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※2021年2月リフォーム産業新聞より

シロアリ駆除は必要ない?7つの予防と対策

シロアリ駆除は必要ない?7つの予防と対策

更新日:

シロアリ被害に悩む方、予防に不安を感じている方は少なくありません。適切な予防と定期点検で、高額な駆除費用は抑えることができます。 本記事では、シロアリの具体的な7つの予防策と、被害を未然に防ぐための効果的な対処法をご紹介します。これらの方法を実践して、建物の資産価値を守りながら、安心して快適な住環境を維持しましょう。

目次

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シロアリ駆除は本当に必要か?賢く判断する方法

シロアリ被害の早期発見と適切な対策は、建物の寿命を左右します。
予防と駆除にかかる費用を比較しながら、建物の状態に応じた最適な対策を見つけ出すポイントをお伝えします。

>> シロアリ駆除を自分で行う方法や注意点

シロアリ被害の見分け方と木材の劣化サイン

建物の木材に特徴的な痕跡を見つけたら、シロアリ被害の可能性があります。

シロアリの痕跡は、特徴的です。
木材表面に土や糞を混ぜた蟻道(ぎどう)が形成され、内部が空洞化した木材からは、叩くと空虚な音が響きます。

>> シロアリ初期症状の見分け方と対策

被害の具体的な形跡

見分けるポイント

特徴的な痕跡

視覚的サイン

蟻道、蜂の巣状の穴、木粉の堆積

触覚的サイン

木材表面の凹凸、強度低下

聴覚的サイン

叩くと空洞音、夜間のカリカリ音

簡単な診断方法として、ドライバーを木材に刺してみましょう。
健全な木材は強い抵抗がありますが、被害を受けた木材には簡単に刺さってしまいます。

床下や柱の定期点検では、木材の変色や膨張にも注意が必要です。
特に雨漏りや結露の影響を受けやすい場所は、腐敗や劣化が進行しやすく、シロアリにとっての餌場となります。

シロアリと間違えやすい虫!正しい判別方法

シロアリに似た虫を見かけると不安になりますよね。

シロアリの羽アリと、普通の羽アリは間違えやすいです。
それぞれの特徴は、次の通りです。

特徴

シロアリの羽アリ

普通の羽アリ

触角

真っ直ぐな数珠状

L字型で折れ曲がる

胴体

くびれがない円筒形

くびれがはっきりある

前後の羽が同じ大きさ

前羽が後羽より大きい

活動期間

4月から7月頃に出現し、特に梅雨時期に多い

春から秋まで幅広い

見つかる場所

建物の床下や木材の近く

庭や地面

>> 梅雨に羽アリが発生する理由
>> シロアリと似た虫の見分け方
>> 羽アリを見つけたら?駆除の必要性・応急処置・対処法

床下や壁の被害を見極めるチェックポイント

シロアリ被害を早期に発見するには、建物全体を定期的に点検することが重要です。
建物の状態を正確に把握するため、次の3つのポイントを チェックしましょう。

チェック箇所

確認項目

被害の兆候

床下

点検口から目視確認

蟻道の形成、木材の変色・軟化

室内

く壁・床材の状態

膨らみ、変形、剥がれ

建物外周

基礎と木材の接合部

隙間の発生、木材の劣化

床下点検では、木材表面に形成される蟻道の有無を重点的に確認します。
蟻道は茶色や灰色の土状の物質で、その分布状況から被害の広がりを推測できます。

室内からは、壁紙のふくらみや床材の変形など、木材が劣化している兆候を探します。
特に水回りの床や壁は念入りなチェックが必要です。

建物の外周部では、基礎と木材が接する部分に着目します。
この部分に隙間や木材の変色が見られる場合、シロアリ被害の可能性が高くなります。

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建物を守る7つの予防対策

シロアリの予防対策7つ 建物周辺の整理 雨漏の早期発見 床下換気 DIYで建物診断 木材を正しく選ぶ 水漏れ・排水整備 床下点検口設置

シロアリ被害から建物を守る7つの予防法をご紹介します。
これらの対策を組み合わせ、シロアリ被害のリスクを減らし、住まいを長持ちさせましょう。

1. 床下換気システムで湿気を徹底カット

シロアリの活動を抑える最も効果的な方法は、床下の湿気を取り除くことです。
床下換気システムを活用し、湿度70%以下という理想的な環境を保てます。

効果を高めるメンテナンス

換気システムの性能を維持するには、メンテナンスが欠かせません。

定期的な換気扇清掃とフィルター交換が推奨されています。
特に梅雨時期は湿度が上がりやすいので、換気扇の動作確認を念入りに行いましょう。

床下点検口から定期的に湿度をチェックし、結露や水たまりがないかも確認しましょう。
これらの対策を継続することで、シロアリの活動を抑制しやすくなります。

2. 雨漏り箇所の早期発見と修理で水分侵入を防止

シロアリの活動を促す建物内部の水分は、雨漏りなどによってもたらされます。
雨漏りを放置すると木材が湿潤状態となり、シロアリにとって格好の住処となってしまいます。

建物の状態を定期的に点検し、次のポイントを確認することで雨漏りを未然に防ぐことができます。

屋根:瓦のズレや割れ、防水シートの劣化(棟や谷部分は要注意)
雨どい:落ち葉や土砂の詰まり、継ぎ目の緩み、破損箇所
外壁:コーキングの劣化、サイディングのひび割れや隙間
基礎:コンクリートのひび割れや、土台との接合部の隙間

