浴槽の傷や剥がれを修理・補修する方法

浴槽の劣化や破損としては、色褪せや変色・サビやカビの発生・ひび・ふくれなどが一般的に起こりやすいものです。
これらは、経年劣化の症状でもありますが、硬い物を浴槽に落としたり、掃除を怠っていたり、浴槽の素材に合わない間違った掃除の仕方をしたり、といったことが原因の場合もあります。
サビなどの劣化がひどくなると、浴槽に穴が開いてしまう危険性もありますし、気持ち良く1日の汚れを落としてリラックスするためにも、浴槽は常に清潔にしておきたいものです。
浴槽に上記で紹介したような、傷・色褪せ・変色などの症状が出てきた際には、症状や浴槽の状態によって、【浴槽の塗装】、【浴槽そのものを新しいものと交換する】、【浴室全体をユニットバスに交換する】という方法が考えられます。
浴槽の塗装とは、浴槽についた汚れをきれいに落とし、穴や傷を専用のパテなどで修復後、樹脂など特殊な塗料で塗装を施す工法です。
浴槽の塗装が最も手軽にできる方法ですが、劣化がひどいものなどは、塗装や修理で解決できないこともあります。
その場合には、浴槽やユニットバスを交換する必要があるため、浴槽の傷みを発見したら、状態が悪化する前に、なるべく早めに業者に相談しましょう。
また、浴槽の素材は、FRP・人工(人造)大理石・ホーロー・ステンレスなどがありますが、この種類や、劣化の症状によって適切な対処方法が異なるため、このページの後半で詳細をご紹介します。
なお、浴槽の塗装工事は、よく浴槽の保護コーティングと混同されますが、目的や効果が違うため、注意が必要です。
保護の目的で施されるコーティングは、新築やリフォーム後などのきれいな浴槽に、カビや汚れがつくのを防ぐためのもので、浴槽についた傷やサビを直せるものではありません。
次から、浴槽塗装のメリットや、他の対処方法でかかる費用などをご紹介します。
浴槽修理・塗装のメリット
他の浴槽リフォームの方法と比較して、浴槽の塗装には4つのメリットがあります。
具体的に紹介しますので、対処法を決める参考にしてください。
【費用が安い】

他のリフォーム方法と比較した際の最大のメリットは、費用が安いことです。
具体的には、浴槽の大きさや種類にもよりますが、塗装修理の平均価格は約9.5~15万円です。
リフォーム内容 | 費用 | 工期 |
---|---|---|
浴槽の塗装 | 9.5〜15万円 | 1〜3日 |
浴槽の交換 | 10.5〜52万円 | 1日〜1週間 |
ユニットバス交換 | 50〜150万円 | 4日〜1週間 |
なお、浴槽を交換する費用は、約10.5~52万円、ユニットバスを交換する場合には50~150万円ほどかかるのが一般的なので、比較するとかなり低価格なことがわかります。
【工期が短い】
次のメリットは、工事にかかる期間が短いことです。
浴槽塗装にかかる日数はおよそ1~3日ほどですが、浴槽交換では1日~1週間、ユニットバス交換で4日~1週間かかりますから、工期がかなり短く済みます。
浴室は毎日使用する場所ですから、1日でも早く仕上がるほうがいいですよね。
【浴槽のサイズや形状が特殊でも施工可能】

3つ目のメリットは、浴室の形状や浴槽のサイズが特殊でも施工が可能な点です。
例えば、タイル張り(在来工法)のお風呂で浴槽が据え置きではなく、埋め込みの場合には周囲を解体しないと浴槽の交換ができないため、大掛かりな工事になりますし、解体・補修費用もかかります。
また、ユニットバスへの交換のときには、柱やハリが邪魔で工事が困難、浴室が外壁に面していて大掛かりな工事になってしまう、特注サイズのため、ぴったりのユニットバスがあまりない、などの問題が時々あります。
さらに、浴槽の種類が鋳物ホーローの場合には、かなりの重量のため、設置状況によって搬出が困難なこともあります。
このような場合に、予算やスケジュールの都合で、今すぐ大規模な工事をするのは厳しいため、とりあえず一時的に補修したいという方は、塗装であれば大掛かりな工事になることもなく、特注サイズや特殊な形状でも対応が可能です。
【廃材が少ない】
浴槽塗装では、今ある浴槽をそのまま再利用するので、浴槽を廃棄する必要がありません。
捨てるための費用も発生せず、ゴミも出ないため、地球環境に優しくお財布にも優しい、というメリットがあります。
このように、浴槽塗装には多くのメリットがあることがわかります。
ただ、浴室の状態によっては、浴槽やユニットバスを交換したほうがいい場合もあるため、以下でご説明します。
浴槽交換・ユニットバスのリフォームをしたほうがいい場合

塗装は費用・工期が少なく済みますが、劣化状態によってはそれだけでは済まないこともあります。
浴槽そのものの交換や浴室のリフォームを検討する必要がある場合についてご説明します。
基本的には、損傷が激しい浴槽は、塗装だけで修復するのは難しいことが多いです。
ホーロー浴槽の裏側からサビが出て、穴が開いてしまったような大きなトラブルについても、塗装では補修しきれません。
一日中水を張ったままであることが多い浴槽も、塗装できないことがあります。
浴槽が大量の水を含んでしまっていると、表面をいくら塗装しても後から水がしみ出て、塗料を定着させることが極めて難しいからです。
このように、どんな浴槽でも無条件で塗装ができるというわけではありませんので、浴槽塗装を得意とする業者にまずはよく相談してみましょう。
また、浴室のメンテナンスやリフォームのタイミングは、本来では10〜15年経った頃と言われているので、浴室全体の劣化状態も見てもらい、どのような方法が適切か、アドバイスをもらいましょう。
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浴槽塗装の費用・価格

