中古マンションのリノベーションには2種類ある
中古マンションのリノベーションには、大きく分けて2つの方法があります。
● 中古マンションを購入してからリノベーションをする
● リノベーションが完了している中古マンションを購入する
物件を購入してからリノベーションを行う場合、自分の好みやニーズに合わせてプランの設計ができます。
一方でリノベーション済みの物件は、購入後にすぐ入居できるメリットがあります。
手間や時間をかけずに、スムーズに新しい住まいで生活できますが、リノベーションの内容や品質によっては、希望にマッチしない場合もあるため注意が必要です。
自分のライフスタイルに合った間取りや設備にしたい場合は、中古マンションを購入してからリノベーションすることをおすすめします。
中古マンションをリノベーションする際の8つの注意点
中古マンションをリノベーションする際の注意点は、次の8つが挙げられます。
● 要望に沿った間取りにできるか確認する
● 水回りの移動や変更が可能か確認する
● マンション購入とリノベーションの合計費用を計算する
● 将来のライフスタイルを考慮して設計する
● 修繕計画や修繕積立金を確認する
● 新耐震基準を満たしているか確認する
● 配管や床下の見えない部分の確認をする
● 共用部分の劣化状況を確認する
中古マンションは、水回りや共用部分のリノベーションに制約を受けるなどの注意点があるため、事前に把握しておきましょう。
一つずつ解説していきます。
要望に沿った間取りにできるか確認する
中古マンションをリノベーションする際は、まず要望に沿った間取りが実現可能かどうかの確認が重要です。
中古マンションの構造には、主に次の2つの種類があります。
構造 | 内容 | 特徴 |
---|---|---|
ラーメン構造 | 柱と梁からなる構造体を一体化させ、フレームを形成する構造 | ・強度が高く耐震性に優れている ・間取りの柔軟な変更が可能 ・広い空間をつくりやすい |
壁式構造 | 壁(耐力壁)で建物を支えている構造 | ・柱や梁が目立たなく、見た目がすっきりしている ・耐力壁は構造体のため撤去できない |
ラーメン構造のマンションは、柱や梁がフレーム状になっていて壁は構造体ではないため、間取り変更の自由度が高めです。
しかし、壁式構造のマンションの場合は、壁が建物を支えているため、壁の解体ができず、間取りの変更に制約があります。
間取りは住まいの使い勝手や快適性に大きく関わるため、事前に構造を確認して慎重に検討しましょう。
水回りの移動や変更が可能か確認する
中古マンションでリノベーションする際は、洗面所やお風呂などの水回りの移動・変更が可能かを確認することが大切です。
マンションの配管は、下階の天井裏に設置されていることがあり、配管を移動して水回りの位置を変更することが困難な場合もあります。
水回りの移動や変更には費用もかかるため、配管の付け替えや設備の取り外し・設置などの費用を把握して、予算内で工事ができるかの判断も重要です。
水回りの位置を変更すると、隣接する部屋の生活空間と近くなり、騒音や振動などのトラブルになる恐れがあることも認識しておきましょう。
マンション購入とリノベーションの合計費用を計算する
中古マンションを購入してリノベーションする場合、マンションの購入とリノベーションの合計費用を計算しておくことが重要です。
まずは、全体にかけられる予算を確認した上で、次の合計費用を計算します。
● マンションの物件価格
● リノベーションの工事費用
● 手数料や税金、保険などの諸費用
合計金額が予算を超えるようなことがあると、住宅ローンの借入可能額に達して希望のリノベーションができない場合もあります。
無理のないローン返済をする上でも、リノベーションの合計金額を計算して慎重に検討するようにしましょう。
将来のライフスタイルを考慮して設計する
将来のライフスタイルを考慮してプランの設計をすることも、中古マンションをリノベーションする際に注意すべき点です。
たとえば、子どもが成長した際のスペースや書斎の設置、老後の生活を考えたバリアフリー対策など、将来のニーズに合わせた設計が大切です。
現在の生活だけを考えて設計すると、間取りや収納スペースで不都合が出てしまう恐れもあります。
家族構成の変化やライフステージの移り変わり、趣味や仕事の変化を考慮して、将来の暮らし方を見据えた設計にしましょう。
修繕計画や修繕積立金を確認する
中古マンションをリノベーションする際には、修繕計画や修繕積立金について確認しましょう。将来的なメンテナンスや修繕費用を把握できます。
中古マンションの修繕計画とは、配管や電気配線などの設備部分、外壁や建具などの建築部分の改修計画です。
