シロアリ初期症状の見分け方と7つの対策

更新日:2025年03月27日

シロアリ初期症状の見分け方と7つの対策

シロアリ被害は、気づいたときには深刻な状態まで進行していることが少なくありません。住宅の資産価値を守るためには、早期発見と適切な対策が不可欠です。
本記事では、シロアリ被害の見分け方から、床下換気や湿気対策など具体的な7つの予防法まで、分かりやすく解説します。

シロアリ被害の初期症状

シロアリ被害を早期に発見することは、住まいを長持ちさせ、メンテナンス費用を抑えることにつながります。
シロアリ被害の初期症状には特徴的なサインがあります。

特に水回りや床下など湿気の多い場所では、築年数に関係なく定期的な点検が大切です。
日頃から住まいの状態に目を配り、少しでも異変を感じたら専門家に相談することをおすすめします。

>> シロアリ被害の早期発見と予防対策

シロアリの生態と被害発生の基礎知識

シロアリは、体長3.5~6mm程度の社会性昆虫で、日本では主にイエシロアリとヤマトシロアリの2種類が住宅被害の原因です。

シロアリは一年中活動しますが、とりわけ気温が高い春から秋にかけて活発になり、特に梅雨時期に被害が増加します。

シロアリは木材のセルロースを栄養源とし、住宅の土台や柱、床材などを内側から食い進みます。
侵入経路は主に地面から床下で、湿気の多い環境を好んで生息します。

シロアリの種類 生息地域と特徴
イエシロアリ 西日本中心、被害規模が大きい
ヤマトシロアリ 全国に分布(北海道北部を除く)、地下型の巣

シロアリの繁殖は春から初夏にかけて行われ、この時期になると羽アリが新しい巣を作るために飛び立ちます。

シロアリの巣には数千から数万匹が暮らしており、働きアリは、巣とエサとなる木材をつなぐ「蟻道(ぎどう)」という専用の通路を作って移動します。

床鳴りと建具の不具合は危険信号

多くの場合、シロアリによる木材の劣化は、床鳴りや建具の不具合として現れます。
築年数が浅い住宅でも、床を歩くたびにギシギシと音が鳴る場合は、床下の木材がシロアリに侵食されている可能性があります。

ドアや引き戸がスムーズに開閉できない、すき間が変形するといった症状も要注意です。
これらの不具合は、シロアリが木材を食害することで建物に歪みが生じている証拠かもしれません。

初期症状 原因
床鳴り 床下木材の強度低下
建具が開閉しにくい 建物の歪みによる変形
床・壁のたわみ 構造材の劣化進行

床や壁に違和感のあるたわみや、建具の周りのすき間を発見した場合は、建物の構造に深刻な影響が出ているかもしれません。
これらの症状に気付いたら、早急に専門家による調査依頼をおすすめします。

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蟻道を発見!シロアリ被害の証拠とは

シロアリ被害を示す最も確実な証拠が、シロアリが巣と餌場を結ぶために作る「蟻道(土でできたトンネル状の通路)」です。

蟻道の特徴を正しく把握し、シロアリ被害を早期に発見しましょう。
蟻道の主な特徴は、次の通りです。

  • 茶褐色で泥状物質
  • 指で触れると崩れるほど脆い
  • 木材の表面や壁面などに沿って直線・曲線的に伸びる
  • 蟻道を発見した場所には、シロアリが生息していると考えられます。
    蟻道を見つけたら、むやみに破壊せず、そのままの状態で速やかに専門業者に連絡しましょう。

    専門家の調査で被害範囲を特定し、適切に駆除することで、被害の拡大を防げます。定期的な点検と早期発見が、修繕費用の抑制につながります。

    >> シロアリ駆除&予防の費用相場

    被害の進行度を確認する方法

    シロアリ被害の進行度を判断するうえで、木材の変色と空洞音は重要な指標となります。

    変化 健全な木材 シロアリの被害を受けた木材
    木材の色 均一な色合い 表面に黒ずみや茶色の染み
    凹凸が目立つ
    ノックしたときの音 適度に重みのある音 空洞のような反響音
    ペンで軽く突く 表面が硬い 簡単に穴が開く
    表面に柔らかい箇所がある

