【施工内容別】和室を洋室にリフォームする際の費用・価格帯
和室を洋室にリフォームする際には、どこまでの範囲を洋室へ変更するのかをまず検討する必要があります。
畳をフローリングに張り替えるだけのリフォームを行うご家庭もあれば、布団を使わなくなったため押入れをクローゼットにリフォームする例や、襖(ふすま)のみを洋風の建具に変更する例などもあり、いろいろな施工パターンがあります。
リフォーム内容 | 費用相場 |
---|---|
畳からフローリングに変更 | 9〜35万円(6〜8畳) 畳からクッションフロアの場合:8〜18万円(6〜8畳) |
壁・天井のリフォーム | 10~20万円(6〜8畳) 同時に床をフローリングへ変更する場合:16〜35万円(6〜8畳) |
押入れをクローゼットに | 8~25万円 ウォークインクローゼットにする場合:〜50万円 棚の調整:2~10万円 |
襖(ふすま)を洋室建具に | 3~22万円 |
和室全体を洋室に変更 | 25〜100万円(6〜8畳) |
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ここからは、工事内容ごとのポイントや費用について、詳しくご説明していきます。
畳からフローリング/クッションフロアにリフォームする際の費用・注意点
一般的な6~8畳の和室の畳をフローリングに変更する場合の費用は、 9〜35万円前後になることが多いです。
価格を安く抑えたい/掃除しやすい床材にしたい場合には、クッションフロアもおすすめです。
畳からクッションフロアに張り替える際は、費用は
8〜18万円(6〜8畳)が目安です。
床材の変更工事では、畳を撤去してフローリング材を張るだけではなく、下地材の設置作業も行います。
たいていの畳の厚さが約40~50mmであることに対して、フローリングは12mm程度の厚みしかありません。
そのため、畳をはがした後に下地木工事を行い、隣り合う部屋との段差を調整するのです。
また床の下地には、根太(ねだ)という横木がありますが、畳の場合、根太は455mmの間隔で広めに組んであります。
しかし、畳よりも強度が弱いフローリングに張り替える場合、根太の間隔を303mm程度にまで配置し直す工事も発生します。
さらに築年数が経っている住宅の和室では、畳の下に断熱材が入っていないケースもあります。
畳よりも冷えやすいフローリングへ張り替える場合、根太の施工前に、断熱材を追加する工事も行う可能性もあります。
なお、使用するフローリング材の強度や性能によって、フローリングの材料費が10万円前後変動するので、機能と予算のバランスを考えながらフローリング材を選びましょう。
マンションの場合は、防音性に注意
基本的にフローリングは、畳よりも防音・遮音性が劣ります。
マンションの和室の床をフローリング材へ変更する際は、防音性を確保するため、必ず管理規約を確認しましょう。
たいていの集合住宅では「防音規定」やフローリングの「遮音等級」が決められています。
フローリング材には、遮音性を表す「L値(エルチ)」が定められており、数値が小さいほど遮音性が高いフローリング材になります。
ちなみに最近のマンションでは、L-45以下のフローリング材が主流です。
なお、2008年以降は、「⊿L(デルタエル)等級」という最新の防音基準も示され、こちらの場合は数値が大きいほど防音性が高いので、混同しないように気を付けてくださいね。
一般的な「合板フローリング」は、さまざまなメーカーから防音基準を満たす商品が販売されているので、条件をクリアできる場合がほとんどです。
しかし、人気の自然素材である「無垢のフローリング」は、防音性が認められていないため、遮音性能のある下地材を別に敷く必要があり、その分の費用や施工時間もかかってしまいます。
採用したいフローリング材によっては合計費用が2倍になってしまうこともあるため、事前にリフォーム会社とよく相談の上、工事内容を決定するとよいでしょう。
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壁と天井のクロスをリフォームする際の費用・注意点
和室の壁と天井を、洋室仕様の壁紙クロスにリフォームする場合、 6~8畳間の和室であれば費用は10~20万円程度が相場です。
壁や天井クロスのリフォームでは「m(メートル)単位」あるいは「㎡(平方メートル)単位」で料金が変わるので、施工会社からの見積書をしっかりチェックしてくださいね。
