金属系サイディング材の主な種類
金属系サイディングの種類(素材)は、大きく分けると4種類あります。
- ガルバリウム鋼板(ガルバ)/次世代ガルバリウム鋼板(SGL)
- アルミニウム合金塗装板(アルミ)
- ステンレス鋼板
- 亜鉛めっき鋼板(トタン)
今回は主に流通している「ガルバリウム」と「アルミニウム」の施工例や特徴についてご紹介します。
金属系サイディングの外壁リフォーム価格・値段
当サービス『リショップナビ』に加盟する施工業者に対して「金属サイディングの外壁リフォーム費用相場」に関するアンケートを行ったところ、下のグラフのような回答結果が得られました。
基本的には「100万円以上」かかることや、最も多い価格帯は「150〜200万円」であることが分かります。
金属サイディングによる外壁リフォーム方法は2種類
サイディングで外壁をリフォームする場合、施工方法は「カバー工法(重ね張り)」と「張り替え」の2種類があります。
①カバー工法(重ね張り) ……既存の外壁材に、新しい外壁材を上張りする
②張り替え……既存の外壁材を撤去して、新しい外壁材を施工する
どちらの工法でリフォームするかにより、費用が異なります。
カバー工法(重ね張り)/張り替えリフォームの総額費用
施工方法 | 費用相場(総額) |
---|---|
カバー工法(重ね張り) | 120〜250万円 |
張り替え | 150~300万円 |
>> 外壁の重ね張り(カバー工法)の費用・事例・注意点
>> 外壁の張り替えの費用・事例・注意点
>> 外壁リフォーム(塗装/カバー工法/張り替え)の費用相場
ただし後述する施工例にも掲載していますが、施工面積が狭い場合などには80万円程度でカバー工法リフォームを実施できたケースも見られます。
カバー工法(重ね張り)/張り替えの施工価格(平米単価)
内容 | 施工価格 | 材料費 |
---|---|---|
カバー工法(重ね張り) | 2,500~3,250円/㎡ | 4,000〜9,000円/㎡ (最上級品=11,000円/㎡) |
張り替え | 3,300~5,000円/㎡ (既存の壁材撤去費含む) |
なお、いずれの工事の場合も、足場代・諸経費などが別途かかる可能性があります。
具体的な金額については、リフォーム業者が作成する見積書で確認するようにしましょう。
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【費用付き】金属サイディング外壁リフォームの施工例4選
当サービス『リショップナビ』の加盟業者が、実際に金属サイディングを使って外壁をリフォームした事例を掲載します。
金額や工事期間など、参考にしてみてください。
事例1:モルタル外壁に、ニチハ製ガルバリウムを重ね張り
リフォーム費用 | 81万円 |
---|---|
工事期間 | ー |
築年数 | 25年 |
「モルタル外壁から、カバー工法で金属サイディングを施工してほしい」とのご依頼でした。
新しい外壁材には、ニチハ社の「センターサイディング」を採用しました。
事例2:寒冷地でも安心のアルミサイディングの外壁に
リフォーム費用 | 140万円 |
---|---|
工事期間 | 10日 |
築年数 | 30年 |
汚れやサビが発生して、くすんでいた外壁を、凍害に強く断熱性に優れたアルミサイディングへと変更しました。
割れていた雨樋も補修して、建物全体が明るく生まれ変わりました。
事例3:モルタル外壁を『Danサイディング』でリフォーム
リフォーム費用 | 160万円 |
---|---|
工事期間 | 10日 |
築年数 | 35年 |
築35年のモルタル外壁を、旭トステム(LIXIL)の『Danサイディング』シリーズでリフォーム
外壁の凹凸を整えて、表面の見栄えがよくなるように施工しました。事例4:外壁・屋根ともにガルバリウム鋼板を施工
リフォーム費用 | 外壁:160万円 屋根:80万円 |
---|---|
工事期間 | 外壁:20日 屋根:10日 |
築年数 | 21年 |
モルタル外壁にひび割れなどの症状が出ており、お客様は「サイディング外壁のリフォームと、屋根の軽量化」を検討されていました。
外壁にガルバリウムを施工し、屋根も瓦からガルバリウム屋根材へと葺き替えました。
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金属系サイディングの特徴/メリット/デメリット!窯業系との違い
サイディングの外壁材を選ぶ際に「金属系か窯業系か」で迷う方も多いことでしょう。
