オール電化住宅にリフォーム(リノベーション)する費用は?メリット・デメリット・注意点も解説

更新日:2024年03月19日

オール電化住宅にリフォーム(リノベーション)する費用は?メリット・デメリット・注意点も解説

生活のエネルギー源を全て電力で賄う「オール電化」の住宅。オール電化住宅にリフォーム(リノベーション)する場合、施工費用はどの程度か、暮らしはどんな風に変わるのか、知りたい方も多いことでしょう。そこで、オール電化住宅のメリット・デメリットや、リフォーム工事の費用相場について、チェックしてみましょう。

オール電化(オール電化住宅)とは

オール電化住宅にリフォーム(リノベーション)する費用は?メリット・デメリット・注意点も解説

オール電化(オール電化住宅)とは、調理・空調・給湯などの熱源を、全て電気で賄っている住宅のことを言います。

ガスや灯油など、電気以外のエネルギーにお金がかからなくなるため、一般的に5~7年程度で設置費用の元が取れる計算になることが多いとされています。

主なオール電化製品3つ!

オール電化では以下のような設備を利用します。
それぞれの特徴を見ていきましょう。

IHクッキングヒーター

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ガスではなく、電磁波を使って加熱する調理器具です。
熱の伝導率が非常に高く、エネルギーの消費に無駄がありません。
また、火を使わずに済むことから安全性の高さも評価されています。

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エコキュート・電気温水器

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「エコキュート」は、ヒートポンプの技術を利用した給湯器です。
外気の熱を吸収してお湯を沸かすため、その分電気の使用量を抑えられるというメリットを持っています。

一方「電気温水器」は、電気の力だけでお湯を沸かす給湯器で、エコキュートほどエネルギー効率は良くありませんが、本体価格が安いというメリットがあります。

どちらも電気代が安い深夜の時間帯にお湯を沸かし、溜めておいたものを日中に利用することができます。

>> エコキュートは本当にお得?設置時の価格・メリット・デメリット・注意点
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>> 給湯器の種類の違い!エコキュートや電気温水器とは?

温水式電気床暖房/蓄熱暖房機

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温水式電気床暖房では、エコキュートのお湯を活用することが可能です。設置費を抑えたい方には、電気ヒーター式やPTCヒーター式の床暖房も人気です。
また、深夜電力で蓄熱した熱を日中に使う、蓄熱暖房機(蓄熱ヒーターシステム)という暖房設備もあります。

これらの設備は必須というわけではありませんが、オール電化にする際に取り入れる家庭が多い物です。

>> 床暖房設置リフォームの費用とポイント!おすすめメーカー品9選比較

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オール電化リフォーム9つのメリット

オール電化に変えると、電気の良い部分・便利な部分を最大限に活かすことができます。

光熱費が安くなりやすい

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オール電化住宅は全ての設備を電気だけで賄うため、電気代がかなりかかると思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、総務省統計局の『家計調査』によると、ガスや灯油を併用している住宅の「電気・ガス・灯油」の2014年度の年間平均額は約23万3千円。
対して、全国の電力会社が発表している、オール電化住宅の電気代の年間平均額は約19万円です。
オール電化住宅の方が、光熱費が3万円程度安くなることがわかっています。

光熱費を一本化できる

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電気とガスの両方を利用する場合は、どちらにも基本料金がかかりますが、オール電化では基本料金を支払うのは電気のみになります。
光熱費を一本化することで管理が簡単になるため、節約対策をしやすくなります。

深夜電力を使用できる場合は光熱費が安くなる

電気代は時間帯によって料金が異なる仕組みになっており、電気を利用する人の少ない深夜は一日の内で一番料金が安い時間帯とされています。

エコキュート・電気温水器・蓄熱ヒーターなどは、深夜にお湯を沸かしたり熱を溜めておいたりして、そのエネルギーを日中に利用することができます。
そのため、電気代を効率良く節約できるのです。

火災の不安が少ない

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IHクッキングヒーターにするとキッチンで火を使うことがなくなるため、火災が起こる可能性が格段に低くなります。
また、服に火が燃え移るといった事故も予防できます。

