FRP浴槽(ポリバス)の耐用年数・寿命は?補修or交換の判断基準

FRP浴槽に限らず、一般的に浴槽や浴室は15~20年で経年劣化すると言われています。
大切に使用していればそれ以上長持ちすることもありますが、築15~20年の住宅であれば、一時的な補修ではなく、浴槽の交換や浴室全体のリフォームも検討すると良いでしょう。
FRP浴槽(ポリバス)のみを交換する場合の価格相場
「築年数が経っているので浴槽を交換したい」という方は、以下の価格相場を参考になさってみてください。
内訳 | 費用相場 |
---|---|
交換工事費用 | 4~20万円 |
浴槽の本体価格 【素材別】 |
【FRP】1~35万円 |
【人大(ポリエステル系)】2~40万円 | |
【人大(アクリル系)】30~120万円 | |
【ホーロー】8~135万円 |
浴槽の交換工事にかかる費用
浴槽には、下部が床に埋め込まれた「埋め込み」タイプと、床の上に置くだけの「据え置き」タイプとがあります。
埋め込みタイプは、交換の際に周囲の壁や床を解体・補修するため、据え置きタイプより工事費が高額になります。
基本は10万円前後で収まりますが、建物の状態(マンションにエレベーターがあるかどうかなど)や、浴室の劣化具合によっては、搬入費や下地処理費、タイル壁などの補修費がかかるかもしれません。
そのため、工事費の相場は4~20万円と大きな差が生じます。
なお浴槽本体の価格は、素材によって異なります。
一般的に使用されることの多い素材を例に、その価格を比較してみましょう。
FRP浴槽(ポリバス)の本体価格
【FRP浴槽】 |
---|
現在最も流通しているFRP浴槽は、価格がリーズナブルな点が大きな特徴です。 本体価格の相場は約1~35万円ですが、5万円を超えることが多いです。 |
人大・ホーロー浴槽の本体価格
【人工(人造)大理石浴槽】 |
---|
FRP浴槽に次いで人気があるのが、人工(人造)大理石の浴槽です。
人工(人造)大理石は、主に「ポリエステル系」と「アクリル系」の2種類に分けられます。 ポリエステル系の浴槽は価格が比較的安く、相場は約2~40万円で、多くは10万円を超えます。 一方、アクリル系は滑らかな質感が魅力で、価格は約30~120万円と高めです。 >> 人工(人造)大理石浴槽のメリット・デメリット・リフォーム費用 |
【ホーロー浴槽(鋳物・鋼板)】 |
ホーローは、鋳物または鋼板の表面をガラス質でコーティングしたものです。 手触りの滑らかさや保温性に優れており、特に鋳物を使用したホーロー浴槽はしっかりした厚みがあります。 価格は約8~135万円で、中でも約15~110万円の製品が多くそろっています。 >> ホーロー浴槽の特徴・リフォーム費用・業者探しの注意点 |
ここでは大まかな価格相場をご紹介しましたが、実際には多くの施工業者が、本体代をメーカー希望小売価格から値引きして提供してくれます。

また、上記のように本体価格に幅はありますが、浴槽を交換する際にかかるリフォーム費用の相場は、総額で約25~50万円です。
本体価格も施工費も安く済めば、総額10万円くらいでできることもありますので、リフォーム会社と相談しながら、予算に合う商品を選ぶと良いでしょう。
\リフォーム会社を探したい!/
リフォーム会社紹介を依頼 ▶
FRP浴槽のあるユニットバスを全体的に交換する場合の費用
バスタブを含めたユニットバス全体を交換する場合には、50〜150万円程度の費用がかかります。
先述の通り、築15~20年程度の場合は「浴槽のみ」ではなく「全体交換」も視野に入れることをおすすめします。
浴槽と、浴槽以外の劣化箇所を別々のリフォームすることになると、その度に工事の打ち合わせ時間や手間賃などが発生します。
浴室全体をまとめて工事しておくほうが、リフォーム費用も割安になりやすいですよ。
\リフォーム会社を探したい!/
リフォーム会社紹介を依頼 ▶
FRP浴槽(ポリバス)の補修・塗装・メンテナンス費用