異常を発見した場合は、速やかに修理や補修を行うことが重要です。
小さな雨漏りでも放置すると被害が拡大し、結果的に大規模な修繕が必要になる可能性があります。

自分で対処できない場合は、早めに専門業者に相談することをおすすめします。
定期的な点検と適切な補修により、シロアリを引き寄せる水分の侵入を防ぐことができます。

>>シロアリ駆除&予防の費用相場

3. 建物周辺の整理(植木と資材)

シロアリは建物周辺の植物や放置された資材を経路として侵入することがあります。
適切な環境整で、シロアリの侵入リスクを効果的に低減できます。

植木メンテナンス

建物周辺の植木は湿気を溜めやすく、シロアリにとって格好の住処となります。
定期的な剪定を行いましょう。

資材保管と環境整備

特に木材の保管には注意が必要です。
シロアリは木材を餌として好むため、直接地面に置くことは避けましょう。

また、建物周辺の環境を清潔に保ち、シロアリを引き寄せる要因を排除することが重要です。
次の点に注意して、資材の保管や環境整備を行いましょう。

  • 木材や段ボールは地面から離し、パレットや台の上に置く
  • 資材は建物外壁から離して保管
  • 落ち葉や剪定枝は早めに処分し、堆積させない
  • 雨樋の詰まりや排水不良は速やかに取り除く

4. 床下点検口の設置で定期観察を簡単に

床下点検口は、シロアリ被害の早期発見に役立つ設備です。

点検の際は、LEDライトやスマートフォンのカメラ機能を活用すると床下の状態を詳しく確認できます。
特に木材の変色や蟻道の有無、湿気の状態などを重点的にチェックしましょう。

点検口の選択時は、開閉のしやすさと気密性のバランスを考慮できるとよいでしょう。

5. 配管周辺の水漏れ対策と排水環境の整備

シロアリは湿気を好むため、配管まわりの水漏れは深刻な被害を引き起こす原因となります。

水漏れの早期発見と対策

定期的な、配管まわりの点検の実施をおすすめします。
特に外壁や基礎部分の配管接続部には注意が必要です。

目視で確認できる水染みや結露、配管の腐食などを見つけたら、速やかにシーリング材などで補修を行いましょう。

排水環境の整備

排水溝や雨どいの詰まりは、建物周辺の湿気を高める要因となります。
次のポイントに注意して、定期的なメンテナンスを行いましょう。

シロアリ対策になる住まいのメンテナンス

  • 落ち葉やゴミの除去
  • 排水溝の破損・ひび割れの点検
  • 雨どいの接続部のゆるみ確認
  • 排水勾配の確認と調整

水回り設備の配管には、結露防止のため保温材を使用することをおすすめします。
特に寒暖差の大きい季節は、結露による水滴がシロアリを引き寄せる可能性があるため、注意が必要です。

6. 木材の正しい選び方と劣化防止テクニック

シロアリ被害を防ぐ上で、木材の選定とメンテナンスは重要なポイントです。
防腐・防蟻(ぼうぎ)処理されたJAS規格適合品を使用することで、シロアリの食害リスクを低減できます。

耐久性の高い木材選び

木材の選定では、特に水回りや床下の土台・柱材に注目が必要です。
次の基準で木材を選ぶことで、建物の耐久性が向上します。

部位

おすすめ木材

特徴

土台・柱材

ヒノキ

高い防腐性と耐久性

水回り

ケヤキ

優れた耐水性と強度

木材の含水率管理も重要です。
20%以下に抑えるため、施工前に十分な乾燥期間を確保し、施工後も維持できるよう床下換気システムなどで対策しましょう。

保管時は必ずパレットなどを使用し、地面からの湿気を遮断します。

定期的なメンテナンスとして、木材表面への防腐剤・防蟻剤の塗布が効果的です。
特に木口や継ぎ目部分は水分が侵入しやすいため、入念に処理するとよいでしょう。

7. DIYで実践!定期的な建物診断の方法

建物の定期点検は、シロアリ被害の早期発見に欠かせません。
基本的な点検方法をご紹介します。

点検のポイント

建物の劣化状態を効率的に把握するため、次の手順で点検を行いましょう。

  • 壁面・天井の膨らみや変色を探す。特に窓枠周辺は重点的に確認
  • 床を歩いて沈みや異音がないかチェック。床材の継ぎ目も注意深く観察
  • 床下点検口から懐中電灯とデジカメで木材を撮影。画像は日付を記録して保存
  • 雨どいの詰まりや外壁の汚れを確認。特に雨天時は水の流れに注目