    木材の変化は、シロアリが食害する過程で生じます。
    上記のような箇所が見つかった場合は、すでに被害が進行している可能性が高いため、早急な対応が必要です。

    水回りと床下の重点チェックポイント

    シロアリは水回りや床下など、湿気の多い場所を好んで生息します。
    住宅の中でも特に浴室やキッチン周りは、重点的な点検が必要です。

    水回り点検のポイント

    浴室やキッチンでは、床の継ぎ目や配管の貫通部分に注目しましょう。
    これらの箇所は湿気が溜まりやすく、シロアリの侵入経路となる可能性が高いためです。

    床下点検のポイント

    床下を点検する際のポイントをまとめました。

    チェック項目 確認ポイント
    換気状態 床下換気口の目詰まりや、通気が滞っていないか
    結露の有無 土台や床下木材に、水滴や湿りがないか
    配管周り 水漏れの跡や、防水処理の劣化がないか

    床下点検口からは、木材の湿潤状態や結露の有無を確認します。
    特に配管周りは水漏れによる高湿度環境が形成されやすく、シロアリの好適な生息環境となるため、入念な調査が重要です。

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    シロアリ予防の7つの対策

    シロアリ予防に有効な7つの対策 庭木の管理 梅雨の湿気対策 床下換気 DIYでの予防 定期点検 適した予防 水はけ改善

    シロアリから家を守るには、床下換気から湿気対策まで、適切な予防措置が不可欠です。
    本章では、効果的な7つの対策をご紹介します。

    1. 床下換気で住み着きを防ぐ

    シロアリの住み着きを防ぐ最も効果的な方法が、床下換気です。
    シロアリは湿度70%以上の環境を好むため、床下の湿度管理が予防の鍵となります。

    床下換気扇の設置により、空気が循環し、結露や湿気がこもりにくい環境を作ることができます。

    基礎パッキンや防湿シートの設置も地面からの湿気上昇を防ぐのに効果的です。
    24時間換気システムと連動させることで、常に安定した環境を維持できます。

    2. 梅雨時の湿気対策

    梅雨は、シロアリが活発になるため、床下環境の適切な管理と、建物全体の湿気対策が重要です。
    3つの対策をまとめました。

    対策 ポイント
    床下に湿度計を設置・定期的な計測 湿度70%以上は、除湿器や換気扇を使用
    雨漏り・水回りからの漏水を定期的に点検 配管周りや壁・天井のシミ、床材の膨らみを発見したら修繕
    排水溝・雨樋(あまどい)は月1回程度の清掃 落ち葉や土砂の堆積を防ぎ、雨水の排水を促す

    これらの対策は、建物の状態や立地により優先順位を付けることをおすすめします。
    特に築年数が古い木造住宅では、梅雨入り前の点検と対策が効果的です。

    定期点検と予防措置を組み合わせて、被害を未然に防ぎましょう。

    3. 庭木の管理

    庭木は、シロアリの侵入経路となるリスクがあります。
    建物を守るためには、適切な管理が重要です。

    定期的な剪定や、落ち葉や枯れ枝をこまめに清掃することで湿気がこもりにくい環境を維持できます。
    庭木の配置は日当たりと風通しを考慮し、建物周辺に湿気がこもらないように工夫することが大切です。

    4. 土地の水はけ改善

    シロアリ対策において、建物周辺の水はけ改善は極めて重要です。
    排水環境を整えることで、シロアリの活動を抑制できます。

    建物の基礎周りに勾配をつけて雨水を逆方向に流し、基礎部分へ水分が溜まることを防ぎます。

    5. 住まいに応じた効果的な予防施工

    建物の構造によって効果的なシロアリ予防の方法は異なります。
    それぞれの構造に適した方法を選び、確実なシロアリ対策につなげましょう。

    予防は5年程度を目安に、定期的に再施工を検討する必要があります。

    また、施工後も床下の換気状態や水漏れの有無を定期的にチェックし、予防効果を最大限に維持することが重要です。

    6. 専門家による定期的な床下点検と診断

    シロアリ被害の早期発見には、専門家による定期的な床下点検が効果的です。
    専門家は、目視では確認が難しい木材内部の劣化状態を、専用機器を使って診断できます。