>> 砂壁・土壁の上に壁紙クロスを貼る方法を詳しく解説(外部サイトに遷移します。)
天井と壁、および壁と床の継ぎ目には、巾木(はばき)や廻り縁(まわりぶち)で仕上げる工事も行われます。
巾木は見た目をよくする他、掃除機や家具をぶつけにくくする役割を果たします。
なお、畳をフローリングへ張り替えると同時に、壁・天井も洋室のようにリフォームする場合には、床の工事とセット価格でリフォームしてもらえることも多いため、全体にかかる費用は 16~35万円(6~8畳の和室の場合)が相場と言えます。
真壁か大壁か
一戸建ての場合は、和室と洋室の「壁」の構造が大きく異なる例がよく見られます。
床の間や欄間(らんま)などがある一戸建ての和室は、「真壁(しんかべ)」と呼ばれる柱を露出させるタイプの壁であることが多いです。
>> 床の間リフォームで空間を有効活用!リフォーム費用や事例を紹介
対して、洋室の壁は「大壁(おおかべ)」と呼ばれる、柱を見えなくする仕様とするのが一般的です。
そのため、一戸建ての和室の壁を洋室風にする際には、耐火ボードを張る/壁の厚みを調整する、といった作業も必要になります。
一方マンションの和室の場合は、洋室と同じ「大壁」であるケースがほとんどのため、一戸建ての和室を洋室へリフォームする時と比べると工期も費用もかからずに済みます。
【真壁を大壁に変更する費用】
真壁を大壁に変更するリフォームでは、 15〜25万円ほどのコストがかかります。
「真壁の和室だけど、なるべく安い費用で洋室にしたい」という時にも、まずはリフォーム業者に相談してみましょう。
押入れをクローゼットにリフォームする際の費用・注意点
押入れをクローゼットにリフォームする場合の費用は、 6~25万円前後と考えておきましょう。
内容としては、襖(ふすま)を撤去して扉材を取り付け、内側の仕切り材やハンガーパイプなどを設置する工事になります。
襖(ふすま)を残して、中に棚を追加する程度の簡易なクローゼットであれば、 2~10万円ほどで施工可能です。
一方、収納スペースが幅広である場合や、ウォークインクローゼット(WIC)にする時には、予算は 〜50万円位を想定しておくと無難でしょう。
可能であれば、扉は手前に引けるタイプの「折れ戸」にしておくと、物の出し入れがしやすく使い勝手が向上します。
ちなみに、一間幅の押入れの奥行きは800~900mmですが、基本的なクローゼットの奥行きは550~600mmであるため、この約300mmの差をしっかり考慮しておきましょう。
高さが異なる2本のハンガーパイプを設置するなどの工夫をするのがおすすめです。
なお、内部が結露してしまう可能性がある場合は、断熱材や床材の補強工事も必須となるパターンが多いです。
リフォーム担当者から、具体的な工事プランについてしっかり説明を受けておくとよいでしょう。
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襖(ふすま)を洋風建具・ドア(引き戸/開き戸)に変える際の費用・注意点
和室の襖(ふすま)を、リビングなどにあるような洋風のドアに付け替える場合、リフォーム費用は 1ヶ所あたり3~22万円位です。
最も簡単な工事方法は、建具本体と敷居の交換のみの工事で完了する、引き戸への変更工事です。
開き戸に変更したい場合には、隣室や廊下との段差を埋める工事もプラスして行う必要があります。
建具のグレードによって商品価格が大きく変わるので、開閉のスムーズさや、ストッパー機能の有無なども比較しながら、適切なドアを選択しましょう。
和室全体を洋室にリフォームする際の費用・注意点
6~8畳間の和室を全面的に洋室にリフォームする際の費用は、概算で 25〜100万円前後です。
原則、予算は50万円以上を見込んでおくとよいでしょう。
マンションの和室全体を洋室にリフォームする際には、壁の工事が容易なため、50~60万円程度でリフォームできることも多いです。
先述したような、床材・壁紙クロス・天井材の張替え、収納・建具の変更といった全ての工事を実施します。
障子窓があった箇所にカーテンを取り付けたい場合には、カーテンレール設置用の下地を入れておいてもらうとよいでしょう。
工事内容や部材の質、下地などの劣化具合によって費用が高額になってしまうため、総額がどの程度になりそうか、現地調査の際にリフォーム会社に確認しておくと安心です。
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畳からフローリングにリフォームする時に利用しやすい補助金
