この記事の監修:
リフォームアドバイザー 山口 正和
一部上場の大手不動産会社にて、リフォーム営業を15年、新築注文住宅の提案を10年経験。
保有資格:古民家鑑定士、屋根外壁診断士など
外壁材をガルバリウム鋼板にする際のポイント
まずは本記事の要点について、簡単にまとめておきましょう。
ガルバリウム鋼板の外壁を使って、リフォームする際の価格帯はいくら? |
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ガルバリウムに「張り替える場合」の費用は、約140〜270万円です。「カバー工法(重ね張り)の場合」の目安料金は、約120〜255万円です(詳しくは、こちら)。 |
ガルバリウム鋼板は、どんな場合におすすめ?メリットやデメリット・注意点は? |
「耐久性が高い」「モダン・スタイリッシュなど、おしゃれなデザインを選べる」といったメリットがあります。 そのため「長期的に見るとコストパフォーマンス性が高い外壁にしたい」「都会的な見た目の外装にしたい」といった方に適しています。 一方「塩害がある地域には向かない」などのデメリットがあるため、沿岸部などにお住まいの方は、別の外壁材を検討するほうがよいでしょう。 |
ガルバリウム鋼板の外壁材で、おすすめのメーカー/製品は? |
旭トステム外装の『スパンサイディングS/N(金属Danサイディング)』や、ケイミュー『はる・一番』など、おすすめのメーカー・製品について、こちらでご紹介しています。 |
では、それぞれの内容について具体的にお話ししていきます。
ガルバリウム鋼板の外壁にリフォームする価格相場
「張り替え」もしくは「カバー工法(重ね張り)」により、ガルバリウム鋼板の外壁へとリフォームする費用は、以下の通りです。
外壁をガルバリウムに張り替え
今ある外壁材を撤去し、ガルバリウムに張り替える場合の費用は、約140〜270万円です。
施工面積や、既存の外壁材の種類、新しく採用されるガルバリウム材のグレードなどによって、価格が変動します。
ガルバリウムを使ってカバー工法(重ね張り)
今ある外壁材の上から、新しいサイディング材を張り付けるカバー工法(重ね張り)の場合には、予算は約120〜255万円を見込んでおきましょう。
張り替えの場合と同様、工事規模や外壁材のタイプによって料金が異なりますが、既存外壁材の処分費が発生しない分、やや安価で施工できます。
ちなみに、ガルバリウムを使って張り替え・カバー工法(重ね張り)リフォームを実施する際の平米単価は、0.5〜1.3万円くらいが目安です。
なお他にも足場設置費や、シーリング材の施工費、養生代や諸経費なども加算される可能性があります。
総額がいくらになるかは、必ずリフォーム業者に見積もりを依頼した上で、確認するようにしてくださいね。
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ガルバリウムの外壁にリフォームした施工例・費用
以下は、当サービス『リショップナビ』に加盟している施工店が、ガルバリウム材で外壁をリフォームした実例です。
費用なども、ぜひ参考にしてみてください。
築40年の家で、ガルバリウムサイディングを重ね張り
築年数 | 40年 |
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リフォーム費用 | 120万円 |
工事期間 | - |
旭トステム外装の人気製品『DANサイディング』シリーズの軽量な金属サイディングで、上品な色合いの外壁に生まれ変わりました。
黒いおしゃれなガルバリウム外壁にリフォーム
築年数 | 15年 |
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リフォーム費用 | 160万円 |
工事期間 | 30日 |
「外壁を、丈夫でおしゃれなガルバリウム鋼板にしたい」というご希望にお応えし、シックな色を採用しました。
付帯部のオレンジ色がアクセントカラーとなっており、より引き締まった印象に仕上がっていますね。
リノベーションで、おしゃれな南欧風の外装に
築年数 | 24年 |
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リフォーム費用 | - |
工事期間 | - |
明るいホワイトカラーが映える、南欧風・リゾート調の美しい外観に大変身です!
