和室の畳をフローリングにする方法
和室の畳をフローリングにするには、「張り替え工法」と「重ね張り(上張り)工法」の2つの方法があります。
ここでは、それぞれの施工方法やメリット・デメリットについて説明します。
畳を剥がしてからフローリングを張る「張り替え工法」
張り替え工法とは、畳をすべて剥がしてからフローリングを新しく張る工法のことです。
畳を剥がしたあと、必要であれば下地の補修や断熱材の補充も行い、ベニヤを張ってからフローリングを張ります。
DIYでの張り替えも可能ですが、工程が多く難しいため、施工業者にすべて任せるのが一般的です。
張り替え工法のメリット |
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張り替え工法では下地の状態を確認してからフローリングを張るので、シロアリや腐食などの傷みがある場合も、しっかり補修できます。 フローリングの下に湿気がこもってしまう心配もほとんどありません。 施工の過程で段差を取り除き、バリアフリーにすることも可能です。 |
張り替え工法のデメリット |
張り替え工法は重ね張り工法よりも工数が多いため施工費用が高く、施工期間も長い点がデメリットです。 DIYで行えば節約できるものの、手間がかかりますし、技術力がなければきれいに仕上げるのは難しいでしょう。 |
畳の上にフローリングを張る「重ね張り工法」
重ね張り工法とは、畳を剥がさず、そのまま上からフローリング材を張る工法のことです。
市販のフローリング材を畳の上に置くだけでできるため、DIYで和室の畳をフローリングにする場合によく採用される方法です。
重ね張り工法のメリット |
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重ね張り工法は簡単に施工でき、費用も比較的安く済みます。 施工は事前の掃除や家具の移動を含めても数時間で終わるので、おおむね1日で畳からフローリングに変更できます。 また、床材が二重になるため床の防音性の向上も可能です。 |
重ね張り工法のデメリット |
重ね張り工法は畳を残したまま施工するので、下地の状態を確認できません。 そのため、下地にカビやシロアリが発生している場合はフローリング材の下で傷みが広がってしまいます。 畳とフローリング材との間に湿気がこもりやすい点にも注意が必要です。 また、敷居にフローリングの厚さ分の段差が生じてしまうため、張り替え工法よりも見栄えが悪くなってしまいます。 >> 畳のカビ・ダニ対策を万全にする方法! |
和室の畳をフローリングにするリフォームの費用
和室の畳をフローリングにする際の費用は、張り替え工法の場合は
6畳で9~30万円ほどです。
ただし、下地の状態次第で施工費や材料費がかさむ恐れがあります。
重ね張り工法は、ウッドカーペットなどのフローリング風素材を用いることが多く、施工が簡単なため、張り替え工法よりも安くリフォームできます。
施工費は業者によって異なるので、複数社に見積もりを依頼して比較してみましょう。
3社ほどの見積もりを比較すれば適正価格が判断でき、過剰請求を避けられます。
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フローリング素材の種類
フローリングの見た目や質感は木の種類により異なります。
以下の表では、代表的なフローリング素材の特徴をまとめました。
フローリング素材 | 特徴 |
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オーク | 明るい色と美しい木目が特徴的で、耐久性に優れている |
タモ | はっきりした木目が特徴。ナチュラルやカントリーな印象にしたい場合におすすめ |
パイン | 温かみのあるナチュラルな雰囲気が出せる。やわらかく衝撃を吸収しやすい |
クルミ | 木の素材感が印象的 |
ウォールナット | 濃い茶色で高級感がある |
ヒノキ | 明るい色味と香りが人気 |
メープル | 乳白色のものと赤みが強いものがある。耐久性が高い |
チーク | 油分が多く耐水性と耐久性に優れている |
ローズウッド | 赤茶色で高級感があり、耐久性が高い |
サクラ | ピンクがかった温かみのある色が特徴 |
実際の色や質感は写真ではわからない部分が多いので、できれば写真だけでなく実物を見て決定しましょう。
フローリング風素材の種類
重ね張り工法によく使用されるフローリング風素材には、ウッドカーペットとクッションフロアがあります。