修繕計画に沿って改修がされていない場合、設備の劣化が進みます。劣化が進むと、修繕積立金の増加やマンションの資産価値が下がる恐れがあるのです。
築年数が経過しているマンションでは、修繕積立金が高くなるケースもあります。
入居後の家計にも影響するため、事前の確認が必要です。
新耐震基準を満たしているか確認する
リノベーションの際は、中古マンションが「新耐震基準を満たしている物件か」を確認しましょう。
1981年6月以前に建てられた物件は「旧耐震基準」となり、新耐震基準と比較すると耐震性が低くなっています。安全性の観点からも耐震基準の確認が大切です。
● 旧耐震基準:震度5強程度で倒壊しないこと
● 新耐震基準:震度5強程度ではほとんど損傷せず、震度6~7程度でも倒壊しないこと
参考:>> 『参考資料集』新耐震基準の概要|国土交通省
旧耐震基準の中古マンションは、住宅ローン控除の税制優遇が受けられないケースもあるため注意しましょう。
配管や床下の見えない部分の確認をする
中古マンションをリノベーションする際には、給排水の配管や床下の断熱材など、見えない部分の確認を行うことが重要です。
築年数が経過している物件は、配管の劣化や腐食が進行している場合もあり、水漏れやトラブルの原因になります。
床下では断熱材の劣化やカビの発生など、普段の生活に支障が出てしまう恐れもあるため、慎重な確認が必要です。
なお、ホームインスペクション(住宅診断)を利用することで、専門家による点検や診断を受けられ、購入後に欠陥が発覚するトラブルを防げます。
共用部分の劣化状況を確認する
マンションの共用部分の設備は、リノベーションで取り替えや改修することが原則できないため、購入前に劣化状況を確認しておくことが重要です。
マンションの共用部分に該当するものは、次の通りです。
● 玄関ドア
● コンクリートの構造躯体
● パイプスペース
● サッシ
● バルコニー
玄関ドアの内側の仕上げ加工や、窓の内側に二重サッシを取り付けるなど、方法によってはリノベーションができる場合もあります。
リノベーションする際は、管理組合の規約を確認してから行うようにしましょう。
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中古マンションをリノベーションするメリット
中古マンションをリノベーションするメリットについて、次の3点が挙げられます。
● 新築マンションよりも低コストで購入できる
● 生活環境に合わせた間取りが設計できる
● マンションの資産価値が下がりにくい
築年数が経過した中古マンションは、新築マンションに比べて購入価格が安くなることや、資産価値が下がりにくい点も魅力です。
一つずつ解説していきます。
新築マンションよりも低コストで購入できる
中古マンションは建物の年数に応じて価格が設定されているため、購入後にリノベーションしても新築マンションよりコストがかからない傾向があります。
国土交通省の「住宅市場動向調査報告書」によると、集合住宅(マンション)の購入資金の平均は、次の通りです。
種類 | 平均購入資金 |
---|---|
分譲集合住宅 | 5,279万円 |
既存(中古)集合住宅 | 2,941万円 |
参考:>> 令和4年度 住宅市場動向調査報告書(48ページ)|国土交通省
中古マンションのリノベーション費用は、100〜700万円が主流です。中古マンションの購入資金と合わせても、新築マンションより低コストだとわかります。
>> 中古マンションのリノベーション費用と注意点生活環境に合わせた間取りが設計できる
ライフスタイルや生活環境に合わせた間取りが設計できる点も、中古マンションをリノベーションするメリットの一つです。
新築マンションでは決められた間取りの中から選択しなければなりませんが、中古マンションのリノベーションでは既存の間取りを変更したり、壁を取り払ってワンルームにしたりするなど、自由な設計ができます。
リフォームのように既存の設備を新しくするだけではなく、生活をより快適にする高機能なものに交換できる点も魅力の一つです。
マンションの資産価値が下がりにくい
中古マンションは、資産価値が下がりにくい点もメリットです。
新築で購入したマンションは、築年数の経過とともに平均価格が下がるため、資産価値も低下していきます。
しかし、築25年を経過したころから、マンションの平均価格は下がりにくい傾向にあり、資産価値も低下しにくいといえます。
資産価値が安定した状態で中古マンションを購入できれば、将来売却する場合でも損失を出しにくいでしょう。
リノベーションによって耐久性や機能性を向上させることで、修繕やメンテナンスの負担が軽減され、資産価値も維持できます。
中古マンションをリノベーションするデメリット
中古マンションをリノベーションするデメリットは、次の2つが挙げられます。