    次の重要なポイントを専門的な視点から確認します。

  • 木材の含水率や劣化状態を数値化
  • 床下の温湿度環境と換気状態の測定・評価
  • 防蟻処理剤の残存効果の確認
  • 新たな侵入経路や水漏れのチェック
  • 専門家による点検は、1〜5年に1回程度の実施が推奨されています。
    定期的で継続的な点検により、適切なタイミングで必要な改善策を実施できます。

    また、点検結果に基づいて具体的な対策を提案してもらえるため、効果的な予防管理が可能です。

    7. DIYで日常的に予防

    シロアリ対策の基本は、日常的なメンテナンスにあります。
    専門業者に頼らず、一般の方でも取り組める効果的な予防法をご紹介します。

    管理項目 重要ポイント
    防蟻薬剤の塗布 基礎周りを重点的に
    床下点検 蟻道の有無を確認

    市販の防蟻薬剤は、ホームセンターで手に入れやすく、基礎周りには念入りに塗布することがポイントです。
    床下点検は、懐中電灯を使って木材の状態や蟻道の有無を確認します。

    点検口から手の届く範囲を重点的にチェックし、異常を見つけたら写真に記録しておくと経過観察に役立ちます。

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    春から夏にかけて要注意!羽アリの発生時期と効果的な対処

    シロアリ被害を早期に発見するために、羽アリの特徴と発生時期を知っておきましょう。

    シロアリと間違えやすい羽アリの見分け方

    シロアリの羽アリは、一般的な羽アリと混同されやすいですが、体の特徴と行動習性による違いがあります。

    特徴 シロアリの羽アリ 一般的な羽アリ
    羽の形状 前後の羽が同じ大きさ 前羽が後羽より大きい
    胴体の形 くびれがない くびれがはっきりしている

    羽アリの発生時期

    シロアリの羽アリは、気温15度以上、湿度70%以上の環境条件が整う4〜7月にかけて最も活動します。
    特に雨上がりの夕方に飛び出すことが多いです。

    梅雨時期の高温多湿な環境がシロアリの活動を促進し、住宅周辺での羽アリの群飛が頻繁に観察されます。
    この時期に羽アリを見かけた場合は、建物への侵入や巣を作っている可能性が高いと考えられます。

    羽アリ発見時の手順

    羽アリを発見した際は、迅速な対応が被害の拡大を防ぎます。
    まずは発生場所の特定と状況把握を行い、専門家への相談に備えましょう。

    羽アリへの初期対応として、次の方法を実施してください。

  • 発生場所の記録:場所を特定し、発生数と共にスマートフォンなどで写真撮影
  • 侵入経路の特定:窓枠や換気口、配管周りなどの隙間をチェック
  • 応急処置:コーキング材や防虫網で侵入経路を速やかに封鎖
  • 羽アリの駆除:掃除機で捕獲し、熱湯処理か密閉して完全に処分
  • 必ず専門業者への連絡を行い、詳しい調査と本格的な対策を相談しましょう。
    記録した写真や発生状況のメモは、業者との打ち合わせ時に役立ちます。

    また、羽アリの発生を確認した場合、建物のほかの場所にも注意を払い、定期的な点検を心がけることが重要です。

    効果的な駆除と予防方法

    シロアリの効果的な駆除には、専門業者による総合的な防除施工が不可欠です。

    駆除施工の基本的な流れ

    施工工程 作業内容
    事前調査 被害箇所の特定と侵入経路の確認
    薬剤処理 床下や壁面への薬剤注入と防蟻剤の散布
    モニタリング 施工後3か月に1度程度の効果確認

    薬剤処理後は、5年程度の効果が期待できます。
    ただし、建物の状態や環境によって持続期間は変動するため、不安な場合は業者と相談しながら、年1回程度の定期点検をするとよいでしょう。

    再発防止には、床下や基礎周りの湿気対策が重要です。
    換気口の清掃や排水溝の整備、木材の腐朽防止など、住宅全体の予防的なメンテナンスを計画的に実施しましょう。

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    早期発見と対策でシロアリ被害を防ぐ

    シロアリの被害を早期発見するためには、初期症状をしっかりと把握することが大切です。
    床の穴や羽アリが見つかるなど、気になる症状を見逃さないようにしましょう。

    適切な予防対策と早期発見、迅速な対応により、深刻な被害を防ぐことができます。
    定期的な点検と専門家への相談を心がけ、大切な住まいを守りましょう。

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