1.ビニールクロスの特徴
「ビニールクロス」は、日本のほとんどの住宅で使われています。
塩化ビニール樹脂などを主原料とし、ビニールシートに紙などを裏打ちして作られています。
ビニールという素材の特性上、多様な細工処理が可能なため、カラーが豊富で、プリント柄や大理石調の模様、凹凸のあるエンボス加工など、様々なパターンの物が販売されています。
ビニールクロスのメリット
価格が安く、耐久性が高く、水を通さないため油汚れも拭き掃除で簡単に落とせるのが魅力です。
消臭・抗菌・防カビなどの工夫された機能を備えた商品も次々に開発されています。
デザインのバリエーションが豊富なため、空間に合わせてコーディネートしやすいのも特長です。
ビニールクロスのデメリット
一方で、有害物質であるホルムアルデヒドが接着剤に含まれるため、健康面への影響や、廃棄で焼却する時にダイオキシンが出てしまうことを心配されている傾向があります。
そのため最近では、塩化ビニールの使用量を軽減、糊の部分をデンプン糊にするなどといった試みも続けられていますが、シックハウス症候群などのアレルギー対策をしたい方は避けたほうが良いかもしれません。
【ビニールクロスはこんな方におすすめ!】
・張り替え費用をできるだけ安く抑えたい
・アレルギーの心配が大きくない
・多様な選択肢の中から好みのデザインを選びたい
・(汚れが付きやすいキッチンや玄関などに)掃除が簡単なクロスを張りたい
2.紙クロスの特徴
「紙クロス(紙壁紙)」は、特に欧米で採用されることが多いため、パルプを原料とした洋紙タイプの輸入商品が多数あり、プリント加工やエンボス加工された物も多く見られます。
他にも、コウゾ・ミツマタなどを使った和紙や、ケナフなどの非木材紙を原料とした特殊紙タイプ、表面がフィルム加工された合成紙タイプもあります。
環境や健康に対する面でも安心のため、注目されてきていますが、ビニール素材が含まれている製品もあるため、ビニール素材を避けたい方は、リフォーム会社に確認してみることをおすすめします。
紙クロスのメリット
紙素材は、音を吸収し、空気を通してくれるメリットがあるため、寝室として使う和室に最適です。
和紙のクロスなら柔らかい印象に仕上げられますし、輸入物の洋紙であればヨーロッパ風の鮮やかな雰囲気を演出できます。
紙クロスのデメリット
ビニールクロスに比べて薄いため、下処理を怠ると下地の目地が出てしまい、特に凹凸がある壁に張るのが難しいです。
また、時間経過によって膨張・収縮する可能性があることから、目地が目立ってきてしまうかもしれません。
このため、紙クロスの施工が得意な業者に依頼しないと失敗してしまう恐れがあります。
また、良い業者であっても施工の手間がかかることから、費用が高額になりやすいです。
さらに擦れに弱いため、長持ちさせたい場合は注意が必要です。
なお、商品によって、水拭きができる物とできない物とがあります。
撥水性がない紙クロスの場合、汚れが付着するとそのままシミになってしまうリスクがあります。
【紙クロスはこんな方におすすめ!】
・客間を上品に、もしくは個性的なイメージに仕上げたい
・和室の床の間などの壁を、高級感ある見た目にしたい
・静かで通気性の良い寝室にしたい
3.織物クロス(布クロス)の特徴
「織物クロス(布クロス)」には、木綿・麻といった自然素材を使ったタイプや、パルプ・ポリエステル・レーヨンなどの化学繊維を絡み合わせて作られる不織布壁紙、シルク素材・サテン素材などがあります。
高級感や重厚感があり、ゆったりとした雰囲気を演出してくれるため、美術館やホテルで取り入れられていることが多いです。
破れにくく頑丈で、水に濡れても伸びにくいという性質があります。
ホコリが吸着しやすいので、手入れとしては、はたきをかける方法が良く、水拭きは避けたほうが無難です。
織物クロス(布クロス)のメリット
布素材ならではの風合い・凹凸感が美しく、また紙クロスと同様で通気性に優れており、さらにジメジメしている時には湿気を吸収・乾燥時には水分を放出してくれます。
基本的に自然材料を使うため、化学物質が不安という方からも人気があります。
織物クロス(布クロス)のデメリット
汚れが付着すると落としにくく、防火性のある商品が限られているため、キッチンでの使用にはほぼ向きません。
また普及率が高くないため、取り扱っている施工業者を探すのが大変かもしれません。
【織物クロス(布クロス)はこんな方におすすめ!】
・リビング、洋室、和室などを高級感のある空間にしたい
・布だからこその、暖かみのある風合いを楽しみたい
・はたきで掃除することを面倒と感じない
4.木質系壁紙の特徴
「木質系壁紙」は大きく分けると、銘木(めいぼく)シートとコルクシートの2タイプがあり、薄くスライスした天然木やコルクに、紙やアルミを裏打ちして作られます。
木質系壁紙のメリット
木質系のデザインは、カントリー調の空間にしたい方や、温もりのある雰囲気を作りたい方に最適です。
腰壁として採用することで、空間全体がスタイリッシュになるため、おしゃれな内装にしたい方にも適しています。
木質系壁紙のデメリット
他の素材のクロスと比べると高額になる傾向があります。
このため、全体的に張るのではなく、アクセントクロスとして採用する方が多いです。
洗面所やトイレといった水回りに合うよう設計された製品もありますが、念のため施工前に、耐水性があるかどうかリフォーム会社に聞いてみた方が安全です。