● キッチンやトイレを移動できない場合がある
● 構造部分の老朽化が進んでいる場合がある
リノベーションを検討する前に、中古マンション特有のデメリットを把握して、設計プランに反映させましょう。
次で一つずつ解説していきます。
キッチンやトイレを移動できない場合がある
中古マンションをリノベーションする際に注意する点は、キッチンやトイレを移動できない場合があることです。
中古マンションは、既存の配管や給排水設備の位置が固定されていることもあり、希望通りの間取りにリノベーションできない場合があります。
配管の経路は給排水するための勾配を考慮して設置されているため、水回りを変更することによって水が流れにくくなる恐れもあります。
リノベーションの計画を立てる前に、現状の配管や設備の状態を確認して、専門家のアドバイスを受けることも重要です。
構造部分の老朽化が進んでいる場合がある
中古マンションは、築年数に応じて構造部分の老朽化が進んでいる場合もあるため注意が必要です。
マンションの基礎やコンクリート部分などの構造体の老朽化は、建物の安全性や耐久性に直結し、地震や自然災害に対する強度が低下している恐れもあります。
構造部分のリノベーションは個人で行えないため、老朽化が判明した場合は、修繕計画や管理状況について管理会社に確認してみましょう。
中古マンションをリノベーションした事例を3つ紹介
当サービス『リショップナビ』の加盟会社が施工した、中古マンションのリノベーション事例を3つ紹介します。
● 会話を楽しむキッチンにリノベーション
● 築40年の物件をオシャレにリノベーション
● 事務所兼自宅をフルリノベーション
中古マンションのリノベーションを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
事例1:会話を楽しむキッチンにリノベーション
住宅の種類 | マンション・アパート |
---|---|
築年数 | 14年 |
施工日数 | 7日 |
リフォーム費用概算 | 約303万円 |
中古マンションのキッチン本体の交換に加え、対面部分の吊戸棚と袖壁を撤去して、会話が楽しめるような広い空間を実現。収納や照明、フローリングにもこだわりました。
撤去する壁部分にインターホンがあったので少々大変でしたが、ご要望通りの仕上がりになりました。
>> この事例の詳細はこちら事例2:築40年の物件をオシャレにリノベーション
住宅の種類 | マンション・アパート |
---|---|
築年数 | 40年 |
施工日数 | 50日間 |
リフォーム費用 | 約800万円 |
築40年の中古マンションを購入して、間取り変更を含めたリノベーションを行いました。
マンションでは珍しいですが、工事費用を抑えるために、小さく間仕切りをしないように施工し、各個室を大きめにするプランになりました。
内装はリノベーションの仕方を工夫して、新築のような今風のデザインです。
>> この事例の詳細はこちら事例3:事務所兼自宅をフルリノベーション
住宅の種類 | マンション・アパート |
---|---|
築年数 | 30年 |
施工日数 | 90日間 |
リフォーム費用 | 約1,000万円 |
事務所兼自宅が建てられる物件を探し、駐車場が3台あるこの物件の購入を決めて、リノベーションを行いました。
築30年の中古マンションで、5LDKから4LDKにリノベーションを行い、広めの間取りを実現しています。
細部にまでこだわり満足のいくリノベーションができました。
>> この事例の詳細はこちら中古マンションをリノベーションする注意点を把握しておこう
今回の記事では、中古マンションをリノベーションする際の注意点とメリット、実際の施工事例を紹介しました。
中古マンションのリノベーションには、新築マンションに比べて低コストで購入できることや、生活環境に合わせた間取りが設計できるなど、多くのメリットがあります。
一方で「水回りの移動ができるか」や「共用部分の設備が劣化していないか」など、注意すべき点があることも把握しておきましょう。
>> 中古マンションのリノベーションでよくある後悔と対策・注意点理想のリノベーションを実現するために、本記事を参考にして具体的なプランニングを進めてみてください。
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>> ワンストップリノベーションとは?メリットと手続きの流れを解説
>> リノベーションの見積もりの取り方とは?注意すべき点も解説
>> リノベーションを成功させるには?ポイントと施工事例をご紹介
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