「アルミサッシ」とは
アルミサッシとは、アルミニウムを主成分とする合金で製造された枠を使用した、建具のことを指します。
主にガラス付きの窓や、網戸で採用されています。
加工がしやすく耐久性に優れていることから、高度経済成長期以降に一気に一般住宅に普及し、現在も日本の多くの住宅で利用されています。
アルミサッシのメリット・デメリット
アルミサッシは軽量であるため、開閉がしやすいことから住宅の窓に合う素材として、愛用され続けてきました。
またアルミニウムの最大のメリットは、サッシに利用される他の素材に比べて、非常に耐久性が高いという点です。
元々風雨に強く錆びにくい性質がありますが、さらにサッシメーカーが表面に「アルマイト加工処理(陽極酸化処理)」を施すことが一般的です。
この加工処理によって腐食しにくく傷や摩耗にも強くなり、厳しい気候に耐える丈夫さを持つことができます。
一方で、一番のデメリットとされているのが、金属ならではの熱伝導率の高さです。
外気の温度がダイレクトに伝わってしまうため、夏場は熱く、冬場は冷えてしまうため、室温にも大きく影響し、結露が発生しやすいという欠点があります。
現在は「アルミ樹脂複合サッシ」が主流
ところで、人気のあるサッシの一つに、樹脂(塩化ビニール樹脂)で作られた「樹脂サッシ」という種類があります。
樹脂サッシには、熱や音が伝わりにくいという魅力があります。
画像引用:YKK APホームページより
URL : http://www.ykkap.co.jp/products/window/apsword_neo/merit/
実は、この樹脂サッシおよびアルミサッシの長所を活かした「アルミ樹脂複合サッシ」が、近年主流になってきています。
アルミ樹脂複合サッシは、外側が“アルミニウム”、内側が“樹脂”でできているのが特徴です。
アルミ樹脂複合サッシのメリット・デメリット
室外側は耐候性の高いアルミ、室内側は断熱・遮音効果の高い樹脂、という構造にすることで、風雨にさらされる外側の劣化を防ぎつつ、部屋の断熱性や防音性を高めることができます。
現在はアルミサッシに代わって、新築やリフォームで採用されるケースが増えつつありますが、樹脂の面の経年劣化がやや早いことや、樹脂単体のサッシと比べてしまうと断熱効果がないといったデメリットもあるため、サッシを新しくする際にはよく検討する必要があると言えるでしょう。
なお、「アルミサッシから複合サッシに変更したのに、結露がひどい」という口コミを聞いたことがある方もいらっしゃると思いますが、このような場合はサッシの素材が原因ではなく、「窓のまわりに換気するためのスキマがない」などの理由で、窓の周辺の壁・天井に湿気がこもっている可能性が高いです。
結露やカビの発生で悩んでいる方は、漠然とサッシを交換するのではなく、結露・湿気対策のリフォーム経験が豊富な業者に現地調査してもらうことをおすすめします。
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マンションでも、サッシ交換のリフォームは可能?