FRP浴槽は、ガラス繊維とポリエステル樹脂(プラスチック)を混ぜた物で作られ、表面に塗装が施されています。
浴槽の表面が劣化してくると、変色・色褪せ・汚れ・表面のザラつきなどの症状が表れますが、これらは塗膜の表面だけが劣化しているケースが多いため、コーティングや塗装による補修が可能です。
また、ひび割れ・欠け・穴などの修理は、ガラス繊維や樹脂を補填・含浸させる「FRPライニング」という方法で行います。
多少の劣化であれば、その部分だけを補修するだけで済むというのが、FRP浴槽の大きな利点の一つです。

浴槽の塗装には、2種類の方法があります。
一つは、カビや石鹸かすなどの汚れから浴槽を「保護」するために、主に透明なコーティングを施すもので、費用相場は約2万~3万3千円です。
そしてもう一つは、ひび割れなどの補修を行った後、上から色付きの塗料で塗装して浴槽を「再生」させるもので、費用相場は約7~20万円前後です。
DIYで浴槽の補修・塗装は危険
小規模な範囲であれば、ご自身で補修しようと考える方もいらっしゃるかもしれませんが、塗装に関してよほど知識や技術に自信がない限り、DIYで浴槽の補修・塗装を行うのはおすすめできません。

汚れ落としなどの適切な下地処理が必要となりますし、塗料の材質によっては、かえってひび割れしやすくなるというデメリットも生じます。
症状が悪化すると、水漏れしてしまうリスクもあるでしょう。
また、溶剤系(油性)の塗料を使う場合は、換気を怠ると体への危険も伴います。
DIYで失敗した浴槽を業者に直してもらう場合には、まずその塗膜を剥がさなくてはならず、結果的に通常の塗装よりも無駄な費用が増えてしまいますので、初めからプロに任せるほうが賢明です。
\リフォーム会社を探したい!/
リフォーム会社紹介を依頼 ▶
ここからは、浴槽の交換時に確認しておきたい、FRP浴槽の特徴について改めてご紹介しましょう。
メリットとデメリットをチェックして、FRP浴槽を使い続けるか、または人工大理石やホーローなどの別素材に交換するか、検討してみてください。
そもそもFRP浴槽(ポリバス)の特徴とは?

FRPとは「Fiber Reinforced Plastic/fiberglass reinforced plastics」の略で「繊維強化プラスチック/ガラス繊維強化プラスチックス」と呼ばれる素材のことを指します。
不飽和ポリエステル樹脂とガラス繊維を混ぜた物で作られており、耐久性・保温性が高く、軽量で価格が安い点などが大きな特徴です。
現在は浴槽の中で最も普及率が高く、多くのメーカーのユニットバスで標準搭載されている素材です。
FRP浴槽(ポリバス)のメリット
FRP浴槽には様々なメリットがあります。
予算・機能性・デザインといった総合的な点はもちろん、リフォームのしやすさなどを重視してみるのも良いでしょう。
1. 価格が安い
上述のように、本体価格が最も安いことが大きなメリットとして挙げられます。
リフォーム全体にかかる費用を抑えられるため、予算を重視したい場合に最適な素材だと言えます。
2. 防水性が高い
非常に防水性が高いことも、浴槽の素材として普及している理由の一つです。
浴槽以外では、ヨットの船体や船底、貯水タンクなど、高い防水性・耐久性を必要とする物にも採用されています。
3. 軽量で設置場所を選ばない
素材自体が軽量なため、場所を選ばず設置できます。
例えば「鋳物タイプのホーロー」浴槽は非常に重量があり、2階以上の浴室に設置するのは不向きとされています。
「FRP」浴槽であれば、条件を必要とせずに設置が可能です。
4. サイズ・デザインの選択肢が豊富

製造の際に様々な形状に加工しやすいため、腰掛けやひじ掛けがある物、浴槽の縁がカーブを描いている物など、多様なデザインやサイズがそろっています。
各メーカーのラインナップも非常に多く、リフォームで浴槽を交換する時にも、ほとんどの場合お好みの大きさ・形状の物が見つかります。
5. 追い焚き機能などを後付けしやすい

