飲食店の厨房の種類と特徴
飲食店の厨房は、多くの場合ドライキッチンとウェットキッチンの2種類に大きく分けられます。
それぞれ水の使用方法や量が違うため、防水工事で重視すべきポイントも変わってきます。
どちらのタイプでも、排水設備周りや壁との接合部分は特に水が入り込みやすい箇所です。
そのため、適切な防水処理と定期的なメンテナンスが欠かせません。
ドライキッチン
床面を常に乾いた状態に保つ厨房のことで、基本的に水を床へ流すことは想定していない
そのため、防水工事を行わないか、安価な工法で簡単に済ませるケースもある
水を床に流さないからといって、防水工事が不要なわけではありません。
清掃時の水はねや配管からの水漏れなど、想定外のトラブルは起こり得ます。厨房のつくりや設備に合わせて、適切な防水対策を判断することが大切です。
特に注意したいのが、排水設備周りや壁との接合部分です。
これらの箇所から水が浸入しやすく、対処が遅れると漏水といった深刻な問題につながる可能性があります。
床の劣化を防ぐためにも、最低限の防水層の設置と定期的な点検が重要になります。
ウェットキッチン
床に直接水を流して掃除できる厨房
中華料理店や居酒屋など、油や火を多く使う業態で主流で、床材には耐久性の高いコンクリートなどを用い、排水しやすいよう傾斜をつけているのが特徴
大量の水を流すウェットキッチンでは、床全体の完全な防水処理が推奨されます。
もし防水工事が不十分だと、設備の腐食やカビの発生、水漏れといったトラブルを引き起こす可能性があります。
常に水が流れる環境では、次の点に特に注意が必要です。
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適切な防水対策を施すことで、ウェットキッチンの利便性を最大限に活かせるでしょう。
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飲食店の防水工事の主な種類
ここでは、主要な防水工法の特徴をご紹介します。
ご自身の店舗に最も合う選択ができるよう、ぜひ参考にしてください。
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FRP防水
FRP防水は、ガラス繊維で強化したプラスチック(Fiberglass Reinforced Plastics)を用いる防水工法です。
液状の樹脂とガラスマットを重ねて防水層をつくることで、従来の防水材にはない高い強度と耐水性を実現します。
飲食店の厨房では、特に耐薬品性の高さが大きなメリットです。
洗剤や油汚れにも強いため、長期間にわたって防水性能を維持できます。
また、液体状の樹脂を使うため、複雑な形状の場所でも継ぎ目なくきれいに施工できるのが特徴です。
排水溝周りや壁際の立ち上がり部分など、細かい箇所でも高い防水性を確保できます。
初期費用はウレタン防水より高めですが、15〜20年と長寿命なため、長期的なコストパフォーマンスに優れています。
ウレタン防水
ウレタン防水は、液状のウレタン樹脂を塗って乾かし、防水層を形成する工法です。
比較的安価で、複雑な厨房の形にも継ぎ目なく対応できるため、日本では最も多く採用されています。
既存の防水層の上から塗り重ねることも可能で、短期間で施工が終わる点も魅力です。
そのため、お店の営業への影響を最小限に抑えられます。
耐用年数は10〜15年ですが、約2〜5年を目安として定期的なメンテナンスが必要です。
油や洗剤による劣化も早いため、長期的に見るとメンテナンス費用がかさむ可能性もあります。
塩ビシート防水
塩ビシート防水は、飲食店の防水工事で最も耐久性が高い工法です。
15〜20年という長期間にわたって建物を水から守ります。
厚手の塩化ビニル製シートを熱で溶かしてつなぎ合わせるため、継ぎ目からの水の侵入リスクを大幅に減らせます。
初期費用はウレタン防水より高くなりますが、ほかの工法と比べるとメンテナンス頻度が低めです。
長期的なコストパフォーマンスは比較的優れているといえるでしょう。
この工法は、平坦で広い厨房に適しています。
一方で、複雑な形状の場所への施工は難しい場合があります。
専門的な技術と道具が必要になるため、実績が豊富な専門業者を選ぶことが大切です。