【木質系壁紙はこんな方におすすめ!】
・木やコルクの素材感を堪能したい方
・玄関や廊下に、腰壁やアクセントクロスを導入したい方
5.無機質系壁紙(珪藻土壁紙/漆喰壁紙)の特徴
「無機質系壁紙」には、自然素材の土や石、セラミックやガラス繊維などを主な原料としています。リサイクル素材で作られた物もあります。
素材を活かした個性的な物や、シンプルモダンな物など、多種多様なデザインが幅広く存在します。
無機質系壁紙のメリット
珪藻土や漆喰といった無機質の素材を、不燃性の紙の上面に施しているため防火性に優れており、塗装した壁のような味わいのある風合い・質感を、リーズナブルな値段で実現できます。
中でも人気があるのは、珪藻土クロスです。
ザラザラとした手触りがあり、印刷では表現できない繊細な色合いや奥行きを見せてくれます。
「珪藻土」とは、太古の植物プランクトンが堆積して土になった物で、調湿性や消臭効果に優れています。
無機質系壁紙のデメリット
珪藻土クロスや漆喰クロスは、塗装した壁と比べると見劣りしてしまうため、本物志向の方には安っぽく感じてしまうかもしれません。
また、使用する珪藻土や漆喰の量が限られていることから、塗り壁ほどの調湿・消臭性はありません。
手入れの仕方として、水拭きではシミになる可能性があるため、汚れた部分に消しゴムをかけるか、乾いたタオルで叩く方法がおすすめです。
なおビニールクロスと比べると薄く、下地に追従する力が弱いため、下の壁の凹凸やクロスの継ぎ目が目立つ可能性があります。
施工業者選びは、慎重に行いましょう。
【無機質系壁紙はこんな方におすすめ!】
・手頃な値段で、珪藻土風・漆喰風の壁にしたい方
・ビニールクロスなどにはない、独特の質感を堪能したい方
6.オレフィン壁紙の特徴
「オレフィン」とは、簡単に言うとプラスチックの一種です。
「オレフィン壁紙」は、ポリエチレン・ポリプロピレンといった合成樹脂が主原料で、比較的ビニールクロスと近い性質を持っており、塩化ビニールの使用を軽減するために、普及してきました。
オレフィン壁紙の中には「木質系」のようなデザインの物や、石目調のタイプもあります。
オレフィン壁紙のメリット
ビニールクロス同様、汚れに強く、ホコリや手垢(てあか)が付いた際には水拭きすればOKです。
表面強度が高くキズも付きにくいので、機能的な壁紙と言えるでしょう。
焼却した際に煙・塩化水素などの有毒ガスがほぼ発生しないという利点があるため、「環境に優しいクロスにしたい」という方からも注目されています。
オレフィン壁紙のデメリット
ビニールクロスと比べると、価格がやや高い点が、オレフィン壁紙のデメリットです。
デザイン性の高さ・清掃性のしやすさに優れているため、短所は少ないほうですが、無機質系壁紙と同様で、施工が上手な業者が限られます。
【オレフィン壁紙はこんな方におすすめ!】
・地球環境に優しく、かつビニールクロスと同等の魅力を持った壁紙を使いたい方
・子供部屋などに安全なクロスを使いたい方
壁紙は内装リフォームが得意な会社と一緒に選ぶと◎
壁紙を選ぶ際には、以上でご紹介したような素材の特性だけを重視するのではなく、各製品の機能についても確認してみると良いでしょう。
例えば、消臭・抗アレルゲン・掃除しやすい防汚機能などが付加されたクロス商品がたくさん販売されています。
またリフォームをしたい場所が、汚れやすい玄関・廊下か、寝室かによっても合う壁紙は異なりますし、アレルギー体質の方やペットがいるご家庭の場合は、材質や耐久性に配慮する必要があります。
リフォーム内容やご家庭の状況によって、最適な壁材も変わってくるため、内装のリフォームが得意な会社と相談しながら決めることをおすすめします。
できれば複数の施工会社に見積もりを依頼し、提案を比較した上で業者を決めると安心です。
【この記事のまとめ&ポイント!】
「ビニールクロス」や「紙クロス」の特徴は? |
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「ビニールクロス」は価格が安く、耐久性や清掃性が高いことから、広く流通しています。 ただし有害物質であるホルムアルデヒドが接着剤に含まれるため、シックハウス症候群などのアレルギー対策をしたい方は避けたほうが良いと考えられます。 「紙クロス」は吸音性や通気性があるのが魅力ですが、施工の手間がかかるなどのデメリットがあります。 |
「織物クロス」や「木質系壁紙」の特徴は? |
「織物クロス」は高級感や重厚感があり、頑丈で通気性に優れています。 一方で、普及率が高くはないため、対応できる施工業者が限定されるのが難点と言えるでしょう。 「木質系壁紙」はカントリー調の空間にしたい方などに最適ですが、他の素材のクロスと比べると高額になりやすいです。 |
「無機質系壁紙」や「オレフィン壁紙」の特徴は? |
「無機質系壁紙」はリーズナブルな値段で、珪藻土・漆喰といった塗り壁風の質感を実現できます。 ただし実際に塗装した壁と比べると、デザイン性や調湿・消臭機能が劣ります。 「オレフィン壁紙」は手入れしやすく、表面強度が高いなどのメリットがあります。 その反面、価格がやや高く、上手に施工できる業者が限定されるという欠点があります。 |
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