追い焚き機能や、最近人気のあるマイクロバブルバスなどを後付けする際には、浴槽に穴を開ける必要があります。
「人工(人造)大理石」や「ホーロー」の浴槽の場合、穴開け工事をできないことがありますが、加工が容易な「FRP」浴槽なら簡単に施工できます。
またマイクロバブルバスを追加する際には、いったん浴槽を持ち上げて設置する場合があり、重量のある「ホーロー」浴槽では対応できないことがありますが、軽量な「FRP」浴槽であれば施工できます。
6. サビが発生するリスクがない
「ホーロー」浴槽の場合は、金属の表面にガラス加工をされているため、ガラス質にひびが入ると、そこから内部に水が染み込んでサビが発生してしまいます。
一方「FRP」浴槽は樹脂・プラスチックの一種なので、錆びる心配がありません。
\リフォーム会社を探したい!/
リフォーム会社紹介を依頼 ▶
FRP浴槽(ポリバス)のデメリット
FRP浴槽の欠点としては、以下のようなものが挙げられます。
ご自身で納得できる範囲のデメリットかどうかを確認し、不満な点があれば、別の素材の浴槽も検討すると良いでしょう。
1. 他の素材と比べると、デザイン性が気になる
「人工(人造)大理石」や「ホーロー」と比較すると、どうしても安っぽい質感が気になるかもしれません。
実際、高級感や光沢などの美しさに魅力を感じて「FRP」ではなく「人工(人造)大理石」や「ホーロー」を選択する方も多くいます。
できればショールームで実物を確認し、交換後に満足できるデザインかどうかイメージしながら決めると良いでしょう。
2. 汚れが付きやすく、目立つ傾向がある

「FRP」は素材の性質上、汚れが付きやすく、目立ちやすいという傾向があります。
先述した通り、定期的に再塗装やコーティングを行うことで解消することもできますが、日々の掃除が面倒と感じることは多いでしょう。
メンテナンス面で考えると、「人工(人造)大理石」や「ホーロー」のほうが楽です。
ただし「ホーロー」のように、サビのリスクを心配する必要がないという良い面もあります。

そうとは言え、最近は材質の改良が進み、高性能・高品質な「FRP」浴槽も増えています。
そのため製品によっては、これらのデメリットをそこまで不安視しなくても良いと言えるでしょう。
どの素材が良いかという点にこだわるのではなく、どの商品であれば手入れが簡単か、施工費用を抑えられるかなど、リフォーム時に優先したいことのバランスを考えながら、新しい浴槽を選ぶことをおすすめします。
\リフォーム会社を探したい!/
リフォーム会社紹介を依頼 ▶
FRP浴槽(ポリバス)に交換する際のおすすめメーカー品
メリット・デメリットを理解した上で、「FRPの浴槽に交換しよう」と考えている方のために、大手メーカーが手がけるFRP浴槽をご紹介します。
リフォームに適したおすすめの製品ばかりなので、ぜひチェックしてみてくださいね。
1. LIXIL(リクシル) ポリエック

シンプルなスクエア型のデザインで、据え置きタイプの浴槽にしたい場合に適しています。
比較的コンパクトで価格がリーズナブルなので、浴室が狭い場合や、予算を重視したい場合にもおすすめです。
【LIXIL ポリエック 対応間口サイズ】 |
---|
800/900/1000/1100/1200 |
【LIXIL ポリエック メーカー希望小売価格】 |
約5.1〜9.2万円(税別) |
2. LIXIL(リクシル) ポリーナ

交換リフォーム用の浴槽商品で、小さめのサイズをお探しの場合に最適です。
団地の浴室のリフォームなどに対応できます。
【LIXIL(リクシル) ポリーナ 対応間口サイズ】 |
---|
750/760 |
【LIXIL(リクシル) ポリーナ メーカー希望小売価格】 |
約12.6〜13.3万円(税別) |
3. ハウステック 浅型浴槽HKシリーズ