ウッドカーペット |
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布製のカーペットと同じように床の上に敷いて使える木製のカーペットのことで、7cmほどの幅の木材を横に並べていくタイプと、部屋のサイズに合うものを選んで敷くタイプがあります。 簡単に設置でき、使わないときは丸めて部屋の隅に置いておけます。 ただし、湿気がこもりやすいため長期間敷きっぱなしにするのは避けましょう。 |
クッションフロア |
塩化ビニール系の素材でできた床材で、2mmほどの厚みがあります。 フローリング風を含め、さまざまな模様のものがあります。 また、耐水性が高くお手入れが簡単です。 一方で接着剤の劣化により剥がれたり浮いたりしやすいデメリットもあります。 |
どちらもホームセンターで購入できるので、気に入った柄のものを使ってみてください。
和室の畳をフローリングにするときの注意点
和室の畳をフローリングにするときは、以下に注意しましょう。
- フローリングにすると室内の湿度が高くなる
- フローリングは冷えを感じやすい
- マンションは防音対策が必要
フローリングにすると室内の湿度が高くなる
張り替え工法で和室の畳をフローリングにした場合、畳を撤去することにより、 畳の調湿機能も失われるため、室内の湿度がこれまでよりも高くなる恐れがあります。
調湿機能の高いフローリング材を選ぶ、あるいは除湿器を使うなどして対策しましょう。
また、重ね張り工法の場合は畳とフローリング材との間に湿気がこもりやすいので、定期的にフローリングを剥がす、もしくは、畳との間に除湿剤を設置するなどの対策が必要です。
フローリングは冷えを感じやすい
フローリングは 外気の影響を受けやすいため、冬は足元が冷たく感じるかもしれません。
冷え対策として、断熱材や床暖房の設置を検討しましょう。
簡単な冷え対策としては、カーペットやラグの使用もおすすめです。
マンションは防音対策が必要
マンションの畳をフローリングに張り替えるときは、防音性を考慮しましょう。
畳は一般的に5cm程度厚みがあり、
張り替えるフローリングの厚み次第では防音性が低下します。
床の防音性が低くなると階下に足音や生活音が響いてしまうため注意が必要です。
防音性が高い床材を使う、あるいは、別途防音材を敷くなどして対策しましょう。
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和室の畳をフローリングにした事例
和室の畳をフローリングに変更したリフォームの事例をご紹介します。
費用やフローリングの色などの参考にしてみてください。
防音性の高いクッションフロアを採用
住宅の種類 | マンション・アパート |
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リフォーム費用 | 約17万円 |
施工日数 | 2日 |
築年数 | 30年 |
マンションの管理規約に防音に関する規約があったため、防音性の高いクッションフロアを使用しました。
>> この事例の詳細を見る
建具とフローリングの色を合わせて統一感のある洋室に
住宅の種類 | マンション・アパート |
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リフォーム費用 | 約40万円 |
施工日数 | 5日 |
築年数 | - |
湿気による変色があったクロスも張り替え、押し入れもクローゼットに変更しています。
>> この事例の詳細を見る
断熱材を入れて冷えを予防
住宅の種類 | 一戸建て |
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リフォーム費用 | 約33万円 |
施工日数 | 3日 |
築年数 | 35年 |
畳からフローリングに変更しても、足元の冷えにくい部屋に仕上げました。
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介護リフォームと合わせて和室を洋室に
住宅の種類 | 一戸建て |
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リフォーム費用 | 約40万円 |
施工日数 | 15日(他の箇所も含む) |
築年数 | 30年 |
床下には断熱材を入れ、冷気を防いでいます。