畳からフローリングにリフォームする際に申請できる補助金制度があります。
以下、全国共通の制度と自治体ごとの制度をご紹介します。
それぞれ条件や申請期間が異なるため、利用を検討している方は補助金に詳しいリフォーム業者と相談するとよいでしょう。
全国共通の補助金制度
介護保険
<概要> 自治体から要支援・要介護と認定された方が居住する住宅でバリアフリーリフォームを行う際に介護保険から工事費用の一部が補助されます。 畳からフローリングへのリフォームの場合、「滑りの防止及び移動の円滑化等のための床又は通路面の材料の変更」に該当する場合があります。 |
<条件> ●「要支援1〜2」か「要介護1〜5」の認定を受けていること ● 被保険者と対象住宅の住所が一致していること ● 要支援・要介護と認定された方が福祉施設や病院に入っていないこと |
<補助金額> 工事費用の7~9割(上限20万円) |
<受付期間> 随時 |
長期優良住宅化リフォーム推進事業
<概要>
既存住宅の長寿命化や省エネ化等の性能向上リフォームを支援する制度です。 「子育て世帯向け改修工事」として和室を子供部屋にするリフォームで利用可能になる場合があります。 |
<条件> ● リフォーム工事前にインスペクション(住宅診断)を行うこと ● リフォーム後に「構造躯体等の劣化対策」「耐震性(新耐震基準適合等)」「省エネルギー対策」を一定の基準に満たすこと(※1) ● 「子育て世帯向け改修工事」の場合、若者・子育て世代であること(※2) その他、いくつか条件があります。 ※1 すでに満たしている場合は「子育て世帯向け改修工事」単体で利用可能 ※2 若者=年度当初に工事発注者が40歳未満であること/子育て世代=年度当初、または交付申請日に18歳未満の子どもがいること |
<補助金額> 100~250万円/戸(上限) |
<受付期間> 交付申請=2023年5月8日~12月22日 ※評価基準型は終了しています(2023年7月時点) |
自治体の補助金制度
畳をフローリングに替える際に利用しやすい自治体ごとの補助金制度をご紹介します。
滑り防止を目的としたバリアフリーリフォームであれば、床材リフォームが補助対象になる自治体が多数あります。
バリアフリーリフォームとして畳をフローリングに変更する場合は、滑りにくく加工された特殊なフローリングを用いることで補助対象になる可能性があります。
その他、2世帯住宅リフォームでも対象になりやすいです。
横須賀市「2世帯住宅リフォーム補助金」
<概要> 市外に住む子ども家族の市内転入を促進するためのリフォーム補助金制度です。 床材のリフォーム以外にも水まわりの設備修繕やバリアフリー改修工事など様々なリフォームに対応しています。 |
<条件> ● 2023年1月1日時点で転入する子ども家族は横須賀市外に住所を有しており、申請日以後に親世帯の居住している住宅に転入すること ● 申請年度中に施工と子ども家族との同居(住民登録)を完了させること その他、いくつか条件があります。 |
<補助金額> リフォーム費用の2分の1(上限30万円) |
<受付期間> 先着5件 ※予算上限に達し次第、受付終了します |
桐生市「きりゅう暮らし応援事業(住宅リフォーム助成)補助金」
<概要> 住宅の長寿命化及び居住環境の改善のため、個人が所有し居住している住宅のリフォーム工事を行う方へ工事費用の一部を補助する制度です。 床リフォームのような内装工事だけでなく、外装工事や耐震改修工事など、様々な工事が対象になります。 |
<条件> ● 桐生市に住宅を所有し、そこに居住していること ● 対象工事費が20万円以上であること その他、いくつか条件があります。 |
<補助金額> 対象工事費の10%(上限30万円) ※子育て世帯は対象工事費の20% |
<受付期間> 2023年4月20日~10月31日 先着200件程度 ※予算上限に達し次第、受付終了します |
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和室を洋室にリフォームした事例8選
それでは最後に、当サービス『リショップナビ』の加盟業者が実際に和室から洋室へとリフォームした、さまざまな事例をご紹介します。
押入れのみのリフォームや、全面的な改装工事など幅広く掲載しているので、費用なども参考にしてくださいね。
【事例①】
和室の襖を残して洋室へリフォーム
リフォーム費用 | 24万円 |
---|---|