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飲食店で防水工事を行う際の注意点
飲食店の防水工事を成功させるには、いくつか押さえておきたい大切なポイントがあります。
開業スケジュールに合わせたタイミングでの施工や、居抜き物件での既存防水層のチェックなど、事前の準備が工事の質を左右します。
開業前に防水工事を実施
飲食店の防水工事は、開業前に済ませておくことが望ましいです。
営業が始まってからでは厨房が使えず、店舗運営に大きな支障が出てしまいます。
万が一、漏水トラブルが起これば、衛生面の問題や賠償リスクを抱えることにもなりかねません。
適切な工事タイミングの確保
開業スケジュールの2〜3週間前には防水工事を完了させておくと安心です。
内装工事や設備を設置する前に施工することで、工期の短縮と品質確保の両方につながります。
事前診断と計画の重要性
物件の契約時には、既存の防水層の状態を専門業者に診断してもらいましょう。
補修範囲と工期を事前に決めておけば、開業が遅れるリスクを減らせます。
レイアウト確定後に排水の勾配や防水範囲を決め、内装業者と工程を調整することも大切です。
居抜き物件は防水工事の経過年数をチェック
居抜き物件を検討する際は、前のテナントが行った防水工事から何年経っているかを必ず確認してください。
防水材の耐用年数は工法により異なりますが、一般的には10年前後です。
そのため、防水性能が低下している可能性があります。
防水工法別の耐用年数
防水工法によって耐用年数は大きく変わるため、前のテナントがどの工法を採用したかも重要な確認ポイントです。
ウレタン防水は8〜12年、FRP防水とシート防水は10〜15年程度が一般的な目安とされます。
ただし、厨房のような過酷な環境では、ウレタン防水は2〜5年ほどで補修が必要になることもあるため注意が必要です。
もし防水層の寿命が近い場合、契約前の段階で再施工を検討することが大切です。
開業後の工事は、営業を一時中断する必要が出てしまいます。
防水工事の経験がある業者に依頼
飲食店の防水工事は、一般的な住宅工事とは違う専門技術が求められます。
そのため、飲食店での経験が豊富な業者を選ぶことが重要です。
厨房工事の専門性
厨房は油汚れや洗剤、高温多湿といった特殊な環境です。
業種によって水の使用量も変わるため、適切な排水勾配の設計や立ち上がり部分の処理が大事といえるでしょう。
こうした専門技術がないと、水たまりや漏水といった深刻なトラブルにつながるおそれがあります。
業者選定のポイント
業者を選ぶ際は、公式サイトで飲食店の施工実績が豊富かを確認しましょう。
もし実績がわからなければ、直接問い合わせることをおすすめします。
価格だけでなく、アフターサポートや保証期間も比較して総合的に判断することが、長期的な安心につながります。
防水保証書を発行してもらう
防水工事が終わったら、施工業者から必ず「防水保証書」を発行してもらいましょう。
これは施工会社と材料メーカーが連名で出す重要な書類です。
万が一、保証書がないと不具合が起きても無償で対応してもらえない可能性があるため注意が必要です。
保証書には、次の内容を明記してもらうようにしましょう。
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防水保証書は、お店を運営していくうえで大切な書類です。
不具合によって設備やお客様に被害が出た場合、補修費用などの保証を受けられることがあります。
契約前に保証の有無や年数を確認し、発行された保証書は大切に保管しておきましょう。
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飲食店の防水工事は信頼できる業者へ
飲食店の防水工事は、お客様に安心して食事を楽しんでもらうための重要な投資です。
適切な防水対策は、漏水や湿気による食材の品質低下、設備の故障、営業停止といった深刻なリスクを防ぐことにつながります。
信頼できる業者選びから工事のタイミング、メンテナンスまで、この記事でご紹介したポイントが、長期的な視点で防水対策を考えるきっかけになれば幸いです。
定期的な点検と適切な対応が、お店の安定した経営を支えてくれるでしょう。
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