一口に浴槽塗装といっても、ご家庭によって浴槽の素材やグレード、サイズ、状態がそれぞれ異なるため、かかる費用も違います。
FRP/人工(人造)大理石 | 7万円〜 |
---|---|
ホーロー | 8万円〜 |
目安としては、下地を含まない浴槽のみの施工は、FRPまたは人工大理石の場合で約7万円~、ホーローの場合で約8万円~、が相場です。
傷や剥がれ、ひびなどの補修、下地の処理、浴槽表面の浮きの除去などが必要な場合は、別途費用が発生します。
浴槽塗装の注意点
専門業者に塗装をお願いする前に、自宅の浴室は塗装工事ができるのか、確認しておきましょう。
ステンレス浴槽は施工できない業者もいる

自宅の浴槽がステンレス製の場合は、他の浴槽と違い注意が必要です。
ステンレス浴槽は錆びにくく耐久性に優れているので、人気の高い浴槽の1つですが、一方で、傷が多くなり、いよいよ塗装が必要となったとき、塗装しにくいというデメリットがあるのです。
ステンレスはきちんと下処理をして塗装しても塗料が付着しにくいため、受け付けていないという業者もおり、依頼する業者によって、塗装できる/できないの判断が異なります。
また、工事は受けるが、保証は出せないという業者がいる、塗装後に十分な効果が得られない可能性がある、などを踏まえて、ステンレス浴槽の塗装を考えている方は、交換など他の方法を検討してもいいかもしれません。
ホーロー浴槽は追い焚きができなくなることも
ホーロー浴槽は、先述した通り、一般的な浴槽素材の1つですが、塗装によって追い焚きができなくなる場合があります。
塗装工事の結果、追い焚き機能が使えなくなったということのないように、ホーロー浴槽の知識が十分にある業者にしっかりと相談をしましょう。
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浴槽塗装のDIYはNG?

塗装と聞くと、ペンキ塗りのイメージで簡単そうに思われるかもしれませんが、浴槽塗装は高度な専門技術が求められる作業です。
プロが使用するような、一般にはほとんど出回っていない特殊塗料と工具が必要になる場合もあります。
仮に塗料などがインターネットやホームセンターで入手できたとしても、塗装する人が、それらの塗料を定着させるための下地処理の技術をきちんと持っているかどうか、が最も重要な点です。
「安いから」「簡単そうだから」と、すぐに手に入る浴槽用塗料を用いて、知識もなく気軽にDIYをしてしまうと、万が一不備があった場合、すぐに剥がれたり、水漏れしたりといった問題が起こりかねません。
せっかくの塗装も長持ちするのでなければ意味がないので、技術力や経験があり、さらに、いざというときも、すぐに柔軟に対応してくれる専門業者に相談することをおすすめします。
浴槽塗装の業者を探す際の注意点

浴槽塗装は専門の技術が必要なため、実は施工できる業者が少ないのが現状です。
その中で、何をポイントに選べばいいのでしょうか。
まずはしっかりとした浴槽塗装の実績があるかどうかを確認しましょう。
浴槽塗装は他の塗装工事の工程とは全く異なりますので、浴槽専門の知識と技術を持っていることが求められます。
あわせて、浴室塗装を請け負って数年の経験がある業者かどうかも確認したい項目です。
塗装に不備がある場合、およそ2~3年で剝がれてしまうこともあります。
そのため、最低でも4年以上、できれば5〜6年以上は浴槽塗装をしているか、という情報で判断できるのです。
次に、施工後の保証を提示してくれる業者を選ぶことをおすすめします。
浴槽の使い方次第では、塗装がすぐに剥がれてしまう可能性もありますし、他にも相談しなくてはいけないことが発生するかもしれません。
そのため、保証体制が万全で信頼できる業者を選びましょう。
最後に、これは塗装に限りませんが、複数の業者をしっかり比較した上で決めることが大切です。
業者によって施工方法や実績、特徴、費用やサービスは実にさまざまです。
塗装では対処できない状態であれば、他のリフォーム方法を提案してくれる会社に頼んだほうが良い場合もあります。
複数の業者を選定して、さらに1件ずつ見極めるのには少々手間と時間がかかってしまいますが、アフターフォローやそれ以外の条件なども比較し、一番信頼できるところを選ぶようにしましょう。
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【この記事のまとめ&ポイント!】
浴槽の傷や剥がれを修理・補修する方法は? |
---|
傷・色褪せ・変色などの症状が出てきた際には、浴槽の状態によって【塗装】【浴槽の交換】【浴室全体をユニットバスに交換】といった対処法が考えられます(詳しくは、こちら)。 |
浴槽交換もしくはユニットバスのリフォームをしたほうがいいのは、どのような場合? |
損傷が激しい浴槽などは、塗装だけで修復するのは難しいケースが多いです(詳細は、こちら)。 |
浴槽を塗装する際の費用・価格は、いくら? |
下地を含まない浴槽のみの塗装は、FRP・人工大理石浴槽=約7万円~、ホーロー浴槽=約8万円~が目安です。 劣化具合によっては、別途補修費用が発生します。 |
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