マンションの居住者がリフォームを行う際には、基本的に管理組合への届け出が必要です。
また窓・サッシは、“専有部分”ではなく、“共有部分”と定められているケースがほとんどであるため、簡単には交換できない場合があります。
ただし、サッシの“室内側”については内装扱いで専有部分と見なされ、「内窓(インナーサッシ)」の設置、もしくは「カバー工法」であれば許可が下りるパターンが多いです。
「内窓(インナーサッシ)」のリフォームとは、既存の窓の内側に新しい窓を付けることにより、二重窓(二重サッシ)にする方法です。
断熱や防音にも高い効果を発揮し、結露対策として実施される例も多く見られます。
内窓用の主力商品は、「樹脂サッシ」もしくは「アルミ樹脂複合サッシ」です。
もう一方の「カバー工法」とは、既存のサッシ枠のみを残し、上からガラス付きの新しい窓をはめ込む方法です。
サッシが新品同様に生まれ変わり、スキマやガタつきなども解消できます。
マンションによってリフォームできる範囲は異なる |
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国土交通省が発行しているガイドラインの『マンション標準管理規約(単棟型)』には、個別に窓・サッシを交換できるケースについて記載されています。(※「第22条関係」の項目参照) つまり管理規約や細則で「個人で窓・サッシの交換を行っても良い」と認めているマンションもあります。 ただし規約上で窓の交換が許可されていない場合/記載自体がない場合には、管理組合で協議する必要があります。 さらにはルールが新しくなると、一戸の部屋だけではなく、マンション全体の窓を一斉に交換するのが原則なので、手間も時間もかかります。 (しかしこの辺りはケースバイケースで、速やかに一斉交換の対応ができない場合などには、特定の部屋のみの窓をリフォームしてもOKとされることも多いようです。) |
いずれにしても許可なく交換・リフォームはできない可能性が高いので、必ず管理組合に確認しましょう。
また、マンションの窓・サッシリフォーム経験が豊富な業者であれば、現状の管理規約に沿って、最適な工法や商品を提案してくれるでしょう。
まずはプロのリフォーム業者に相談してみるのが、最も確実です。
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アルミサッシ/複合サッシの設置・交換リフォーム費用
既存の窓・サッシを、アルミサッシや複合サッシにリフォームする際の費用は、約5~35万円です。
内窓の設置や、カバー工法、ガラス付きの新しい窓・サッシへ交換する場合は、上記の価格が相場です。
ベランダ・バルコニーへ続く掃き出し窓のリフォームであれば、予算は10~25万円前後です。
サッシ枠のみを交換する場合や、キッチンにあるような小さい窓に内窓を付ける場合であれば、3~5万円前後で済むこともあります。
なお、断熱性の高い窓ガラスを採用する場合や、シャッター付きの窓、サイズが大きい窓などの場合は、価格が高くなります。
またサイズ変更や老朽化といった理由から、サッシ周りの補修や、外壁を一度壊す必要がある場合には、+10万円前後かかります。
新しく採用するサッシや窓ガラス、最終的にかかる金額について、リフォーム会社としっかり打ち合わせしておくと良いでしょう。
主なアルミサッシメーカー商品3選
少しずつ流通している商品が減りつつありますが、まだまだ販売されているアルミサッシはあります。
ここでは大手メーカーの3商品をご紹介しましょう。
LIXIL(リクシル)『デュオPG』
画像引用:LIXILホームページより
URL : http://www.lixil.co.jp/lineup/window/duopg/feature/default.htm
LIXIL(リクシル)社のスタンダードなアルミサッシ『デュオPG』は、オプションの併用で計3箇所を施錠できる、防犯性の高さが魅力です。
断熱性が高い複層ガラスを使用しており、希望すれば日よけ用のシェードも付けられるので、冷暖房使用の軽減による省エネ効果も見込めます。
画像引用:LIXILホームページより
URL : http://www.lixil.co.jp/lineup/window/duopg/feature/ud/default.htm
さらにオプションとして、握りやすさを重視した「大型把手」や、簡単なハンドル操作で開ける際の負担を軽くする「アシスト把手」に変更が可能。
幅広い世代に使いやすいよう設計されています。
LIXIL(リクシル)『内付RSⅡ』
画像引用:LIXILホームページより
URL : http://www.lixil.co.jp/lineup/window/reform/
昔ながらの日本家屋などで、縁側や和室にある木製枠の窓を、アルミサッシに交換したい場合に最適な製品です。
鴨居や敷居の形をそのまま残した状態で設置できるため、大掛かりな工事は必要ありません。
カラーは周囲の木材にも馴染むマットなブロンズ。
複層ガラスを用いたタイプも選択可能で、断熱性の向上や結露防止効果も期待できます。
三協アルミ『マディオP』
画像引用:三協アルミホームページより
