【徹底解説】新築とリフォームどっちがお得?費用比較とメリット・デメリット

更新日:2024年07月03日

建設中の住宅の骨組み

住宅の購入を検討する際、新築にするか中古物件をリフォーム/リノベーションするか迷う方も多いですよね。
本記事では、それぞれの費用やメリット・デメリットを比較しています。家造りにおいて譲れない部分が実現できるほうを選びましょう。

新築とリフォーム・リノベーションの費用比較

落ち着いた色合いの新築住宅

一般的に、費用は新築よりもリフォームのほうが安く済むと言われています。
それぞれの主な出費を確認してみましょう。

【新築注文住宅の場合】

● 土地代
● 土地仲介手数料
● 工事費用
● 登記費用
● 建材/設備機器費用
● 上下水道設置負担金

【リフォームの場合】

● 中古物件購入費用
● 物件仲介手数料
● 売買契約の印紙税
● 登記費用
● 不動産取得税
● リフォーム費用
● 解体/廃材処分費用

リフォームが安くなる理由として一番大きいのは、やはり物件取得費用です。
新築時から年数が経つほど、物件価格は安くなるので、予算をおさえることができます。

それでは、具体的にどのような費用がどれくらいかかるのか事例を見てみましょう。

建設中の住宅の骨組み

まずは2階建ての新築注文住宅を建てる場合です。

土地代金 2,000万円
土地仲介手数料 65万円
上下水道設置負担金 50万円
工事費用(設備機器費用含む) 2,300万円
登記費用 34万円
総額 4,449万円

上下水道設置負担金などは、土地を新たに取得して住宅を建てる場合などに発生します。

工事中の中古住宅

同じように、中古の一戸建て(2階建て)を購入・リフォームした場合の費用の内訳は下記の通りです。

中古物件取得費用(築20年) 2,500万円
仲介手数料 80万円
印紙税 1万円
登記費用 30万円
リフォーム費用 900万円
総額 3,511万円
※仲介手数料 上限は(物件価格×3%)+6万円+消費税
※売買契約の印紙税 1000万円以上5000万円以下の契約で1万円
※登記費用 司法書士報酬を含み数十万円が相場
※不動産取得税 数万円〜数十万円

特に、構造に大きな傷みや耐震上の問題がなければ、基本的にはリフォームのほうが費用が安くなります。
同じエリアで実施した場合に、新築に比べてリフォームのほうが70〜80%ほどの費用におさまるなら、リフォームを選択するのがおすすめです。

この費用を超えてくる場合は、新築のほうが向いている工事内容かもしれないので、一度検討してみるのも良いかもしれません。

>> 一戸建てリフォームの費用相場・工事期間や注意点

また、税制面に関してもリフォームの方が負担が少ない場合が多いです。
中古住宅は経年劣化により建物の価値が下がり固定資産税が安くなっています。

しかし、リノベーションの種類によっては、固定資産税が上がるので注意が必要です。
ただ、経年劣化した箇所を原状復帰するようなリフォームや耐震補強の場合は、固定資産税への影響はありません。

減税措置を受けられるリフォームもありますので、それらを活用し出費を抑えるのもおすすめです。

>> リフォーム減税制度はどんな工事が対象?

新築のメリット

新築には以下のメリットがあります。

  • 構造部分に不安がない
  • 外観や間取りなどの自由度が高い

それぞれの詳細をご紹介します。

構造部分に不安がない

住宅の基礎構造

安心感とは具体的には、「耐震性」や「耐久性」など、家の構造部分の強度に関するポイントです。
新築であれば、最新の耐震基準に則って施工されるので、耐震性で不安が残ることはないでしょう。
また、断熱性能や省エネ対策などに優れたハイスペックな住宅にする場合は、新築のほうが効率的 な場合が多いです。

一方リフォームの場合は、対象となる物件によっては耐震基準が古いものであったり、構造部分が傷んでいて、補強が必要な場合があります。
構造部分までリフォームをするとなると、費用も工期もかかってしまうので、あまり推奨できません。

物件を選ぶ際は、戸建てであれば、最低でも1981年以降に立てられた物件を選びましょう。
より望ましいのは2000年以降に建てられた物件です。
マンションの場合には、1981年以降に建築確認申請がされている物件にしてください。

また、以上のことから新築の場合は基本的に、耐震基準に適合した物件になるはずです。
さらに中古物件の場合、シロアリ被害などにより、家の基礎部分や土台の損傷が見られることがありますが、新築ならこのようなことも回避できます。

>> 我が家の強度は大丈夫?耐震診断・耐震リフォームを詳しく見る
>>"外張り断熱と充填断熱の違い" を知って無駄のない断熱リフォームを!