そこで「窯業系」と比較した場合の相違点も含め、金属系サイディングの特徴についてご説明します。
金属系サイディングのメリット
【断熱材一体型のため、断熱性が高い】
基本的に「断熱材」を用いた裏打ち材と組み合わせて加工されているため、断熱性が高いです。
金属系サイディングを外壁に使用することで、室内を快適な温度に保てます。
【重量が軽いため耐震性に優れている】
製品にもよりますが「窯業系サイディングの重量と比べると、約1/4」と軽量です。
総重量が軽いと、建物の基礎である柱や梁などへの負担が減るため、地震の際に建物にかかってしまう負荷が軽くなります。
【クラック(ひび割れ)のリスクが少ない】
収縮や膨張などの発生が少なく、地震から受ける影響も少ないため、クラック(ひび割れ)が起きにくいです。
結果として、メンテナンスにかかる手間や費用も抑えられるといえるでしょう。
【凍害に強い】
水分を弾く性質があるため、特に寒冷地では「凍害」に強い素材として普及が進んでいます。
「凍害」とは: 外壁の内部に染み込んだ水分が凍結・融解(収縮・膨張)することで、外壁の表面や下地に負荷がかかり、割れ・剥がれなどの劣化症状を引き起こす現象。 窯業系サイディングやモルタルなどの外壁に起こりやすい。 |
金属系サイディングを施工すると、凍害の被害を避けやすくなるでしょう。
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金属系サイディングのデメリット
【傷が付くとサビの原因になる】
金属は傷が付きやすく、そこから水分が浸透してサビにつながることがあります。
サイディング外壁材の場合も同じで、表面を保護している塗膜に傷が付くと、サビの原因になります。
表面に傷が付いてしまった場合には、早めに補修やメンテナンスを行うようにしましょう。
なおサビが発生している窓枠・雨樋金具・釘などが外壁に触れると「もらいサビ」をしてしまう場合もあります。
素材自体に雨が染み込むことはありませんが、水に触れることでサビが発生してしまいます。
【価格が高い傾向がある】
金属系サイディングは「窯業系」と比べると価格が高いです。
- 窯業系:3,000〜6,000円(高グレード製品=10,000円)
- 金属系:4,000〜9,000円(高グレード製品=11,000円)
予算を重視したい場合は、リフォーム業者に相談して「低価格タイプの金属系サイディングの施工」を依頼してみるとよいでしょう。
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金属系以外のサイディング外壁材(窯業/樹脂・木質系)の特徴
金属系以外のサイディング外壁材は「窯業系」「樹脂系」「木質系」の3タイプがあります。
窯業系サイディング
< 主原料:セメント・繊維質>
メリット
最も普及している外壁材。
国内の一戸建て住宅の外壁は、何と80.2%が「窯業系サイディング」仕上げです。
(出典:日本サッシ協会『住宅用建材使用状況調査 2024年3月版』)
耐候性やデザイン性に優れていることから、外壁の張り替えリフォームや新築住宅において、よく選ばれます。
デメリット
原料がセメントなので、外壁材そのものに防水性はありません。
ほかの外壁材と比べて、こまめに点検・メンテナンス(防水性を維持するための定期的な塗装)が必要となります。
樹脂系サイディング
<主原料:塩化ビニル樹脂>
メリット
耐久性が非常に高く、メンテナンスの頻度がかなり下げられる素材として、北米では人気があります。
凍害にも強い素材なので、寒冷地にも向いています。
デメリット
日本での施工実数が少ないため、工事に慣れた業者を探さなければなりません。
木質系サイディング
<主原料:木材>
メリット
木目調の模様があたたかな雰囲気を演出してくれるため、デザイン性に優れています。
断熱性が高いので、住宅内を快適な温度で保つことが可能です。
デメリット
ほかの外壁材に比べて、単価が高い傾向にあります。
水分に弱く腐食しやすいため、窯業系の外壁以上に高頻度のメンテナンスが必要です。
>> 木質系サイディングの特徴は?木目調のサイディングのほうがよい?
「費用を抑えたい」「メンテナンス頻度は少ないほうがよい」という方は、木質系サイディング以外の素材を選びましょう。
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金属系サイディングの注意点!塗装のメンテナンスは本当に不要?