またぎやすい深さ500mmの浅型が標準サイズで、幼いお子さんやご高齢のご家族でも安心して入浴できます。
シンプルな形の物や、バスヒーターを浴槽の外側に設置し広々と使える「ヒーティングバス」、浴槽下部に暖房が設置されている「暖房タイプ」もあります。
【ハウステック 浅型浴槽HKシリーズ 対応間口サイズ】 |
---|
1050/1100/1200/1300/1400 |
【ハウステック 浅型浴槽HKシリーズ メーカー希望小売価格】 |
約5.5〜12万円(税別) |
4. ハウステック 深型浴槽HKA・HMAシリーズ

丈夫な樹脂製エプロンを採用した、据え置きタイプのツートンカラー浴槽です。
長辺側のエプロンは左右どちらにでも取り付けられるため、設置場所に合わせて浴槽の向きを変えられます。
【ハウステック 深型浴槽HKA・HMA 対応間口サイズ】 |
---|
800/900 |
【ハウステック 深型浴槽HKA・HMA メーカー希望小売価格】 |
約4.3〜5.7万円(税別) |
5. TOTO ポリバス

TOTOが扱う浴槽の中で、最もリーズナブルでシンプルなシリーズです。
ベーシックなタイプの他、手すり付きの浴槽や、小型の据え置き浴槽、大きめサイズの洋風バスなども用意されています。
【TOTO ポリバス 対応間口サイズ】 |
---|
800/900/1000/1100/1200/1300/1400/1500/1600 |
【TOTO ポリバス メーカー希望小売価格】 |
約4.8〜21.6万円(税別) |
6. ダイワ化成 オーダーメイドのFRP浴槽
円形のおしゃれなバスタブなど、好きな形にデザインしたい場合には、特注のFRP浴槽を選択するのも一つの方法です。
ご家族の身長に合わせてまたぎやすい深さにしたり、すべりにくいノンスリップ加工を選んだりと、安全性に配慮した浴槽にできるのも、オーダーメイドの大きなメリットです。
浴槽選びや施工方法で迷ったら、業者と相談を

FRP浴槽とはどんな物なのか、劣化した場合はどんな風に修理できるのかなど、様々な点について理解できたでしょうか。
ただ、やはり最適な修理方法や、希望に合った浴槽をご自身だけで判断するのは難しいこともあります。
修理や交換が必要な場合は、まずは浴槽の工事が得意なプロに相談してみましょう。
浴槽の素材選びやおすすめのメーカー品などについても、ご要望に合わせてアドバイスしてもらえますよ。
\リフォーム会社を探したい!/
リフォーム会社紹介を依頼 ▶
【この記事のまとめ&ポイント!】
FRP浴槽(ポリバス)の耐用年数・寿命はどのくらい? |
---|
FRP浴槽に限った話ではありませんが、浴槽や浴室は一般的に15~20年で経年劣化すると言われています。 |
「FRP浴槽(ポリバス)の交換・補修」や「ユニットバス全体の交換」にかかる費用は、いくら? |
FRP浴槽を交換する場合は、設置方法や新しい浴槽の素材などにもよりますが、約25~50万円です。 浴槽を含めて、ユニットバスを全体的に交換するリフォームを行う場合、費用は50〜150万円程度かかります。 浴槽を補修する場合は、塗装方法によって価格帯が異なります(詳細は、こちら)。 |
FRP浴槽(ポリバス)のおすすめメーカー・商品は? |
LIXIL(リクシル)・ハウステック・TOTO・ダイワ化成といったメーカーのおすすめ品を、こちらでご紹介しています。 |
\リフォーム会社を探したい!/
リフォーム会社紹介を依頼 ▶
リショップナビは3つの安心を提供しています!
-
ご希望にあった会社をご紹介!
お住まいの地域に近く・ご希望のリフォーム箇所に対応が可能という基準を元に、厳選した会社をご紹介。可能な限り、ご要望にお応えできるように対応致します。
-
しつこい営業電話はありません!
紹介する会社は、最大で5社まで。また、連絡を希望する時間帯をお伝え頂ければ、しつこい営業電話をすることはありません。
-
見積もり後のフォローも致します
ご紹介後にご不明点や依頼を断りたい会社がある場合も、お気軽にご連絡ください。弊社から各会社へのご連絡も可能となっております。