外観や間取りなどの自由度が高い

新築注文住宅の場合ですが、リフォームよりも家全体のデザインの自由度が格段に高くなります。
同じ新築でも、建売りの場合は既に完工しているものを購入するので、自分の好み通りに設計できるわけではありません。

またリフォームの場合、内装の変更や設備交換などおおよそのことはできますが、場合によっては間取りの大幅な変更などは難しい場合もあります。
最も自由度が高いのが注文住宅で、断熱・間取り・採光・通風などすべてに関して自由に設計ができます。

新築のデメリット

新築には以下のデメリットがあります。

  • 近隣の環境がわからない
  • 住み心地や景観がイメージしにくい

それぞれの詳細を確認してみましょう。

近隣の環境がわからない

近隣住宅の環境

新しい住宅や土地を購入したとき、近隣の環境がどのように変化していくか、予想しづらいものです。
既存物件の場合、音の響き具合や日当たりなど、周囲の環境に合う対策ができているかどうか、事前に調査してみることが可能です。
しかし 新築の場合、住んでみないと周りの状況に合っているか判断できない要素が多いのが難点です。

住み心地や景観がイメージしにくい

住み心地や景観がイメージしにくい

また新築は、周囲の環境だけでなく、住まいからの景観や、家自体の外観、住み心地もしっかりとイメージすることが難しいです。
もちろん中古物件よりも断熱対策などの施工はしやすいですが、プランの素材や設計が家族の体に合うか、内外からの眺めがどうなるかなどは、判断することが困難でしょう。

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リフォーム・リノベーションのメリット

中古物件をリフォーム・リノベーションする場合、以下のメリットがあります。

  • 周囲の環境状況を把握できる
  • きれいな古民家や和モダンの家に住める
  • 費用が安い場合が多い

それぞれの詳細をご紹介します。

周囲の環境状況を把握できる

住宅周辺の環境

新築にはない、リフォーム・リノベーションの場合のメリットとしては、既存住宅なので周囲の環境に合っている物件なのかどうかが把握できます。

騒音に関する問題や、採光や風通し、住み心地などが新築に比べて理解しやすいです。
また立地に関しても、新築よりも「駅の近く」「都心にすぐ出られる」などといった希望条件で見つけやすいです。

きれいな古民家や和モダンの家に住める

和モダン風にリフォームした家

リフォーム・リノベーションならではの良さとして、最近人気の古民家リフォームなどであれば、新築には絶対に出せない古民家ならではの雰囲気を出すことができます。
昔ながらの日本家屋を和モダンスタイルで演出した家も、とっても素敵ですよね♪

>> 再生!古民家リノベーション・リフォームとは?

費用が安い場合が多い

白を基調とした住宅

先述の通り、物件取得費用の関係でリフォームの方が費用が安くなる場合が多いです。

しかし、リフォームが安く済むのは元々の構造や間取りを活かしているからなので、大きな間取り変更や水まわりの移設、耐震補強工事の規模によっては、新築と同じくらいの費用がかかってしまう場合もあります。

施工範囲の広い中古住宅のリフォームは、業者によって施工技術や仕入れ値の違いによりリフォーム費用に差が出てしまうこともあります。
複数の業者から見積もりをして出してもらい比較することで、より安く納得のいくリフォームができるでしょう。

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リフォーム・リノベーションのデメリット

新築には以下のデメリットがあります。

  • 間取りの自由度が低い
  • 耐震構造や断熱性能に不安が残ることがある

それぞれの詳細を確認してみましょう。

間取りの自由度が低い

住宅の間取り図

リフォームは、設備や部品の交換、部分改修などが主になります。
自由な間取り設計ができる「スケルトンリフォーム」もありますが、建物の構造によって対応できないケースが多いこと、費用がかかることなどといった理由から、新築よりもデメリットが多いです。

また、リフォームはもともとあるものに手を加えていくので、基本的に新築よりも複雑で難しい工事になりがちです。
間取りにこだわりたい場合は、やはり新築注文住宅が無難な選択かもしれません。

>> 自由な間取り設計が出来る!スケルトンリフォームはこちら
>> 鉄筋コンクリート(RC)造住宅のリフォーム費用と注意点を解説!