金属系サイディングを採用する際は「張り方」や「メンテナンスの必要性」についても理解しておくと安心です。
張り方は「縦張り」か「横張り」か
サイディングの張り方には、「縦張り」と「横張り」の2種類があります。
「横張り」は、意匠性が高いという点が魅力です。
しかし、接続部分に雨が溜まりやすく、通気性を確保しにくいという意見があります。
一方で「縦張り」は、雨水が外壁や接続部分に沿って流れ落ちるため「雨漏りに強い」と推奨する業者もいます。
ただし、これはプロでも意見が分かれるため、一概にどちらがよいとはいえません。
製品によっては、サイディングを張る方向を「横縦兼用」や「縦張り専用」などと分けて設計されているものがあります。
どの商品を、どちらの向きで施工すべきか、業者と相談して納得できる方法を選ぶとよいでしょう。
塗装によるメンテナンスは必要
金属系サイディングでも、傷の補修やサビ予防のため、塗装によるメンテナンスが必要です。
金属系サイディングは「窯業系に比べると、ほぼメンテナンスフリー」といわれますが、まったく不要ということではありません。
「ほかの外壁材ほどメンテナンスを必要としない」程度と考えておきましょう。
>> サイディングのメンテナンス(塗装/コーキング)の費用や時期
定期的に業者に点検してもらい、適宜メンテナンスを行うことが肝心です。
【塗料の種類別】塗装メンテナンス周期の目安
塗装のタイミングは、使用する塗料の種類によって、下表のように異なります。
塗料タイプ | メンテナンス周期 |
---|---|
アクリル塗料 | 5~8年 |
ウレタン塗料 | 7~10年 |
シリコン塗料 | 10~15年 |
フッ素塗料 | 15~20年 |
断熱 | 15~20年 |
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メンテナンスや補修が必要な金属系サイディングの劣化症状
金属系サイディングの外壁にリフォームした後のために、メンテナンス時期の見極め方を把握しておきましょう。
次の劣化症状が見られる場合は、塗装や補修が必要です。
サビの発生
先述したように、サビが発生してしまう場合があります。
サビの発生を防ぐために塗装を行っていますが、塗膜が劣化すると防水性が低下します。
サビを放置すると、外壁材の劣化や雨漏りの原因になるため、早めの交換や補修が必要です。
カビやコケなどの発生
金属系サイディングにはあまり発生しませんが、表面にカビやコケが生えてしまうと、サビの原因となります。
見つけたら早めに掃除を行わなければなりません。
外壁材の防水性を高めるために、塗り替えを行う場合もあります。
塗膜の膨れや剥がれ
塗膜が劣化し、剥がれ・膨れなどの症状が見られる場合は、外壁材の防水性が低下している証拠です。
やがて雨漏りが発生して、外壁内部を腐食させる恐れがあるため、早めに再塗装を行いましょう。
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金属系サイディングのおすすめメーカー/商品5選比較
最後に、金属系サイディングのおすすめメーカーと、代表的な商品をご紹介しましょう。
いずれのメーカーにも、おしゃれで機能的な製品がそろっています。
旭トステム外装(LIXIL)『Danサイディング』
耐食性に優れた次世代ガルバリウム鋼板(SGL)・スチール・アルミ素材を用いたシリーズ。
モルタル風・積石柄・・レンガ調・錆石調などデザインのバリエーションが豊富な点が、人気が高い理由の一つです。
アイジー工業『アイジーサイディング』
金属ならではのクールなデザインと、ネオブラックやグランブルー、モスグリーンなどの豊富なカラーラインナップが魅力です。
スタイリッシュな「ベーシックシリーズ」「シンプルモダンシリーズ」や、レンガ調・自然素材風の「ナチュラルシリーズ」から選択できます。
ニチハ『センターサイディング』
独自の成型技術により、表情豊かな外観を実現したサイディング材。
金属の質感が活かされた柄はもちろん、本物の風合いに近づけたタイル調やブロック調などのデザインも展開しています。
光触媒でコーティングされた、汚れに強く耐候性の高い「メタルガード光シリーズ」も一押しです。
ケイミュー『はる・一番』
金属の美しさを活かした造形的なデザインが特徴的な『はる・一番』。
モダンでシャープな「シンプルシリーズ」や、レンガ調・木目調などの自然な風合いが美しい「デザインシリーズ」があります。
個性豊かなラインナップが顔をそろえていますので、お気に入りのデザインを見つけやすいです。
YKK AP『アルカベール』
窯業系サイディングの約1/9という軽さで耐震性に優れた、アルミ製の外壁材です。
最新技術とデザイナーのコラボレーションで開発された「クオリティジェット塗装」により、天然石の風合いを見事に再現しています。
外壁材は、デザインや機能性など、総合的な判断で選びたい素材です。
悩んだり不安に感じたりする場合には、プロに見てもらった上で、建物に合う工法やメーカー品などを提案してもらうと安心です。
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【この記事のまとめ&ポイント!】
金属系サイディングを用いて、外壁をリフォームする際の価格・値段は? |
---|
外壁の「カバー工法(重ね張り)」や「張り替え」のリフォームをする際の費用相場について、こちらで解説しています。 |
金属サイディングを採用して、外壁をリフォームした事例を見たい! |
当サービス『リショップナビ』の加盟業者が手がけた例をこちらに掲載しています。 |
金属系サイディングのおすすめメーカー/商品は? |
旭トステム外装(LIXIL)の『Danサイディング』、アイジー工業の『SF-ガルスパンJF(アイジーサイディング)』、ニチハの『センターサイディング』、ケイミューの『はる・一番』、YKK APの『アルカベール』です。 |
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