室内の空気が汚れにくい

ガス漏れや不完全燃焼による一酸化炭素中毒のリスクが大きく減ります。
また、ガスコンロは使用するときに二酸化炭素が発生しますが、IHクッキングヒーターなら室内の空気が汚れる心配がありません。

災害時には電気の復旧が早い

自然災害などによってライフラインが途絶えた場合、ガスの復旧よりも電気の復旧の方が早い傾向にあります。
実際、過去にあった大きな震災では、電気→水道→ガスの順に復旧しています。

例えば、2011年3月の東日本大震災時には、停電した850万世帯の電気は1週間、断水した230万世帯の水道は3週間、ガス供給不可となった46万世帯のガスが5週間で、ほぼ復旧しました。

なお、2016年4月の熊本地震の際は、電気・水道は1週間でほとんど復旧したのに対し、ガスが使えるようになるまでは2週間以上かかっています。

貯水タンクが非常時に便利

エコキュートや電気温水器のタンクに溜まっている水は、非常時に役立てることができます。
飲用水としては利用できませんが、手洗い・入浴・トイレなどで活用することが可能です。

太陽光発電との相性が良い

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太陽光発電を導入すると、電気代の高い昼間は発電によって電気を賄い、電気代が割安になる夜間だけ電気会社の電気を利用するという使い方が可能になります。

ただし、設置費用が高額になるため、元がとれるまでに5~7年程度かかります。

火災保険が割引になる場合がある

加入している火災保険によりますが、オール電化住宅にすることで、火災保険料が割引になる場合があります。
この割引の適用を受けるためには、自宅がオール電化であることを証明する書類が必要になります。

割引率は各社異なりますが、例えば、セコム損保の「セコム安心マイホーム保険」は7〜17%割引になります。
ただし、オール電化住宅であっても、ガスストーブなどを使用している場合は適用外になってしまう厳しい条件です。
オール電化割引をうけたい場合には、それぞれの適用条件をしっかりと確認しましょう。

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オール電化リフォーム5つのデメリット

一方、オール電化住宅には以下のようなデメリットがあることもしっかり考えておきましょう。

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家庭によっては電気代が高くなる場合も

電気代が安くなるのは深夜料金に限られるため、生活の仕方次第ではかえって光熱費が高くつくケースがあります。
特に日中に電気をたくさん使うというご家庭は注意が必要です。

一度、オール電化リフォームを依頼する前に、業者と一緒にシミュレーションしてみることをおすすめします。

調理器具が限定される

IHクッキングヒーターは電磁波で加熱するため、土鍋などのように電気を通さない材質の調理器具を使うことができません。
また、中華鍋のように底が丸く強い火力を必要とする物も、ガスコンロのようには使いこなせないことがネックになります。

中には鍋振り料理に対応するIHクッキングヒーターもありますが、本体価格が高額であるため、予算との兼ね合いが必要です。
また、IHで使える土鍋製品もありますが、デザインにこだわりたい方にとっては物足りないかもしれません。

教育には良くないかも?

オール電化住宅にリフォーム(リノベーション)する費用は?メリット・デメリット・注意点も解説

子育て中のご家庭の場合、お子さんが家の中で火やガスを目にすることがなくなります。
これは安全性が高いというメリットがある反面、日常生活の中で火やガスの危険性を教える機会がないということでもあるわけです。

その点をどう補うのかが、親御さんの課題になると言えるでしょう。

停電時に不便

ガスと併用している住宅では、電源を必要としないガス機器であれば停電時でも調理や給湯を行えますが、オール電化住宅の場合は全ての機器が機能しなくなります。

しかし、電気・ガス共に供給を停止してしまった場合、復旧までにかかる時間はガスよりも電気の方が早いという点を考えると、必ずしも電気が不便というわけではありません。

中には停電時の対策が整っている機器もありますので、万が一に備えて、停電時も使えるタイプの製品を選ぶのも良いでしょう。

>> IHがつかない時の原因・対策!修理の費用相場は?