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ここからは、ガルバリウム鋼板の外壁にリフォームした場合のメリットやデメリット、おすすめメーカー品について、一緒に確認していきましょう。
ガルバリウム鋼板の外壁の特徴・メリット
ガルバリウムは国内で使用される金属系サイディングの中で、最も主流となる存在です。
見た目にも機能性にも大きなメリットがあります。
モダン・スタイリッシュなどおしゃれなデザインが可能
金属特有の質感を活かした素材は、建物の外観を「モダン」や「スタイリッシュ」など都会的な雰囲気に造り上げます。
一方で、木目調・石積調・レンガ調などのデザインもあり、耐久性の高さを活かしつつ、ナチュラルな風合いに仕上げたい方からも支持されています。
耐久性が高く、耐用年数は20〜30年
耐久性がとても高く、その耐用年数は20~30年とされています。
そのため、張り替えなどのリフォームが必要になるまでの期間が長く、その分だけコストパフォーマンスに優れていると言えます。
金属性の中では、錆びにくい性質がある
金属=すぐに錆びてしまう、という印象があるかもしれませんが、ガルバリウム鋼板は、金属製の中ではサビに強いという性質があります。
ガルバリウム鋼板は、ベースとなる鋼板に「アルミニウム(55%)」「亜鉛(43.4%)」による合金と「シリコン(1.6%)」をメッキして作られた素材です。
耐食性のある「アルミニウム」と、鋼板をサビから守る力がある「亜鉛」を主材料とすることによって、本来は錆びやすいはずの金属鋼板が長持ちするように設計されているため、外壁材として安心して採用できます。
【アルミニウムと亜鉛は、どう作用するの?】
アルミニウムと亜鉛を合わせることで、錆びにくくなる理由について、補足しておきましょう。 まず「アルミニウム」には、空気と接する表面部分に、薄い強力な酸化物皮膜ができる「不動態皮膜」と呼ばれる現象が発生します。 一方、「亜鉛」は酸化すると、鉄(鋼板)よりも先に腐食・溶け出す性質を持っています。 あえて亜鉛を犠牲にすることで、鋼板の表面が覆われ、鋼板の鉄部分にサビが発生しにくくなります(「犠牲防食」作用と呼びます)。 ガルバリウム鋼板のメッキ層は「アルミニウム」と「亜鉛」が網目状に混ざり合った構造となっているため、亜鉛が溶け出した部分に緻密なアルミニウムの酸化生成物が充填されていき、鋼板自体のサビ・腐食を防ぎます。 このように、アルミニウムの「不動態皮膜」現象、および亜鉛の「犠牲防食」作用を組み合わせることによって、鋼板が長く守られ、耐久性が高まる仕組みになっているわけですね。 |
軽量のため、耐震性が高くなる
なお、外壁材の中ではかなり軽量であることも、ガルバリウムの大きな特徴の一つです。
外壁の重量が少ないと建物への負荷が軽くなり、自ずと耐震性も高まります。
リフォームの場合、例えばモルタルなどからガルバリウムに張り替えると、重量が軽くなり、耐震性がアップします。
一方、カバー工法リフォームの場合は、既存の外壁にガルバリウムの重量が加わってしまうため、外壁の軽量化は望めませんが、他の素材を重ね張りするよりも軽く済むため、その分耐震性の不安は少ないと言えるでしょう。
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ガルバリウム鋼板のデメリット・注意点
頑丈でトラブルが少なそうに思えるガルバリウム鋼板にも、弱点や問題点はあります。
施工する際は、以下のようなデメリットもあるということを理解しておきましょう。
沿岸部など、塩害がある地域には不向き?
基本的にはサビに強いものの、潮風にさらされる海沿いの地域では、白サビが発生する可能性が高くはなります。
実際「沿岸部でのガルバリウム鋼板耐久年数=15年前後」と平均よりも下回ることが証明されているため「できるだけ長持ちする外壁にしたい」とお考えの場合には、不向きと言えるでしょう。
傷が付きやすく、サビが発生することもある
ガルバリウムの外壁材は、素材の厚みが0.3~0.4mmと非常に薄い製品が多いため、施工の際に傷が付きやすいという欠点もあります。
また、小さな傷や加工時の切断面などからサビが発生してしまうことがありますので、扱いには注意が必要です。
断熱・湿気・結露対策も重要
ガルバリウム鋼板は素材自体が薄いため、断熱性はほとんどありません。
また外壁の下地と密着させると、機密性が高まる一方で屋内に湿気がこもり、結露が起こりやすくなってしまいます。
そのため「断熱材と併用する(断熱材入りのガルバリウム鋼板を使う)「「湿気や結露の対策もしっかり行う」といったことも大切です。
【ガルバリウム外壁材は、断熱材とセットが基本】
ただ原則として、ガルバリウム鋼板を外壁に用いる際には「断熱材と一体になったメーカー品を使う」もしくは「断熱材とセットで施工する」のが基本です。
ガルバリウムの外壁の長所・短所を把握している施工業者であれば、断熱対策などは問題ないと言えるでしょう。
気になる方は、断熱材の使用について、見積もりの際に聞いておくとよいですね。
知識や経験のある施工業者に施工してもらうことが大切
以上のような点が不安な場合は、ガルバリウムのデメリットも十分理解している業者に依頼し、アフターメンテナンスに対応しているかなども確認してみましょう。
ガルバリウム鋼板は、まだ歴史が浅いため、施工技術が問われる外壁材です。
きちんとガルバリウムの扱いに慣れた業者に任せることが重要になってきます。
また、安心感のあるメーカー品を採用するのはもちろん、ガルバリウム以外の素材(窯業サイディングなど)も検討したほうがよいかといった点も含めて、業者と相談するのがおすすめです。
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ガルバリウム鋼板のメンテナンスは楽?