耐震構造や断熱性能に不安が残ることがある

耐震補強の金具

中古住宅で一番気をつけたいことが、耐震構造や断熱などの性能です。
せっかく気に入った間取りの家があっても、耐震性に欠けていたら割高のリフォームが必要になる可能性があります。

また、壁をはがしてみたらシロアリの被害を受けていた、というケースも珍しくありません。
なお寒冷地帯の住宅なら、断熱性能も調べておくことも大切です。

中古物件を選ぶときの、耐震性についての目安を確認しておきましょう。
原則として、「新耐震設計基準」が導入された1981年以降に建てられた住宅を探しましょう。

マンションの場合、1981年6月1日以降の日付で「建築確認申請」がされている物件なら、ほぼ問題はありません。

戸建ての場合は、さらに2000年に新たに決められた基準が軸になります。
2000年以前に建設された戸建ての住宅は、耐震工事の費用が発生してしまう可能性があるので、気をつけましょう。

どのような工事が必要なのかリフォーム業者に見極めてもらうことが大事です。
特に、安心して暮らしていくためには基礎構造をしっかり確認してもらうとよいでしょう。

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新築購入とリフォーム・リノベーション、どちらが向く?

ここまでの比較ポイントにしたがって、新築にしたほうが良い場合と、リフォームのほうが良い場合の判断ポイントをまとめてみましょう。

新築購入が向くケース

広い外構の住宅

【しっかりした構造の中古物件を探すのが面倒なとき】

耐震や耐久性の話をふまえた上で、物件は選んでいかなくてはいけません。
ですが、いろいろな細かい基準を満たす中古物件を探すのは面倒、忙しくて時間がない、という方は新築を購入したほうがスムーズに決まります。

【既存住宅の間取りや外観が、理想とギャップがあるとき】

また、思い描いている外見や間取りのイメージと、既存の家の構造・デザインがあまりにも違う場合なども、新築を検討してもいいかもしれません。

【注文住宅で好みを実現できる予算があるとき】

新築か中古リフォームか悩む方は、コスト面を気にされている方も結構多いようです。
理想のプランがあり、注文住宅で好みの設計を依頼・購入しても金額的に問題がない場合は、思い切って新築にしてみてもいいでしょう。

リフォーム・リノベーションが向くケース

完成間際の住宅

【新築取得費用の70%以下の予算で済むとき】

また主に費用に関する話でいえば、中古物件をリフォームするときと、同規模の新築を取得するときの費用を一度比較してみると良いですね。
中古物件を購入+リフォームする場合の総額が、似たタイプの新築・土地を購入する場合の70%以下の予算になるなら、中古リフォームでもメリットが多いと言えます。

【住みたいエリアに新築がない・建てられないとき】

新築を購入したくても、土地を探すことが必要になったり、建売でも住みたい場所にはなかったり、ということは非常に多いです。
エリア重視で物件を探したいときは、中古住宅のほうが希望の地域で見つけやすい傾向があります。
良い立地の中古住宅が見つかったら、リフォームで快適空間に生まれ変わらせてみてはいかがでしょうか。

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【この記事の要点を再チェック!】

「新築」のメリット・デメリットは?
メリットは「建物の構造部分に不安が少ない」「注文住宅の場合は、外観や間取りなどの自由度が高い」ことなどです。

デメリットは「住んでみるまで、環境がわからない」「住み心地や景観がイメージしにくい」といった点です。
「リフォーム・リノベーション」のメリット・デメリットは?
メリットは「周囲の環境や、物件の状況を把握しやすい」「費用が安い場合が多い」ことなどです。

デメリットは「注文住宅と比べると、間取りの自由度が低い」「耐震構造や断熱性能に不安が残る場合がある」ことなどです。
「新築」と「リフォーム・リノベーション」は、それぞれどのような場合に適しているの?
「しっかりした構造の中古物件を探すのが面倒」という場合などには、新築を購入するほうが向いているでしょう。

一方「住みたいエリアに、建売住宅がない/新築を建てられそうにない」といった状況であれば、中古住宅をリフォーム・リノベーションするほうが適していると言えます。
詳しくは、こちら

新築でも中古リフォームでも、どちらにも一長一短がありますね。
ご自分のライフスタイルとご予算に応じて、快適な理想の家が実現できるほうを選びましょう♪

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