ガスに戻したいときに面倒

キッチンだけガスを使える状態に戻したいというようなときは、機器の取替えだけでなく、ガスの配管工事なども行わなければなりません。

特に、新築で初めからオール電化住宅として建てられている場合は、ガス管すら通っていないこともあるため、大規模なガスの新設工事が発生するので大変です。

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オール電化にリフォームするときの費用

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IHクッキングヒーター、エコキュート、床暖房のオール電化製品をまとめてリフォームすると、費用は大体60~100万円が相場となっています。
以下で、IHクッキングヒーター、エコキュート単体の場合はいくらかかるのかも、具体的に解説します。

IHクッキングヒーター設置 10〜40万円
エコキュート設置 30〜60万円
IHクッキングヒーター・エコキュート・床暖房設置 60〜100万円

IHクッキングヒーター設置リフォームの費用相場

IHクッキングヒーターの設置費用は10~40万円です。
内訳は、IHクッキングヒーター本体価格と、配線工事・IH設置工事費用となります。
ガスコンロからIHクッキングヒーターへの交換を行う場合には、熱源がガスから電気へと変わるため、ガス管の撤去と新たに電気の配線作業が必要になりますが、現在の配線の状態によって工事費用が変動します。

エコキュート設置リフォームの費用相場

エコキュートの設置費用は30~60万円程度です。
エコキュートは、使う人数によって容量が変わりますが、一般的な370L(3〜5人用)・460L(5〜7人用)や、大容量の550Lでも60万円までの間に収まることが多いです。

上記オール電化工事以外に、自家発電のために太陽光を設置するのであれば、さらに123~205万円程度かかります。
適正価格を知るためにも、一括で見積もり依頼をし、複数のリフォーム業者を比較することが一番おすすめです。

オール電化リフォームの前に確認すべき3つのポイント

リフォームする際には、以下の3つの点に問題がないか確認しておきましょう。

オール電化住宅にリフォーム(リノベーション)する費用は?メリット・デメリット・注意点も解説

光熱費の注意点

電気代は深夜に安いことが多いため、現在の契約プランを確認してみましょう。
深夜の電気代がさらにお得になる、オール電化向けの料金プランもあります。

しかし、地域のガス代の方が圧倒的に安いという場合は、オール電化が得になるとは限りません。
まずはしっかりチェックすることが大切です。

IHクッキングヒーターの注意点

IHクッキングヒーターを設置するには、200Vの電源が必要です。
100Vの電線が分電盤に3本届いていれば電圧を変更する工事が可能ですが、ない場合は配線工事の料金が追加で発生します。

エコキュートの注意点

エコキュートのタンクには高さが2mを超える物もあり、設置の際にはスペースを確保することが大前提となります。

また、井戸水を使用する場合は水質によって目詰まりすることもあるため、事前に水質検査を受ける必要があります。

オール電化住宅にリフォーム(リノベーション)する費用は?メリット・デメリット・注意点も解説

費用の節約や安全性の高さが魅力のオール電化住宅。
しかし一方で、注意しなければいけない点もいろいろあります。メリットとデメリットのバランスをしっかり考慮することが必要です。

そのためにも、複数の業者から話を聞いた上で、見積もりをとることをおすすめします。
最も丁寧に対応してくれるリフォーム業者に、工事をお願いしましょう。

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【この記事の要点まとめ◎】

オール電化住宅にリフォーム(リノベーション)する場合の、メリット・デメリットは?
メリットは「光熱費の節約対策をしやすくなること」「火災の不安が少ないこと」「室内の空気が汚れにくいこと」などです。
ただし「ガスに戻したくなったときに面倒」などのデメリットもあります。
オール電化住宅にリフォーム(リノベーション)する場合、費用はいくらかかる?
「IHクッキングヒーター」や「エコキュート」などを設置する際の工事費用についてはこちらで解説しています。
オール電化住宅にリフォーム(リノベーション)する前に、確認すべきポイントとは?
「電気料金の契約プランに注意すること」「エコキュートの設置スペースを確保すること」などです(詳細は、こちら)。
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