工事期間 | - |
住宅の種類 | 一戸建て |
築年数 | 30年 |
欄間(らんま)部分も、隣接するリビングから明かり取りができるよう工夫されていますね。
【事例②】
押入れを湿気対策万全のクローゼットにリフォーム
リフォーム費用 | 26万円 |
---|---|
工事期間 | 3日 |
住宅の種類 | 一戸建て |
築年数 | 30年 |
使い勝手を考慮し、クローゼットの内部にはパイプハンガー・中段・枕棚を設置しています。
ドア材に木目調の洋風建具を採用したため、和室の雰囲気とうまく調和していますね。
【事例③】
賃貸マンションでクッションフロアの洋室に変更
リフォーム費用 | 27万円 |
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工事期間 | 7日 |
住宅の種類 | マンション |
築年数 | 30年 |
壁と床の補強後に、天井・壁のクロスの張り替えを実施し、床材は畳からクッションフロアに変更しました。
クッションフロアは、こちらの事例のようなフローリング調のデザインも選べます。
【事例④】
フローリングへの変更&壁・天井クロスの張り替え工事
リフォーム費用 | 29万円 |
---|---|
工事期間 | 7日 |
住宅の種類 | マンション |
築年数 | - |
壁紙や既存の窓サッシが白で統一されており、床材にも淡いカラーを使用したことで、より広く明るい空間に感じられますね。
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【事例⑤】
約6畳の和室を、両引き戸とクローゼットのある洋室へ
リフォーム費用 | 45万円 |
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工事期間 | 7日 |
住宅の種類 | 一戸建て |
築年数 | 30年 |
押入れも今の生活スタイルに合わせて、折れ戸付きのクローゼットに。
さらに出入り口の襖(ふすま)は、洋風の両引き戸に交換しました。
【事例⑥】
和室を在宅ワークスペースのある洋室へ
リフォーム費用 | 20〜50万円 |
---|---|
工事期間 | 6日 |
住宅の種類 | 一戸建て |
築年数 | 25年 |
元々押入れだった部分は、広いカウンターや本棚、テレビ端子、ネット環境を完備することで在宅ワーク用の書斎スペースになりました。
>> この事例の詳細を見る
【事例⑦】
真壁の和室を大壁の洋室へとリフォーム
リフォーム費用 | 81万円 |
---|---|
工事期間 | - |
住宅の種類 | 一戸建て |
築年数 | 30年 |
隣り合うリビングとの境には、開閉式の間仕切りドアを設置。広々と使いたい場合には「続き間」としても活用できます。
【事例⑧】
壁を撤去して広い洋室にリフォーム
リフォーム費用 | 150〜200万円 |
---|---|
工事期間 | - |
住宅の種類 | 一戸建て |
築年数 | - |
収納部分は、上部を開口することで湿気対策になる他、お気に入りのインテリアなどを置くスペースにもなります。
>> この事例の詳細を見る
和室から洋室へのリフォームは、施工経験が豊富な業者に相談し、予算などご希望に合ったプランを提案してもらうとよいでしょう。
理想的で快適な洋室へのリフォームを、ぜひ実現したいですね。
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【この記事のまとめ&ポイント!】
和室を洋室にする際の費用は、いくら位ですか? |
---|
例えば、一般的な6~8畳の和室の畳をフローリングにする際には、リフォーム費用は9~35万円前後かかることが多いです。 主な施工内容ごとの価格帯については、こちらを参考にしてください。 |
和室を洋室にリフォームする際に、注意することはありますか? |
畳からフローリングにリフォームする場合、防音・遮音性が畳よりも劣ってしまうことが多いので、マンションでは特に注意したほうがよいでしょう。 具体的な注意点については、こちらで解説しています。 |
和室から洋室に変更した事例を見たいです。 |
「襖を残して洋室にリフォームした事例」や「和室を全体的に洋室仕様に変更したリフォーム」など、さまざまなパターンをこちらに掲載しています。 |
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