することが一般的で、年間2〜3万円が目安です。
また、清掃代が別途かかることもあります。
3.予想以上に発電量が少ない
予想したよりも発電量が少なく、期待するほどの節電効果を得られないという声もあがっています。
また、次の理由によって、節電量が少なくなる場合があります。
<ソーラーカーポート/節電量が少なくなる場合> ● 強風や飛来物により太陽光発電パネルが破損した ● 雨や雪の日が多い など |
海のそばなら塩害(塩を含んだ潮風によりサビたり故障したりすること)で、発電量が少なくなる場合があります。
そのほかにも、周辺に建った建物により太陽光が遮られ、発電量が期待するよりも減ってしまうこともあるでしょう。
使い続けていると、ソーラーパネルは徐々に発電効率が低下します。
経年劣化も踏まえて発電量をシミュレーションしておかないと、「発電量が少ない」「電気代が節約できない」と後悔することにもなりかねません。
4.建築確認の手続きに手間取った
カーポートを増築する場合、次のどちらかの基準を満たすときは建築確認の手続きを行わなくてはいけません。
<カーポート増築/建築確認の手続きが必要な基準> ● 防火・準防火地域にカーポートを建てる ● 防火・準防火地域以外にカーポートを建てるが、増築部分の面積が10㎡を超える |
建築確認の手続きに手間取り、思わぬ時間がかかってしまうことがあります。
手間と時間がかかることで、後悔が残ってしまう方も少なくないようです。
5.業者に問題があった
施工を依頼した業者に問題があったという点も、失敗例の一つに挙げられます。
業者からソーラーカーポートの契約を強引に勧められたり、設置後に相場よりも高額で建てたことに気付いたりして、後悔するケースもあります。
「定期的に点検・メンテナンスをする」という約束で契約したものの、設置後連絡が取れなくなることもあるようです。
強引さを感じるときは距離を置き、ご自身のペースでカーポートを立てられる業者を選ぶようにしましょう。
>> 後悔しないリフォーム会社の選び方!見るべきポイントを徹底解説
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ソーラーカーポートにはメリットも多い
ソーラーカーポートを設置することで後悔するケースもありますが、その一方でメリットも非常に多いです。
続いて、主なメリットを解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
電気自動車の充電ができる
ソーラーカーポートのなかには、電気自動車の充電に対応したものもあります。
近所に充電ステーションがなくても電気自動車を所有しやすくなるだけでなく、電気自動車にかかるコストを抑えられるでしょう。
また、発電量が十分にある場合なら、電気自動車に必要な電気量をすべてカバーできる可能性があります。
車の維持費を抑えたい方も、ソーラーカーポートの設置をぜひ検討してみてください。
電気代を節約できる
ソーラーカーポートで発電できる分、電気代の節約が可能です。
日当たりやパネルの性能・大きさにもよりますが、2台用のソーラーカーポートなら、次のように電気代を節約できるといわれています。
- 約3,000〜5,000円/月
- 約36,000〜60,000円/年
また、使い切れない電気は、電力会社に売却(売電)できることもあります。
国内の住宅で主に採用されている、「余剰売電」の方式を例に見ていきましょう。
<余剰売電とは> 太陽光発電した電気から、使った電気をまず引いて、残った電気があれば売電する買取制度を指します。 FIT制度の地域活用要件により、少なくとも発電した30%は自家消費しなければならないため、売電できる電力は全体の7割以下になります。 ただしご自宅で使う電気を節約するほど、余剰電力が増えるため多く売電できることになります。 節電努力を促しやすい制度で、国内の住宅では主にこちらの方式が採用されている状況です。 |
年間の発電量を4,000kW(1日あたりの平均発電量を約11kWとする)とし、ご自宅で使用して余った電気2,680kWを売却したとしましょう。
出力が10kW以上50kW未満の場合、1kWあたりの調達価格は12円になります。
そのため、1kW12円(2024年の基準価格)なら、32,160円の収入が得られます。
ただし、パワーコンディショナーの電圧が電線よりも高くなるときは、売電できないこともあるようです。
売電が可能かどうかは、契約する電力会社にも相談してみてください。
災害時に活用できる
自家発電できると、災害などの理由で停電が続くときも電力を使えるようになります。
調理や給湯などの生活に必要な電力を確保できるようになり、災害時も不便を感じずに過ごせるようになるでしょう。
また、蓄電池があれば、夜間や降雨時も電気を使用できるようになります。
万が一に備えるためにも、発電と蓄電について検討してみてはいかがでしょうか。
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ソーラーカーポートで後悔しないための注意点3つ
ソーラーカーポートで後悔しないためにも、いくつか注意したい点があります。
最後に、主に気を付けるべき点を3つご紹介します。
1.発電量を計算しておく
ソーラーカーポートを設置しても、思うような電力を得られないことや、節約効果・売電収入を得られないこともあります。
「損をしたような気がする……」と後悔しないためにも、ソーラーカーポートを設置する前に、次の数字を計算しておきましょう。
<ソーラーカーポート設置時/計算しておくべき数字> ● 年間の発電量 ● 発電によって節約できる電気代 ● 売電によって得られる収入 |
ソーラーカーポートの初期費用を、節約できる電気代と売電収入の合計で割ると、何年で初期費用を回収できるか概算できます。
2.設置環境を確認しておく
日当たりがよく、十分な発電を期待できるのかという点を確認しておきましょう。
さらに近い将来、日光を遮るような建物が建たないことも把握できると安心です。
また、ソーラーパネルが反射して、周囲に光害を与えるおそれもあります。
近隣の住宅の窓・玄関と向かい合わせにならないように、配慮して設置してください。
3.信頼できる業者に相談する
信頼できる業者かどうかも重要なポイントです。
業者の評判をインターネットでチェックしたり、実際に利用した方に尋ねたりしてみてはいかがでしょうか。
信頼できる業者を探すポイントとして、次のものがあります。
<信頼できる業者を探すポイント> ● ご自身が希望する施工と同様の実績があるか ● 要望・予算に合わせた提案をしてくれるか ● 口コミや成約数の多さを事前に確認しておく など |
また、施工費用やアフターサービスについても確認しておきましょう。
複数の業者から見積もりを取ると、割高な業者を避けやすくなります。
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ソーラーカーポートの費用対効果を計算しておこう
ソーラーカーポートを設置することで、自家発電できるようになります。
すでにご自宅の屋根に太陽光発電パネルを搭載している場合なら、発電量が増え、売電収入も増えるかもしれません。
また、収益性にも注目してみましょう。
電気自動車の充電ステーションを兼ねたソーラーカーポートなら、「電源が車と近くなる」「万が一のときの電力として使える」などのメリットもあります。
なお、ソーラーカーポートはメリットの多い設備ですが、後悔することもあるようです。
後悔の多くは費用面の問題であるため、まずは発電量や電気代の節約額、売電収入、初期費用などを試算するとよいでしょう。
最終的に「費用対効果が得られるか」をしっかり考慮した上で、設置を決めることが大切です。
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