URL : http://alumi.st-grp.co.jp/products/window/madio/plan.html
複層ガラスを標準装備したアルミサッシです。
室内側の窓枠に固定するために使用する「アングル」と呼ばれる部材が樹脂製となっており、結露を抑制する効果を持っています。
一般的なベランダ・バルコニーにあるような引き違い窓はもちろん、FIX窓、ルーバー窓、出窓など、幅広いデザインの窓に対応できます。
人気のアルミ樹脂複合サッシメーカー商品3選
アルミ樹脂複合サッシはデザイン性の高さも魅力の一つです。
大手メーカーで人気の製品を見てみましょう。
LIXIL(リクシル) 『サーモスⅡ-H』
2013年度に「省エネ大賞」を受賞した、最高水準の断熱性能を持つサッシです。
従来のアルミサッシに比べて、冷暖房費が約2割削減できることが証明されています。
画像引用:LIXILホームページより
URL : http://www.lixil.co.jp/lineup/window/samos_x/feature/design/
フレームの幅は従来品の約半分というかなりのスリムデザイン。
上下の框(かまち)を隠したフレームインタイプもあり、ガラスの面積がより大きくなることで開放感が増します。
三協アルミ『ハイスペックサッシ アルジオ』
画像引用:三協アルミホームページより
URL : http://alumi.st-grp.co.jp/products/window/algeo/lineup_kyotsu06.html
2015年度に「グッドデザイン賞」、2016年度に「キッズデザイン賞」を受賞している、高性能サッシです。
部材をできるだけ枠内に収納するデザインを採用し、すっきりしたフラットな作りに仕上がっています。
暴風雨にも耐える高水準な耐久性や、省エネに貢献する高断熱も実現。
画像引用:三協アルミホームページより
URL : http://alumi.st-grp.co.jp/products/window/algeo/kindness03.html
さらに引き違い窓にはオプションで、小さなお子さんが指をはさんでしまうのを防止する部品や、開口幅を75mmに制限・ロックするストッパーを付けられるので、ハイハイしている赤ちゃんが窓から転落してしまう事故も防げます。
YKK AP『エピソードNEO』
画像引用:YKK APホームページより
URL : http://www.ykkap.co.jp/products/window/apsword_neo/example/
『エピソードNEO』は、断熱性の確保と、結露の抑制に配慮してデザインされたサッシです。
窓の形状に合わせて、メインのクレセント錠の他、補助錠やストッパー、サブロックなどが装備されているため防犯面でも安心です。
小さなお子さんでも使いやすいよう安全性にも優れており、2017年度に「キッズデザイン賞」を受賞しています。
画像引用:YKK APホームページより
URL : http://www.ykkap.co.jp/products/window/apsword_neo/example/
ラインナップは一般的な引き違い窓から、上げ下げ窓、FIX窓、すべり出し窓など多彩な品揃え。
シャッター付きや面格子付きのタイプもあるので、様々な場所に設置できます。
カラーは、外観は5色、内観は4色から選べるので、外壁や室内の壁に合わせたカラーコーディネートが可能です。
アルミサッシとアルミ樹脂複合サッシには、それぞれにメリットとデメリットの両面があります。
耐久性・断熱性・デザイン性など、どの点を優先したいのかしっかり考慮して、最適な物を選びましょう。
できれば複数のリフォーム会社に見積もりを依頼し、内容を比較してみると良いでしょう。
窓・サッシのリフォームが得意な業者であれば、予算や好みに合った商品について、プロの視点からアドバイスしてくれるはずですよ。
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【この記事のまとめ&ポイント!】
「アルミサッシ」のメリットやデメリットは? |
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メリットは「非常に耐久性が高いこと」です。 一方で、 夏場は熱くなり、冬場は冷えてしまう特性があることから「室温に大きく影響する」「結露が発生しやすい」といったデメリットがあります(詳しくは、こちら)。 |
現在、主流となっている「アルミ樹脂複合サッシ」のメリットやデメリットは? |
アルミと樹脂を採用することにより「サッシの外側の劣化を防ぐ」「室内の断熱性・防音性を高める」というメリットがあります。 ただし「樹脂面はやや経年劣化が早い」「樹脂サッシと比べると断熱効果が低い」といった点はデメリットと言えるでしょう(詳細は、こちら)。 |
「アルミサッシ」や「複合サッシ」を設置もしくは交換する際、リフォーム費用はいくらかかる? |
既存の窓・サッシをリフォームする際の価格帯の目安は、約5〜35万円ですが、サイズ・製品のグレード・既存サッシの老朽具合などにより、価格が変動します。 |
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