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畳からフローリングにリフォーム
内窓を設置してフローリングにしても暖かい部屋に
2階の和室の畳をフローリングに変更
フローリングで使い勝手のよい部屋にリフォーム
住宅の種類 | マンション・アパート |
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リフォーム費用 | 約50万円(原状回復を含む) |
施工日数 | 5日 |
築年数 | 38年 |
劣化部分の補修だけでなく使い勝手の向上も考慮し、きれいで快適な部屋へと生まれ変わりました。
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DIYで和室の畳をフローリングにする方法
DIYで和室の畳をフローリングにする場合は、簡単にできる重ね張り工法がおすすめです。
DIYで和室の畳をフローリングにする手順や注意点を説明します。
必要な道具・材料
重ね張り工法で畳をフローリングに変更するには、以下の道具を準備しましょう。
- ウッドカーペットやクッションフロア
- 両面テープ
- セロハンテープ
- カッター
- 除湿シートや防虫シートなど
ウッドカーペットやクッションフロアはホームセンターやインテリアショップなどに売っているほか、インターネットでも購入できます。
ただし、質感や色は写真と実物とで異なる場合があるので、できれば実物を見て選びましょう。
湿気が気になる場合は除湿シート、虫が気になる場合は防虫シートなども用意します。
施工手順
畳にフローリング材を敷くときは、以下の手順で実施します。
1. 家具を移動させ和室のサイズを測る
2. 畳を掃除する
3. 必要に応じて除湿シートや防虫シートなどを敷く
4. フローリング材をカットする
5. 必要であればセロハンテープでフローリング材とフローリング材をつなげる
6. フローリング材に両面テープを張って敷いていく
畳の大きさはメーカーや商品により異なるので、和室のサイズを測るときは畳の枚数を数えるのではなく、壁から壁までの距離を測って調べましょう。
また、フローリング材を張る前の掃除は念入りに行ってください。
汚れやホコリが残ったままだと、ダニやカビが繁殖しやすくなってしまいます。
また、両面テープがしっかり張れず、すぐに剥がれてしまう恐れがあります。
掃除機で全体の汚れを吸い取り、ほうきを使って畳の目のすきまにたまっているホコリを掃き出しましょう。
フローリング材をつなぎ合わせる必要があれば、木目がずれないように注意しながら幅の広いセロハンテープで裏側から張り合わせます。
両面テープはフローリング材の四隅に加えて十字を切るようにして張るときれいに張りやすいです。
DIYに慣れていないなら業者への依頼がおすすめ
フローリング材は畳のサイズに合わせてピッタリに切る必要があります。
サイズが合わないとフローリング材が浮いたり不自然な場所につなぎ目ができたりしてしまいます。
普段からDIYをしている人ならさほど苦労はしませんが、慣れていない場合は業者に任せたほうが安心でしょう。
なお、重ね張りによる施工は下地に問題がないことが前提です。
築年数の古い建物は下地が劣化している場合があるので、重ね張りよりも張り替えでの施工がおすすめです。
張り替え工法は畳の撤去や下地の準備、フローリング材の切断が難しいため、業者に依頼しましょう。
業者を選ぶときは、複数社に見積もりを依頼し、プラン内容や金額を比較してみてください。
金額だけでなく、提案力や対応、保証内容などもチェックしておきましょう。
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和室の畳をフローリングにするときは業者に施工方法や素材を相談してみよう
和室の畳をフローリングにする際は、重ね張り工法か張り替え工法のどちらかで実施します。
DIYでフローリングにするときは比較的簡単な重ね張り工法がおすすめです。
ウッドカーペットやクッションフロアを購入し、和室のサイズに合わせて設置しましょう。
重ね張り工法は床材の厚みで見栄えが悪くなりやすいので、見た目にこだわりたい場合は業者に張り替え工法での施工を依頼してみてください。
予算や希望している内装の雰囲気などに合わせて、業者と相談しながら、どのような床や部屋にしたいのかプランを作成していきましょう。
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