ガルバリウム鋼板の普段の手入れの仕方としては、定期的に表面の汚れを水洗いするだけで済みます。
ただし素材が非常に薄いため、高圧洗浄では傷や凹みなどができてしまう可能性があります。
傷はサビの原因になりますので、水圧には十分注意し、できれば2~3ヶ月に1回くらいの頻度で洗うとよいでしょう。
ガルバリウム鋼板の外壁材おすすめメーカー/商品6選
ガルバリウム鋼板を手がけるおすすめのメーカーの、代表的な商品をご紹介しましょう。
断熱性や通気性に配慮された、ガルバリウムのデメリットを避けるための工夫が施されている製品が多くそろっています。
旭トステム外装『スパンサイディングS/N(金属Danサイディング)』
【スパンサイディングS】
旭トステム外装(LIXILグループ)の金属系外壁材『金属Danサイディング』シリーズから2018年に誕生した、次世代ガルバリウム鋼板です。
従来のガルバリウムの3倍強の耐食性が期待され、芯材に「ポリイソシアヌレート」を採用することで防耐火性も向上。
遮熱効果の高いフッ素塗料の効果により、塗膜の耐久性も保証されています。
【スパンサイディングN】
『スパンサイディングN』も次世代ガルバリウム鋼板を採用したシリーズで、鉄骨下地防火構造に対応しています。
シンプルなストライプ柄は幅広いデザインになじむ汎用性があり、遮熱性フッ素塗装によって色合いも長く保ちます。
ケイミュー『はる・一番』
外装材メーカー・ケイミュー社の『はる・一番』は、金属特有の質感を活かしつつ、鋭いエッジや深い造形などによって豊かな表情を造り上げます。
断熱性の高い「硬質イソシアヌレートフォーム」が本体芯材に使用されており、また壁体内の結露発生を防止する通気構法が採用されています。
全商品に、遮熱性フッ素焼付塗装が施されているので、厳しい自然環境下でも色あせを防ぎます。
ニチハ『プレミアムシリーズ(センターサイディング)』
窯業系サイディングでも人気の高い、ニチハ社が手がける『センターサイディング』は、意匠性にも耐候性にも長けた、高耐食のガルバリウム鋼板です。
ストライプ柄や、レンガ調・塗り壁風など、パターンの選択肢が豊富。
遮熱性のフッ素塗装が施されているため、色あせを防止します。
アイジー工業『アイジーサイディング』
金属製外装材を手がけるメーカー・アイジー工業の主力製品です。
ガルバリウムの質感を活かしたシックでモダンな物から、タイル調・木目調のナチュラルな物まで、幅広いデザインのラインナップが魅力です。
防火性に優れており、断熱材も施されています。
また、耐候性・耐久性に優れた遮熱性フッ素の樹脂塗装も採用しています。
日鉄鋼板『ニスクカラーSGL』
日鉄鋼板社の『ニスクカラーSGL』は、従来のガルバリウムに防錆効果を持つマグネシウムをプラスした、次世代型の製品です。
耐食性は一般的なガルバリウムの3倍超え。
外壁材の塗膜には、降雨時に汚れを洗い流すセルフクリーニング機能があり、ホコリや雨筋などが付着しにくい工夫がされています。
YKK AP『アイアンベール』
YKK AP社の技術力が凝縮された鋼板外装材『アイアンベール』には、芯材に優れた断熱材が使用されているため、省エネ効果が高く、一年中快適な室温を保ちます。
モノトーンのモダンなデザインはもちろん、天然石の風合いを再現した石積み調などのナチュラルな柄も人気です。
どのような外壁材にも、メリットやデメリット、おすすめのメーカー品などは必ず存在するものです。
ガルバリウムの外壁にリフォームすべきか、どのメーカー品を採用すべきかなど、少しでも迷うことがある場合には、気軽に外壁リフォームの知識がある業者に相談してみましょう。
プロの意見を参考にしてみることで、予算や好みに合った施工プランが見えてくるはずです。
お住まいの耐久性や印象を左右する外壁材だからこそ、ぜひ納得のできるものを選んで、リフォームしたいですね!
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お住まいの地域に近く・ご希望のリフォーム箇所に対応が可能という基準を元に、厳選した会社をご紹介。可能な限り、ご要望にお応えできるように対応致します。
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