点検で気になる箇所を見つけたら、スマートフォンなどで撮影して記録に残します。
半年ごとを目安に同じアングルで撮影し、劣化状況を比較することで変化を見逃すリスクを減らせるでしょう。

雨天時には特に注意が必要です。雨どいからの水漏れや、外壁に現れるシミなどを探します。
気になる箇所は図面にマークを付け、定期的な確認ポイントとして記録しておきましょう。

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床下から屋根裏まで防ぐ!シロアリ対策の重要ポイント

シロアリ被害から建物を守るには、その生態と行動パターンを理解した予防対策が重要です。

定期的な点検と予防措置を組み合わせた総合的な対策で、シロアリの心配のない快適な住環境を実現しましょう。

シロアリの行動パターンと建物の要注意箇所

シロアリは地中から建物へ侵入し、木材の内部を食い進みながら被害を広げていきます。
特に床下や基礎周りが主要な侵入経路となるため、これらの箇所には特に注意が必要です。

湿気の多い環境を好み、日光を避ける習性があるため、換気の悪い床下や通気性の低い壁内部に巣を形成する傾向があります。

>> シロアリの巣の見つけ方

被害の早期発見には、次の要注意箇所を定期的に点検することが重要です。

要注意箇所

チェックポイント

床下空間

木材の腐れ、蟻道の形成、湿気の滞留

基礎周辺

土台と基礎の接地部分、木材の劣化状態

壁内部

通気口周辺の異常、木材の変色や膨れ

シロアリ被害は、外観から確認しづらい特徴があります。
床下点検口や通気口から定期的な目視確認を行い、早期発見・早期対処につなげることが大切です。

季節・地域に合わせた効果的な予防戦略

シロアリの活動は季節や地域の気候条件に左右されるため、効果的な予防には時期に応じた適切な対策が欠かせません。

主要な時期別対策

時期

重点対策

実施内容

春期(3-5月)

羽アリ対策

床下換気強化・防蟻処理

梅雨期(6-7月)

湿度対策

排水・通気性確認

冬期(11-2月)

結露対策

断熱材点検・暖房管理

温暖な地域では年間を通じてシロアリ被害のリスクが高まります。
特に春先は羽アリの活動が活発化するため、床下換気と防蟻処理を重点的に行うことが大切です。

>> 羽アリ大量発生は危険!シロアリ被害を防ぐ対策

梅雨時期は建物周辺の水はけと通気性の確保が最重要課題となります。
排水溝の清掃や基礎周りの点検を定期的に実施しましょう。

寒冷地では冬季の結露対策が重要です。
床下暖房設備の稼働状況確認や断熱材の劣化チェックを行い、湿気を抑制する環境づくりを心がけましょう。

環境に配慮した予防薬剤の選び方と使用方法

シロアリ予防には環境負荷の少ない薬剤を選ぶことが大切です。
近年は天然由来成分を活用した防蟻剤が注目を集めており、人体や環境への影響を最小限に抑えながら効果的な予防が可能になっています。

散布作業時はマスクや手袋などの保護具を着用し、周辺環境への飛散防止に配慮します。
散布量は製品の使用説明書に従い、過剰使用は避けましょう。

定期的な点検と合わせて、適切な時期に予防薬剤を使用することで、より確実なシロアリ予防が実現できます。

長期的な予防計画で実現する快適な住環境

シロアリ対策を効果的に実施するには、計画的で継続的な予防管理が不可欠です。
建物の状態を正確に把握し、適切なタイミングで必要な対策を講じることで、長期的な予防効果が期待できます。

次の年間メンテナンス計画を基本に、建物の特性や使用状況に応じた予防対策を実施していきましょう。

実施時期

主な予防対策

春季(3-5月)

床下換気状態確認、防蟻処理、基礎周り点検

夏季(6-8月)

水回り設備点検、結露対策、植栽剪定

秋季(9-11月)

外周部補修、防水確認、落ち葉清掃

冬季(12-2月)

屋根・雨樋点検、木部保護処理

これらの予防措置と点検結果は記録に残し、建物カルテとして保管します。
経年変化を追跡できる記録は、将来の対策立案や補修計画の重要な判断材料となります。

定期的な点検と予防措置の実施により、シロアリ被害を未然に防ぎ、建物の長寿命化にもつながります。
専門家による定期点検と組み合わせることで、より確実な予防効果が期待できるでしょう。

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適切な予防策と、日常的な対策で住まいをシロアリから守る

シロアリ被害を未然に防ぐには、適切な予防と対策が重要です。
本記事では住宅の点検方法から効果的な予防措置まで、7つの実践的な方法をご紹介しました。

これらの対策を日常的に実施することで、高額な駆除費用を避け、大切な住まいを長期にわたって守ることができます。

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